下田美咲のズバリ言うわよ

[お悩み]叶えたい夢があって頑張っていますが辛いです。そういうものですよね?/下田美咲のズバリ言うわよ

#連載エッセイ
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嫌なことをして叶えた先に待ってるもの

そもそも、嫌なことに耐えて夢を叶えてしまうと、夢を叶えた先にも嫌な日常しか広がってなかったりする

たとえば、「売れっ子アーティストになること」が夢だとして、本当はゴリゴリのロックがやりたいけど「そんなんじゃ売れないよ、売れたら好きなことができるからまずは売れそうな曲を作りなよ」という事務所の意見を真に受けて、不本意だけど今時の若者にウケる感じの楽曲を作ってそれがバズって「売れっ子アーティストになること」を果たしたとして、その先もずっと、不本意な感じの曲を作らないとその地位って守れない。

売れるまでの辛抱じゃなくて、売れた後もずーっと「こんなんどこがいいんだ…」「つまらない…」って感じる制作をするハメになる。だって、その人についてるファンはそういう曲調が好きな人たちであって、ロックには興味がないから。

ロックがやりたいならロックで売れないと、ロックができる未来はない。「売れたらこっちのもん」なんてことはなく、売れた先の活動内容は、そもそも何でどう売れたアーティストなのかってことにずっと囚われる。

「叶えたら後は自由!!」なんてことは、どんな道であっても叶える過程と地続きの日々が叶った先も続いていくことになる。しかも大概の場合、嫌なことをして夢を叶えた先には、もっとさらに嫌な未来が待ってるとさえ思う。パワーアップしていく、嫌な感じが!!

夢は「叶える過程」こそが醍醐味

私は、夢っていうのは「こんな日々がずっと続けばいいのに」と思える時間の積み重ねで叶えていくことが大正解だと考えている。

実際、私は夢を叶える前から、すでに強烈に楽しく暮らしていた。

夢が叶うキッカケになったのは、2013年に始めたYouTube企画「下田美咲の動画プロジェクト」だったのだけど、私はこの活動がとにかく楽しかった。

動画撮影では毎回涙で目尻が切れるほど笑い転げていたし、思い出し笑いで1ヶ月くらいは笑えていた。企画を考えるのも、撮影をするのも、編集をするのも、とにかく楽しかった。撮影に必要な小道具の工作も、全部がただただ青春で、良い思い出しかない。

「こんなことまでして夢が叶わなかったらやってらんない」なんて思ったことがなく、「この活動の先に夢が叶わなかったとしても、これ以上に楽しい今日の過ごし方などなかったから、いずれにせよ今日をこんなに楽しく過ごせて良かったわ」という日々の積み重ねだった。

側から見たら「圧倒的な行動力!」「凄まじい努力!」みたいな状態だっただろうけど、楽しくて楽しくて「うわ!また良いこと思いついた!早くやりたい!!!」というテンションで、やりたくて仕方がないことをやっているだけだった。楽しくて夢中だったから、とんでもない勢いでこのプロジェクトを進められた。

私はつい最近noteの総売上が3億円を突破したのだけど、この数字を積み上げる過程もそうで、私はとにかく書くのが好きで、書いてる時間はいつも溶けるし(4時間が1時間くらいに感じる。つまらない時間との比較でいえば5分に感じると言っても過言ではない)、書けば書くほど書きたいことがもっと出てくるから、そんな風に夢中になって書いていたら、気づけば8000本くらい書いていて、3億円売れていた。あっという間だった。

夢を叶えれば叶えるほど、夢って叶える過程のほうがメインで醍醐味のような気もしてくるくらい、叶えるまでが本当に楽しい。叶いかけてる時が興奮のピークだとも思う。叶った先の生活が目的ってよりは、叶える過程を楽しむコンテンツ。叶えようとしながら生きてる時間が、夢を叶えることの価値の大部分。

だから、そこが不幸せなのは、私からすると「何なんだソレ」という感覚。一体何が目的の何活なんだ。本末転倒ではないのか。嫌な環境で、嫌な奴に囲まれながら、嫌な行為をして、何かを成し遂げても、その先に広がってるのはさらにパワーアップした嫌なステージなのに

夢は、叶える過程からこだわっていかないと、叶えた先も思ってたんと違う未来しか広がらないのが人間界あるあるだぞ。

何のための夢ですか

私はかなり沢山の夢を叶えてきている方の人生だけど、そもそも人の何倍も夢を見る方の人間であるため、叶えられていない夢も沢山ある。

やれるだけのことをしても百発百中で叶うわけでもないし、努力と行動なんて当たり前にやることを前提にしても、その上で運とか縁とか相性とか時代とか本当にいろんなものが奇跡的に重なってやっと叶うのが夢だったりするし、だから、「夢ってのはだいたい叶わない」っていう認識は持っていた方が良くて、いつだって、“叶わなくても後悔しない行為と時間”を積み上げるようなやり方で叶えようとすることを選ぶべきだと思う。

そこを間違えてしまうと、叶わなかった時に死にたくなるし、なんなら叶えたはずなのにやっぱり不幸で死にたくなる。

夢ってのはそもそも「生きていてもいい気がしてきた…」って気分になるためのツールなので、そう思えるような過ごし方をしてナンボです。

夢は、自分が幸せでいるために利用する概念であって、自分を犠牲にする理由に使うのはトチ狂っているわ。

叶えるまでも長いし、叶えておしまいじゃないし、叶えてからも長いのだから、叶おうと叶うまいと後悔しない、その行為とか時間自体に価値を感じられる夢の叶え方をすることに一番こだわりましょう

イメージが湧かない人は、SKY-HIさんプロデュースのオーディション番組をご参照ください。あれが正しい夢の叶え方よ。嫌な奴とか、不本意な努力とか、登場しません。そういう単純な苦行めいたことは夢を叶える過程に必須なものではありません。そういうのは進む道を間違えてる時に登場するモンスターなので、歩いてる道を疑って、積極的に軌道修正をしましょう。


下田美咲

1989年生まれの36歳。有料noteの売上が累計3億円を突破している令和時代の売れっ子エッセイストで、2児の母。

10代の頃よりモデル・タレントとして活動。

21歳の時に始めたYouTube企画「下田美咲の動画プロジェクト」が人気を博し、 当時としては異例の再生回数を連発。「コールの女王」として注目を浴び、多数のテレビに出演する。「下田美咲参上」のフレーズも話題に。

27歳の時に、結婚を機に作家に転向する。

現在までに出版した著書は「新型ぶりっ子のススメ」「人生の作戦会議!」など7冊で、作家として「セブンルール」「ボクらの時代」などに出演。

2018年より、読者の質問相談に個別対応するためのオンラインサロンをオープン。月額12500円と高額ながらも、現在までに2000会員と交流。誰よりも読者のリアルに詳しい作家になることを目指し、やり取りを重ねている。

2025年現在のSNSの総フォロワー数は11万人。

下田美咲Instagram
https://www.instagram.com/shimodamisaki815/profilecard/

下田美咲サロン「人生を動かす目からウロコ」
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