「ＬＤＫ」で区切るという発想を転換
げげ：まずは、玄関はもう少し狭くてもいいかな、この半分くらいでもいいですよ。来客がとても多いなら別ですが、家族だけの靴が並ぶなら1坪でも十分です。
Ｋ：最近は、土間を広くとっておしゃれに見せるのが流行っていますが、それは難しいですか。
げげ：広くとることより、土間で何をしたいかをまず考えるのが大切です。例えば自転車を置く、ペット用スペースにするといった目的があれば、広くておしゃれな土間もいいでしょうが、ただおしゃれさを求めるだけなら、正直もったいないですね。例えば……1坪の中でも、こう斜めにかまちを切ると、見え方が変わり個性が出たりもします。
Ｋ：勉強になります。他のところはどうですか。
げげ：ＬＤＫがけっこう広めにとってある印象ですが、これはなぜでしょう。
Ｋ：家族で過ごす時間を大切にしたいので、パブリックな空間を1階に集約させた結果です。
げげ：確かに、お風呂や脱衣所を2階に持っていくのは有効で、LDKを広げることができますね。ただ……階段に隣接してライブラリーがありますが、ここもLDKととらえると、やはりもう少し削ってもよさそうです。
Ｋ：そうすると、家具はどのような配置になるでしょう。現状でもけっこうきつそうな印象ですが。
げげ：例えばソファーとダイニングテーブルをひとつにしてしまうとか。そんな家具も実際に売っています。ポイントは、LDKで分けないことです。家族の居場所と、キッチンという分け方で考えるといいと思います。家具が減ると、空間が広く見えますよ。このように削っていくと……だいたい延べ床面積25坪くらいで、収まると思いますね。
Ｋ：確かに！ダイエット成功ですね。
家を建てる地域の中で、パートナーを探すのがベスト
Ｋ：もう一つの悩みが、パートナー選びです。せっかくなら、建築家の方にデザイン性のある家を作ってほしいのですが、そもそも建築家とどうやって出会えばいいかがわかりません。
げげ：自分が家に何を求めるかで、選ぶべきパートナーは変わってきます。例えばコスト重視なら、1500万円くらいのローコストを手掛ける会社が選択肢に入ってきますし、断熱性や耐震性といった性能にこだわりたいなら、その技術力を持った会社を探す必要があります。
Ｋ：確かにハウスメーカーや工務店はたくさんあって、情報も集まるのですが、家の設計者である建築家の情報が少なくて……。
げげ：建築家と会うのは、工務店を探すより難しいかもしれません。設計事務所の数自体は、工務店よりも圧倒的に多いですが、ビル、飲食店、住宅など、事務所ごとに領域が細分化されています。その中から住宅が得意な建築家を見つけるのに、まず苦労します。さらに建築家にも個性があり、機能的な家を好む人、アート性重視などさまざまです。
Ｋ：私がなぜ建築家の方にお願いしたいかというと、うまく思いを引き出し、自分では気づかないようなアイデアをくれて、間取りに反映できるイメージがあるからです。ただ、コストがいくらかかるかが想像できず、それが心配ではあります。
げげ：それは、予算を伝えれば大丈夫です。建築家でも、ファイナンスまで合わせて相談に乗り、トータルコストを意識している人も多くいます。ホームページなどを見ると、そうした特徴がわかると思いますよ。
Ｋ：私の場合には、まだ土地が決まっていないのですが、それでも話を聞いてくれるでしょうか。
げげ：土地がない状態での相談で、パートナーを決める際には、相手の考え方や信念に惚れこんで頼んでいる人が多いと思います。相談でお金を取る建築家はまずいないと思うので、まずは相談することから始めてはどうでしょう。
Ｋ：パートナーは、家を建てる地域で探したほうがいいでしょうか。
げげ：設計事務所は設計だけを受け持つので、原則的には全国からでも探せますが、やはり引っ越し先の地域で探すのがベストです。地域の建築家は、その土地の地盤や気候といった環境をよく理解しており、それが安心安全な家づくりにおいて非常に大切なポイントとなります。
Ｋ：なるほど。私と同じように、自分に合った建築家を探したいという悩みを持っている人は多いと思うので、ぜひげげさんにも、YouTubeで取り上げてほしいと思います！
げげ：それはいいアイデアですね。本気で検討します！
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