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人が多いところが苦手なのはなぜ?原因と苦手意識を和らげる方法を解説

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「電車に乗るのが怖い」
「人混みを避けて遠回りをしてしまう」
「買い物も人が少ない時間帯を選んでしまう」

こんな悩みを抱えている人は、決して少なくありません。人が多いところが苦手だという感覚は、さまざまな要因が絡み合って生じています。しかし、その原因を理解し、適切な対処法を知ることで、徐々に不安を和らげることは可能です。

この記事では、人混みに強い不安や緊張を感じるときに使える具体的な対処法を解説します。すぐに実践できる方法も含めて解説していますので、より快適な生活を送るためのヒントとして、ぜひ最後までお読みください。

この記事は書籍『 多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 』の関連コラムです。

人が多いところが苦手だと感じてしまう原因

人が多いところが苦手だと感じてしまう原因について見ていきましょう。

他人からの視線や評価を過度に気にしている

人が多い場所が苦手な方の多くは、他人からの視線や評価を必要以上に気にしてしまう傾向があります。自己評価が低い場合や、他者からの評価に依存している場合にはとくに顕著です。

「自分の行動を周りの人がどう思うだろう」「変な人だと思われていないだろうか」といった不安が常にあり、それが人混みでのストレスにつながっています。特に電車やカフェなど、長時間同じ空間にいる必要がある場所では、この不安が強く表れます。

このような心配は誰にでもある程度はありますが、過度に気にしすぎることで日常生活に支障をきたすようになってしまうのです。

過去の嫌な経験

過去に人混みで不快な経験をしたことが、現在の苦手意識につながっていることがあります。たとえば、混雑した電車で痴漢にあったり、人混みの中で事故にあった経験があったりすると、無意識のうちにトラウマになってしまうのです。

また、学生時代のいじめや、人前での失敗経験なども、人が多い場所への恐怖心を引き起こす原因となります。このような過去の経験が、新しい状況でも同じような不快な出来事が起こるのではないかという不安を生み出してしまうのです。

パーソナルスペースの侵害

パーソナルスペースとは、自分が他人との間に保ちたい距離感であり、この空間が侵されると不快感やストレスを感じます。混雑した場所では、このパーソナルスペースが侵害されやすく、不安感が増す原因となります。

また、自分の周りに適度な空間を確保できないことで、閉塞感や圧迫感を感じ、それが心理的なストレスとなることもあります。人混みではできるだけ端の方に立つようにしたり、一時的にその場から離れるなどして、自分の空間を確保する工夫をしてみましょう。

感覚が過敏である

感覚が過敏な人は、周囲の音や匂い・視覚的な刺激・身体的な接触などに対して、通常以上に敏感に反応します。人が多い場所ではさまざまな刺激が同時に存在するため、それらの刺激を処理しきれず、強いストレスや不快感を感じるのです。

雑踏の音や人々の会話、香水の匂いなど、一般的には気にならない程度の刺激でも、感覚過敏の人にとっては非常に強い負担となってしまいます。このため、疲労感やストレスを感じやすくなるのです。

人が多いところへの苦手意識を和らげるための方法

人が多いところへの苦手意識を和らげるには、以下の6つの方法が効果的です。

  1. 段階的に慣れさせていく
  2. 不安や緊張の減らし方を身につける
  3. 考え方を変えるようにする
  4. 環境を整える
  5. 周りの人の助けを借りる
  6. 健康的な生活をする

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

段階的に慣れさせていく

人が多い場所に対する苦手意識を和らげるためには、段階的に慣れさせていくことが効果的です。まずは人が少ない時間帯のカフェや図書館など、比較的落ち着ける場所から始めるとよいでしょう。そこで安心して過ごせるようになったら、少しずつ人が多い場所や時間帯に挑戦していきます。

最初は5分だけ滞在し、徐々に時間を延ばしていくなど、具体的な目標を立てて取り組むことで人が多いところに対する苦手意識が薄らいでいきます。

不安や緊張の減らし方を身につける

人が多い場所での不安や緊張を和らげるために、リラックス法を身につけてみましょう。リラクゼーション技法には以下のようなものがあります。

  • 深呼吸
  • 筋弛緩法
  • マインドフルネス

深呼吸
ゆっくりとした深い呼吸を行うことで自律神経を整え、副交感神経を優位にすることによってリラックス効果を得る方法です。お腹が膨らむようにゆっくりと息を吸い込んだら、吸った時間の倍の時間をかけて口からゆっくりと息を吐き出します。このとき、お腹がへこむように意識しましょう。これを5回程度繰り返します。

筋弛緩法
筋弛緩法は、筋肉を意識的に緊張させた後に力を抜くことで、身体のリラックスを促す方法です。筋肉を10秒間ほど力を入れて緊張させたら、次に10〜20秒間かけて力を抜きます。手・腕・肩・顔・お腹・足など、全身の主要な筋肉群に対して順番に行ってみましょう。

マインドフルネス
マインドフルネスとは、「今この瞬間」に意識を集中し、現実をあるがままに受け入れることを目的とした技法です。呼吸に意識を向け、自分の体の感覚や心の状態をそのまま受け入れでることで雑念や無駄な思考から解放され、心を落ち着かせることができます。

これらを日常的に練習しておくと、人が多いところで不安が高まったときに役立ちます。

考え方を変えるようにする

自分自身の思考パターンを見直し、「人が多いところ=不快・不安」という考え方を柔軟にすることが大切です。たとえば、人が多いところは新しい出会いや経験の場であると捉え直すことで、ポジティブな視点から状況を受け入れることができます。

また、ネガティブな思考に囚われないように意識することで、心の余裕が生まれます。自分の中にある不安ではなく、周囲の環境に意識を向けるようにするのです。このような思考の転換はすぐには難しいかもしれませんが、少しずつ意識して取り組むことで確実に変化が現れます。

環境を整える

自分自身の環境を整えることも人の多いところでの不快感を減らすことができます。たとえば、音好きな音楽を聴けるようにイヤホンを持参したり、人混みを避けられる迂回路をあらかじめ調べておいたりすることで不安を軽減できるのです。

また、休憩できる場所を事前に確認しておくと安心感につながります。衣服や持ち物など、身につけるものも快適なものを選ぶことでも心理的な余裕が生まれます。自分自身が快適でいられる環境を作るようにしてみましょう。

周りの人の助けを借りる

周りの人の助けを借りることも有効な手段です。信頼できる友人や家族と一緒に行動することで安心感が得られます。また、自分が感じている不安について話すことで、新たな視点やアドバイスを得ることもできます。

必要に応じて、カウンセラーなどの専門家に相談することも一つの方法です。一人で抱え込まず、信頼できる人に協力を求めてみましょう

健康的な生活をする

十分な睡眠やバランスの取れた食事は、心身ともに健康な状態を維持し、不安やストレスへの耐性を高めます。また、定期的な運動はストレスホルモンであるコルチゾールの減少につながり、リラックス効果があります。

このような日々の習慣の改善は、一見地味かもしれませんが、長期的には大きな効果があります。健康的な体と心は、人が多いところへの不安感に対しても良い効果が期待できるのです。

日常生活で使える対処法

ここからは、人が多いところが苦手な人が日常的に使える対象法を紹介します。

不安な気持ちから注意を逸らす

人が多いところで不安を感じたときは、その気持ちから注意をそらすことが効果的な対処法となります。たとえば、以下のようなものがあります。

  • スマートフォンで好きな動画を見たり音楽を聴いたりする
  • 本や雑誌を読む
  • 周囲の建物や景色を観察したり、目標を決めてそこまでの道のりを考えたりする
  • 数字を逆から数えたり、暗算をしたりして簡単な頭の体操をする

このように意識的に注意を逸らすことで不安から解放され、心の余裕を取り戻すことができます。日常的にこの方法を取り入れると、人が多いところへの苦手意識も少しずつ和らいでいくでしょう。

安全な空間を確保する

人が多いところにいても、自分だけの安全な空間を確保することことで、不安を軽減できます。安全な空間とは、心理的にも物理的にも安心できる場所のことです。

たとえば、電車では壁際や角の席を選んだり、レストランでは出入り口が見える位置に座ったりするなど、少しでも安心できる場所を確保します。マスクサングラス帽子などのアイテムを活用することでも心理的な防御壁を作れます。

誰かとつながることで安心感を得る

人が多いところでは、信頼できる友人や家族と一緒に行動することで心強さと安心感が得られます。一人で不安を抱え込まず、誰かとつながることを心がけましょう。

また、SNSやメッセージなどで離れた場所にいる人とつながることも、心理的な支えになります。必要な時にはすぐに誰かに連絡できる状態を整えておくことで、「いざという時の備え」として安心感を得ることができるのです。

考え方を変えてみると不安を減らすことができる

人が多いところに対する苦手意識は簡単には消せないかもしれません。無理のないように少しずつ対処法を実践していくようにしましょう。人混みに対して感じる不安を減らしたい場合は、基本的な考え方を変えてみると効果が期待できるかもしれません。

Jam氏の著書『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』では、嫌な気持ちや悩みを消してくれる考え方のコツを紹介しています。人生において自分を守るための考え方ですが、この考え方を取り入れることで心がラクになるのがわかります。

かわいいマンガとともに説明されているのでわかりやすく、人の多いところで自分の不安から注意を逸らすための読書にぴったりです。ぜひカバンに忍ばせて、人混みで心が疲弊しそうになったときにパラパラとめくってみてください。きっと元気が出ます。

この記事は書籍『 多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 』の関連コラムです。