嫌われる女になりなさい

批判も応援も、自分の魅力を知るためのデータである

#連載エッセイ
#嫌われる女になりなさい

応援に目を向けると、見えるもの。

ある時、批判ばかり拾うのではなく
褒められていることもスルーせずに受け取ろうと思い直し
「周りの人が言ってくれた褒め言葉」をノートに書き留めていくようになった
いつもは右から左へ受け流している言葉を、耳でキャッチするだけで最初はひと苦労だった。

書き留めた箇条書きの文字が増えるにつれ、今までたくさんの人が同じことを言ってくれていたことに気づく。
自分はダメな人間だなと思っていたけれど こんな風に言ってもらえる人なんだと知り
自分を愛することができるようになっていった。

そのうち「A」というポジティブな意見も「B」というネガティブな意見も、
同じ「C」のことを言っているだけだと気づいた。

例えば、行動力があって 自分の思いを伝えられる人のことを
「しっかりしているね」と表現する人もいれば
「でしゃばりだね」と表現する人もいる

どのような意見も、1つのものに対しての個人の表現の違いだと気づいた。

存在するってことは、意見を持たれるってこと。

誰かについて意見を言う時に、批判という形になるのか、応援という形になるのかは、言う側の問題だ。
だから、出会う人全員にいい感想を言ってもらいたいと思うのは無理で、そこに労力をかけてもゴールはないのだ。

有名な「ロバと老夫婦の話」がある。
私がYouTubeを始めた頃、視聴者の反応に一喜一憂してしまうと言ったら、当時高校生だった長男がこのロバの話をしてくれた。

知らない方のために簡単に説明すると
ロバを連れた、おじいさんとおばあさんがいて
1)おじいさんがロバに乗れば「威張った旦那だ」と言われる
2)おばあさんがロバに乗れば「あの旦那は奥さんに頭が上がらないんだ」と言われる
3)夫婦でロバに乗れば「ロバがかわいそう」と言われる
4)じゃあもう2人ともロバに乗らなければいいと思ったら「ロバの乗り方も知らない」と言われる

という話で
すべての人を納得させることは難しいということの例えだそう。
つまり「何をしても何か言われるから、反応を気にしてもしょうがない」と息子は言った。

饅頭があるということは、 饅頭を好きな人も、嫌いな人も存在するってことだ。
思い思いの感想がなくなることはない

存在するということは、感想があるということ。

いつしか、言われないように生きていた人生から
言われるのが自然だと思えるようになっていった私だ。

人から言われることは、自分の中にある要素

先ほども伝えた通り、
「A」と「B」は「C」の感想で、同じものについて話している

「批判」を減らして「肯定的な意見だけ」もらいたいと思うかも知れないが
批判も大事だったりする。ちょっと考えを改めてほしい。
言われたくない言葉はあると思うけれど、そもそも その人から全く出ていないものが言われることはないのだ。

「だらしがなくて」「時間にルーズで」「話を聞いていない」とか
一見批判ばかりで 受け取りたくない言葉だったとしても

自分に要素がないなら言われないのだ。
すべて自分から出ているものだ。

人に嫌われたくないと思っている人たちは、
自分の嫌いな部分を認めたくない人でもある。

だから自分が嫌いな部分を受け取れず、批判を恐れる。
言われたことは 自分の要素の1つなので、どんなことでも一度勇気を出して受け入れてみてほしい

批判も応援も、自分の魅力を知るためのデータ

何か言われた時に、「そうじゃない!」と言いたくなる気持ちを我慢して

嫌な指摘にこそ「あー私そうゆうとこあるよね」 と歯を食いしばって言ってみるのをおすすめしている。
「私そういうとこあるよね」と口にすると、相手の反応も今までとは違ってくるし(なぜかスムーズに和やかな雰囲気になる)
自分の中で頑固に握りしめていたものが、だんだん緩んでくる。

そういうとこあるよね、は魔法の言葉だと思う。
言えるほどに、自分の短所も認められるようになっていき、人の指摘も「ま、その通りだもんな。仕方ないかー♡」と思えるようになるから不思議だ。

逆に、褒められた時には、「どこでそう思いましたか?」と聞くとさらに自分の魅力に気づける。
「しっかりしてるね〜」と言われたら「ありがとうございます」で流さず「えーどうしてそう思ったんですか? どんなところでそう思いました?」と聞いてみる。

そこで言われることが、大体 自分ではあまりわかっていなくて
「え、そうなんだ!」とはじめて気づき なんだか自分はいい人だな・・と思えてくるのだ。
批判を減らそうとする方を頑張るのではなく、褒められたことを受け取るように頑張ってほしい。

私は私でしかない。感想はご自由に。

自分の要素を認めて、全体像がわかってくると
ああ他人から見た私はこういう人なんだ・・と 客観的に認めることができる

人に嫌われないように、批判を恐れていちいち気にしている頃は
誰も自分のことをわかってくれないと思っていたけれど、わかっていないのは何を隠そう自分自身だった。
何を言われても、私は私であればいいし、以上でも以下でもなく“私”でしかない
いくら誤魔化しても、いいところも悪いところも隠せないし バレているものだ。

自分がわかってくると、人の感想を感想としてありがたく聞けるようになる
一緒にいてくれる人への感謝も前よりずっと深くなる。

言われることを許せるようになった方が、楽だ。

わたしを表す言葉は自由
批判であれ応援であれ 自分の魅力について好きな言葉で言っていただいていい
隠しても私は私でしかない。感想はご自由に。


高橋あい/恋愛コンサルタント

自身の“体験談”をもとに、テクニックを綴ったブログが人気となり
恋愛コンサルタントとして活躍中。
雑誌やテレビ、ラジオなどメディア出演多数。
著書
『最速で出会いが増える顔になる(サンクチュアリ出版)』
『不安0%の恋をはじめる方法(大和出版)』『1ミリでも距離を縮めたい彼女になる(大和出版)』
ameba blog「不安で泣かない私になれる」https://ameblo.jp/realmind-ai/
この記事は書籍『 最速で出会いが増える顔になる 』の関連コラムです。