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社内の人ではなく社外の人と交流する
「なぜ、あの人は、あんなに遊んでいるのに、出世しているの?」
そんな人、あなたの周りにもいませんか。
夜は飲み歩いてばかりだから、仕事はだらしないに違いない。
交友関係が広いから、社内の人間関係を疎かにしているに違いない。
いろんな愛好会に顔を出しているのだから、きっと仕事の優先順位は低いだろう。
そう思ってしまいたいかもしれませんが、全て違います。
仕事ができる人ほど、多趣味です。
では、なぜ様々なことに興味があるのだと思いますか。
本当に興味本位だけで動いていると思いますか。
仕事ができる人が、社外に顔を出す理由は、今の自分を俯瞰してみるためです。
仕事ができる人は、さらに上のステージへと自分を成長させようとしています。
つまり、仕事ができる人は、常に現状不満足なのです。
仕事ができる人ほど、今の自分の仕事を疑い、仕事ができない人ほど、今の自分の仕事に満足しがちです。
今の仕事を疑うためにすぐできることとして、社外の人と会うのです。
逆に、今の自分の仕事に満足しがちな人は、社内の人としか会っていません。
言うまでもなく、社内より社外の人間の方が刺激的です。
この「刺激」があなたを成長させます。
慣れ親しんだ人と話すより、初対面の人と話す方が緊張するし、繊細になります。
コミュニケーションに冒険を求めれば求めるほど、人は外部の刺激を受けて、どんどん成長していくのです。
自分の持ち時間を意識して自己紹介をする
私は飲食店やオンラインサロン(ごん×櫻井モテモテ塾)を運営していますが、内で話している会話が、そのまま外では通用しないという経験をしたことがあります。
特にオンラインサロンとは、自分に興味を持っている人が入会する仕組みなので、その場で私が何を話しても、みんな「うんうん」と話を聞いてくれます。
しかし、外の経営者と会話する時に、同じ調子で話しても全く通用しないということを体験しました。
まず、相手からすると、そもそも私になんか興味ないのです。
私が、イーロンマスクさんや孫正義さんだったら話が別です。
しかし、有名人でもない中年の私の話を、ダラダラと聞いてくれる人なんかいないのです。
その場で、私がいつもの調子で自己紹介をしたところで、誰も私に興味はないし、そもそも覚えてすらもらえないだろうと気づきました。
オンラインサロンの中であれば、1時間でも2時間でもみんな私の話に耳を傾けてくれますが、外では私の尺(持ち時間)は決まっているのです。
そこから、外部の交流会に参加するときは、長々と自己紹介するのではなく、一言だけ
「権藤優希です。私は「モテ」を研究している人です」
とだけ伝えるようにしました。
そう言われると、興味を持てませんか?
あえてツッコミどころを残しておくのです。
そう伝えると、ほとんどの方が「え?なんですか?「モテ」ですか?モテを研究って何ですか?」と質問をしてくれます。
この自己紹介で、「そうですか」と突っ込まずスルーする人は、相当私に興味がないか、他に興味がいっている証拠ですから。
このように表現することで、自動的に相手が私に興味を持ち、私も相手の質問に答える形で自己紹介ができるようになりました。
外部の方と話すときは、自分の持ち時間を意識するようになったのです。
社外に触れると、このようなことが学べます。
「安心」と「刺激」は共存できません。
恋愛に例えると、彼に「癒し」や「安心感」を求めるのであれば、恋愛の「ドキドキ感」は諦めないといけません。
逆に、彼に「ドキドキ感」「ときめき」を求めるのであれば、「癒し」や「安心感」は諦めないといけません。
だからと言って、刺激ばかりの環境に身を置けばいいかというと、それでは体が持たないでしょう。
緩急をつけることが大切です。
「木を見て森を見ず」という言葉があります。
会社の中の自分を自分の全てと思わず、社会の中の自分とは一体どんな意味や価値があるのか考えてみることで、自分がどんどんステップアップしていけるのです。
交流の場では効率的に、1:1では非効率に話す
このように話していると、
「そんなに社外の人と交流ばかりしていて、仕事が疎かにならないのですか」という質問をいただくことがあります。
ここにも、仕事ができる人がやっている一つのテクニックがあります。
それは、交流の場は短く切り上げ、1:1にじっくり時間を使うことです。
社外で交流ばかりしていると言っても、実は交流会や愛好会に参加している時間は、1時間や1時間半程度です。
なぜなら、前述した通り、出会いの場では、長く話す必要はないからです。
むしろ、話が長いと嫌われます。
短く数分で会話をしていき、より多くの人と接点を持つ機会をつくるのです。
その上で大事なことが2つあります。
それは、第一印象と共通点を意識することです。
まずは、第一印象で良く思われることです。
何よりも、感じの良い印象を与えることを意識しましょう。
印象を良くするために行うと良いことは、笑顔と清潔感、これにつきます。
イメージしてください。
交流会で、暗い顔をして、じめっと携帯を見ている人と、ニコニコして見つめてくる人がいたとしたら、どちらに話をかけたくなりますか。
きっと後者の方に話しかけたくなるでしょう。
そして、近づいた時に、ほんのり爽やかな匂いがする人と汗臭い人とでは、どちらに好印象を持つでしょうか。
綺麗に飲み食いしている人と、口に食べ物が入ったまま話したり、歯に物が詰まっていたり、爪にゴミが溜まっている人とでは、明らかに印象が変わってくるのです。
持ち物や服装でも印象が変わります。
靴や鞄(カバン)が整理されている人は、部屋や心も整理されているし、汚れていたり散らかっている人は、部屋や心も散らかっているのです。
シャツが黄ばんでいたりシワシワな人は、普段もだらしがないのです。
持ち物や服装には、普段がでます。
次に共通点です。
交流会の場で、話が盛り上がっている人のほとんどは、相手との共通点が見つかっているからです。
人は、自分が好きなことや興味があることを、人に共有したくなります。
昨今のSNSを見れば良くわかりますが、あれはさりげない自慢話の場なのです。
そこに共感することで、「この人は気が合う」となるのです。
そして、次に会う機会を提案する際も、共通点を見つけていると会いやすくなります。
例えば、ラーメンが好きという話題で盛り上がったのであれば、「今度美味しいラーメン屋をご紹介するので、一緒にいかがですか?」と連絡するだけで、大抵次に繋がります。
そして、仕事ができる人は、1:1にじっくり時間を使います。
交流会と違って、ここでは、1人の人のためだけに時間を割くことができます。
しかも、大勢の中から、自分が良いと思った人に対してです。
ここでは、過去の話を中心に、相手の話を良く聞きます。
なぜ、好きになったのか、興味を持ったのかの背景を深掘りしていくのです。
そのことで、「この人はわかってくれている」となるのです。
「気が合う」はきっかけ、「わかってくれている」は安心に繋がります。
そして、交友を深めていく中で、相手との約束を守っていくと、安心が信頼に変わります。
信頼に変わることで、お付き合いが始まったり、仕事で協力し合う関係へと発展するのです。
このように、仕事ができる人は、ただ闇雲に人に会っているわけではなく、場面ごとに緩急をつけています。
交流会は効率的に、1:1は非効率なコミュニケーションをとっているのです。
社外の人とうまく付き合い、自分の幅を広げていきましょう。
権藤優希 株式会社シーマネジメント代表取締役。 東京都内で飲食店、オーガニックショップ、講演会・ビジネストレーニング事業などを多岐にわたって展開する。 福岡県久留米市生まれ。大学卒業後、日本電気株式会社(NEC)に入社。 新人最速で大型案件を受注し、注目を集める。NECにおいてさまざまな賞を獲得した後、4年目に独立。 起業後はNEC時代のノウハウを活かし、営業の事業において、半年間で業界内世界第2位の記録をつくる。自身の経験をもとに行われている講演会は大人気で、20〜30代の若者を中心に、大きな注目を浴びている起業家。 また、オンラインサロン「ごん×櫻井のモテモテ塾」は、多くのメディアに取り上げられ、話題を集めている。 著書に『自分で決める。』『心が強い人のシンプルな法則』『「話すのが苦手、でも人に好かれたい」と思ったら読む本』『損をしない人の考え方』『あなたの弱みは一瞬で強みになる』がある。