健康

自然体で生きよう~うつ病になった僕が伝えたいこと~/デラさん@dera3daze

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うつ病とつき合って7年になる、ただの29歳。うつ病の感覚や気持ちを言語化して発信するデラさんが、当事者だからこそ「うつ病に苦しんでいる人」に向けて伝えたいこと。うつ病を良くするための考え方や優先順位について、自然体で語ります。

うつ病は脳のパンク

うつ病歴7年

僕は、新卒で働き始めた22歳でうつ病を発症し、それから7年ほどうつ病とつき合ってきました。アルバイトや正社員として働いては再発することを毎年のように繰り返しました。26歳で再発しかけたときのシフトは、週2日勤務でした。週5日休めるのに再発してしまったのです。

このときの経験が致命傷でした。週休2日で働く人が普通に多い世の中で、自分はその逆にもかかわらず発症してしまった。どうしたらいいんだと、27歳で人生がどうでもよくなってしまいました。そして、働くのも辛い、生きていくのも辛いけれど、人並みに楽しく笑顔で生きる方法ってないのかなと、だんだんとそれまでの人生を振り返るようになりました。それから2年ほど経っているのですが、このときの感覚や感情、そこから楽になってきた考え方についてお話ししてきたいと思います。僕は医療従事者や専門家ではありません。医学的な根拠は一切なく、あくまでもうつ病の当事者として自分の経験から学んだ内容であることをお断りしておきます。

うつ病の3つの要因

そもそも「うつ病」とは何か。「ストレス」「疲労」「緊張状態」の3つが、ある一定の容量を超えてしまい、脳の機能が落ちてしまうことだと僕は勝手に思っています。人によって、耐えられる器の大きさには違いがあるけれど、容量を超えるほどこの3つが流れ込んでしまうと、うつ病になってしまうというイメージです。

うつ病は心の病気と捉えられがちですが、脳に疲労やダメージが蓄積されていくようなものだと僕は考えています。そして、脳がそれを許容できる量には限界がある。脳が許容できる量を越えてしまうと、自分を責めることしか考えられなかったり、なんでもネガティブに考えてしまいます。

うつ病は脳が壊れた、パンクしたというのが僕の定義です。逆に疲労を蓄積せずにリフレッシュできれば大丈夫です。うつ病にならない人は、上手にリフレッシュしたり、手を抜いたり、熱中できる趣味があったりするのではないでしょうか。そうすることで、いい感じに脳を休ませることができている。カラオケや温泉、サウナといった、仕事以外のことだったり、自分にとって楽しいことをすると、脳のダメージが回復できるからうつ病にならないのではないかと思います。

うつ病は借金のようなもの

うつ病を治すための考え方は、シンプルに2つしかないと思っています。「脳のダメージを回復させること」。そして「脳を疲れさせないこと」

うつ病を治すことは、例えるなら借金を返すことと同じようなものです。もし、皆さんに100万円の借金があるとします。借金を減らすためにできることは2つです。収入を増やすか、支出を減らすか。これと同じように、うつ病を治すためにできることは、回復する量を増やして、疲労する量を減らすことです。理論的には、疲労量より回復量が上回れば、うつ病は治るとまではいえないけれど、良くなっていくと思います。僕が良くなってきたのは、この方程式を維持し続けているからだと思っています。この方程式さえ守り続けていたら、今までの状態よりきっと良くなると思います。

うつ病になっている時点で、心の借金はすごいことになっています。くり返しになりますが、うつ病を治すためには、心の回復量を上げるか、疲労量を減らしていくかというシンプルな2つの方法しかありません。

一日のエネルギー収支

うつ病になってしまう人のエネルギー収支は、1日に回復するエネルギーを100だとすると、消費するエネルギーが10000もあるようなものです。ものすごく赤字です。(収入)ー(支出)で9900の心の借金ができてしまいます。ずっと赤字の生活です。うつ病になってしまっている状態は、かなりの負債を背負ってしまっているということです。いつか破産してしまう。返済不可能な状態がうつ病なのです。

1日に回復するエネルギーの量も消費するエネルギーの量も、人によって違います。

例えば、1日に回復するエネルギーが2000で消費するエネルギーが1000。体育会系の人はこんなバランスだと思っています。1日に使えるエネルギーがありあまっていて、それに対して使う量も少ない。余剰エネルギーが毎日たくさんあるので、人にももっと頑張れと言えてしまうようなタイプです。

1日に回復するエネルギーが300で、消費するエネルギーが1000。一般的な方はこれぐらいかなと思います。土日に休んで、日々のマイナスを週末に返済していくイメージです。週末は家でたくさん寝て、平日の仕事に備える人はこんなエネルギー収支なのではないでしょうか。

1日に回復するエネルギーが100で、消費するエネルギーが70。うつ病の人に僕が推奨するモデルです。これが、うつ病回復の理想型だと思っています。省エネモードです。僕もこのパターンです。1日に使えるエネルギーが少ないと分かったうえで、消費するエネルギーも減らすのです。僕はこれで良くなってきました。

消費するエネルギーを減らす発信

エネルギーを増やす発信?

うつ病の人が1日に回復するエネルギーが100だとします。多くのメンタル系の発信者は、これを200にすることができたら元気になりますよねというスタイルです。朝散歩しましょうとか、太陽浴びましょうとか、セロトニンを出しましょうとか。基本的な考え方として1日のエネルギー量を増やしたら元気になるという理論です。実験などをして医学的な根拠に基づいた発信だったりすると思うので、間違ってはいないと思います。ですが、この発信スタイルは、当事者の僕からするとなにか違うのではないかと思っています。

なぜかというと、うつ病の人はだいたい1日に得られる活動エネルギーが100だとすると、消費エネルギーが10000もあると思うからです。ここで活動エネルギーが2倍に増えたところで何が変わるのでしょうか。確かに、朝散歩すると元気になりますし、根拠となるデータもあるそうなので、こういう発信者が多いのもしょうがないと思います。けれど、根本的に消費するエネルギーを減らさないとうつ病は治らないと僕は思っています。

まずはエネルギー消費を減らす

つまり僕は、まず1日に消費するエネルギーをカットしたらいいと考えています。これこそが、うつ病を治すための最大のポイントではないかと。なぜなら、消費エネルギーのほうが圧倒的に割合が多いからです。消費するエネルギーを減らすことができたら、だいぶ楽になります。だから、僕はTwitterでも自分を攻める材料を減らしたり「だめな自分でも大丈夫だよ」というように、消費するエネルギーを減らすための発信を常に心がけています。

確かにセロトニンや脳内ホルモンは大事ですが、まずは消費するエネルギーを減らしたほうがいい。いかに節約するかが大切です。節約した状態を維持することができれば、社会復帰したときに再発しにくいはずです。節約するための習慣や考え方を身につけるほうが大事だと思います。

朝散歩するより、頭を使わず消耗しない生活をすることを最優先するべきです。それ以外は捨ててもかまわない。だから僕は、朝散歩も早起きも、今は捨てています。いつ寝て起きているか分かりません。寝たいときに寝て起きたいときに起きています。そうすることで、回復の土台ができてきました。