じゃあ、具体的に私が実践している「モヤモヤの片づけ」のプロセスを紹介しましょう。全部で4ステップです。
1.まず見る
「あ、苦があるな」「感じてるな」と正直に見てあげる。
いきなりポジティブ変換したり、無かったことにしない。放っておくとつもりつもって毒になるから、気持ちよくはないけどちゃんと見ましょう。
2.原因を見る
その「苦」の原因や主成分は何か。
怒り? 恐れ? 悲しみ? 嫉妬?
いろんな感情が混ざってることも多いので、分解して見てください。
私が起業1年の時に、夫も脱サラしましてね。私が仕事直前バタバタ慌てて家事をしているさなか、ゆっくりしている彼の姿にモヤモヤしていたんです。
自分の胸の内を覗いて出てきたのは「ずるい!!」でした。嫉妬ですね。笑
もちろんこの時も、次の3と4のプロセスに進んで解消しました。
3.解消した状態を想像する
この「苦」が解消したら「どんな状況だろう?」「どんな気分だろう?」「どうだったらいいだろう」を考えてみる。ほんの少しでもいいので、実際体感覚まで想像してみる。
4.解消に向けた実践をする
あとは「3.」で感じた方向に進むためにできることをするだけです。
もちろん寝る前にこのプロセスを使っているのなら、実践は明日でも大丈夫。明日の自分にモヤモヤごと丸投げするんじゃなくて、ちょっと分解して、必要な部分だけを渡してあげるのです。
場合によっては「自分が何とかできることではない」とか「これは時間が解決するまで待つしかない」って分かることもあるはず。そう整理がつくだけで「モヤモヤ」が分解されて、自分のエネルギーは整うと私は思う。
この「(その場で解決しなくても)整理がつくだけでいい」は、私にも経験があるんです。
3年前、くじ引きで娘の学校のPTAの役になった時です。

私は正直かなり憂鬱になりました。「あああああ!!!当たってしまったぁぁ!最悪だ…PTAイヤすぎる!!」って。笑
でもこの気持ちを「モヤモヤの片づけ」のプロセスで見ていったら、私の憂鬱は「PTAがイヤ」ではなかった。「何も知らない状態が怖いだけだ」と気づいたんです。
そうだとわかれば、やるべきことはひとつ。
「未知が解消される日まで、このことについて考えるのをやめる」ってこと。
当たり前なんですけどね。私の不快=未知の解消は「数週間後に会議に出て先輩に話を聞く」しか方法がないし、そこにいたる前に何を思い悩んでも全て解決策ではないと分かったんです。
つまり<何がイヤなのか>をちゃんと見て、<それを解決するのは何か>を突き止めて、留まりたくない感情に浸り続けるか続けないのかを選択した。
不快の根源を突き止めないでいるとどうなるかというと、「PTAは恐ろしいものだ」とか「時間が溶かされてしまう」とか「お局様みたいな人がいるかも」とか「仕事がうまくできずに迷惑かけてしまったら…」とか、想像で憂鬱の理由を上げだすんですよね。不思議なことにね。
憂鬱の本当の理由は「未知」、ただそれだけなのに。
じゃぁ私は会議まで何をしていたか?
ただただ優しい先輩にきちんと教えてもらって、安心してすごせることをイメージしてニヤニヤしていましたよ。笑(その通りになった!)

私たちはつい、不快な感情を見ずにやりすごそうとしがちです。
でも、モヤモヤやイライラやザワザワは決して間違った感情ではない。大切な情報をくれるセンサーです。
センサーの反応(=不快な感情)に気づいてしまうと、その感情に侵襲されることもありがちだと思う。けれど、そこで主導権を渡してはいけません。
その感情に浸るか浸らないかは、あなたが自分で選べばいい。
センサーの声は無視せず、向き合い、適切に片づけ、整える。
自分の心に居心地のよい空間を取り戻すために。
「モヤモヤの片づけ」のプロセス、使ってみてくださいね。
次回は連載最終回!
人間関係や働き方、人生の選び方を片づけの目線で話してみようかなと思っています。これまでの集大成として。
このコラムを読んで「なんかいいな」と思ったあなた。「あの人にも読んでほしいな」と思い浮かんだ誰かにどうぞ伝えていただけると嬉しいです。中学校や高校の頃、授業中に手紙を回したみたいに。ほなまた。
かとう麻子 1984年高知県生まれ、大阪府在住。 8年間の専業主婦生活を経て、2020年に整理収納アドバイザーとして起業。 現在は社会人学生として仏教を学びながら、落ち着いてるのに落ちない心と尽きない行動力を引き出すモチベーターとして活動中。 オンラインサロンやトークイベントなどを多数開催。一児の母。


かとう麻子
1984年高知県生まれ、大阪府在住。
8年間の専業主婦生活を経て、2020年に整理収納アドバイザーとして起業。
現在は社会人学生として仏教を学びながら、落ち着いてるのに落ちない心と尽きない行動力を引き出すモチベーターとして活動中。
オンラインサロンやトークイベントなどを多数開催。一児の母。

