お悩み解決のスペシャリスト・下田美咲が読者からの相談に答える本連載。今回も、人生を変える価値観を授けることをモットーにズバリ言うわよ。
いつも昼食の会話に参加しづらいです…。
これってつまりのこと「仕事関係の飲み会に参加するべきか否か」「業務時間外まで会社の人と付き合う義理はあるのか。義務じゃないし、パスしていいよね?」「会社の飲み会なんて給料発生しないんだから仕事じゃないでしょ」っていう話題だと思うのですが。それについての私の意見はこうです。
「その手の飲み会に乗り気で参加する人間が成り上がっていく」という事実を把握した上での選択に関しては、自分の自由よ。
目次
飲み会はサービス残業じゃなくてチャンスタイム
「会社の飲み会なんて行きたくない」「仕事関係者との飲み会って必要?」と考える人たちって、その手の飲み会に参加することを、サービス残業かなんかだと捉えていると思うんだけど、私は逆だと思っていて。
仕事の関係者との飲み会は、サービスじゃなくて、チャンスよ。自分が仕事上で得たいものを掴み取るためのチャンスタイム、それが仕事関係の飲み会の正体。
私は会社員を経験したことはないけど、仕事関係の人との飲み会は多い人生を送ってきたというか、いや、むしろ、飲み会から仕事関係者や新規プロジェクトを爆誕させてきた。私にとって飲み会は今も昔も、自分にとって必要な縁を掴み取り、そして育てる場所でしかない。
雑談ができる機会って強力なチャンス
飲み会の何が素晴らしいって、あらゆることを雑談のノリでいったん口にできること。
つまりのこと、気楽にいろんなことを打診できるチャンスタイムなの。
たとえばあなたが親ならば想像してみてほしいのだけど、子どもが学校にまつわる困りごとを訴えてきた時などに、親として連絡帳にその旨を書いて先生に知らせる機会ってあるでしょ。私はよくあるわ。すぐ連絡帳に書くタイプの親だから。
だけど、連絡帳への記入って細かいニュアンスまで出しづらいのよね。なるべく短く要点だけに絞り込んで書く形になるから、どうしたって無機質な文章になる。
「親としては本当のところはこう思っていて、先生も間に挟まれて大変だなと思っているし、対応は求めるけれど、先生たちも本当にお疲れ様です!!!な気持ちです!」みたいなことって、対面とか電話であればササっと詰め込んで言えるけど、連絡帳への記入だとそうはいかない。
だから私は、いつも個人面談の時に、自分の人となりとか親としてのスタンスを雑談の中でザックリと伝えるようにしてる。というか、伝わるような雑談をしておくようにしている。「下田さんってあの人か、あの人がこの文章を書いたのか、ってことはこういう感じだろうな」って思ってもらえるように。
そんな風に、連絡帳への記入では行き届かない部分は会って話せる機会にフォローしておくことを目指しているのだけど、仕事関係の飲み会ってまさにそれで。それの最上級のやつなの。
仕事をしている中で、「もっとこうしたい」「こうだったらいいのに」「このことで地味に困ってる」「これなんとかならないかなぁ…」「こういうことをやってみたいなぁ」みたいな、内心思ってることって色々あるでしょ。
それに、「あの時実はすごく嬉しかった」とか「救われた」とか「助けられた」みたいなことも、仕事中はなかなか言うタイミングがないし、言いそびれがちじゃない?
飲み会って、そういうのを伝えるのに打ってつけなチャンスなのよ!
飲み会は、マジトーンを避けて伝えられる唯一無二の環境
あらゆる提案や相談や質問や打診は、メールで送るとなると業務的で無機質な文章を一方的に送りつけることになるし、仕事時間の中でわざわざ時間を取ってもらって伝えるとなると、マジトーンの一択になる。
だから、伝える方も勇気がいるし、「そこまでして伝える必要があるか…?」と考えてしまうからお蔵に入れがちにもなる。
それに、受ける側にとっても重い。文章で送られてきたり、マジトーンで言われたら、軽く流せないし、ちゃんとジャッジをして回答することが求められる。
それと比べて、飲み会での雑談は双方にとって超絶気楽に色んなことを話せるから素晴らしい。
相手の反応を受け取りながら話を進められるから、ちょろっと伝えて反応を見て、『あ、この件を伝えるべき相手は、この人じゃなさそうだな。この人に伝えても意味がない』と思ったら、さっと話を変えてしまえば、なかったことにもできる。
逆に、軽く触れた話題に相手が「それめっちゃ面白いね!」とか「え〜そういう時は言ってよ〜!力になるから」みたいな、前向きだったり前のめりな反応を見せてくれた場合、“その人にその話を本格的にしてみる価値”が出てくる。
たとえば企画のプレゼンでいうと、雑談の中で軽く打診をして相手の反応を見ることで負け戦をしないで済むし、相手のツボを探ることもできるから、後日より効果的なプレゼンを仕掛けることにも繋げられる。
どんな話も、業務時間内に業務的なツールで伝えるとなると堅苦しくなるし、形式に当てはめることになるからニュアンスまで伝わらなくなるけれど、飲み会のような雑談ができる場だと「こんなことがあって、こういう風に思って、それでああでこうで、その結果としてこんなことを考えるようになって」みたいな一連のエピソードのオチとして、相談だったり提案だったりができる。それは、無機質な文章で要請を出すのとは、相手の中に全く違う届き方をする。
私は“仕事絡みの飲み会”を通して、仕事仲間を増やしたり、仲間との関係を深めたり、他者の協力が必要な新規プロジェクトを立ち上げる流れを掴み取ったりしてきたから、飲み会って、仕事上の願いを叶えるためのチャンスタイムでしかないし、より快適に仕事をするためのツールだと思ってる。
マジトーンで伝える一歩手前に、軽くジャブを打って反応を見れるチャンスがあるのって尊すぎるから。