人生で最も大切といわれている「時間」。
どんなにお金持ちであっても、与えられた時間は24時間で、みな平等です。
仕事において、コストパフォーマンス(費用対効果)をあげることは以前から重要視されてきましたが、最近では、タイムパフォーマンス(時間対効果)も求められるようになりました。
昨今の忙しいビジネスマンに今求められているもの。それは「限られた時間の中で、最大限のパフォーマンスを発揮すること」です。
今回は、このタイムパフォーマンス(以下「タイパ」という)術。いわゆる“タイパ術”について、ポイントを説明していきます。
目次
ワーキングメモリを消費する仕事は、脳を休めた直後にやる
私にとってのワーキングメモリを消費する仕事とは、書き物と会議です。
書き物とは、原稿です。
私は、午前中の脳のゴールデンタイムに原稿を書くようにしています。
以前は、1日の予定が終わって、みんなが寝静まった夜中に書いていた日々もありましたが、夜中に3時間かけて書いたテーマが、朝一だと30分で一気に書けることに気づいた日もありました。
自分の頭の中を文章化して外化する作業には、労力が入ります。
頭がスッキリした状態で、原稿に集中することが何よりもタイパを高めます。
会議とは、意思決定です。
意思決定が必要な会議は、朝一に行いましょう。
脳が疲れている状態で意思決定を求められ、何でも「はい、はい」と答えてしまった結果、余計な仕事やアポが増えて、時間を無駄にした経験が私にも何度かありました。
20代は「スケジュールをどうパツパツにするかの戦い」をしていましたが、今は、「スケジュールをどう入れないかの戦い」をしている感覚です。
脳が活発な時間帯だからこそ、やる・やらないの意思決定が正しくできるのです。
人生で一番無駄なことは、「決めていない時間」を過ごすことです。
極端に言えば、「これからの時間はダラダラする」と決めてダラダラすれば、その時間は無駄ではありません。
何も決めていないから無駄なのです。
意思決定が鈍っている会議は無駄に値します。
決めている時間こそが、タイパを良くするのです。
多くの人は、決めていません。
決めることから逃避するために、ひたすら指示されたこと、与えられたことをこなすように働くのです。
真面目な日本人の良いところでもあり、悪いところでもあります。
多くの人が決めていないからこそ、決めている人に人は流されます。
例えば、「AとB、どっちが良いと思う?」
「んー、。。。」
この場合、質問の受け手のほとんどは、心の中で「どっちでも良い」と思っています。
ですので、質問する側は「Aの方が、こういう理由で良いと思うのですが、どう思う?」
と聞いてあげたほうが、受け手は「そうだね!」とだけ答えればいいので楽なのです。
決めてる人に人は流されるからこそ、決めてる時間を多く使う人が有利になります。
タイパを上げて、皆様お一人おひとりが思い描く人生を有利に進めていく。
それが“人生に勝つ”ことだと私は考えています。
タイパを上げて、人生に勝ちましょう。
モチベーションなんかいらない。「締切」がすべて
「次から次へと事業を立ち上げていけるモチベーションは何ですか?」
「いつもストイックに行動できるモチベーションになっているものって何ですか?」
よく、こういう質問を受けることが多いのですが、こう聞いてくる人たちにお伝えしたいことがあります。
「そんなものはない!」ということです。
結果を作っている多くの方々からは、共感をいただけるのではないでしょうか。
「モチベーション」とか「やる気」を尋ねてくる人はナンセンスです。
はっきり言いましょう。そんなものは必要ありません。
「目的」や「願望」が自分を突き動かして行動することはあっても、モチベーションに頼って行動することはないのです。
今の会社での勤怠を想像してみてください。
モチベーションが高いから、出社しているのでしょうか。
やる気があるから、期限通りに仕事を終わらせているのでしょうか。
そうではないはずです。
答えは、ルールが設けられているから、やるのではないでしょうか。
「朝9時までに出勤してタイムカードを押さなかければルール違反になる」
「お客様に頼まれた期限が明日の朝10時までだから、徹夜で資料を作る」
という具合にです。
私はモチベーションの有無で、自分を管理していません。
「締切効果」を使って自分を管理しています。
正確にいうと、モチベーションによる管理は、行動して何か「結果」が出た後です。
結果が出たことでモチベーションが上がり、さらに仕事のパフォーマンスが上がることはあります。
つまり、モチベーションは第二行動喚起に過ぎないのです。
最初の一歩はモチベーションではありません。
第一動機は、「締切」です。
第二動機として、「モチベーション」が存在します。
私は、「締切」がなければ、いつまで経ってもやらないという自分の性格を把握しています。
原稿の執筆もそうです。
「是非、その企画やりましょう!」とモチベーションが上がっても、締切がないといつまでもやりません。
だから、必ず「締切を作る」というルールを自分に課しているのです。
「〇〇までに原稿を提出します」と宣言して、「あと2週間しかない」と焦り、やっと書き出す人です。
締切があって、ギリギリでやっと取り掛かる人なのです。
逆にいうと、締切があってもギリギリまでやらない、だらしない人なのです。
私の日常は、自分に課した「締切」の連続です。
いつも「締切」に追われながら、毎日のやるべきことを達成しているのです。
私は思うのです。果たして、締切なしで、自分の理想のスケジュールをこなすことができる人はいるのでしょうか。
できていたら、もうすでに成功しているはずです。
締切効果で、自分を管理して、人生の目標を管理していきましょう。
「締切効果」を活用した、具体的なタイパ術
①携帯のアラームで起きない
起床を携帯のアラームに頼って起きる人は多いと思いますが、私は、携帯を携帯ホルダーに置いて、あえて目覚まし時計で起きています。
なぜなら、起きた瞬間、緊急な仕事など入っていないか、携帯が気になるので、布団でダラダラすることなく起きることができるからです。
さらに携帯ホルダーは、ベランダの近くに置いてあるので、そのままベランダに出て、外気を浴びながら携帯をいじり、日光によって目を覚ましています。
携帯が布団にあると、そのまま布団でダラダラ過ごしてしまうので、すぐに布団から出るための仕組みを作っているのです。
②次の予定を意識して行動する
仕事は与えられた時間の分だけ膨張するといわれています。
効率的に仕事を終わらせるためには、仕事後の楽しみや予定をあらかじめ入れておくことがポイントです。おのずと、仕事の効率もあがってきます。
小学生の頃、私は、休み時間になった途端にドッジボールやサッカーをするためにグラウンドに飛び出していました。
ある日の授業終わりの小テスト。先生から「解き終わった人から休み時間に入って良い」と言われた時、凄まじい集中力で問題を解き終わったことがありました。
振り返ると、「早く外で遊びたい」という楽しみがあったからこそ、逆に頭が冴えて、テストに集中できたのだと思います。
「この会議が終わったら、ランチタイムが待っている」
「この仕事が終わったら、美味しいビールを飲もう」
「ここまで勉強したら、寝る前にNetflixを観よう」
締切効果を活用することで、タイパは向上するのです。
(画像提供:iStock.com/bymuratdeniz/Antoniooo/Mystockimages)
権藤優希 株式会社シーマネジメント代表取締役。 東京都内で飲食店、オーガニックショップ、講演会・ビジネストレーニング事業などを多岐にわたって展開する。 福岡県久留米市生まれ。大学卒業後、日本電気株式会社(NEC)に入社。 新人最速で大型案件を受注し、注目を集める。NECにおいてさまざまな賞を獲得した後、4年目に独立。 起業後はNEC時代のノウハウを活かし、営業の事業において、半年間で業界内世界第2位の記録をつくる。自身の経験をもとに行われている講演会は大人気で、20〜30代の若者を中心に、大きな注目を浴びている起業家。 また、オンラインサロン「ごん×櫻井のモテモテ塾」は、多くのメディアに取り上げられ、話題を集めている。 著書に『自分で決める。』『心が強い人のシンプルな法則』『「話すのが苦手、でも人に好かれたい」と思ったら読む本』『損をしない人の考え方』『あなたの弱みは一瞬で強みになる』がある。