目次
私は贈らない
そういう考えだから私自身は、贈らないようにもしている。「結婚祝い」「出産祝い」「誕生日」みたいな定番のタイミングでは、まず贈らないようにしているわ。
私が贈るとしたら、それは一方的なギフトのつもりでしかないけれど、一般的には「お祝いやプレゼントをもらったら返すべき」というのが常識であることは分かっているから、相手にそう思わせるリスクがある。それが不本意すぎるから、そういうお返しを気にさせるようなタイミングでは贈らないようにしてる。
だから、たとえば友人の誕生日を祝う場合は、物ではなく思い出を渡すわ。それから、物を贈りたくなった場合は、別になんでもないタイミングで渡すようにするわ。変に誕生日プレゼント等になってしまわないタイミングで「ねえ、これ、あなたが好きそうすぎるものを発見したから買ったんだけど、あげるよ」って渡したい。何にも引っ掛けたくない。引っ掛けなければ、相手はお返しのことなど考えずに気兼ねなく受け取れるから。
それからたとえば、「出産祝い」という名目を付けたりはしないけど、出産が近い友人に会う機会があったりしたら、「これ産後にあって良かったすぎたおっぱい冷却シート。きっと役に立つから入院する時に持っていって!!」って渡すことはある。
「この日程で、何かしらの物をあげなきゃ」っていう義務感で、何がツボかも分からないまま、締切に追われるようにプレゼントを選ぶのは何だかいろんな意味で無駄だと思うからやりたくないんだけど、「これ!!好きそう!!!」「これ、あげたら喜びそう!!」「絶対に役立つじゃん!」と思うものを見つけたら、それを贈りたい気持ちはある。贈り物が嫌いなわけじゃない。
贈ること自体が目的になっている儀式めいた贈り物には、参加したくないだけ。
そのお金、お互いに自分に使った方が絶対いい
プレゼントってすごく難しいと思ってる。だって、どう考えても同じ予算で本人が自分のための買い物をしたほうが、コスパ最高の満足度を叩き出せる。
だから、贈り物という名のプレゼント交換を仕掛けられてるんだとしたら、「え、そのお金、お互いに自分に使った方が絶対に良くない?!!てか、私はそうしたいんだけど?!私の分の予算を、何で勝手にあなたが使っちゃってるの?!同じ金額でもっと満足度の高い買い物を自分でしたいんですけど!!!私の分の予算、こんな微妙な品物に換えられて、辛いんですけど!!!」って思う。
贈られたものと同等のものを返さないといけないとしたら、そういうことだから。自分の自由に使えたはずのお金を、勝手に使われる…しんど!!!何もありがたくない!むしろ意地悪!
だから、口先では「お祝い」とか「プレゼント」と言いながらも、相手から同等のお返しを求めて渡しているなら、それは同意なきプレゼント交換の強要で、勝手に相手のお金を使い込む行為ですらあり、超絶ジャイアンなのよ。その自覚を持つべき。
本人が自分で買い物をする以上のプレゼントをするって、すごく難しい。基本的には無理。って思っているのだけど、実は私の読者の人が私に会いに来てくれる時に持ってきてくれるプレゼントの多くが、そのクオリティで。
読者の人からのプレゼントをキッカケに、その存在と出会って最高に大好きになった調味料とかお菓子が沢山あって。その後、自分でも買うようになるようなものとの出会いになるようなプレゼントって素晴らしい。私も人に贈る時は、その可能性があるレベルの品を選びたい。
だけど、読者の人が私にそのレベルのものを贈ることができるのは、そもそも私がシェアしている自分にまつわる情報の量がとてつもないからで。だから、読者の人は私のツボには当てにいきやすい。
読者の人は、私の知人友人恋人家族以上に、私の趣味趣向というか五感で何をどう感じながら生きているかってことに詳しい人たちだから。だって、私がそれを書きまくって発信しまくっているから。
一方で通常の人間関係は、相手のことをそんなに熟知できるものではない。だから、なかなか出会って数年くらいじゃ、素晴らしいプレゼントを贈れるほどにまだ相手のことを知れていないと感じるし、今年で結婚して10年の大台を迎える夫のツボでさえ、私は未だよく分からない。
お返しを求める人は、そもそも相手のためを思って贈っていない
ということで、「お祝い」「プレゼント」というものは一方的なギブであるべきであって、あらゆる見返りは期待すべきじゃないし、「何らかの形で返ってきて欲しい」って思うなら、はじめからそのお金は自分に使っておくべきよ。それがお互いのため。
プレゼント交換の始まりのつもりで仕掛けるなら、ちゃんと打診して同意を得なさい。マナーよ。私は実際、10年来の親友とプレゼント交換なら何度か行ったことがあるわ。同意ありで、需要やら趣味をちゃんと話し合いながらのプレゼント交換は楽しいわよ。最高に青春な思い出になっている。
お返しを求める人って、そもそも相手のためを思って贈っていないのよ。自分のメンツを気にして「常識だからやんなきゃ」とか「誕生日と知ってて何も渡さないのは感じが悪いよね、面倒だけど何か用意しなきゃ」とか「このタイミングでお祝いを贈らないと非常識って思われるよな」とか「大人としてエチケットだから贈っとかなきゃ」みたいな、自分の見え方を守るためにその行為に及んでいて、そこに相手を想う気持ちがないのよ。
祝ってないのよ。贈ってないの。保身のための儀式に及んでるだけなの。だから「お返し」を気にするのよ。
お祝い金は、自分を喜ばせる使い方が正解
最後にお祝い金の使い道についてだけど、渡した側は気にしてないし興味もないものだから、ご自由にどうぞ案件よ。
自分が一番納得のいくお金の使い方をすることが、贈られたお金を最大限有効活用することであって、「たぶん常識的にそうすべきだから」などと考えてさほど欲しくもない時計やアクセサリーを購入してしまうことのほうが、よっぽど勿体ない、お祝い殺しなお金の使い方だわ。相手はあなたに喜んでもらいたくて包んでるんだから、自分を最大に喜ばせる使い方をしなさい。
最大に喜ばせるっていうとまた変に気負う人がいそうだけど、別にその分仕事を減らしていつもより楽をして暮らす、とかでもいいのよ。自分にとって価値のあるお金の使い方をすればいいの。それがお祝い金の正しい使い道よ。
なお、もしも渡したお祝いの使われ方を気にしたり干渉する人がいたとしたらヤバい人材すぎるから、これを機に、しっかり距離を取ったり縁を切るのが我が身のためよ。
p.s
私、今の時期にお鮨屋さんで食べる新鮮でプリプリなホタルイカが大好きなんだけど、つい先日、知人が「この前馴染みの鮨屋で見たことないくらい凄いホタルイカが出てきたから、美咲さん!!って思って…」と新鮮なホタルイカをプレゼントしてくれたことがあって。こういうプレゼントはグッとくるわ。お返しをしなきゃ、とは思わなかったけど、その人とはよくお酒の話をする間柄だから、「この味、あの人が好きそうだな」と思うお酒を見つけた際には贈ろうと思ってその後を過ごしていて、旅先で「これは!」と思える一本を見つけた際に贈りました。
下田美咲 1989年生まれの35歳。有料noteの売上が累計2億5千万円を突破している令和時代の売れっ子エッセイストで、2児の母。 10代の頃よりモデル・タレントとして活動。 21歳の時に始めたYouTube企画「下田美咲の動画プロジェクト」が人気を博し、 当時としては異例の再生回数を連発。「コールの女王」として注目を浴び、多数のテレビに出演する。「下田美咲参上」のフレーズも話題に。 27歳の時に、結婚を機に作家に転向する。 現在までに出版した著書は「新型ぶりっ子のススメ」「人生の作戦会議!」など7冊で、作家として「セブンルール」「ボクらの時代」などに出演。 2018年より、読者の質問相談に個別対応するためのオンラインサロンをオープン。月額12500円と高額ながらも、現在までに2000会員と交流。誰よりも読者のリアルに詳しい作家になることを目指し、やり取りを重ねている。 2024年現在のSNSの総フォロワー数は11万人。 下田美咲Instagram https://www.instagram.com/shimodamisaki815/profilecard/ 下田美咲サロン「人生を動かす目からウロコ」 https://lounge.dmm.com/detail/1612/