一見ハードルが高いように思える「ひとりディズニー」。でも実はディズニーリゾートを本当に深く楽しむうえでは、「いちばん効果的で効率的な方法」なのです。新刊『ひとりディズニー50の楽しみ方』より、おひとりさまを最大限に楽しむ方法をご紹介します。
目次
意外と多いひとりディズニー
ディズニーリゾートは数あるエンターテイメントやレジャーのなかでも、恋人や家族、仲間と行くイメージが強く「ひとりで行くこと」の発想があまりない場所ではないでしょうか。
ひとりカラオケやひとり焼き肉などが流行るなか、どうしてもディズニーリゾートにひとりで行くということは世間一般的に見て、ハードルが高いように思います。
ある番組で「おひとりさま難易度ランキング」を発表したところ、ディズニーは最も高い「レベル5」だったのですが、「ひとりディズニーしている人は案外多い」「ひとりのほうが満喫できる」「ファミレスより行きやすい」などと、ディズニーを最高ランクに選んだことに異議を唱える視聴者が続出しました。
現に、ディズニーリゾートではこのような「おひとりさま」の需要が高く、乗り物の空席に、ひとり客を優先的に案内する「シングルライダー」(現在は新型コロナウイルスの影響で休止中)という制度もあるそうです。
いざ現在のパークに行ってみればわかりますが、ひとりディズニーをしている方は、一般的に思われているよりはるかに多いのです。
他人の意見を気にせず、すべて自分の好きなことを好きなだけ好きなタイミングで楽しめるというのは、ディズニーリゾートを本当に深く楽しむうえでは、「いちばん効果的で効率的な方法」なのです。
「心の余裕」が増えるおひとりさま
他の人とディズニーリゾートに行ったとき、そこには自分だけでなく、同行者の考え、行動、乗りたいアトラクションや観たいエンターテイメント、買いたいグッズや食べたいメニューなど、自分以外の意思が存在します。
もちろん、その仲間たちとの楽しみは別の種類のものですし、それはそれでかけがえのない大切な時間です。
ただ、その反面、「もうちょっと何々をしたかったなぁ」「あそこに行きたかったなぁ」「あれも食べたかったなぁ」という感覚が残ることも多いのではないでしょうか。
これまで誰かと行ったパークで、やり残したたくさんのこと。これらを一度、ひとりディズニーで、思うまますべてじっくり体験することができれば、次にまた仲間などと一緒に行ったときに、「行動や考え方に余裕が生まれる」のです。また、自分は過去に満足できていて、それなりにパークに詳しくなっているので、「今はこっちに行ったほうがいい」や「そこよりもこっちのほうがいいよ」と、グループのなかでこれまでよりも自分の考えや意見が通りやすくなるメリットもあります。
このように、意外かもしれませんが、「ひとりディズニーの経験」があると、そのあとの仲間たちとのディズニーが、いっそう楽しめるようになるのです。
常に進化し続けるディズニーリゾートは、一度行ったからもう行かなくていいや……と満足するものではありません。これからの長いディズニーリゾートとの付き合い方を考えれば、そんな観点からもひとりディズニーのメリットは大きいのです。
ひとり向きのアトラクション
おひとりさまだからこそ、じっくり楽しんでほしいのがアトラクション。
もちろんひとりでアトラクションを楽しみに来ているという方もたくさんいますし、ひとりだからこそアトラクションの魅力をじっくり味わうことができるともいえます。ここでは、ひとりでも特に体験しやすいアトラクションをご紹介します。
<体験しやすいアトラクション ディズニーランド>
・美女と野獣“魔法のものがたり”
ひとつのライドは10人乗りで、それが6台ワンセットで出発するため、一度の乗車人数が多く、おひとりさまでも目立ちません。
・シンデレラのフェアリーテイル・ホール
ウォークスルータイプのアトラクションで、まわりをほとんど気にすることなく、シンデレラ城の城内でシンデレラの物語にゆったりと浸れます。
・ミッキーのフィルハーマジック
シアター形式ですが、劇場が開場するまでは特に決まった場所で待つわけでもなく、案内が開始すると列がない状態で座席までいくことになります。さらに座ってしまえばまわりからの視線も気にすることなく、楽しめる場所といえます。
<体験しやすいアトラクション ディズニーシー>
・ニモ&フレンズ・シーライダー
ライドの乗車直前までは、列は比較的自由な状況で、乗車中も場内が暗いため、あまりまわりを気にしないで済みます。
・フォートレス・エクスプロレーション
ウォークスルータイプのアトラクションで、好きな時間に好きなだけゆっくり探索ができます。じっくりまわるとかなり時間もかかるので、時間に余裕があるおひとりさまに最適といえるかも。
・シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ
特におすすめしたいのは朝早くや閉園時間近くなどの空いている時間。比較的いつでも空いているアトラクションですが、あえてさらに空いている時間を選ぶことで、タイミングが合えば「一艘貸し切り」になることも。ひとりでひとつの船に乗って、音楽に合わせて歌う……なんてこともできます。
実はこれ、結構おひとりさまの定番だったりします。
最近のパークは「おひとりごはん」にやさしい
近年では「ひとりディズニー需要」をパーク側が十分認識しており、おひとりさまでも過ごしやすい環境が整ってきています。
特にわかりやすいのはレストランのおひとりさま用シート。これまでは2人席や4人席が主流であったレストランの座席ですが、近年はおひとりさまでもまわりの視線を気にせず楽しめる、「カウンタータイプの座席」が用意されることが多くなってきています。
また昔に比べて、「紙容器」で提供されることも増え、そのままテイクアウトして外でも食べられるようになりました。パレードやショー待ちの時に、またはお気に入りのベンチなどで、パーク内のいろいろなレストランの食事が楽しめます。「ひとりディズニー」でハードルが高いイメージのある「食事」。しかしこのようにパークもおひとりさまの立場と需要を認知してきており、今後もこうしたスタイルは増えると思われますので、おひとりさまにはますます強い味方になるといえるでしょう。
新刊『ひとりディズニー50の楽しみ方』では、ひとりディズニー歴16年のみっこさんが、ひとりだからこそ堪能できるパークの魅力を余すことなく紹介しています。
思い切って一歩踏み出してみると、そこにはまったく別のパークの魅力が広がっているのです。
(画像提供:iStock.com/Jasmina007)