ストレス社会といわれる現代ですが、その原因のほとんどは人間関係にあると言われています。人間関係は複雑で難解なため、誰もが日常的にストレスを感じる場面があるはずです。
「人間関係に悩みすぎて、ストレスが溜まる」
「いつも他人の意見に振り回されてしまう」
「ストレスを減らすために人間関係の問題を改善したい」
この様な悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか？本記事では、犬塚壮志氏の著書『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』をもとに、人間関係でのストレスを軽減させる具体的な方法を徹底的に解説いたします。
この方法を実践することで、人間関係によるストレスから解放され、充実した日々が過ごせるようになるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。
目次
人間関係でストレスが溜まる理由4選
人間関係でストレスが溜まる主な理由は以下の4つです。
- 他人に気を遣いすぎてしまう
- 相手のことが理解できていない
- 相手に好かれていない
- 相手の感情や反応に振り回される
以下に詳しく解説していきます。
1.他人に気を遣いすぎてしまう
他人への気遣いが過剰になってしまうと、自分の主張をハッキリと伝えられないせいで、ストレスが溜まってしまいます。たとえば、飲み会や遊びに誘われた際に、本当は行きたくないのに断れなくてストレスを感じてしまうケースです。
人間関係において気遣いは大切ですが、自分の意見を押し殺した状態だと、ストレスにつながってしまいます。
2.相手のことが理解できていない
相手の考え方や感情、価値観が理解できていないと、人とのコミュニケーションがうまく取れず、結果として意見の対立や誤解を招く結果になりかねません。
例えば相手は話に共感してほしいと考えているのに、「それは違う」と否定する言葉ばかり投げかけてしまうと、相手に不快感を与えてしまうでしょう。
ところが否定する側は、実は解決策を真剣に考えているだけで、不快に感じている相手を見て「なぜ理解できないのか」と不満を持つことがあります。
こうした状況は互いにストレスを感じる原因となり、より人間関係の悪化を招いてしまう可能性があります。
3.相手に好かれていない
相手に好意を持ってもらえない状況下でコミュニケーションを取ることは、非常に困難です。
前向きに話しかけても、無視されたり、冷たくあしらわれたりすると大きなストレスを感じてしまいます。状況を改善させるために、しつこく相手とコミュニケーションを図ろうとしても、逆効果になってしまう可能性が高いでしょう。
4.他人と比較してしまう
自分と他人を比較すると、ストレスが溜まってしまいます。友人や同僚の成功を見て「自分はまだそこまでできていない」と感じてしまうと、自信をなくしたり焦ったりしてしまう原因になり、結果としてストレスが溜まってしまいます。
SNSなどでも他人が充実して過ごしているのを見ると「自分の生活は面白くない」「他人はもっと楽しんでいる」と他人に対して劣等感を感じることもあります。
人間関係のストレスを減らすための方法8選
人間関係でのストレスを減らすためには、良好な人間関係を築くことが大切です。相手に好印象を与える方法を知って、実践してみましょう。
人間関係のストレスを減らすための方法は以下の8つです。
- 自分の譲れないことを明確にする
- 相手の情報を調べておく
- 与えられる人になる
- 会う回数を増やす
- 好意を相手に伝える
- 初対面には見せたいところだけを見せる
- 身を守る方法を理解しておく
- 他人と自分を比較しない
それぞれ詳しく解説していきます。
1.自分の譲れないことを明確にする
対人関係において、自分が譲れない価値観を明確に持つことは大切です。自分の中で譲れないことが明確になれば、行動と意見がぶれなくなり、人から信頼されやすくなるでしょう。
自分の譲れないことをはっきりと主張することで、他人の意見や行動に無理に合わせる必要がなくなります。自分自身の価値を認識し、それに基づいて行動することで、自分のペースを崩すことなく、ストレスフリーな人間関係を築くことが可能となります。
2.相手の情報を調べておく
相手の好み、嫌いなこと、趣味、関心事など、個人的な情報を事前に把握しておくことで、コミュニケーションが取りやすくなり、対人ストレスが軽減されます。
具体的な方法としては、相手のSNSアカウントをチェックするなどして詳細な情報を得ることが有効です。
普段の会話の中でも、相手の関心事や好みについて質問してみるのもおすすめの方法です。得られた情報を利用して共通の話題を見つけたり、相手が求めていることを察知して自然な形で相手が求めている条件で提案したりすることも可能になります。
3.与えられる人になる
人は何かを与えられると無意識に「お返しをしなければいけない」と感じてしまう習性があります。これを「返報性の法則」といいます。
たとえば、スーパーの食品コーナーで、試食した際に欲しくもない商品を買ってしまう経験があると思いますが、これは「返報性の法則」によるものです。
人に何かを与えることで、相手からも何かを与えてもらう機会が増えていき、次第に良好な関係性が築けるようになります。「返報性の法則」は嫌われている相手に対しても有効な手段なので、ぜひ活用してみてください。
4.会う回数を増やす
人と会う頻度が増えることで、相手への親近感や好意が高まるという心理的現象があります。これは「単純接触効果」と呼ばれるものです。
たとえば、同じ職場やクラスで何度も顔を合わせることで自然と友情が生まれるのも、この単純接触効果によるものです。恋愛においても、頻繁に会うことで相手への好意が増すと言われています。親密度が増すことで、相手からのプレッシャーやストレスを軽減できるので、人間関係におけるストレスを減らせます。
しかし、相手から嫌われている場合や相性が良くない場合は、単純接触効果はマイナスに作用する可能性があるので注意が必要です。
5.好意を相手に伝える
好意を相手に伝えることで、相手もあなたを意識するので人間関係が良好になります。具体的には、家族に感謝の言葉を伝えたり、上司に尊敬していることを伝えたりすることで、相手は自分に対して好意的な印象を持ってくれます。
しかし、警戒心の強い人は急に褒められると「何か裏があるんじゃないか？」と疑ってしまうケースもあるので注意が必要です。相手の反応を見ながら少しずつ好意を伝えてみましょう。
少し遠回りな伝え方になりますが、第三者から間接的に好意を伝えてもらう方法も有効なのでおすすめです。
6.初対面には見せたいところだけを見せる
初対面の相手と良好な人間関係を築くには第一印象をよくするためが何より大切です。そのためには「自分の見せたい部分だけを見せる」ことを意識してみてください。
初対面での印象は非常に強力で、その後の関係に大きく影響します。まずは、自分自身の良い面、人に見せたい部分を強調してみましょう。相手はあなたに対する印象が良くなり、お互いにストレスを感じる場面を減らせます。
もちろん、親交が深まるうちに悪い面も見られてしまいますが、はじめに自分の良いところをしっかり見せておけば、その後に多少イメージがマイナスになることがあっても、良い印象は覆りません。
初対面の相手には、まず好印象を持ってもらえるような「見せたいところ」を強調して見せてみましょう。
7.身を守る方法を理解しておく
人間関係によるストレスを避けるためには、自分の身を自分で守ることが大切です。対人トラブルから身を守る方法を理解しておくことで、精神的な安定につながります。
具体的には、以下の方法を意識してみてください。
【対人トラブルから身を守る方法】
- 嫌なことは断る
- ネガティブな意見に影響されない
- 無理に合わせようとしない
- 相手のペースに乗せられない
- 借りを作らない
- 周囲の人に助けを求める
これらを意識するだけで、日常的に受けやすいストレスをかなり防げるはずです。身を守る方法をぜひ身につけていきましょう。
8.他人と自分を比較しない
他人と自分を比較すると不要に競争心や劣等感が生じてしまうので、ストレスの原因となります。
それぞれの人が持つ個性や経験は異なるため、「自分の成長」と「目標達成」のみに焦点を当てることが大切です。
自分の才能や、努力、成功を認めることができれば自己肯定感が向上します。結果として、他人と比べてストレスを感じてしまうことも少なくなります。
「人間関係に悩んでいる人」におすすめの本を紹介
対人関係のストレスに悩んでる人におすすめの一冊が『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』です。
著者・犬塚壮志氏はかつて交渉が苦手で対人関係のストレスに頭を抱えていましたが、東京大学大学院で、交渉学を始めとしたさまざまな学問を研究しながら、1000冊以上の文献を読み解きました。その結果、習得した交渉術で自身の人間関係によるストレスを解消させました。
本書では著者の豊富な経験と学術的知識をもとに「頭のいい交渉力」を身につけるための「55の具体的な交渉術」が解説されています。
誰でもすぐに実践可能で、対人関係の問題解消に直結する内容となっているので、この本を読めば、毎日の人間関係で感じるストレスを軽減し健全な人間関係が構築できます。
まとめ
今回は、人間関係により発生する「ストレスの原因」と「ストレスを減らす方法」をご紹介しました。
さらに深い理解を得るためには、犬塚壮志著の『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』を読むことをおすすめします。この本では、頭のいい交渉術を活用することで、人間関係を良好にしていく具体的な方法が詳細に説明されています。
この本に書かれている内容を学んで実践していくことで、人間関係から発生するストレスを大幅に軽減できます。
興味のある方は、ぜひ一度手に取って読んでみてください。
頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術
犬塚 壮志（著）
定価：1,680円（税込1,848円）
もめない・論破しない、いつの間にか相手が味方になる！ 東大の交渉学と文献1000本から学んだ技術50。
