自分の間違いを認めず、人のせいにする人は少なからずいます。職場などで一緒に仕事をしている場合は、もやもやする場面に遭遇することがあるかもしれません。
ミスをあなたの責任にされたら、やりきれませんよね。仕返しをしたくなってしまう気持ちもわかります。
そこでこの記事では、人のせいにする人に対する仕返しについて解説しています。
ただし、仕返しをして得をすることはありません。人のせいにする人との対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
人のせいにする人の心理
ここではまず、人のせいにする人に特徴的な心理状態を説明していきます。
- 自尊心が低く自分に自信がない
- 劣等感があり不安や恐れを感じている
- 承認欲求が強い
詳しくみていきましょう。
自尊心が低く自分に自信がない
人のせいにする人の特徴として、自尊心が低く自分に自信がないことが挙げられます。自尊心の低さは自分の能力や価値を低く評価することに繋がり、失敗や問題が起きたときに自分の責任を認めることが難しくなるのです。
仕事でミスをしたとき、「自分に能力がない」と思うよりも、「指示が適切ではなかった」と他人のせいにする方が自尊心を守れます。自信のなさが人のせいにする行動をさせるのです。
劣等感があり不安や恐れを感じている
人のせいにする人は劣等感を抱え、不安や恐れを感じていることが多いです。劣等感とは自分が他人より劣っているという感覚です。劣等感があると、失敗を恐れるあまり、責任を回避しようとします。
仕事がうまくいかなかったとき、「自分の能力不足」ではなく「チームメンバーの協力が足りなかった」と考えて自分の劣等感と向き合わないようにするのです。
承認欲求が強い
承認欲求とは、他人から認められたい、評価されたいという欲求です。人のせいにする人は、この承認欲求が強いことが多いので、自分の欠点や失敗を認めることが難しくなります。
締切に間に合わなかったとき、「自分の時間管理が悪かった」と認めるよりも、「他の仕事が急に入ってきたから」と状況のせいにする方が、周りからの評価を下げずに済むと考えるのです。
人のせいにする人の末路
人のせいにする行動を続けると、最終的にはその人自身に悪影響が出ます。
- 社会的に孤立してしまう
- 人からの信頼を失う
- キャリアを築きづらくなる
それぞれ詳しく説明していきます。
社会的に孤立してしまう
人のせいにする人は、自分の失敗や問題を他人のせいにするため、周囲の人との関係が悪化しやすくなります。自分の非を認めない態度は、他者からの信頼や尊敬を失わせる原因となるのです。 結果として、職場や私生活での人間関係が希薄になり、孤立してしまう可能性が高くなります。
また、人のせいにすることで自分の行動を振り返る機会を逃してしまうため、同じ失敗をくりかえす傾向があります。周りの人は関わりを避けるようになり、社会的に孤立してしまうのです。
人からの信頼を失う
信頼は人間関係の基盤であり、ビジネスや私生活において非常に重要です。しかし、つねに人のせいにする人は、自分の言動に責任を持たない人だと認識されてしまいます。その人の言葉の信憑性が疑われるようにもなるでしょう。
また、人のせいにする人は自分の過ちを認めることが難しいため、問題解決能力も低いと判断されがちです。これにより、重要な仕事や役割を任されにくくなります。
キャリアを築きづらくなる
キャリアの発展には、自己成長と周囲からの評価が不可欠です。しかし、人のせいにする人は、自分の課題や改善点を認識することができず、成長の機会を逃してしまいます。上司からのフィードバックを「上司の理解不足」ととらえてしまうと、その指摘から学び、スキルアップする機会を失うということです。
チームワークが重要な仕事では、人のせいにする行動はマイナス要因となります。協調性や責任感の欠如は、昇進や重要なプロジェクトへの参加機会を失うことになるのです。
人のせいにする人に仕返しをしたらどうなる?
人のせいにする人に仕返しをしたくなる気もちはわかりますが、実際に仕返しをするのはおすすめしません。その理由を見ていきましょう。
あなたも「人のせいにする人」だと思われてしまう
仕返しは、相手の行動に対する報復的な行為です。これは、問題の責任を相手に押し付け、自分の感情を優先させていると捉えられかねません。たとえば、チームでの失敗を人のせいにする同僚に対して、次のプロジェクトで意図的に協力しないという仕返しをした場合、あなたの行動も「責任回避」とみなされてしまうのです。
また、仕返しをすることで職場の雰囲気が悪化する可能性もあります。あなたと相手との対立に巻き込まれることを恐れて、周りの人は関わりを避けるようになるかもしれません。不信感を増幅させ、あなたも問題解決ができない人だと周りから認識されてしまうことがあるのです。
人のせいにする人は反省することなく攻撃してくることもある
人のせいにする人に仕返しをしても、相手が反省して行動を改める可能性は低いです。むしろ、さらなる攻撃的な反応を引き起こす可能性があります。
人のせいにする人は、自己防衛的な心理メカニズムが強く働いています。仕返しを受けても、自分の行動を振り返るのではなく、さらに相手を避難したり攻撃したりするのです。仕返しとして相手の失敗を上司に報告したとしても、相手は「嫌がらせをされた」と主張し、あなたを批判するかもしれません。
人のせいにする人は自分の行動を正当化する傾向があるので、仕返しを受けることで「自分は被害者だ」という意識を強めます。攻撃的な態度をとるようになり、仕返しの連鎖が始まることも。職場の雰囲気も悪化して、生産性の低下や人間関係の破綻につながります。
人のせいにする人に仕返しをしたいと思ったときの対処法
ここまでで、人のせいにする人に仕返しはしないほうがいいということはわかりました。それでは、どのように対処したらいいのかを説明していきます。
責任を明確にする仕組みをつくる
責任を明確にする仕組みとは、誰がどの業務を担当し、どのような結果を出すべきかを明確にする仕組みのことです。
たとえば、プロジェクト計画書やタスクリストを作成し、それぞれの役割と責任を記載します。週次や月次のミーティングを設け、各自の担当業務の進捗状況を報告する場を作るのです。成果物の評価基準を事前に設定すると、客観的な基準に基づいて成果を判断できるようになります。
このような仕組みを導入することによって、人のせいにする人が責任逃れをする余地を減らせます。
周囲の人に協力を求める
問題を1人で抱え込まず周囲の人に協力を求めることで、客観的な視点で適切な対処法を見つけやすくなります。上司や人事部門などに相談してサポートを求めましょう。具体的な事例を挙げて説明すると理解を得やすくなります。
チーム全体で問題に取り組む姿勢を示すことで、人のせいにする人に集団的な圧力をかけることもできるはずです。
人事部門やカウンセリングサービスなど、組織内の適切なリソースを活用することも検討しましょう。客観的な立場から適切な対応策を提案してもらえるかもしれません。協力を求めることで孤立感を減らし、精神的な負担も軽減できます。
人のせいにする人に仕返しをせずに付き合っていくには
ここでは、人のせいにする人と上手く付き合っていく方法を紹介していきます。
適切な距離を置く
人のせいにする人とは適切な距離を置くことが重要です。距離を置くことで、相手の行動によって受ける影響を最小限に抑えられます。コミュニケーションは業務上必要最小限にとどめ、プライベートな情報の共有は控えましょう。可能であれば、物理的な距離も確保します。
席の配置を変更したり、別のプロジェクトに参加するなど、直接的な接触を減らす工夫をするのです。これにより、相手の言動に振り回されることが減り、自分のペースを保てます。ただし、完全に関係を立つのではなく、必要最小限の関わりは維持することが重要です。
感情的にならず大人の対応をする
人のせいにする人に対して感情的にならず、冷静さを保って対応することが大切です。一呼吸置いてから対応するようにしましょう。感情的な反応を抑え、より冷静な判断ができるようになるはずです。
相手が責任転嫁してきても、すぐに反論せず、まずは傾聴の姿勢を示しましょう。そのうえで、「私はこう感じています」という形で意見を伝えれば、相手を攻撃することなく自分の立場も主張できます。この時、感情的な言葉ではなく、具体的な事実や数字を用いることがポイントです。
人のせいにする行動の裏には、不安や自信のなさがあることが多いです。そのことを念頭に置いて対応すると、建設的な対話が可能になるでしょう。
周囲の人を味方につける
人のせいにする人に対して1人で対処するのは難しいことが多いですが、周囲の人の協力を得ることで効果的な対処ができます。信頼できる同僚や友人に相談し、サポートを求めましょう。周囲の人があなたの状況を理解し、協力してくれることで問題をスムーズに解決できます。
人のせいにする人に対して直接対応する時も、可能な限り複数人で対応するようにしましょう。周囲の人が味方になってくれれば孤立せずに対処ができ、客観的な対応も可能になるのです。
人のせいにする人を変えようとするより自分が動く方が早い
人のせいにする人に仕返しをしたいと思う気持ちは誰にでもあると思いますが、実際に仕返しはしない方が自分のためになります。モヤモヤすることもありますが、相手を変えることはできません。しかし、自分の考え方や行動を変えることはできます。
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