書籍詳細
いとし、君へ。超訳 日本の暦 24+72
k o t o
2024年08月07日 発売
ISBNコード 978-4-8014-0145-7
四六判・ソフトカバー 272ページ/束17ミリ
定価:1,800円(税込1,980円)
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いとし、君へ。超訳 日本の暦 24+72
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「日本の暦」は、世界一泣ける

**

突然だが私は、田舎生まれである。

山に囲まれ、そこかしこに田園が広がり、電車は1時間に1本。

そんな地元が、好きになれなかった。

高校を卒業と同時に都会へ進出。

暮らし、働き、生きてみたけれど、
あれからときは経ち。

――私はいま、なぜかまた田舎にいる。

**

地方で育った著者が、都会生活を経て、再び地方へ。
その中で生まれたのが、この本でした。

日本人が1000年以上使ってきた、
「二十四節気・七十二候」という暦。

たとえば、

・「東風解凍(とうふう、こおりをとく。)」
・「黄鶯(うぐいす、なく。)」
・「草木萌動(そうもく、めばえいずる。)」

といったように、生きもの、植物、雨、土、風に太陽……。さまざまな季節の風景が、美しい日本語で表現された暦です。

この美しき暦の世界に、現代の写真家たちの作品と、季節に詠まれた和歌や漢文などを見事に組み合わせ、物語のようになった作品が、この『いとし、君へ。』になります。

単に暦を紹介する本ではなく、言うなれば、「暦の文学」。

人々や生命の息づかい、四季の空気、暑さや冷たさ、音までも感じられるような世界が広がり、読書中は、まるで心の旅をしているような感覚に。

人々がどんな風景ととともに暮らしてきて、何を感じてきたのか。
生命とは、何か。

ページを開くたびにドキッとするような美しい風景と、心の奥深くに染み込むような言葉の数々。何とも言えない感情や、懐かしさが次々と湧いてきます。

「声にならない感動が、詰まっている」。

そんな作品です。
気になった方は、ぜひサンプルをご覧になってみてください。






もくじ


立春-りっしゅん 2/4―2/18頃
第1候 東風解凍-とうふう、こおりをとく。/うた01「はるがたつ」紀貫之(玉葉集)
第2候 黄鶯-うぐいす、なく。/うた02「はるのこえ」源順(拾遺集)
第3候 魚上氷-うお、こおりをいずる。/うた03「あばよ」一休宗純(狂雲集)

雨水-うすい 2/19―3/4頃
第4候 土脉潤起-つちのしょう、うるおい、おこる。/うた04「たね」藤原行成(風雅集) 
第5候 霞始靆-かすみ、はじめてたなびく。/うた05「はるをうつす」藤原定家(新古今集)
第6候 草木萌動-そうもく、めばえいずる。/うた06「かたち」行尊(風雅集)

啓蟄-けいちつ 3/5―3/19頃
第7候 蟄虫啓戸-すごもりのむし、とをひらく。/うた07「ひかり」永福門院(風雅集)
第8候 桃始笑-もも、はじめてさく。/うた08「しろ」大伴家持(万葉集)
第9候 菜虫化蝶-なむし、ちょうとなる。/うた09「てふ」僧正遍昭 (古今集) 

春分-しゅんぶん 3/20 - 4/3頃
第10候 雀始巣-すずめ、はじめて、すくう。/うた10「さえずるはる」詠み人知らず(古今集) 
第11候 桜始開-さくら、はじめてひらく。/うた11「おどるこころ」藤原季能(新続古今集)
第12候 雷乃発声-かみなり、すなわちこえをはっす。/うた12「ちるぞめでたき」詠み人知らず(古今集) 

清明-せいめい 4/4 - 4/19 頃
第13候 玄鳥至-つばめきたる。/うた13「しっている」(閑吟集)
第14候 鴻雁北-こうがん、かえる。/うた14「とびたつものへ」伊勢(古今集)
第15候 虹始見-にじ、はじめてあらわる。/うた15「にじのこころ」九条良経(風雅集)

穀雨-こくう 4/20 - 5/4 頃
第16候 葭始生-あし、はじめてしょうず。/うた16「しずむあし」藤原基俊(続後撰集)
第17候 霜止出苗-しもやみ、なえいずる。/うた17「たうえうた」(枕草子)
第18候 牡丹華-ぼたん、はなさく。/うた18「たびじ」良寛(蓮の露)

暦図鑑 春に登場したもの



立夏-りっか 5/4 - 5/20 頃
第19候 蛙始鳴-かわず、はじめてなく。/うた19「くぁくぁ」厚見王(万葉集)  
第20候 蚯蚓出-みみず、いずる。/うた20「えん」(あめつちの詞)
第21候 竹笋生-たけのこ、しょうず。/うた21「たけなのよ」詠み人知らず(古今集)

小満 -しょうまん 5/21 - 6/4 頃
第22候 蚕起食桑-かいこおきて、くわをはむ。/うた22「かたいと」詠み人知らず(古今集)
第23候 紅花栄-べにはな、さかう。/うた23「いろにでずとも」詠み人知らず(万葉集)
第24候 麦秋至-むぎのとき、いたる。/うた24「うたづくり」(閑吟集)

芒種 -ぼうしゅ 6/5 - 6/20 頃
第25候 螳螂生-かまきり、しょうず。/うた25「しおからいよ」壬生忠見(後撰集)
第26候 腐草為蛍-くされたるくさ、ほたるとなる。/うた26「そのひ」詠み人知らず(後撰集)
第27候 梅子黄-うめのみ、きばむ。/うた27「いろにでずとも」高階重茂「風雅集)

夏至- げし 6/21 - 7/6頃
第28候 乃東枯-なつかれくさ、かるる。/うた28「うらしまさん」中務(拾遺集)
第29候 菖蒲華-あやめ、はなさく。/うた29「むらさめ」詠み人知らず(風雅集)
第30候 半夏生-はんげ、しょうず。/うた30「さとやま」藤原家隆(玉葉集)

小暑-しょうしょ 7/ 7 - 7/21頃
第31候 温風至-あつかぜ、いたる。/うた31「くさのふかさ」洞院実雄(新後撰集)
第32候 蓮始華-はす、はじめてひらく。/うた32「てるひのしたで」伏見院(風雅集)
第33候 鷹乃学習-たか、すなわち、わざをならう。/うた33「とりのあと」高峰顕日(風雅集)

大暑-たいしょ 7/ 22 - 8/6頃
第34候 桐始結花-きり、はじめて、はなをむすぶ。/うた34「すみよき」尭尋(新続古今集)
第35候 土潤溽暑-つちうるおうて、むしあつし。/うた35「だいがっしょう」藤原隆信(風雅集)
第36候 大雨時行-たいう、ときどき、ふる。/うた36「ひとこえ」花園院(風雅集)

暦図鑑 夏に登場したもの



立秋 -りっしゅう  8/7 - 8/22頃
第37候 涼風至-すずかぜ、いたる。/うた37「かぜのおと」藤原敏行(古今集)
第38候 寒蝉鳴-ひぐらし、なく。/うた38「おもかげ」藤原隆祐(新続古今集)
第39候 蒙霧升降-ふかききり、まとう。/うた39「かけはし」九条良経(風雅集)

処暑 -しょしょ 8/23 - 9/6頃
第40候 綿柎開-わたの、はなしべ、ひらく。/うた40「つくしのわた」沙弥満誓(万葉集)
第41候 天地始粛-てんち、はじめてさむし。/うた41「ちろりちろり」(閑吟集)
第42候 禾乃登-こくもの、すなわち、みのる。/うた42「はたらく」藤原俊成(新古今集)

白露-はくろ 9/7 - 9/21頃
第43候 草露白-くさのつゆ、しろし。/うた43「なみだ」如円法師(新後撰集)
第44候 鶺鴒鳴-せきれい、なく。/うた44「とりのうた」(梁塵秘抄)
第45候 玄鳥去-つばめ、さる。/うた45「わかれ」詠み人知らず(新後撰集)

秋分 -しゅうぶん -9/22 - 10/7頃
第46候 雷乃収声-かみなり、すなわちこえをおさむ。/うた46「いなづま」源順(後拾遺集)
第47候 蟄虫坏戸-むし、かくれて、とをふさぐ。/うた47「かなし」詠み人知らず(玉葉集)
第48候 水始涸-みず、はじめて、かるる。/うた48「おきどころ」吉田兼好(兼好法師集)

寒露-かんろ 10/8 - 10/22頃
第49候 鴻雁来-こうがん、きたる。/うた49「くものうえ」在原業平(後撰集)
第50候 菊花開-きくのはな、ひらく。/うた50「しらぎく」後鳥羽院(後鳥羽院御集)
第51候 蟋蟀在戸-きりぎりす、とにあり。/うた51「ほし」花園院一条(風雅集)

霜降-そうこう 10/23 - 11/6頃
第52候 霜始降-しも、はじめて、ふる。/うた52「ふるえにさく」凡河内躬恒(古今集)
第53候 霎時施-こさめ、ときどきふる。/うた53「ことのはのいろ」詠み人知らず(古今集)
第54候 楓蔦黄-もみじ、つた、きばむ。/うた54「あわに」素性法師(後撰集)

暦図鑑 秋に登場したもの



立冬-りっとう 11/7 - 11/21 頃
第55候 山茶始開-つばき、はじめてひらく。/うた55「つんとして」小林一茶(享和句帖)
第56候 地始凍-ち、はじめてこおる。/うた56「こおりのこころ」蓮生法師(新後撰集)
第57候 金盞香-きんせんか、さく。/うた57「やまびと」本居宣長(鈴屋集)

小雪-しょうせつ 11/22 - 12/6 頃
第58候 虹蔵不見-にじ、かくれて、みえず。/うた58「あまおと」永福門院(風雅集)
第59候 朔風払葉-きたかぜ、このはをはらう。/うた59「かねのおと」京極為兼(風雅集)
第60候 橘始黄-たちばな、はじめてきばむ。/うた60「ならい」頓阿法師(頓阿法師詠)

大雪-たいせつ 12/7 - 12/20 頃
第61候 閉塞成冬-そらさむく、ふゆとなる。/うた61「よる」儀子内親王(風雅集)
第62候 熊蟄穴-くま、あなにこもる。/うた62「ひらくため」手持女王(万葉集)
第63候 魚群-さけのうお、むらがる。/うた63「こころひとつ」西行(続後撰集)

冬至-とうじ 12/21 - 1/4 頃
第64候 乃東生-なつかれくさ、しょうず。/うた64「おもひ」藤原兼輔(後撰集)
第65候 麋角解-さわしか、つの、おつる。/うた65「てばなす」寂照法師(詞花集)
第66候 雪下出麦-ゆきくだりて、むぎのびる。/うた66「うけいれる」伏見院(金玉歌合)

小寒-しょうかん 1/5 - 1/19 頃
第67候 芹乃栄-せり、すなわちさかう。/うた67「だれに」後鳥羽院(遠島御百首)
第68候 水泉動-しみず、あたたかをふくむ。/うた68「おとのちから」紀貫之(古今集)
第69候 雉始-きじ、はじめてなく。/うた69「あいもとめ」大伴家持(万葉集)

大寒 -だいかん-1/20 - 2/3 頃
第70候 款冬華-ふきのはな、さく。/うた70「うれしいこと」藤原忠平(後撰集)
第71候 水沢腹堅-さわみず、こおりつめる。/うた71「かがみ」源有仁(金葉集)
第72候 鶏始乳-にわとり、はじめて、とやにつく。/うた72「よあけのこえ」源公忠(続後撰集)

解説&コラム
二十四節気・七十二候とは
春という季節
七十二候、モチーフの謎
土のしごと、水のしごと
むかしの人は知っている
未知の道
見えない人間関係
天の暦
風が吹くとき
おそれの二択問題
自然に暮らす

むすび
クレジットと参考文献






編集者コメント
伝統的な暦、「二十四節気・七十二候」が、物語のように生まれ変わりました!
夏の項目を読んでいたら暑さを感じ、秋や冬の場面では寒さを感じ、寂しさなどもただよってくる……緻密な美しさ。言葉にならない感動と余韻。

『いとエモし。』(6万部突破)で鮮烈デビュー!古典作品に新たな表現を生み出したk o t oが、今度は「暦」を、限りなくエモく表現しました。
本書がつくられた経緯の書かれた「むすび」も必読です!

著者プロフィール
k o t o
夜だけ作家。
昼は会社員、週末は旅人(最近は土いじり)。
全国を旅する中で出会った「枕草子」などに着想を得て、出版社に持ち込んだ『いとエモし。』(サンクチュアリ出版)でデビュー。古典文学を独自の世界観で再翻訳した同書は、多くの書店から支持を受け、無名の新人作家としては異例の初版18,000部を記録。ベストセラーとなった。
2作品目となる今作では、とある出来事をきっかけに「暦と生命」をテーマに執筆を開始。「暦の文学」とでも言うような、先人たちが記した大自然の世界を描いた。2024年8月、公式noteを開設。

公式note「k o t oのひと言」
https://note.com/kotonohitokoto
いとし、君へ。超訳 日本の暦 24+72
k o t o
2024年08月07日 発売
ISBNコード 978-4-8014-0145-7
四六判・ソフトカバー 272ページ/束17ミリ
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