その2 お金の自己管理 編
自己管理とは何のために存在するのか?
なぜ、そこまで自分を律する必要があるのか?
それは「限られた人生の『時間』を有効活用するため」です。
性格・稼ぎ・容姿・年齢など、人によって様々な違いがあります。
では、唯一、平等に与えられているものとはなんでしょうか。
それが「時間」です。
「1日24時間」は誰にとっても、等しく同じ意味をもっています。
故にこの24時間の時間管理が、人生を豊かにするといっても過言ではありません。
仕事場ではバリバリ活躍して稼いでいる人でも、家庭ではセンシティブな問題があったり、健康の悩みがあるということは、よく聞く話です。
そうであるならば、1日24時間の中で、毎日行うことは極力、自動(ルーティン)化し、消費エネルギーを最小化して、捻り出した残りのエネルギーを実際に苦労している事柄に注ぎたいところです。
今回は、お金編です。
お金に関する勉強は、学校では学びません。
学問としても知識を得る機会の少ない「お金」という分野に対して私たちは、なんとなく苦手意識を持っていたり、学ぶことを後回しにしてしまう傾向があるように感じています。
日本人は真面目なので、「懸命」に生きている人は多い。ですが、
「賢明」に過ごしている人が多いかと問われると、どうでしょうか。
あなたはどのように考え、どのように行動されておられるのでしょうか。
今回は、お金の自己管理について、私が大事にしていることをご紹介していきます。
〜仕事における自己管理8箇条〜
1.仕事
2.お金
3.健康
4.家族
5.人間関係
6.学び
7.遊び
8.住まい
目次
①フローではなく、ストックによる収入にこだわる
今の努力はどこに繋がっているのか。
「労働による収入なのか、仕組みによる収入なのか」
ここにこだわることを意識してきました。
お金を一時的に生み出すものなのか、継続的に生み出すものなのかによって、人生で“自分のために使える時間”は大きく変わってくるのです。
私自身を振り返った時、自分の将来のためだけに時間を使えたのは、20代のはじめだけでした。
20代後半には、父親の死から親のことを考えるようになり、30代前半で結婚。30代後半は子育てを。
職場では役職が上がるにつれて、部下ができ、自分のことだけやる日々ではなくなります。
そうしていくうちに、どんどん自分のことは後回しになり、自分のために使える時間がどんどんと減っていくものです。
私はメンターから、「20代のうちに死ぬほどハードワークして仕組みを構築して、生活のための仕事を脱却しなさい」と学んできました。
そして「30代で財産を作り、40代で人を育て、休みながら仕事する」と教わりました。
ストックによる収入にこだわり、リソースを割く努力を大事にしています。
②収入ー貯蓄=支出(本当に使えるお金)
うまくいく人は、収入が入ったら先に貯蓄を作り、
うまくいかない人は、収入が入ったら先に使いたいものに使います。
お金が貯まったら、時計を買おう
十分な貯蓄ができたら、ビジネスを始めよう
お金が余るようになったら、投資しようなど。
いつかやろうとしている間に人生は終わってしまいます。
お金は待っていても貯まらない。
お金は優先順位なんです。
求めている成果が明確になったら、まずそのための貯蓄や先行投資を行うことが先決です。
自己管理が甘かった会社員時代の私は、給料が入ったら、まず全てお金を引き出し、本当に必要な「投資に使うお金」を封筒に入れて管理していました。
次に、毎月の固定費(家賃・通信費・光熱費)を封筒に入れ、残りのお金を握りしめる。「今月はこれだけしか使えないからな」と自分に言い聞かせて、変動費(飲食代、交際費、雑費)のやりくりをしていました。
お金はある・ないではありません。
あなたがあなたの優先順位通りにお金を使っているだけなのです。
貯蓄や先行投資を意識した上で、あなたの優先順位通りに、お金は使いましょう。
③時にはタイムマシーンに乗る(理想の未来を先に手にする)
前述しましたが、お金の使い先は優先順位です。
本当に欲しいものに対して人は、なんとかして手に入れようとするんです。
手取り20万もない人が、ローンを組んで高級車を納車したという話があります。
車のローン、駐車場代を合わせると、毎月の支払いは約15万。ですが、その方は躊躇なく高級車を納車しました。
もちろん、ガソリンなど入れる余裕はないので、ボーナスが出たら満タンにして、休日にちまちま乗るくらいしかできなかったそうです。
収入は低い。ですが、連帯保証人を親に懇願してなんとかしたのです。
その他、生活費も極限まで削り落としたはずです。
そこまでして手に入れた高級車との時間。
休日に車に乗るのが楽しみで、毎日の大変な仕事を乗り越えてきたそうです。
人の願望はそれくらい強烈です。
どうしても手に入れたいものができ、そのことに優先順位を置いたならば、時にはローンというタイムマシーンに乗って、計画を立て、その未来を達成させようと人はするものです。
ビジネスや投資を始める際もそうです。求めているならば、なんとか辻褄を合わせ、時にはタイムマシーンに乗って、達成していく。
特に、不動産投資をするためにタイムマシーンに乗ることは、1つ目の物件を担保にして、さらに高額な融資を引き出し、さらに大きなタイムマシーンに乗り換えることが目的の場合もあります。それは、新たな物件を買い足して、資産を拡大していくことにも繋がります。
時間も然り、やはり優先順位です。
タクシーで移動するのは、時間をお金で買うことに類似する。まさにタイムマシーンに乗っているのです。
余談ですが、私のマイルールは、
1駅(徒歩20分以内) 歩く
2駅以上(徒歩20分以上) タクシー
3駅以上(タクシーだと5,000円以上の場合) 電車
です。
本当に優先すべきところに、お金と時間を投資しています。
④専門家の力を借りる(税理士・経理・社労士・弁護士・ライフプランナー)
時間は有限です。
私は起業する前まで、起業するなら、会計の勉強をして、法律の勉強もして、資産構築も勉強して、全て整ったら起業しようと考えていました。
しかし、メンターのアドバイスは違いました。
メンターのアドバイスは、「士業になりたいわけでないのなら、それらは専門家に任せ、その道のプロと手を組み、いち早く、今できることに集中して動き出しなさい」でした。
全てをマスターしようとしたら、人生何回あっても辿り着きません。
専門家の力を借りながら、会計も法律も資産構築もやりながら少しずつ覚えていくのです。
リーダーに必要なのは、意思決定です。
専門家の言いなりになるのではなく、専門家のアドバイスをもとに、自分で意思決定できる力を身につけましょう。
⑤お金は1円単位で管理する
私の会社は10期を終え、随分と大きくなってきましたが、今だに変わらず徹底して行なっていることがあります。
それは、毎月のキャッシュフロー(以下、CF)を見直す時間を設け、1円単位で管理するということです。
私は、メンターに「1円でももらったらプロという意識を持ちなさい」と教わってきました。
ですので、1円単位でお金を見直し、CFをプラスにすることにこだわっています。
最終的に手元に残る金額がわかり、経営上のリスクや安定させるためにいくら必要かを明らかにすることが大事です。
現金を重視することで、利益は出ているのに資金ショートで倒産してしまう黒字倒産も防げます。
成功している人ほど、何にお金を使い、何にお金を使わないか、優先順位も明確です。
CFの安定=心の安定に繋がります。
何にお金を使うかもセンスなのです。
お金は1円単位で管理しましょう。
⑥常に固定費を削減できないかを考える
CFを良くするために、こだわるべきは、固定費を削ることです。
固定費の主なものは、家賃やスマホ代、水道光熱費、保険代、会社経営なら人件費などです。
なぜ、固定費を下げるといいのか。
それは、一度だけ手続きをすれば、あとは何もしなくても効果が持続するからです。
そのことにより、放っておいても毎月数千円、年間で数万円の節約効果が期待できます。
手続きが一度だけなので、毎月のCFに苦労をする時間も削減でき、本当に割くべきことにも時間を割けるようになるのです。
自己管理の基本は断捨離です。
毎月見直すと必ず、無駄な支出が増えていることに気づくものです。
特にスマホアプリのサブスクリプションなど、数百円であっても、すでに使っていないものや、効果の薄いものはその都度削除していきましょう。
たかが数百円かもしれませんが、この積み重ねが大きな差を生むのです。
(画像提供:iStock.com/baona/baona/mikkelwilliam/Sezeryadigar)
権藤優希 株式会社シーマネジメント代表取締役。 東京都内で飲食店、オーガニックショップ、講演会・ビジネストレーニング事業などを多岐にわたって展開する。 福岡県久留米市生まれ。大学卒業後、日本電気株式会社(NEC)に入社。 新人最速で大型案件を受注し、注目を集める。NECにおいてさまざまな賞を獲得した後、4年目に独立。 起業後はNEC時代のノウハウを活かし、営業の事業において、半年間で業界内世界第2位の記録をつくる。自身の経験をもとに行われている講演会は大人気で、20〜30代の若者を中心に、大きな注目を浴びている起業家。 また、オンラインサロン「ごん×櫻井のモテモテ塾」は、多くのメディアに取り上げられ、話題を集めている。 著書に『自分で決める。』『心が強い人のシンプルな法則』『「話すのが苦手、でも人に好かれたい」と思ったら読む本』『損をしない人の考え方』『あなたの弱みは一瞬で強みになる』がある。