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自分が安い女か気にするのは頭が弱い女だけ
クリスマスの話題は12月に扱うべきであって、新年早々にクリスマスの話題を扱うのが季節外れだということは分かっているのだけど、これはサイゼ問題にも通ずる非常にホットかつ普遍的なお題で、どうしてもズバリ斬っておきたいと思ったから、年始一発目はこの質問からスタートするわ。どうも、下田美咲です。今年も何卒よろしくお願いいたします。
で、本題ね。
あのね、自分が安い女だと思われているかを気にするのは、頭が弱い女だけよ。そんなことを考えるのは、頭が弱い、すなわち、考える力が弱い証拠よ。
どうしてか?
だって、これってあなたが、自分自身の価値観で、彼という人間のことをよく観察してきてないから思うことなのよ。
私は、あなたたちがこれまでどんな風に関わってきて、あなたが彼の何に魅力を感じて、彼とデートをしようと思ったのか、っていう経緯を何も知らないから、「クリスマスにケンタッキーに行こう」という話題が出たという1点だけで、それがどういう意味を持つ誘いなのかを判断をすることができないけど、あなた自身はそれを知っているはずでしょ。
サイゼもそうだけど、それがアリなのかナシなのかって、あまりにも経緯によること。経緯次第では全然アリだし、経緯によっては確かにナシなんだけど、少なくとも、その部分だけを切り取ってジャッジできるような事象ではない。
「相手が自分をどう思っているか」は極論どうでもいい
また、あなたは彼からクリスマスにケンタッキーに誘われたことで「え、なに、それって安い女って思われてるってこと…?彼にとって私って一体どういう存在なの…」って不安に思い、不穏に感じ、その誘いを受けるかどうかを迷い始めているから、私に質問をしてきたのだろうけど、私からしたら、デートに行くことにするかどうかに、相手が自分をどう思っているかなんて、関係ないのよ。
大事なのはそこじゃなく、私にとって、その人のそばで過ごす時間には価値があるかどうかよ。
私なら、誰かとデートをするかどうかの決め手は、相手が自分に高い価値を見出してくれているかとか、褒め称えて持ち上げてくれるかとか、そういうことではなく、私が相手の人間性に興味深さを感じられるか、言動に面白さを感じるか、そばにいて新発見があるか、新鮮な過ごし方ができるか…など、その人と過ごす時間に“誰にでも感じるわけではない特別な価値を感じるかどうか”が判断基準になる。
一緒にいて退屈な人間に使いたい時間なんか、私の人生にはない。そもそも、相手が私に価値を見出すとか、褒めてくれるとか、そんなのはデフォルトなのよ。大半の人が私に魅力を感じるんだから。そんなのは自分が魅力的であれば当然なことだから、私はそこではなく、その上で“私自身が相手に魅力を感じるか”を、時間を使う基準にしている。
「自分がどう見られているか?」を気にしてしまう人の特徴
「自分がどう見られているか?」を気にしてしまうのって、「大半の人は、自分なんかに魅力を感じない」っていう自己卑下なメンタルからくるものよ。
だけど、「自分なんか」と思う自分と二人きりで出かけてもらうのはそもそも失礼な行為だから、そんな風に思ってしまう自分からは一刻も早く這い上がるべきだわ。努力あるのみよ。
私なら、デートをするかどうかは、「自分が相手から何点を付けられているか?」で検討するのではなく、「自分が相手に大きな魅力を感じていて、その人のそばで過ごせる時間に価値を感じるから」という軸で考える。
その上で、「自分は誰がどう見ても100点前後の女」って自負が持てるような生き方を普段からしておくのが、頭が強い女であり、世間的にも価値が高い女よ。
ケンタッキーもそうだし、サイゼ然り、そういう世論に惑わされるのって、自分の基準を持っていないから。自分の頭で考えて生きていないから、「あ、これ、いわゆるサイゼデート的なことになっちゃう?!ってことは私…軽んじられてる?!」みたいな発想になる。
ケンタッキーの件がなければ、もともとは好感を抱いていて、デートをしたいと思っていた相手なら、そこには具体的な理由があるでしょ。それだけの価値を見出している相手なんでしょ。彼の言動にキュンときたり、グッときたりした歴史があるなら、世論なんかよりもそっちの方が確かなことのはずなのに、いちいち世論に流されてしまうのは、自分の頭で考える習慣がない証拠。
もしも私がケンタッキーに誘われたら
で、そもそもクリスマス時期の初デートにケンタッキーに誘うのが失礼なことなのかといえば、まず第一に年齢によるわ。
学生のうちなら何も違和感はないけど、たとえば30歳を過ぎた社会人の男友達が「今度好きな子を初デートに誘う予定なんだ。クリスマスだからケンタッキーに!」などとその計画を発表してきたら、「どういう意図でそのプランにしたの?」と私なら聞き込みをする。興味深すぎるわ。その心は一体。
大人の男のアイディアにしては斬新だから、掘ったら個性的な回答が聞ける気がするから、とりあえず掘り下げてみるわ。
そもそも性的に成熟した大人が、初デートにファーストフードを提案するのって、心理的ハードルが高いことだと思うから、何かよほどのこだわりか、思い入れ、「クリスマスのケンタッキーで俺はコレがしたくて!」みたいな熱いプランがありそうだから、いったんそれが聞きたい。
普通に考えて、「あいつは安い女だからケンタッキーでいいや」とかじゃなくて、「クリスマスだからケンタッキーに行こうっ!」というピュアで前向きな発想だろうし、そうでもない限り、逆に恥ずかしくて言い出せないプランな気もする。
というか、前者だとしたら、見下している女にクリスマスの時間を使う男ってこと?!めっちゃキモくない?!そんなキモい男とデートしようとしてたの?!なんで?!どこに魅力を感じて?!
クリスマスに、妥協で選んだ安い女と、なるべくお金を使わないべくケンタッキーデートするって、どんだけ本命から相手にされない人生を送ってる男なの?!って話になってくる。
あなたを安く見積もる以前に、その男性自身が自分のことをすごく低く見積もっていて(その上で、そんな自分のスペックを高める努力は放棄していて)、メンタルを拗らしてるヤバイ男のニオイがプンプンするけど…そんな男とデートしようとしてたの?
そんなことない!って思うなら、ケンタッキーを提案された時に、ケンタッキーの概念に捉われて絶望するんじゃなくて、「ケンタッキーが好きなの?!」「クリスマスはいつもケンタッキーなの?!」とかって、その心を知るための質問をしなさいよ。
聞いた結果、なんとなく言い出したことのようなら、私だったらこう言うわ。
「私、ケンタッキーは大好きなんだけど、クリスマスのケンタッキーは苦手なんだよね…クリスマスのケンタッキーってメニューがいつもと違うんだけどいつものほうが極めている味で最高だし、とてつもない混雑で、混雑を想定して大量の作り置きをしてる日だから買った瞬間から冷めてる!だからケンタッキーだけは、クリスマス以外の日に行きたいと思ってる!クリスマスメニューのチキンより、定番のオリジナルチキンや他のシーズンに出してる期間限定のチキンのほうが美味しすぎて、なんでクリスマスメニューだけこういう感じなの?!って不思議に思ってるんだよね。やっぱ、売れるからかね。クリスマスは味を突き詰めなくても売れるからなのか知らんけども、ちょっとこの仕上がりは、ポテンシャルに対して全力を出してなくない?!って、私は納得がいっていない。ということで、クリスマスだからこそケンタッキー以外に一票」
私はクリスマスにファーストフードを食べること自体はまったく嫌じゃないし、ケンタッキー自体も大好きだけど、クリスマスのケンタッキーに関しては幾度のトライを経て苦手になっているから、そう伝える。
このくらいの具体的な理由があるならいいけど、そうでもないのにイメージだけで否定的なのは、「プライドばかり高くて頭は弱い女です」と言ってるようなものになってしまうから、安い女と思って誘っていたわけじゃなくても、その瞬間に価値が低い女に成り下がってしまうわ。
クリスマスにケンタッキーに誘ってくる男の正体は
クリスマスにケンタッキーに誘ってくる男は、失礼ってよりも、無知・ピュア・世間知らず・女心に疎い・恋愛に慣れていない・そういう文化圏の人種とかのどれかよ。
だって、逆にそうじゃない選択肢や世界線を知っていたら、気まずくて口にできないと思うわよ。子どもの頃はスーパーのお菓子を手土産にするのが平気でも、大人になって出会ったまだ気心知れぬ相手の家にお呼ばれした時の手土産だと「ちゃんとしたものを買っていかないと自分の人間性を疑われてしまうし気まずくて無理」と考える人が多いのと同じ。
シンプルに、ケンタッキー以外の選択肢を知らないんだろうから、他のところに行きたいなら教えてあげればいいだけの話よ。世界を広げてあげなさい。クリスマスにケンタッキーに誘ってくる男って、たぶん、まだ真っ白なキャンバスよ。完成された絵画が欲しいなら、違う男を選ぶべきだし、最終的なジャッジはあなたの男の趣味によるわ。
下田美咲 1989年生まれの35歳。有料noteの売上が累計2億5千万円を突破している令和時代の売れっ子エッセイストで、2児の母。 10代の頃よりモデル・タレントとして活動。 21歳の時に始めたYouTube企画「下田美咲の動画プロジェクト」が人気を博し、 当時としては異例の再生回数を連発。「コールの女王」として注目を浴び、多数のテレビに出演する。「下田美咲参上」のフレーズも話題に。 27歳の時に、結婚を機に作家に転向する。 現在までに出版した著書は「新型ぶりっ子のススメ」「人生の作戦会議!」など7冊で、作家として「セブンルール」「ボクらの時代」などに出演。 2018年より、読者の質問相談に個別対応するためのオンラインサロンをオープン。月額12500円と高額ながらも、現在までに2000会員と交流。誰よりも読者のリアルに詳しい作家になることを目指し、やり取りを重ねている。 2024年現在のSNSの総フォロワー数は11万人。 下田美咲Instagram https://www.instagram.com/shimodamisaki815/profilecard/ 下田美咲サロン「人生を動かす目からウロコ」 https://lounge.dmm.com/detail/1612/