近年は田舎への移住に関心がある人が増えています。田舎でのんびり暮らしたいと思う人も多いのではないでしょうか。しかし田舎暮らしはやめとけという意見があるのも事実です。
この記事では、田舎暮らしはやめとけと言われる原因を、田舎暮らしの現実とともに解説しています。都会の生活に疲れ、田舎暮らしが気になっている人はぜひ最後まで読んでくださいね。
目次
田舎暮らしはやめとけと言われる10個の理由
田舎暮らしはやめとけと言われる理由を説明していきます。
公共交通機関が少なく移動が不便
都会と比べると、公共交通機関が圧倒的に少なくなります。目的地まで移動するのに不便であることが多いでしょう。電車やバスに1本乗り遅れると、30分や1時間待ちということも少なくありません。
このため車で移動する人がほとんど。車や免許がない人には絶望的な不便さでしょう。どこへ行くにも移動時間がかかり、お子さんがいる場合は駅や習い事での送迎も必要になります。
満員の電車に乗ることはほぼないので、その点はメリットととらえることもできます。
仕事が少ないので選択肢が限られる
田舎は仕事がないわけではありませんが、どうしても選択肢が限られてしまいます。人気の有名企業・芸能事務所・官公庁の中枢機関の仕事などは田舎で見つけることは難しいでしょう。
リモートワークやネットビジネスなど、ネット環境があればどこでもできる仕事なら、ゆったりと生活しながら働けるかもしれません。
娯楽がないので慣れると退屈に感じ、虫が多いのが気になりだす
映画やカラオケなどの娯楽施設は少なく、気軽に行ける距離にはないことがほとんど。遊ぶ場所が限られてしまい、いつも同じところに行くしかない状況です。いろいろなお店に行って、ゲームセンターやテーマパークで遊びたい人には、大自然の風景も退屈に感じてしまうでしょう。
ただ現在は、オンラインで楽しめるものが増え、欲しいものもネットで購入できるようになりました。ネット環境があれば、出かけなくても楽しめることが増えています。
また自然が多いということは、そこに生息する虫も多いということ。どうしても苦手だという人にはつらい状況かもしれません。虫が来ないような対策は必須です。
昔ながらの風習や人付き合いが面倒
田舎には昔からの風習が残っています。それは地元の人にとっては、先祖代々受け継がれてきた大切なものです。移住者は受け入れるしかありません。素直に対応しましょう。
また、人口が少ないので、そのぶん人間関係が濃くなりがちです。それぞれのことをよく見ており、職場や近所のうわさ話はすこぶる早いでしょう。物理的にも精神的にも踏み込んでくるので、プライバシーを確保したい人には厳しいかもしれません。
都会であれ田舎であれ、いい人もいればそうでない人もいます。たとえこちらが仲良くしようと働きかけても、都会から来たよそ者を受け入れたくない人はいるもの。
人間関係がうまくいくかどうかが、田舎暮らしを成功させるための重要な分かれ目になるでしょう。1度仲良くなると野菜などを分けてくれたり、困ったときには親身になって助けてくれたりと、プラスになる人付き合いになります。
子育て環境が整っておらず子育てに向いていない
子育てするのには環境がよくないと感じる人もいます。保育園や学校が遠く、習い事も多くはないでしょう。教育に力を入れたいと思っているなら不向きかもしれません。田舎では大自然が先生になるのです。
子どもが小さい頃はよく熱を出したりするものですが、病院が近くにないということも。夜間や休日はさらに遠くまで車を走らせるということにもなりかねません。移動時間は想像以上にかかると思っていたほうがよいでしょう。
ネットや電波の状況などインフラが整っておらず情報が入らない
場所によっては通信範囲から外れてしまい、電波が弱いということも。移住先の通信環境はチェックしておいたほうがよいでしょう。
ただ、現在はずいぶん整備され、通信環境も良好になっています。田舎でもコンビニを見かけるようにもなりました。完璧とは言えないかもしれませんが、生活するのに困らない程度には整っているといえます。
さまざまなことの選択肢が少なく不満
さまざななことで、都心と比べてつねに選択肢は少ないでしょう。企業も施設も店も圧倒的に少ないので、あるものの中から選ぶことになります。
仕事・学校・習い事・医療施設など、そこしかないという状況がほとんど。比較して選べるものは少ないでしょう。スーパーなどでの買い物も、店が少ないので価格競争が起こらず、割高になりがちです。何をするにも選択肢は限られていると言えるでしょう。
忙しくなり、のんびりできない
田舎暮らしはのんびりできるというイメージがありますが、案外忙しくなる人もいるようです。とくに雪の多い地域では、雪かきも大変な作業のひとつ。移動や買い物に時間がかかったり、家や庭の手入れが必要になったり、地域の行事に参加しなければならなかったりということもあります。
家や土地は広くなればなるほど手入れも大変です。とくに慣れないうちは時間も労力も余分にかかります。これらの作業を楽しめる人なら問題ないでしょう。
生活費が予想以上にかかり、収支がマイナスになった
基本的に田舎暮らしは都会に比べると生活費が減る傾向にありますが、収入が減って生活が厳しくなってしまうこともあるようです。
都市ガスがない地域はプロパンガスになりますが、都市ガスより割高です。水道料金も水源が確保できない地域は高くなりますし、競合店がないため日用品なども安くはなりません。車の維持費も必要です。
田舎で暮らせば絶対にお金がかからないというわけではないので、事前のリサーチと綿密な計画が必要です。
家のメンテナンスが大変!時間も金もかかる
空き家を利用して移住した場合、家のメンテナンスが必要です。住んでいるうちに不具合がみつかることもあります。冬になったら、すきま風が寒すぎて耐えられないなんてことも。家の修繕はお金も時間もかかることが多いので、事前にしっかりチェックしておきましょう。
自治体によっては移住者に補助金が支給されることもあるので事前に調べておくとよいでしょう。
田舎暮らしにメリットはあるの?やめとけと言われていても移住する人が多い理由
やめとけと言われても、移住をする人がいるのはなぜでしょうか。理由を見ていきましょう。
自然に囲まれてのびのび暮らせる
ネット環境があれば田舎でもある程度の娯楽を楽しむことができますが、自然と触れ合えるのは田舎だけの特権です。コロナの影響もあってか、自然の素晴らしさが認識されるようになりました。移住に関心がもたれるようになったのも、そういった背景があるでしょう。
休日に山登りやハイキング、スキーやサーフィンなどアウトドアを楽しみたい人には田舎暮らしをおすすめします。
都会のストレスからの解放
人が多く、騒がしいことが知らないうちにストレスになっている人もいます。田舎暮らしの静かな生活はそんなストレスから解放してくれるでしょう。都会で消耗していると感じるなら、田舎暮らしの素晴らしさが実感できるはずです。移住に成功した人は、ストレスフリーで楽しく暮らしているようです。
新しい人間関係が築ける
田舎では人間関係が一番大変だといっても過言ではないかもしれません。しかし、新しい自分と新しい人に出会えます。
都会の生活で孤独感を感じている人は、田舎の人間関係に救われることもあるかもしれません。自分から積極的に動くことで地元の人とも良好な関係を築いていけるでしょう。
それでも田舎暮らしはやめとけと言われたら?移住を成功させるポイント
それでも移住したい!と思う人のために、移住を成功させるためのポイントを説明していきます。
何のために移住するのか?目的を明確にしておく
移住の目的を明確にしておくことで、自分に合った移住先を見つけることができ、結果的に満足な暮らしを手に入れることができるでしょう。
自然にどっぷり浸って、家庭菜園などを楽しみ自給自足に近い生活をしたいなら田舎がおすすめですが、人間関係のわずらわしさや不便さは発生するでしょう。
地方都市と呼ばれるような地域なら、田舎と都会の両方の良さを楽しめます。程よく田舎で都会とさほど変わらない生活ができ、都会にはない自然もあります。ただし、古民家のような解放的な家で暮らすことを求めているなら物足りなく感じるかもしれません。
移住や田舎暮らしは、人によって合う合わないがあるもの。移住を心から望んでいるのか、どんな人生を送りたいのかを考えておく必要があります。
移住体験やお試し移住をしてその土地のことを知っておく
目的が明確になり、住んでみたい土地が決まったら、移住体験をしてみることをおすすめします。実際に1週間だけ住んでみるなどして、どんな場所なのか、住みやすいのかどうかをリサーチしてみましょう。
家付きで移住体験をしている自治体もあります。思っていたのと違った!とならないようにぜひ活用しましょう。
移住の先輩や自治体に不安なことは相談をする
すでに移住した人の体験を知るのも有効です。自治体のホームページなどで、実際に移住した人の声が紹介されていることもあります。成功体験も失敗体験も参考になるのでチェックしてみてください。
説明会やセミナーを開催している自治体もあるので、わからないところや不安に思っていることを相談してみると良いでしょう。
仕事を確保しておく
仕事を確保することも大切です。リモートワークなど場所にとらわれない仕事ができるようにしたり、移住先でも使える資格や経験を積んだり、ある程度の収入が確保できるようにしておくと安心です。
移住者向けの就職支援をしている自治体もありますし、Uターン・Iターン向けの求人が検索できるサイトもあります。どのような仕事があるのかをリサーチしておくのも有効です。
田舎度合いが高くない場所を選ぶ
田舎になればなるほど人間関係が濃くなる傾向があります。少しでも不安があるなら、地方都市などの田舎度合いが高くない地域への移住がよいでしょう。どうしても古民家がいいという人や、農業がしたいという場合は別ですが、都会よりは自然に近く、田舎よりは便利な生活ができるでしょう。
移住後のことについて家族で話し合う
家族で移住する場合は、家族の意見も大切にしましょう。とくに子どもがいる場合、学校や習い事など教育環境も考慮したいところです。
話し合いがしっかりできていないまま移住に踏み切ってしまうと、残念な結果になることも考えられます。家族が全員幸せになれるような選択をしたいですね。
まとめ
田舎暮らしはやめとけと言われる理由を考察してみました。今は田舎でも生活に苦労することは減っているようですが、人間関係では注意が必要なようです。それでも移住への関心が高まっているのは、田舎に魅力があるからなのでしょう。
『都会を出て田舎で0円生活はじめました』では、著書の田村余一さんが青森で自給自足の生活をするリアルな日常が綴られています。確かに田舎の人との付き合いは大変かも、というお話も。それでも、お金をほとんど使わずに、生き生きとした毎日を過ごす田村さん一家。自給自足の生活や、移住を考える人にもおすすめの本です。