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「なんか怒ってる?」といわれる方へ。感情表現がうまくなるコツとキーワード

メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習
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本心を誤解され、困ることはありませんか?自分の本当の気持ちを理解してもらうために、自身の心の状態を知ってコントロールする習慣を身につけましょう。

その方法をメンタルクリニック院長である須田賢太著書の『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』より紹介します。

自分と向き合い、心の状態を理解すれば、感情や表情などのコントロールがしやすくなります。自分の心を知れば、きっと今まで以上に毎日が楽しくなるでしょう。

本心を誤解されやすい理由とは

楽しく話をしても「なんか怒ってる?」と言われる。上司から叱られている間も「反省していない」と言われることはないでしょうか。本当の気持ちを誤解されやすいのは、感情の表現方法が豊かでないからでしょう。

ここでは、本心を誤解されやすい理由2つ紹介いたします。

感情表現が豊かでない

感情表現が豊かでない場合、自分の本当の気持ちは誤解されやすいかもしれません。

言葉での感情表現は「言語的コミュニケーション」表情や姿勢・声のトーンなどの体による感情表現を「非言語コミュニケーション」といわれます。

私たちは、2つの感情表現でしか人とコミュニケーションを取っていません。

人間は相手の「非言語コミュニケーション」と「言語的コミュニケーションが」合致していない場合「非言語コミュニケーション」を信じる傾向にあります。

言葉で「楽しい」と言っても、表情や声のトーンが楽しそうでなければ、ほかの人からは「楽しくない」と思われてしまいます。

感情を隠すくせがついている

境界線パーソナリティ障害の人は、表情筋を無意識にコントロールしてしまいます。自分の感情を表現しない方がすべてうまくいくと考えてしまうため、感情を隠すくせがついているのでしょう。

感情と連鎖している表情筋をコントロールし、感情が相手に伝わらなくなってしまうのです。本心を誤解されやすい方は、自分の感情を出してはいけないと思い込み、無意識にコントロールしているのかもしれません。

自分の感情に合った自然な感情表現の身に付け方は

自分の本心と合った自然な感情の表現方法はどのように身に付ければいいのでしょうか。

ここでは、感じている本当の気持ちを誤解されないように、感情の表現方法を詳しく解説いたします。

感情と表情を近づけよう

今まで本心を誤解された場合、どんな表情をしていたと思いますか。楽しいとき・悲しいとき・腹立たしいとき、あなたはどんな顔だったのでしょうか。

さまざまな場面を思い出しながら、ぜひ鏡で自分の顔を見てください。自分が思っているより表情が変わらない、または別の感情が伝わってくるかもしれません。

人とコミュニケーションを取るときは感情をしっかり表に出しましょう。恐れることはありません。大げさなくらい感情を出してください。

もしかしたら、いつも不愛想だと思っていた人や話しかけても楽しそうでない人は、感情と表現が一致していなかっただけなのかもしれません。そう考えると人への見方も変わってくるでしょう。

感情の表現度合いは人それぞれです。感情表現が豊かな人とそうでない人がいる。それは良し悪しで判断されることではないのです。

大切なのは自分の感情と同じ感情表現ができていること。人と言葉だけではコミュニケーションを図ることはできません。非言語コミュニケーションも使い、人間関係を築いていきましょう。

自分の望んでいることが相手にうまく伝えられないときはTRUSTを

感情表現が豊かではないため、自分の望んでいることを相手にうまく伝えられない場合もあるでしょう。そんなときはTRUSTという考え方を使って自分の傾向を知り、感情の表現に活用してください。

例えば、ちょっと上から目線な態度をとる友達が私のすることにケチをつけてきます。私はケチをつけられるのが嫌ですが、友人関係は続けていきたい。私の気持ちをきちんと伝えて友人の態度を改めてほしい。そんな場合のTRUSTの使い方をお伝えします。

Trust(信用する)
自分が持っている感情は適切なものだと信用する。
例:いくら友達でもなんでも批判されたらイライラするのは当然だ。私はイライラしてもいい。

Redirect(向け直す)
自分の注意を目的や目標に向け直す。
例:目的は友達に気持ちを理解してもらい、態度を改めてもらう。

Use(使う)
自分の性格に対する認識を使って、合理的な選択をする。
例:私は普段おとなしい性格で自分の意見を主張しない。友達はきっと私の思いに気づいていない。自分の性格に関する認識を使って気持ちを「伝える」ことにした。

Sense(感知する)
自分の表情、筋肉、姿勢などを調節する。
例:私は今緊張している。表情がこわばっている。声を出そうとすると震える。

Tame(調節する)
目的に合わせて感情表現を調節する
例:いきなり声を荒げて怒ると、友達はびっくりしてしまう。私が批判的な言葉に傷ついていることを大事な友達だからわかってほしいと冷静に伝える。

まとめ

自分の感情がなかなか理解されない人は、感情の表現が豊かではないからかもしれません。客観的に自分の状況を観察して、感情を表に出す練習を行えば、より円滑な人間関係を構築できるでしょう。

メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』では、気持ちが不安定になったり、まわりの人に強い感情をぶつけたりするのではなく、自分の心をコントロールできるようになる30の行動リストを4コママンガとともにお届けしています。

本書を読んで、自分自身を見つめてみませんか。自分の感情を理解し、今を大切に過ごしましょう。


メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習 著:須田賢太 / マンガ:まるいがんも

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著:須田賢太 / マンガ:まるいがんも
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