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そもそも「余ってるお金」などない
本気の勉強をしないで得られる上がりなんてたかが知れすぎていて、だったらバンバン新作を書いた方が将来の私が持っている資産は大きいくらいだわ。
そもそも、人からは「銀行預金みたいな余ってるお金は」とか「当面使わないお金を投資しないのはもったいない」とか言われるけど、別に余ってないのよ。当面使わないとも決まってないの。
私のような予定が未定すぎる職業は、いつだって、経済的に暗黒期に入れる余力を持っておくことが大事なのよ。急に稼げなくなる可能性はいくらでもあるの。
その時に、数千万円とかできれば億単位の「いつでも使えるお金」があると、試行錯誤できる力になるのよ。何年間も無収入で出口の見えないトンネルを走る展開があるかもしれない。それは今年訪れるかもしれないし、来年かもしれない。訪れる方が普通かつ当然で、ずっと訪れない方が奇跡なのよ。
私にとって貯金は、作家業の浮き沈みを受け入れる心の余裕の土台なのよ。今のところ作家になってから10年間、とくに沈んだことはないけど。でも、それはこの先も大丈夫である保証にはならないし、フットワークの重い資産にしたくないのよ。
私が投資に頭を使うのは、世界の損失
もうそれを本職とする勢いのガチ勢になるわけじゃなければ、資産運用について学ぶことって、その辺の人がみんな学んでいるようなことでしょ。
誰でもこなせるような作業、誰でもできるような考え事に、「下田美咲」の頭を使ってしまうのって、私はとてつもなくもったいないと思ってる。
私の思考力は、多くの人を救う力を持っているのに。私が株の勉強やら投資の戦略を練ることに時間を使うことは、救うための考え事に割く時間を減らすことなの。それって日本の未来にとって大きな損失だと思うし、いや世界規模の損失、私は人並外れた思考力の持ち主として、その使い道を丁重に選びたい。
自分が持っているあまりにも限られた時間を、ただお金を動かして増やすことの勉強なんかに使う気になれないの。私が資産運用で資産を増やしたところで、それって私の資産が増えるだけでしょ。でも私が、原稿執筆で大金を稼いで資産を増やした場合、私のお金が増えるだけじゃなくて、その原稿を読んで幸せになれている人が沢山いる。同じ稼ぐなら、そっちの稼ぐを選びたいじゃない。一石二鳥。私は仕事って一石十鳥くらいでいきたいのよ基本的に。
作家業はそうよ。まず原稿を書くのが楽しい。執筆には偉大なデトックス効果があるわ、スッキリする。さらにそれを世に出すと、現実世界ではなかなか出会えない理解者に出会える。読者の人は、私の人生の貴重な理解者よ。それに、執筆業を通してハートフルな仕事仲間を得ることもできる。それにお金が稼げる。しかも時短労働が叶うから、子育ても楽しめる。原稿がバズると知名度が上がって、もっと知名度が上がる仕事の切符が手に入ったりもする。知名度は劇薬だけど、うまく使えば人生の自由度が上がるものよ。そして何より、書けば書くほど、その先に救われている人がいる。読んだ先の話を聞くと、泣けることだらけだわ。「本当に、書いて良かった」っていうその積み重ねで、私はこれまでに1万本くらいは原稿を書いてきてるのよ。そして、そんな風に私の言葉をキッカケに救われる人が増えることは、世界の治安が良くなることよ。
作家業でお金を増やした方が、ただ私自身のお金が増えるだけじゃないメリットが沢山あるの。私は貧乏家庭の出身だから、誰よりも貪欲に経済力を掴み取ることにこだわって生きてきた人間だし、お金持ちになるためにいち早く五教科を捨てる賭けに出るくらいにお金への情熱は強いほうだけど、ただお金のことだけ考えて、お金を増やすような、お金の増やし方には魅力を感じられないし、明らかに特殊な思考力を持って生まれている自分の使い方としてナンセンスだと思うの。中学生で五教科を捨てて、授業中に堂々と読書をして、教科書の角で殴られてもひるまず、校則は守らないけど登校は続けて給食はしっかり食べておかわりもするって、明らかに常軌を逸してるでしょうよ。
自分の正解を信じていいのよ
だからね、別に、資産運用アンチなわけじゃないのよ。
世の中的には、私みたいなオリジナリティがなくて、「真面目に学べば誰でも手堅く資産を増やせる方法って最高!」って人の方が多いだろうし、多くの同級生がちゃんと学歴をつけた方がいいのと同じで、資産運用をやって少しでも資産を増やすことが吉な人が世の中の大半だとは思ってる。弟もまさにそうで、資産運用適正があるし、この仕組みはきっと君の人生にとっては強い味方になるわ。
それに、私が稼いだお金の一部を使って、夫が資産運用する分には、別に任せるわ。私は自分の頭を資産運用のことなんかに使いたくないだけで、「ビタ一文使いたくねえ!」とまでは思っていないから。
もしも離婚をしたら、婚姻中に築いた資産の半分はどうせ彼のものなんだし(そこには何の抵抗もないし)、とはいえ、とくに離婚もしてない中では夫婦の将来のためにもそんな大金を自由にはさせられないけど、ごく一部くらいなら、まぁあなたが資産運用をやりたいタイプならどうぞ、あなたの心の安定に課金するわよ、というくらいの気持ち。
今回の話を通して何を伝えたかったかといえば、今の時代って「資産運用について学ばないなんてヤバい」って風潮があるし、「貯金だけしてるなんてバカすぎ、お金の価値は刻一刻と減っているのに!」って圧が強いじゃない。
まるで私が中学生の頃の「高校だけは出ておきなさい!!!」「学歴がないと、人生詰むよ!!」ってのと同じような感じで。
でも、そこに当てはまらない人もいるし、そうじゃない価値観もあるよねって、言っておきたかったの。もちろん、私がどれだけ理路整然と語っても、余裕で世間はついてこれないわよ。13歳で五強化を捨てた時もそうだったもん。一緒よ。
けど、私には、日本円の価値が減る問題より気になることがあるの。30代の私が持っている時間のほうが、とても限られていて、資産云々より貴重すぎるってこと。
今日やれる考え事の数には限りがある、いつだって。株の動きを追うこととか、投資で負けないための情報収集に、私の脳みそを割きたくないし、大丈夫、今そこに時間を使うよりも将来的に大きなお金をちゃんと残してみせるわ。
って今は思っているけど、たとえば事故や病気で脳機能を損なったりして「この思考力の感じだったら、資産運用の勉強をした方が遥かに稼げる!」と思ったら考えが変わる時がくるかもしれないし、「ダメだ、資産運用すらこなせない!もはや夫に全財産を預けた方が手堅い!」と思ったらそこに賭けるかもしれないし、予定は未定よ。
下田美咲 1989年生まれの35歳。有料noteの売上が累計2億5千万円を突破している令和時代の売れっ子エッセイストで、2児の母。 10代の頃よりモデル・タレントとして活動。 21歳の時に始めたYouTube企画「下田美咲の動画プロジェクト」が人気を博し、 当時としては異例の再生回数を連発。「コールの女王」として注目を浴び、多数のテレビに出演する。「下田美咲参上」のフレーズも話題に。 27歳の時に、結婚を機に作家に転向する。 現在までに出版した著書は「新型ぶりっ子のススメ」「人生の作戦会議!」など7冊で、作家として「セブンルール」「ボクらの時代」などに出演。 2018年より、読者の質問相談に個別対応するためのオンラインサロンをオープン。月額12500円と高額ながらも、現在までに2000会員と交流。誰よりも読者のリアルに詳しい作家になることを目指し、やり取りを重ねている。 2024年現在のSNSの総フォロワー数は11万人。 下田美咲Instagram https://www.instagram.com/shimodamisaki815/profilecard/ 下田美咲サロン「人生を動かす目からウロコ」 https://lounge.dmm.com/detail/1612/