「なぜ、あの人はいつもご機嫌なのだろう」
「イライラしたり、ストレスが溜まることはないのだろうか」
「元から特別で、悩みなんかないに違いない」
うまくいく人を見て、そう思ったことはありませんか。
もちろん、イライラしなかったり、ストレスが溜まらなかったり、悩みがない人などいません。
うまくいく人は、仕事でうまくいくためのコンディション管理を仕事以外の時間でやっているのです。
うまくいく人は、セルフケアを怠りません。
「ケア」という言葉は、気を配ることを意味します。
気を配ることにも順番があります。
まずは、自分に気を配ること。
次に、まわりに気を配ること。
自分がご機嫌だからこそ、まわりをご機嫌にできます。
自分が満たされているからこそ、まわりに与えることができるのです。
では、あなたはどこまで自分に気を配っているのでしょうか。
大きく分けて、セルフケアには2つあります。
精神面のケアとフィジカル面のケアです。
うまくいく人は、この心と身体のケアを怠りません。
では、具体的にどのようなケアを行っているのでしょうか。
心と身体のケアについて見ていきましょう。
目次
心のケアをする
①紙に書いて整理する
人は、頭の中で5つ以上のことを覚えられないといいます。(諸説あります)
「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と頭の中でタスク管理していると、やることがたくさんあるように思えてきて、複雑化します。
この脳で行われる作業記憶のことを「ワーキングメモリ」といいます。
私は、クレジットカードの番号はおろか、電話番号すら記憶できません。
人はすぐにワーキングメモリがパンクしてしまう生き物なのです。
しかし、紙に書いて頭の中を棚卸ししてみると、意外にやることは少なかったり、シンプルになったりするものです。
心が乱れてきたら、まずは紙に書き出してみて、やることを客観視しましょう。
紙に書いて客観視する作業を「外化」といいます。
外化することで、客観視できる、他人と共有できる、保存可能になる(忘れない)などたくさんのメリットがあります。
パソコンのハードディスクの容量が、残り少なくなると、処理速度が異常に遅くなって、作業できなくなる現象と似ています。
外化すればするほど、脳は軽くなり、スッキリするのです。
メモしたり、タスク化するのは、まさに外化しているのです。
②話を聞いてもらう
紙に書いて、一人で向き合うのが苦手な人は、まずは話を聞いてもらいましょう。
アウトプットしている中で、自分の言いたいことがまとまり、整理されていくことが多いです。
アウトプットが一番のインプットなのです。
話を聞いてもらうことで、自分の感情も落ち着いていくことでしょう。
相手の時間を割いてまで、自分の気持ちを聞いてもらうなんて、申し訳ないと思う人もいるかもしれません。
しかし、自分の気持ちを聞いてもらうことは、相手からの信頼性を高めることにも繋がります。
あなたも、人から悩みを相談されたとき、「そんなことを打ち明けてくれるほど、自分のことを信頼してくれているんだ」と思いませんか。
自己開示には返報性が働きます。
話を聞いてもらうことで、相手も自己開示して話してくれるので、より親密な関係を築くことができるようになるのです。
③仲間(メンター)といる
心が乱れた時は、一人で考え混むのではなく、仲間やメンターに相談しましょう。
例え落ち込んでいたとしても、話を聞いてもらったり、励ましてもらったり、アドバイスをもらったり、パッと飲みに付き合ってもらう中で、自分の悩みも吹っ飛び、元気づけられるものです。
特に、メンターの存在は偉大です。
メンターとは、「メンタル」と「メント(状態・環境)」という言葉からきています。
まさにメンタル管理をしてもらう人だから、メンターなのです。
メンターのまわりには、メンターのようになろうと前向きな人が集まります。
そういった意味でも、メンターは「環境」そのものなのです。
自分一人でなんとかするというのは、「美徳」ではなく、「時間の無駄」です。
自分一人で何日も悩んでいた課題も、専門家に相談することで一瞬で解決に向かうものです。
④自己研鑽をする
うまくいく人は、自己研鑽を怠りません。
常に自分を磨き、見た目・能力・スキルアップに努めます。
そうやって、自信を持つ材料を増やすことで、心を整えているのです。
特に、自分自身がどこに向かって頑張っているのか、ゴールが明確だと心は乱れません。
ゴールを明確にすると、迷わずに意思決定ができる人になれるのです。
そもそも、一番の心のケアは、目標を達成することです。
達成していれば疲れも苦しみも報われます。
仮に、あなたの目標が月収100万円の達成、または全国大会優勝だとします。
どんなにメンタルに負荷がかかっていても、あなたが月100万稼いでいたら、頑張れるはずです。
どんなにトレーニングがきつくても、全国大会で優勝したら、「やってきてよかった」と気持ちは晴れるはずです。
目標達成をしていることが、心のケアをする上での一番のお守りなのです。
⑤読書をする
読書は今の自分を客観的に見る時間になります。
体は食べ物を食べて成長するように、脳は言葉を食べて成長します。
読書を通して、いい言葉にたくさん触れることで、自分で自分の心を育むのです。
うまくいく人は、著者の伝えたいことを正しく読み解くことができる人であり、まさに「正読」ができる人です。
Amazonレビューに星1つのレビューをつけている人の内容を読むと、「そんなことどこにも書いてなかったのに」と思う内容ばかりです。
つまり、著者の意図とは真逆の理解をしたり、先入観や固定概念から勝手に事実をねじ曲げていたりするのです。
そういった意味では、スマホやインターネットで簡単に情報が取れるようになった現代において、正しく情報を処理する能力が求められています。
正しく読んで、正しく理解するだけで、不安や心配は減り、悩みは解決するのです。
身体のケアをする
①日光を浴びる
外の空気に触れ、日光を浴びましょう。
日光を浴びることで、セロトニン(幸せホルモン)が生成されます。
心と身体は連動します。
セロトニンが生成されることで、自分で自分をご機嫌にすることができ、心が整うのです。
軽い脳疲労であれば、一週間続けるだけでも、「不安」が頭をよぎる回数は減ったと感じます。
「太陽の光」を浴びると、脳のセロトニン工場が動き始めます。
調子が悪いからといって、昼近くまで寝たり、テレワークで一歩も外に出ない人は、セロトニン工場がスタートしません。
朝、太陽の光を浴びながら散歩をして、その後に朝食をよく噛んで食べれば、セロトニンは十分に活性化します。
自分がご機嫌でいると、人間関係が良好になります。
親しい友人とカフェで1時間おしゃべりをすると、「ああ、楽しかった」と思うはずです。
この時に分泌されているホルモンが、愛とつながりのホルモン「オキシトシン」です。
オキシトシンは、「幸福物質」とも呼ばれ、人と交流して、「楽しい」「幸せ」「癒される」と感じる時に反応します。
赤ちゃんを抱っこする、恋人とハグをする、人との間で「共感」が生まれる、このような時に、オキシトシンは大量に分泌されるのです。
日光を浴びてセロトニンを生成することは、オキシトシンの分泌を促進することにも繋がるのです。
②食事管理をする
セロトニンの90%は腸でつくられています。
腸でつくられたセロトニンは、迷走神経を通じて直接脳に届きます。
腸内環境を整えることが、ネガティブな思考を取り除き、心と身体を整えるのに必要な条件になってくるのです。
腸内環境を整えるために、食事管理をしましょう。
特に、野菜・果物・イモ類(食物繊維・オリゴ糖)や乳酸菌が腸内環境を良くします。
しかし、現代の食べ物からは、なかなか多くの栄養を摂取できないため、サプリメントなどの栄養補助食品で補完するようにしましょう。
③有酸素運動をする
1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比べて、メンタルヘルスが悪い人が3倍も多いと言われます。
「前向き」という言葉があるように、歩きながら考えれば、考え事はすぐに解決するし、歩きながら悩めば、悩み事は解消に向かうのです。
ウォーキングとセットで、ストレッチや筋肉トレーニングを行うとより効果的です。
ストレッチにより血流をよくして、筋肉トレーニングにより基礎代謝を上げることで、身体全体の機能が向上します。
④整体に通う
整体は、文字からして体を整えると書きます。
現代は、パソコンやスマホの見過ぎから、眼精疲労や脳疲労、首や肩の凝りや身体の歪みが生じやすくなっています。
仕事を頑張っている人ほど、整体に通う必要が出てきているのです。
首と骨盤の位置が調整されると、背骨を支える筋肉の緊張がほぐれて、血流も良くなります。
そして副交感神経が刺激を受け、緊張状態からリラックス状態へと変わりやすくなるのです。
本来の正しい位置に、正しい置き方をすることで、疲れにくい身体が形成されるだけでなく、心も身体も健康になるのです。
⑤睡眠管理をする
睡眠不足は人を消極的にすると言われています。
睡眠不足は、感情のコントロール機能を低下させたり、ストレス耐性が弱くなる原因と言われており、心が乱れやすい原因に繋がります。
私は、睡眠時間もそうですが、睡眠の質にもこだわっています。
質にこだわる理由として、睡眠をとる目的は、脳疲労を減らすためです。
いくら寝ても質が悪く、起きた時に疲労感が残るような睡眠の取り方だと、上述したワーキングメモリ(脳内でできる作業)はどんどん減る一方です。
良質な睡眠をとることで、1日の稼働時間を効率的に使っていきましょう。
このように、うまくいく人は、効果的なホルモンを取り入れるために、日常を工夫しているのです。
そして、自分のコンディションを常に良い状態に維持して仕事を行うからこそ、結果を作れるのです。
良いコンディション管理も仕事の一環です。
一生付き合っていく自分の心と身体のケアを丁寧にしていきましょう。
(画像提供:iStock.com/miljko/AscentXmedia/Edwin Tan/AlexSava/K-Angle)
権藤優希 株式会社シーマネジメント代表取締役。 東京都内で飲食店、オーガニックショップ、講演会・ビジネストレーニング事業などを多岐にわたって展開する。 福岡県久留米市生まれ。大学卒業後、日本電気株式会社(NEC)に入社。 新人最速で大型案件を受注し、注目を集める。NECにおいてさまざまな賞を獲得した後、4年目に独立。 起業後はNEC時代のノウハウを活かし、営業の事業において、半年間で業界内世界第2位の記録をつくる。自身の経験をもとに行われている講演会は大人気で、20〜30代の若者を中心に、大きな注目を浴びている起業家。 また、オンラインサロン「ごん×櫻井のモテモテ塾」は、多くのメディアに取り上げられ、話題を集めている。 著書に『自分で決める。』『心が強い人のシンプルな法則』『「話すのが苦手、でも人に好かれたい」と思ったら読む本』『損をしない人の考え方』『あなたの弱みは一瞬で強みになる』がある。