うまくいく人の仕事後の過ごし方

成功にモチベーションなんか必要ない

#連載エッセイ
#うまくいく人の仕事後の過ごし方

モチベーションに頼るな、自己管理で全てはうまくいく

私は自分の意志が弱いことを十分に知っています。
私が住んでいるマンションの1階には、24時間のフィットネスジムがあります。
当初、「24時間やっているなら、自分のタイミングで通えていいな。しかも、家の下にあるなんて好都合」と思って入会しましたが、なんと1回も通わずに辞めてしまいました。
毎日、帰宅時に家の下を通るたびに、
「今日は疲れてるからな」
「またいつでも行けるし」
「一度トレーニングウェアを取りに帰ろう」
と言って、自分に負けてしまっていたのです。
そんな私も、数年前に腹筋が割れたのですが、その時どうしたのかというと、パーソナルトレーナーをつけて、自宅に来てもらうようにしました。
そうすると、「ピンポーン」とチャイムが鳴るので、どんな気分や体調であろうが、やらざるを得なくなる。仕組みの力により成果をつくることができたのです。
意志は弱いが、仕組みは強いといわれます。
それ以来、私は自分の意志やモチベーションに頼らず、仕組みによって全てを管理するようになりました。
強制力とも言えましょうか。強制力を働かせてでもやった方が、自分のためなのです。
先ほどの筋トレもまた然り、やる前はとても憂鬱です。
しかし、やったあとは気分爽快になり、心から「やってよかったな」といつも思えます。
感情やモチベーションによって、日々のやることを決めることほど、もったいないことはありません。
感情は副産物といわれます。
「朝起きて、気分がよかったら、朝活しよう」ではなくて、
「朝起きて、朝活したから、気分がよくなった」が正解です。
気分が良い日にしか自己研鑽しない人と、気分によらずいつも自己研鑽している人がいたとして、どちらが成果をつくりやすいでしょうか。
成功する人は、自己管理が仕組み化され、徹底されているのです。
そんな意志の弱い私が仕組みの力を生かして実践している、1日の自己管理を少し紹介しておきます。

①スーパーを冷蔵庫だと思う

筋トレに続いて、私が行っている体型維持について、仕組み化していることが、冷蔵庫をスーパーの代わりにすることです。
冷蔵庫に食べ物がたくさん保管されてあるから、つい食べてしまうのです。
幸い、私はマンションの1階に24時間のスーパーがあるため、何か必要になったらスーパーに行くというのを習慣にしています。
スーパーが自分の家の冷蔵庫だと思うと、とてもワクワクしませんか。
スーパーがなくても、必ず家の近くにコンビニはあるはずなので、コンビニを冷蔵庫だと思うようにしましょう。
コーヒーも自分で入れるより、セブンカフェの方が時短で美味しいです。
セブンイレブンだと、コーヒーを挽いて蒸らしから抽出までたったの45秒です。
他にも、家に遊びにくる友人には、「絶対にお菓子は買ってこないで」「コーヒーはなんぼあっても嬉しい」と伝えてあります。
たとえ夜中に多少の口寂しさで自宅の冷蔵庫を開けたとしても、
「あ、何も入っていない。わざわざ買いに行くのもなあ」と諦めがつく。仕組み化することで、つまみ食いがなくなりました。

②デートの時は、携帯はロッカーにしまう

ローランドさんは、デートの時に、二人きりの時間を大切にするために、お互い携帯をロッカーに締まってからデートを開始するそうです。
一定期間、スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスとの距離を置くことで、ストレスを軽減し、現実世界でのコミュニケーションや、自然との繋がりにフォーカスする取り組みをデジタルデトックスといいます。
恋愛や人間関係を深める際は、時短や効率化を図るより、非効率である方が効果的です。
時短や効率化が求められる時代ですが、デートの際は、あえて携帯は締まって、アナログな空間を作り出す方が効果的かもしれません。
そうはいっても、私もついつい携帯を扱ってしまうので、妻と話す時は、よくドライブをしながら話すようにしています。
運転をしているときは携帯を見ないですし、車が前進しながら会話も進むので、前向きな時間を過ごすことができます。
大切な人との時間は、あえて携帯は締まって、デジタルデトックスで繋がることに集中しましょう。

③集中する仕事はシングルタスク、癒しの時間はマルチタスク

1日24時間という限られた時間を有効活用するために、私が自分に課してるマイルールは、集中する仕事はシングルタスクで行い、癒しの時間はマルチタスクで行うということです。
やはり、集中してやる仕事は頭を使うので、一つのことに集中して行うと効率が上がります。
携帯も見ず、机の上に何も置かず、気を取られるものは全て排除し、集中します。
私は携帯の受信音や時計のピピッという音でさえ、一度そちらに気が取られてしまうと、元の深く集中していた状態まで戻るのに結構な時間がかかります。
逆に、頭を使わない癒しの時間はマルチタスクで行うことで、一気に時短を測ります。
✅ちびっこを見ながらYouTubeを見る
✅ヘッドスパしながら仮眠をとる
✅ランチや移動をしながら効果的な人とコミュニケーションをとる
などです。
1日の中で、ぐっと集中して仕事する時間と、家族や大切な人との癒しの時間、どちらも大事だからこそ、自分の中でルール化して、メリハリのある毎日を過ごしましょう。

④予定と予定の間は、15分間、バッファを持たせる

理想の1日を過ごすためには、心の状態を常に整えておく必要があります。
日常には想定外の出来事が多く控えていて、この想定外に出くわした際にメンタルが乱れ、その後の予定に支障をきたす。といった経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
このメンタルコンディションを保つために大切なことが、予定と予定の間に、15分間のバッファ(ゆとり)を設けることです。
常に想定外に備えて、少しの余裕を持たせておくということです。
たった15分かもしれませんが、バッファを使って、
✅目をつぶる(仮眠をとる)
✅外の空気を吸う
✅化粧室で身なりを整える
✅一服して気持ちを落ち着かせる
✅返すべきメールに返信する
✅気になっていた相手に一本電話する
✅次の予定の確認とシュミレーションをする
などを行うことで、心が整い、気持ちを切り替えることができるのです。
たった15分の微差ですが、この仕組みを作っておくだけで、1日のメンタルの疲労はだいぶ軽減されることでしょう。

⑤20秒以内にできないことはタスク化する

人は、20秒以上違うことに取り組んでいると、その前にやろうとしたことを忘れてしまう生き物のようです。(諸説あります)
つまり、20秒以上の時間を要する仕事は全てタスク化してメモに残しておいた方が良いということです。
20秒となると、「了解しました」「ありがとうございました」「それでお願いします」という受け答え程度の返信しかできません。
それ以外の仕事は全てタスク化しましょう。
このタスク化してメモに残す作業ですら、20秒くらいかかるので、あとでやろうと思うと忘れてしまいます。
人が同時に見たり聞いたりして記憶できることは5〜9個(平均7個)といわれています。
ただし、繰り返し復唱していることが条件です。
つまり、復唱せずに、次の仕事に20秒以上取り掛かると、「あれ?いま何やろうとしてたっけ?」状態に陥るのです。
全てをタスク化して、仕組みを使って、精度の高い仕事をしましょう。

(画像提供:iStock.com/primeimages/AndreyPopov/Arsenii Palivoda/StefaNikolic)


権藤優希

株式会社シーマネジメント代表取締役。
東京都内で飲食店、オーガニックショップ、講演会・ビジネストレーニング事業などを多岐にわたって展開する。
福岡県久留米市生まれ。大学卒業後、日本電気株式会社(NEC)に入社。
新人最速で大型案件を受注し、注目を集める。NECにおいてさまざまな賞を獲得した後、4年目に独立。
起業後はNEC時代のノウハウを活かし、営業の事業において、半年間で業界内世界第2位の記録をつくる。自身の経験をもとに行われている講演会は大人気で、20〜30代の若者を中心に、大きな注目を浴びている起業家。
また、オンラインサロン「ごん×櫻井のモテモテ塾」は、多くのメディアに取り上げられ、話題を集めている。
著書に『自分で決める。』『心が強い人のシンプルな法則』『「話すのが苦手、でも人に好かれたい」と思ったら読む本』『損をしない人の考え方』『あなたの弱みは一瞬で強みになる』がある。