絵が描けなくてもOK!マンガ原作者になる方法とは?

売れるWEBTOON原作を書くには?

#連載エッセイ
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“ドラマ”に共感してもらうには、“サービス”と“キャラクター”がポイントになる

確かに、おっしゃる通りですね。では、最後の要素であるドラマがどのようにサービスやキャラクターに絡んでいくのか教えてください。

ドラマとは、ある感情が発露してから収束するまでの一連の流れと考えています。たとえば、恋愛ものの場合は、相手を好きになって、別れがきて、好きという感情が途絶えてしまった一連の流れがドラマになります。ドラマづくりでは、主人公の感情をどう収束させていくかがポイントになるかと思います。
ドラマに共感してもらうには、サービスとキャラクターがポイントです。たとえば、最初にサービスを徹底することで、読者は「このWEBTOONは信用できる」と思ってくれます。また、魅力的なキャラクターを出すことで、「このキャラクターのことをもっと知りたい」と思ってくれる。そうすることで、ドラマに共感を持ってもらえるようになると考えています。

WEBTOON『神血の救世主』(KADOKAWA)は、紙の本(フルカラー・横読みマンガ)でも楽しめるように。

ドラマ作りでは、続きが気になって課金したくなる“引き”も大切になりますよね。

そうですね。読者に次の話を読んでもらうのには、時間が空いてしまったり、もう一度お金を払ってもらったりする必要があります。そのハードルを乗り越えてもらうためには、ちょうどいい引きが大切になってくると思います。
常に、読者は先を予想しながら読んでいます。引きの部分では、次の話にこんなことが起こりそうだと示唆します。そして、読者の予想が本当にその通りだった場合、読者に「合っていた。うれしい」と感じてもらえ、さらにまたその先を読んでもらえると考えています。けれど、引きは、簡単すぎても難しすぎてもおもしろくないかなと思います。クイズもそうじゃないですか。ちょっと考えたら解けたぐらいが一番気持ちいいのではないでしょうか。

市場のトレンド分析は 人気作品の“コメント”や“♡(ハート)”から行う

原作志望者が意識すべきことを教えてください。

書きたいものと市場のニーズ、つまり、読者が求めているものがマッチしたときに、作品の評価につながります。自分自身で書きたいものがあるというのが大前提で、市場のトレンド分析を意識することが大切なのかなと思います。

遠藤さんは、どのようにしてトレンド分析を行なっていますか。

僕は、LINEマンガの上位にランキングしている作品のコメントを読むことをおすすめします。コメントは読者の生の声だと思うので。
たとえば、人気のキャラクターが出ると、読者の反応が明らかに多いんです。
自分の描きたいキャラクターと、読者にウケるキャラクターをすり合わせることもコメント分析をすることで精度が上がると思います。
ある作品を見て、「○○○○○みたいなキャラクターが描きたい」と思ったとします。そのキャラクターが出てきたときに読者がどう反応するか、チェックすることによって、自分でキャラクターを描く場合も「読者に受け入れてもらえそうか」「読者にあまり受け入れてもらえなさそうか」などの精度が上がっていくと思います。
また、“コメント”や“♡(ハート)”の数が多い話は「こういった展開に読者は心揺さぶられるんだ」といった指標になると思います。

最後に、一言お願いします。

WEBTOONの魅力は、物語を考えるのが得意とか、絵を描くのが得意とか、それぞれの強みを活かして、作品づくりに携われることかなと思います。
原作者志望の皆さんは書くことが好きで、それぞれ書きたいものがあると思います。その気持ちを大切に、書き続けていくことができるのは、それだけでもう大きな才能だと思います。皆さんのご活躍を楽しみにしています!

本日はありがとうございました。

株式会社ナンバーナイン
マンガ、WEBTOONをはじめとするIP事業、デジタル配信事業を行うデジタルコミックエージェンシー
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ゲスト
遠藤寛之さん(えんどうひろゆき)
株式会社ナンバーナイン 編集者
主な担当作に『神血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ~』(LINEマンガ)、『俺だけ最強超越者』(LINEマンガ)、『貴族次男の成り上がり』(ebookjapan)など。
X(旧Twitter)@PAGSSIORIO

聞き手
西島ユタカ(にしじま・ゆたか)
マンガ原作者
縦スクロールマンガ原作に『スクールカーストは逆転する~この美貌で復讐のターン~』(小学館)、マンガ監修に書籍『マンガで読む 学校であった怖い話 絶望教室』(池田書店)、マンガシナリオに書籍『コミック版 やってはいけない老後対策』(小学館)、マンガ原作にWEB『なにわコイン娘〜仮想通貨にツーカーになろう〜』(小学館)など多数。
X(旧Twitter)@toyoko_t