時短や効率化など、さまざまな仕事術がありますが、ここで紹介するのは、人生を好きに生きるための仕事術です。お笑いの世界で結果を残した、覚悟と信念から生まれた仕事術とは、一体どのようなものなのでしょうか。
テレビディレクターや演出家として活躍しているマッコイ斉藤氏。名前をご存知の方も多いのではないでしょうか。この記事では、反骨心を思い出すような少し尖った仕事術を、マッコイ斉藤氏著書の『非エリートの勝負学』から抜粋してご紹介します。最後まで読めば、残りの人生をもっと面白くするヒントが見つかるかもしれません。仕事でもきっと役立つことでしょう。
目次
望むものを手に入れるための仕事術5選
仕事で手に入れたいものがあるときに参考になる仕事術をご紹介します。
1.不安なら、あえて勝負する
現状に満足できない、将来が不安。そう思っている人は、勝負をしていないのだと思います。自分が望むものを手に入れるためには、なんらかの「投資」が欠かせません。この商売に賭ける、この人間に賭ける、この技術に賭けるなど、リスクを背負うべきなのです。
1億円を損した人は、1億円を稼げる人。ホームランで一発逆転できる人です。
失敗を乗り越えないと、成功はありません。ただ人に雇われていて何の勝負もしていないなら、現状に満足できないのは何もしなかったツケにすぎないのです。
2.根拠のない自信でやっていく
衝動で突っ走った人間が、全員成功できるわけではありません。しかし、衝動で突っ走った人間の中からしか、成功する人間が現れないとも言えます。自分はいけるという根拠のない自信と、勝つまでやろうという覚悟があるなら、ある日突然、結果がついてくるかもしれません。
3.上をめざすなら、今までのやり方を捨てる
一流になるのには、一流の覚悟がいります。それは今までの古いやり方を捨てるという覚悟。中身だけで勝負する必要があります。アブラ(古いやり方)にはアブラの良さがありますが、好むかどうかは人によるもの。古いやり方を捨てないと見えない世界があるのです。
4.他人の倍やる
仕事で負けたくなかったら、人より多く行動するしかありません。コスパ良く働くことや、早く結果を出すことは考えないことです。手に入れたいものは、誰でも簡単に手に入るようなものではなく、もっと大きいもの。だったら、他人の倍やるしかないのです。
5.重圧は成長機会だと考える
緊張する機会はできれば避けたいと思うかもしれません。しかし、萎縮を避けるのはもったいないこと。全ての成長は萎縮から始まるからです。バネと同じで、大きく飛び上がる前には、まず萎縮させられます。
一流の人は近寄りがたくて怖いと感じるでしょう。重圧も半端ではありません。しかし、一流の人と向き合い、戦わないと一流にはなれないのです。
成長するための仕事術5選
成長のきっかけとなる考え方を見ていきましょう。
1.人の成功を心から祝福する
身近な人が成功したら、心からの拍手を送りましょう。口では「よかったね」と言いながら、心では「たいしたことないね」と思う自分がいたら、それを許してはいけません。ひがみ・やっかみは努力しない人の病気です。
人はそれぞれ咲く時期が違うので、今咲いている人をうらやんでも仕方がありません。自分も頑張れば、来年咲けるかもしれないのですから。誰かが成功しても、焦る必要はありません。他人の勝ちは、自分の負けではないのです。
2.食わず嫌いをしない
なんでも「知りません」「教えてください」と食いついていきましょう。知らないことに食いつけるかどうかで人生は確実に変わります。
年をとるごとに他人から教わることが恥ずかしくなり、また面倒にもなります。しかし、知らなくても楽しめるけれど、知っているからもっと楽しめるということがあるのも事実。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という言葉を大切にしましょう。知っておいた方が得だよと、神様が教えてくれているのです。
3.新しい場所で自分の力を試す
この世に安泰の仕事などありません。バブル期の頃、テレビの制作費は深夜番組でも1本200万。しかし現在は50万ほどです。他の業界でも、似たようなことは起こりうるでしょう。
業界もろとも消えてなくなるかもしれないとき、それでもその業界にすがり続けるのか、新しい道を切り開いていくのかで、大きく変わります。自分の能力がどこでどう通用するのかは誰にもわからないのです。どんどん新しい場所で試してみるといいでしょう。
4.ダメ出しに感謝する
ダメ出しは自分の伸びしろです。もらったら感謝すべきもの。年齢を重ねるごとに、誰も言ってくれなくなります。これは、自分が完璧になったということではなく、伝えるのが面倒くさい存在になってしまっているだけ。
ダメ出しをされたら悔しい気持ちになり、傷つくこともあるでしょう。しかし、黙っていれば楽なのに、あえて厳しく言ってくれるのは優しい証拠。耳の痛い話はちゃんと聞きましょう。それが真実なのです。
5.最高の自分をイメージする
つねにプレイヤーとして最高の自分をイメージすること。これにより、緊張感が生まれ、モチベーションが尽きることがありません。
誰が満足しようと自分だけは満足しないようにすると、必ず仕事の反省点が出てきます。その反省点こそが、まだやれることがあるという証拠。その気持ちがある限り、仕事が続けられるのです。
リーダーに必要な仕事術3選
リーダーになったときに役立つ仕事術を紹介していきます。
1.群れない、ブレない、逃げない
<群れない>
現場のリーダーは、孤高の一匹狼となるべきです。怖くて、近寄りがたくて、声をかけづらい態度が必須。自分が良い人にならなければ、みんなにいい顔をしなくても済むからです。
<ブレない>
人は感情に流されたり、言い訳をしたりします。否定的な意見や、中断する理由もいくらでも出てきます。しかし、一度決めたことは、とにかく押し通すことが大切。やってみなければ、結果はわかりません。
<逃げない>
うまくいかないことを別の何かのせいにしたり、揉め事が起こったりしても知らないふりをしてしまいがちです。しかし、そのとき自分がまず盾になること。尻込みしてはいけません。
決断することや盾になることは怖いかもしれませんが、「言ったことはやる」という決意と、「何かあったら守る」という覚悟がなければ、人はついてこないのです。
2.避難も、賞賛も受け流す
人は、成長に合わせて次の3つを試されます。
- 根性
- 謙虚さ
- 信念
詳しく見ていきましょう。
最初は「無視」。新しい環境に飛び込めば、誰も関心を持ってくれません。これは根性を試されています。
次は「賞賛」。結果を出すようになると、周りから賞賛されるようになります。これは天狗にならずにいられるかどうかという謙虚さを試されています。
最後に「非難」。活躍し続けると自分の影響力が大きくなっていきます。するとやっかみが生まれ、非難されるように。それでも自分を保つことができるかという信念が試されるのです。
無視されてもしぶとく食らいつき、褒められても謙虚な姿勢を保ち、嫉妬で足を引っ張られてもさらに上を目指す。これらの壁を乗り越えて、「才能がある人」になれるのだと思います。
3.調子が良いときほど、冷静になる
テレビ界において、売れたときの態度にはその人の人間性が現れます。仕事で成果が出せるようになると、自分の能力が低く見積もられていると思いがちですが、それは錯覚。誰だって浮き沈みはあり、良いときと悪いときがあります。調子が良いときほど、周囲に感謝して静かにすごすことを心がけたいものです。
迷ったときの仕事術3選
仕事で迷いを感じたときや不安を感じるときに使える仕事術です。
1.迷ったときの指針を決める
大きな決断ほど悩みます。しかし、後から振り返ってみれば、どれを選んでもよかったのだと思うのです。どういう結果にするかは、選んだ後の自分次第だからです。
占いを信じてもよいでしょう。歴史的にも、トップに立った人物の多くが易者をつけています。国の未来を決める大事な判断も占い師に託していました。
もちろん、占いはただのヒント。大切なのは解釈であり、答えは自分が持っているものです。何を選んだとしても、正解にできるのは自分だけ。どういう結果を出すかは自分次第なのです。
2.自分の直感を冷静に眺める
自分の直感を信じるべきだという言葉がありますが、だからこそその直感を客観的に分析することが必要かもしれません。本当に価値のあるアイディアこそ、心配事が止まらないものなのです。
しかし、この心配事と向き合わないと、大きな結果は出ないもの。成功は心配事がつきものです。心配の多いアイデアこそ、やってみる価値があるといえます。
3.緊張は自分で殺す
重要な仕事には緊張がつきものでしょう。特に偉い人と会うときは誰でもそうだと思います。そいうときは、開き直ってしまうとよいでしょう。
緊張とは、自分で作り出した幻。自分に嘘やごまかしがないのなら、堂々としてみましょう。あわてたところで、自分以上の人間にはなれません。
どうしても緊張が止まらないときは、まず挨拶をして、それから雑談をするとよいでしょう。屋内よりも屋外の方が緊張が少ない傾向があるようです。
まとめ
お笑いの世界で数字と結果を残した仕事術をご紹介しました。何かを勝ち取りたいとき・成長するとき・人の上に立つとき・迷ったとき、それぞれの場面で思い出してほしいものばかりです。
これらの仕事への向き合い方は、忘れていた反骨心を思い出させてくれるでしょう。人生で本当に大切なことも見つかるかもしれません。
コネなし・学歴なしであるにも拘らず、自分の「好き」を貫いて信念に従って行動し、テレビ界で結果を残したマッコイ斉藤氏。彼の著書である『非エリートの勝負学』では、彼の半生や仕事に対する考え方を知ることができます。
自分のやりたいことを貫き、戦うことを恐れない姿勢は、他人とぶつかることや戦うことをやめてしまった人の背中を押してくれることでしょう。