職場や家庭でモラハラに苦しむ人は少なくありません。言葉や態度で精神的に傷つけれらてしまうと、自己肯定感が低下する可能性もあります。転職や離婚を考えるほどではなくても、モラハラを改善したいと思っている場合、どのように対処したらいいのでしょうか?
この記事では、モラハラに効く言葉や対処法を紹介しています。モラハラはエスカレートしてしまうことも考えられるので、ぜひこの記事を読んで対処法を身につけておきましょう。
目次
モラハラに効く言葉の基本原則
モラハラに効く言葉には基本原則があり、覚えておくとモラハラの状況を改善する可能性が高まります。次から詳しく見ていきましょう。
共感と理解を示す
モラハラをする人は、自己肯定感が低かったり、承認欲求が強かったりします。そのため、相手の感情や立場を理解しようとする姿勢は、安心感を与えて、心を開いてくれやすくなります。
「その気持ちはよくわかります」「そう感じるのも当然だよね」と共感することで、モラハラが緩和する可能性も。ただし、共感を示すことは相手の行動を肯定することではありません。相手の感情を受け止めつつ、適切な境界線を儲けることが大切です。
自己主張を控えめにする
モラハラをする人は自己中心的な傾向があるので、強い自己主張をすると余計に対立してしまう可能性があります。「私はこう感じています」といった伝え方で、相手を責めずに自分の気持ちを伝えるようにしましょう。
また、まずは相手の話を十分に聞くことも大切です。すると、相手は自分の意見が尊重されていると感じ、こちらの言葉を聞く余裕が生まれます。ただ、完全に主張を抑えてしまうことのないように注意しましょう。
冷静さを保つ
感情的になってしまうと、建設的な会話が難しくなり、状況を悪化させる場合もあります。深呼吸をしたり、一時的にその場を離れたりするなどして、自分の感情をコントロールするようにしましょう。
相手が感情的になっている場合は、「落ち着いてから話そう」などと提案し、落ち着いてから話すようにします。こちらも感情的にならず冷静さを保つことで、相手も冷静になりやすいのです。
【状況別】モラハラに効く言葉
モラハラに効く言葉は、状況によって使い分けることが重要です。ここでは、以下の4つの状況に分けて説明していきます。
- 批判されたとき
- 無視されたとき
- 怒鳴られたとき
- 束縛されたとき
- 否定されたとき
次から詳しく見ていきましょう。
批判されたとき
モラハラをする人から批判されたときは、まず冷静に対応することが大切です。 反発してしまうと、モラハラがひどくなることも考えられます。まずは相手の意見を受け入れる姿勢を見せましょう。
「なるほど、そういう考えもあるよね」「確かにそうですね」などの言葉が有効です。いったん相手の意見を受け入れた後で「私はこう思う」と自分の意見を伝えると、モラハラ行為を抑える効果が期待できます。
無視されたとき
モラハラをする人が無視をする理由としては、精神的ダメージを与えたいという意図が考えられます。こちらも無視をしてしまうと収拾がつかなくなってしまうため、自分から話しかけて話し合いを促すことが大切です。
このとき、自分が何か悪いことをしたのかと思い、自分から謝ってしまうと相手の思うツボになってしまいます。「あなたの気持ちを理解したいから、話を聞かせてほしい」などと伝えましょう。謝るのではなく、話し合いを求める言い方が有効です。
怒鳴られたとき
モラハラをする人はすぐに感情的になるため、気に入らないことがあると声を荒げることもあります。会話が成立しなくなってしまうため、コミュニケーションが取りづらくなってしまうでしょう。
「気持ちはわかるけれど、お互いに少し落ち着いてから話そう」など、相手の感情を認めつつ、冷静になる時間を作ります。「お互いに」という言葉を使うことで、相手を一方的に非難せず、問題を共有していることを示せます。
束縛されたとき
束縛はモラハラとは関係ないと思う人がいるかもしれませんが、実際にはモラハラが潜んでいることがあります。自分が不安になることを相手に対して禁止するのはモラハラです。
束縛されて嫌だと思っていることを言葉にして伝えます。言いにくいかもしれませんが、全部ではなく、まずは1つ、やめてほしいことを伝えてみましょう。
「あなたのことは大切に思ってる。でも、職場の飲み会は行かせて欲しい」など、相手への愛情を示しつつ、自分の権利も主張します。「でも」の後に自分のニーズを伝えることで、相手の要求と自分の要求のバランスを取ろうとしていることを示せます。
否定されたとき
モラハラをする人は自分が正しいと思っています。反発するとモラハラ行為がひどくなってしまうことも考えられるので、いったん受け入れ、認めてあげるようにします。このとき、同意する必要はありません。
「なるほど、そういう考え方もあるんだね」「私も悪かったかもしれない」などと言って、相手の言い分を認めます。その後で「私はこう思っている」と自分の意見を伝えましょう。
あまりにも酷い言葉だったときは、「それは傷つく」「すごく悲しい」と主張することも必要です。何に傷ついたのかを具体的に伝えると相手も行き過ぎた言動に気づいてくれるかもしれません。
モラハラに効く言葉の使い方のコツ
ここからは、モラハラに効く言葉を効果的に使うためのコツを紹介していきます。
タイミングを見計らう
モラハラに効く言葉は、適切なタイミングで使うことで相手の心に響きやすくなります。たとえば、相手が怒りで感情的になっているときは冷静になるまで待つことが大切。相手が良いことをしたときや協力的な態度を示したときは、「ありがとう」「助かった」と伝えることで再び協力してくれる可能性が高まります。
相手が疲れているときや、ストレスを抱えているときは深刻な話題は避けた方が無難です。相手の様子をよく観察し、適切なタイミングを見極めることが大切になってきます。
トーンや表情に気をつける
モラハラに効く言葉を使うときは、話し方のトーンや表情にも気を配りましょう。適切な言葉を使っていても、口調がきつかったり、表情が冷たかったりすると逆効果になることも。「あなたの気持ちはよくわかる」と言いながら、顔をしかめていたり、目を合わせなかったりすれば信憑性が失われてしまうからです。
また、相手が悲しそうなときは共感する表情で接し、嬉しそうなときは一緒に喜んでいるような表情を見せるなどして、相手の感情に寄り添う姿勢を見せるのも大切です。
一貫性を保つ
モラハラに効く言葉は、日常的に継続して使うことが大切です。「ありがとう」や「すごいね」といった肯定的な言葉は小さなことでも日頃から使うように心がけましょう。そうすることで、相手との関係が徐々に良くなり、モラハラ行為の改善につながる可能性が高まります。
ただし、相手の言動が明らかに不適切な場合は、毅然とした態度で対応することも必要です。
モラハラに効く言葉を使っても改善しない場合の対処法
モラハラに効く言葉を使っても、すぐに状況が改善するとは限りません。長期的な取り組みが必要な場合もあります。しかし、努力を続けても改善がみられない場合は別の対処法を考える必要があります。詳しくみていきましょう。
1人で抱え込まない
モラハラの問題を1人で抱え込んでしまうと、精神的な負担が大きく、適切な解決策を見出すことが難しくなります。まずは信頼できる友人や家族に相談してみましょう。第三者の視点を得ることで、自分では気づかなかった方法が見つかるかもしれません。
また、公的機関や専門家のサポートを受けることも効果的です。夫からのモラハラに悩んでいる場合は地域の女性センターに相談が可能ですし、職場でのモラハラは厚生労働省の総合労働相談コーナーに相談するとよいでしょう。
根気強く続ける
モラハラの改善には時間がかかるので、根気良く続けることが重要になります。モラハラに効く言葉を使ってもあまり効果が感じられないからといって、すぐに辞めてしまっては意味がありません。長期的な視点で取り組むことが大切です。
ただし、心身の健康を犠牲にしてまで続ける必要はありません。モラハラに効く言葉とはいえ、人それぞれ考え方や感じ方が違うので、モラハラが酷くなってしまう可能性も否定できないのです。相談できる場所は常に把握して、いざという時に備えておきましょう。
別居や離婚を検討する
夫や妻からモラハラを受けている場合、改善の見込みがなられない場合は別居や離婚を検討する必要があります。別居は、一時的に距離を置くことでお互いを見つめ直す機会になることも。離婚は最終手段ですが、モラハラが深刻な場合は検討する価値があります。
離婚となれば、経済的な問題や子どもへの影響も慎重に考えなければなりません。弁護士に相談して自分の権利や今後の生活についての具体的なアドバイスを受けることも考えておきましょう。
相手に対する期待値を下げる
モラハラをする相手に対する期待値を下げることで、精神的なストレスを軽減できることがあります。相手の行動を変えようとするのではなく、自分の反応や感情をコントロールすることに焦点を当てるのです。これにより、相手の言動に振り回されることが少なくなります。
相手の言動を個人的な攻撃として捉えるのではなく、相手の問題として捉えます。「この人はこういう人なんだ」と割り切ることで心の平静を保ちやすくなるのです。相手に対する期待値を下げることは、諦めることとは異なります。自分を守り、より良い関係を築くための一歩となるかもしれません。
モラハラから自分を守るための考え方も覚えておこう
モラハラをする人に対しては、いったん相手の言い分を認め、その後で自分の意思を伝えることが大切です。ただし、あまりにも酷い言動に対しては毅然とした態度をとることもときには必要となるでしょう。自分の価値は相手の評価によって決まるものではないからです。
Jam氏の著書『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』では、疲れた心に効く考え方のコツが漫画とともに紹介されています。モラハラを我慢し続けることはありませんが、考え方を少し変えるだけで同じ環境でも心がラクになっていきます。
この本を読めば、自分を守る術が身につき、新しい未来が見えてくるかもしれません。