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心理学を活用して人生好転!目的達成のための4つの装備/やのがく@yano_mktg

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20代で心理学と出会って30年。自身も大きな挑戦・挫折とメンタルダウンからの立ち直りを経験したやのがくさんが、心理学に関する学びの中からとくに人生に役立つものを厳選してお届けします。人生の目的を達成し、満足度を最大限に高めていくための「4つの装備」とは?

心理学で人生の満足度を高める!

人生でよりよい結果を残すためには、目的、ゴールをしっかり持つことが大事です。「こうなりたい」という理想をイメージしたら、そこが目的地。そこから現在地までを逆算して、どうやったら目的地にたどり着けるかを考える。旅行と同じですね。目的地に行く方法はひとつではないので、選択肢はたくさん持っておいたほうがいいです。

この考え方をしているにもかかわらず、なかなかうまくいかない、思ったパフォーマンスを発揮できないという場合は、自分の「思考のプログラム」がマイナスに影響している可能性があります。

思考のプログラムとは、価値観、考え方の基準、観念、信念、信条、ものさし、色眼鏡、思い込み……といったもの。これらは感情と行動に作用します。たとえば、ビジネスを成功させるために多くの人と会ったほうがいいと頭ではわかっていても、「自分は人と話すのが苦手」という思考が働いて行動できない。行動しようとすると感情レベルでしんどい。

なかでも感情と行動に大きく影響するのは、無意識の中で働いている思考のプログラム。それを探して攻略法を見つけること、目的を達成するためのサイクルを知ること、失敗時の立ち直りのプロセス、自分の能力を最大限に発揮するための思考法を知ることで、人生をより満足度の高いものに変えていくことができます。

【装備①】無意識で働く思考のプログラムの攻略

「人生脚本」で思考のプログラムを探る

無意識の中で働いている思考のプログラムをそのままにしておくと、「行動しない」「不安や恐れを感じる」「手放す・あきらめる」「他人も自分も追い込みすぎる」といったことにつながります。結果、目的を達成できません。

思考のプログラムを探るには、TA交流分析という心理療法の中の「人生脚本」の考え方を使うと理解しやすいです。人生脚本とは、人は6歳までに「これからの自分の生き方」「自分の人生の終わり方」を決め、意識・無意識に関わらず一生脚本どおりに生きるという考え方です。自分がどういう人生脚本を描いているのかを見つけ出し、もしそれが自分の行動を制限し、マイナスに作用しているなら、脚本を書き換える作業を行います。

人生脚本は、生まれてから幼少期までの間に、親や人とのやり取りを通じて形成されます。「禁止令」(やってはいけないこと)、「ドライバー」(やらなきゃいけないこと)、「4つの構え」(自分と他人をどう見るか)で構成され、「私は○○だ」「こうあるべき」「こうあるべきじゃない」といった思考のプログラムが働きます。

「禁止令」「ドライバー」「4つの構え」それぞれについて、自分の人生と照らし合わせて当てはまるものをチェックしてみてください。自分にありがちなうまくいかないパターンから考えてもいいし、幼少期の環境、親やまわりの人との体験から考えてもいいです。

「禁止令」チェックシート

たとえば、幼少期に何かをするたびに、親から「そんな危ないことやめなさい!」「余計なことするな!」と言われて育ったとします。すると心の中に「何もするな」という禁止令が刻み込まれ、その禁止令を持ったまま大人になると、「自分は何もしなくていいんだ」と考え、積極性がなく、人の指示をもらうまで動けないようになります。

男子が代々後を継いできた家業のある家に生まれ、「お前が女でがっかりした」と言われて育った場合。「お前であるな」という禁止令を持つようになり、その結果、自分の性や自分自身について、いつも自信がなく、周りの評価や、常識、世間体に流されやすい大人になる可能性が高くなります。

幼少期の自分が、親や大人からよく言われていた言葉や、態度はありますか?「禁止令」の一覧をみながら一度ふりかえってみてください。そして、その禁止令が、今の自分にどんな影響をあたえているでしょうか?日常生活で、思うような行動がとれないとき、何度やってもうまくいかないとき、無意識の中に刻み込まれた禁止令が影響しています。(人によっては、複数の禁止令の影響を受けている場合もあります。)

「ドライバー」チェックシート

ドライバーとは、自分を行動に駆り立てるもののこと。これもまた、幼少期に親やまわりの人から受け取ったメッセージに起因します。

たとえば「きちんとしなさい」といつも言われていると、それが「完全であれ」というメッセージとして自分に刻まれ、完璧主義の思考が強まります。そのタイプの人は、相手に理解してもらうために数字を多用して説明したり、「考える人」のポーズをよくとったりする傾向にあります。

「4つの構え」

幼少期には「禁止令」や「ドライバー」と併せて、「自分と人に対する構え」というものも決めています。おおまかに言うと、自分はOKかOKじゃないのか、人はOKかOKじゃないのか、これを組み合わせた4つのポジションのいずれかが自分の構えということになります。人生で成功したり世の中に貢献したり、自分の思いどおりに生きている人は、自分のことも人のことも肯定(OK)している人。

一方、自分はダメな人間(Not OK)だけど、まわりのみんなは優しくて私を受け入れてくれる(OK)。自分はいいけど(OK)、他人は冷たいし裏切るし信用できない(Not OK)。あるいは、自分のことも人のことも受け入れられない(Not OK)というポジションがあります。

「禁止令」「ドライバー」「4つの構え」それぞれについて当てはまるものを洗い出すと、自分がどんな人生脚本を持っているのか見えてきます。無意識下で動いている脚本なので見つけにくかったり、複数の脚本を持っていたりする場合もあるので、何度もワークをくり返していきましょう。

人生脚本は書き換えられる

現在、自分の足をひっぱるような人生脚本をもっていたとしても、人生脚本は書き換えられます。ただし、「こんな自分はダメだ」と否定してはいけません。人生脚本は、幼少期に自分を守るために精一杯身につけて手に入れた生きるための知恵。その脚本を否定してしまうと、自分の中で反発が起きるからです。

人生脚本を書き換える方法は3つ。

■人生脚本が必要ない状況をつくる
人間関係、職場・職業などを変えて、いま持っている脚本がマイナスに作用することがない状況に身を置きます。

■自己理解を深める
脚本を否定せず、まずは認めて受け入れることをおこないます。そのうえで、「私はもう大丈夫」「脚本がなくても自分は傷つかない」「手放していい」と自分に言い聞かせ、いま必要な新しい脚本を手に入れます。

■ふるまいから変える
通常、思考→感情→行動の順で作用するのですが、わかっていても、無意識の思考パターンの書き換えは、人生にしみついてしまっているので。思った以上に難しいです。あえて先に行動することで感情・思考を変えていくアプローチをとっていきます。

自分の行動を制限する人生脚本の存在を知ることで、うまくいかない要因を知り、対策することで目的を達成できる可能性が広がります。まずは否定せず受け入れ、必要なら書き換えていく。これで無意識下の思考のプログラムを攻略することが可能になりできます。

【装備②】目的に近づくための成長のサイクル

成長とは、自分の思考・感情・行動の幅を広げて目的に近づくことだと私は捉えています。

最初に目的地を決めて、現在地からの行き方を考える。このとき、一旦立ち止まって自分の現在地を確認し、自分の思考・感情・行動が目的に対してズレているかいないかをフィードバックすることが重要になります。大事なことは、いい・悪いという評価をするのではなく、「目的に対して役に立っているか、役に立っていないか」で判断する。それが気づきになり、新しい行動とる動機につながります。

ビジネスでいうPDCAのようなイメージで、このサイクルを日常の中で回し、目的に沿って行動を軌道修正していきます。

【装備③】失敗したときの立ち直りのプロセス

日常のマインドがダメージを最小限にする

新しい行動には失敗もともないます。重要なのは、失敗しても立ち直るためのプロセスを知っておくこと。まずは、ダメージを最小限にとどめるために日常的に心がけておきたいマインドを、私が実践している例をもとに紹介します。

■人・もの・自分を最大限に大切にする
■自分は傷つかないと思っておく
■挑戦はお気軽に
■梯子をのぼるには、持っている手を放す
■迷ったときは目的に還る
■決断を見直す
■撤退する勇気を持つ

コケたときの立ち直り方

日頃からマインドを意識していても、失敗して落ち込むことはあるでしょう。私のようにメンタルダウンを起こしてしまうこともあるかもしれません。

そんなときに立ち直る方法を10個紹介します。メンタルダウンを起こしてから見ても頭に入らないので、事前に知っておくことが大切。日常の小さな失敗でクヨクヨしてしまったときに使えるものもあるので、日頃から使って心をケアしておきましょう。

■ありのままの自分を受け入れる
「なんであのときこうしなかったんだろう」などと自分を責めてしまいがちですが、いまの自分、いまの状況をまずは受け入れることがとても重要です。

■自分にあらゆる許可を出す
メンタルダウン中は、動けない自分に罪悪感を抱いてしまうもの。「いまは動けなくていい」「働くことができなくても、おいしいものを食べていい」など自分に許可を出しましょう。

■逃げていい
「逃げる」という選択肢を常に持っておくことが大切です。

■何かに没頭する
余計なことを考えない状況をつくります。

■気軽に試す
一度失敗を経験すると、次のアクションがどうしても慎重になりがち。気軽に試していいという考えを持っておきましょう。

■小さなことでも自分を褒める
できたこと、立ち直ってきたと感じたことを、素直に認めて褒めます。「ずっと寝てばかりだったけど、今日はベランダに出て景色がきれいだと思えた」というのも立派な一歩。

■リフレーミングで見方を変える
のちほど詳しく説明しますが、別の見方をしたり、俯瞰で見たり、いろんな角度で物事を見られるようになると、感じ方がガラッと変わります。

■私は私、人は人
つい人を羨ましく思ったり、比較したりしてしまいますが、自分と人は切り分けて考えましょう。

■自分は幸運だと認める
「ごはんがおいしい」「見守ってくれる家族や友達がいる」など、自分が置かれている状況がどれだけ幸せかを感じて認めましょう。

■楽しく生きると決める
失敗して落ち込んだことも糧にして、楽しく生きると決意します。これが今後のモチベーションにつながります。

【装備④】最強かつ最高の思考法「リフレーミング」

リフレーミングとは、認識のフレームを改めること。コップに水が半分入っているとき、「半分しかない」と思うか「半分もある」と思うか。どちらがいい・悪いではなく、ものの見方によって感じ方が変わるということです。

リフレーミングには「状況のリフレーミング」と「内容のリフレーミング」があります。

状況のリフレーミングは、「ほかにどのような状況で役立つか?」を考えること。怪我をして仕事を休んでいるとき、「自分自身や仕事についてゆっくり考えられた」と思う。挑戦して失敗したとき、「今後に役立ついい経験を積めた」と思う。これが状況のリフレーミングです。

内容のリフレーミングは、「ほかにどんな意味があるか?」を考えること。心配性の性格は「先を見る力がある」ともいえます。試験で悪い点数をとってしまったら、「苦手分野がはっきりしたから重点的に取り組むべきところがわかった」と捉えることもできます。

このリフレーミングこそ、最高の能力。弱みを強みに変えていくことができる思考法です。「心配性」は一見ネガティブに聞こえますが、リフレーミングすると「想像力が豊か」「危機管理能力が高い」「準備万全」「時間に遅れない」「まじめ」など、価値のある能力をいくつも持っていると捉えられます。

私の人生を振り返ってみても、リフレーミングするのとしないのとでは感じ方がまったく異なります。たとえうまくいかないと感じる状況でも、考え方次第で成長のチャンスにできるということです。

今日は、人生をよりよく変えるための4つの装備についてお話ししました。無意識で働く思考のプログラムを攻略し、目的に近づくための成長のサイクルを回す。失敗したときの立ち直りのプロセスを知り、最強かつ最高の思考法であるリフレーミングを使いこなす。これらの装備を身につけ、より満足度の高い人生を送りましょう!


やのがくさんのイベント動画が視聴できます。
https://www.sanctuarybooks.jp/event_doga_shop/detail.html?id=414



やのがく

1968年生まれ
20代で出会った心理学をつかったワークショップ、セミナーに参加。自分自身のうまくいかなかった思考、感情、行動のパターンを知ることで、自分の成長に役に立つ行動の仕方を学ぶ。その後、さらに学びを深めて、自らもトレーナーとして参加。
30代で大きな挑戦と挫折、メンタルダウンからの立ち直りを経験し、深い学びと立ち直りの実践方法を手に入れる。

現在は不動産会社に勤務し、管理、システム 2部門の部長を兼任
HSS型HSP、ADHD、マルチポテンシャライトの気質を併せもつ

Twitter:https://twitter.com/yano_mktg