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子どもの舌打ちにはこう声をかける
我が家には7歳と4歳の子どもがいるから、その点でも夫の舌打ちは厳しく取り締まっていて、「親なんだから、絶対に舌打ちなんかしちゃダメ!」という話も必ずする。




「舌打ちなんて、子どもに悪影響すぎる。『パパがやっていたから』って、何の気になしにやるようになってしまったら、本人が損をするし、野蛮な人から絡まれたり攻撃を受けるリスクにもなる。ただの男としても舌打ちなんかキモくてダサいからやめるべきだけど、親なら尚更、舌打ちは絶対にダメ。子どもが真似をしたら苦労するような行為全般、親になったら気を付けるべき」などと伝えるわけなんだけど、そうやって封印させていても、息子の口から舌打ちが出てくることがあって。
とは言っても、子どもの舌打ちは大人のソレとは別物で、イラッとしたのであろうシチュエーションで出てくるわけじゃなく、口寂しい時に出てくる仕草の一種として、チェッチェチェッチェとリズミカルに刻み始めたりするんだけど、そんな場合にはこんな声がけをする。
「それね、『舌打ち』って言って、攻撃の意味がある音なんだ。自分にそんなつもりがなくても、その音を聞いた人は『え、攻撃された?!』って感じることがある。他人から『コイツは自分に攻撃を仕掛けてきた』って誤解をされちゃうと、『やられる前に、先にやっつけなきゃ!』って思われて、自分が攻撃をされる場合がある。だから、攻撃の意味を持つ行動を何となくやってしまうのは、すごく危ないことなんだよ。だから舌打ちはやめようね」
人間界で生きていく上で、この手の無知は大きなリスク。こういう知恵を授けることはすごく大切な教育だと思ってる。
「あなたに対してじゃない」も当然NG
世の中には「これはゲームに負けた自分に苛立った時に出ているものであって、人に向けたものじゃない。ゲームをやってる時に出ちゃう舌打ちはしょうがないでしょ?」みたいなことを言い出す夫がいるらしいのだけど、もちろんそんなのも私からしたら全力のNG。
汚い言葉と一緒で、舌打ちというのは耳に入ること自体がストレスになる記号だから。たとえば壁が薄いアパートに住んでいて、隣の夫婦が毎日大声で罵詈雑言を浴びせあっていたら、それらの言葉が自分に向けられたものでなくても、ストレスになるでしょ。「バカ!」「死ね!」「カス!うぜえんだよ!」「ブース!」とかの声が耳に入るだけで、十分にストレスホルモンが分泌されて、細胞がダメージをくらうでしょう。私は幼少期に二世帯住宅に住んでいて、下の階に住む祖父母が毎日大声で夫婦喧嘩をしていることが、しっかりストレスだったわ。
あなたが何に向けてようと、どんなつもりであろうと、私にとって舌打ちは「不機嫌」「不満」「攻撃」の信号であって、そういうメッセージとして体に入ってくるから、ストレスになる。
ストレスになるってことは、身体にダメージをくらうってことで、病気に近づくってこと。あなたは妻を病気に近づけてまで、どうしてもそのゲームをやりたいの?そもそも舌打ちせずにはいられないゲームなんてあなたの体にも悪そうだし、あなたが病気になったら看病やら介護を私がするわけだから、舌打ちせずにはいられないゲームなんてやらないでほしいし、あなたのゲームのために私の健康が損なわれていくのは不本意だから、あなたにとって私や自分の健康よりゲームの方が優先順位が高いなら離婚がしたいんだけど、その辺りどういう考え?ゲームって余暇を楽しむためにやることじゃないの?どんな意向なの?どういう意志と覚悟であなたは舌打ちをしてまでゲームをする道を選んでいるの?っていう感じで、私ならとことん話し合う。その結果、お互いのために別々の道に進む決断も全然ありえるわ。
溜め息は吐き放題でOKよ
最後に、溜め息についてだけど、私は溜め息に関しては全然吐かれても嫌じゃないのよね。そんなに悪い信号だとも思わないし。
だって、呼吸って体に良いのよ。大前提。だから溜め息もどちらかといえば、健康に向かう活動なの。深呼吸って自律神経にすごく良い影響をもたらすけど、溜め息って通常より大きめに息を吐くわけだからその後自然に大きめに吸えるでしょ。体にピースすぎなのよ。
溜め息って呆れた時に吐くってよりも、ホッとした瞬間に出たり、安心してリラックスした時に出たりするイメージでもあるし、私はそう。
近くで溜め息を吐かれると「自分が何かしてしまったのかも」とか「どうしたんだろう、ストレスを抱えてるのかな?」とかって気が気じゃない気持ちになるなら、質問したら良いじゃない。「どうしたの?」「何かあった?」って。コミュニケーションのキッカケでしかないわ。
舌打ちは攻撃の信号だけど、溜め息はどちらかと言うと、深呼吸が持つ効果効能を求めてやることだと思うの。一説によると溜め息には「自律神経のバランスを整える・リラックス効果・集中力を高める・血流を改善する・心の状態をリセットするetc..」などの効果があるらしいし、溜め息はともかく深呼吸で言えばそれらの効果の実感が私自身はあるし、だから、そうやって自分を立て直すのって、建設的な姿勢だと思うし、たとえば夫婦喧嘩の最中で溜め息が出たとしても、むしろ健気だと思うわ。一旦自分を整えて、さらなる話し合いに臨もうとしてくれているってことでしょ。
相手に対してドン引いてて、本気で嫌悪してて、付き合い切れない気持ちの時って、溜め息なんか出ないもの。あんぐりしたり、ワナワナして震えたりするわよね。溜め息が出てるなら、向き合う気なんだろうし、「あなたとこれからも一緒にいるために、もういっちょ頑張りますか〜」のフラグだわ。
大事なことだからもう一度言うわ。呼吸は体に良いのよ。少し手の込んだ呼吸である溜め息は、とくに体にピースなのよ。やりたいだけやらせてあげた方が健康的よ。
溜め息を聞きつけて「自分のせいかも」と思うなら、一人で被害妄想を膨らませて不安になってないで、尋ねなさいよ。
本当にあなたのせいなら、それはさっさと確認した方がお互いのためだろうし、そうじゃない場合は、相手にとって誤解を解くチャンスになる。自分を整えるための溜め息でそんなこと思われてる相手も可哀想よ。
夫婦なんだから、もっとコミュニケーションを取りなさい。取る気を持ちなさい。それは結婚を人生の墓場にしないために必要な意志よ。
下田美咲 1989年生まれの35歳。有料noteの売上が累計2億5千万円を突破している令和時代の売れっ子エッセイストで、2児の母。 10代の頃よりモデル・タレントとして活動。 21歳の時に始めたYouTube企画「下田美咲の動画プロジェクト」が人気を博し、 当時としては異例の再生回数を連発。「コールの女王」として注目を浴び、多数のテレビに出演する。「下田美咲参上」のフレーズも話題に。 27歳の時に、結婚を機に作家に転向する。 現在までに出版した著書は「新型ぶりっ子のススメ」「人生の作戦会議!」など7冊で、作家として「セブンルール」「ボクらの時代」などに出演。 2018年より、読者の質問相談に個別対応するためのオンラインサロンをオープン。月額12500円と高額ながらも、現在までに2000会員と交流。誰よりも読者のリアルに詳しい作家になることを目指し、やり取りを重ねている。 2024年現在のSNSの総フォロワー数は11万人。 下田美咲Instagram https://www.instagram.com/shimodamisaki815/profilecard/ 下田美咲サロン「人生を動かす目からウロコ」 https://lounge.dmm.com/detail/1612/