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確定申告のやり方【2023年提出版】|個人事業主やフリーランス向けに手順や注意点・トクするコツを解説

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確定申告は個人事業主やフリーランスだけでなく、会社員やパート、アルバイトなどすべての人を対象とする制度です。所得の合計を正しく計算して確定申告をすると、医療費や住宅ローン、保険などを控除できるので、納税額を抑えるために制度を活用しましょう。この記事では、個人ができる確定申告の概要から申告方法、得する人などを解説します。

確定申告とは

確定申告とは、所得にかかる税金を申告する制度です。毎年1月1日から12月31日までを対象の期間として、所得を申告します。1年間の所得を合計したうえで各種控除を差し引き、算出された金額が課税対象の所得です。確定申告の手続きの期間は、所得対象の翌年2月16日〜3月15日に行われる場合が多く、対象者は期日内の申告が義務付けられています。

確定申告の対象者

確定申告の対象者は、個人事業主やフリーランスだけではなく、会社員やアルバイト、パートなども含まれます。以下で解説します。

個人事業主・フリーランス

事業所得が年間で48万円以上の個人事業主やフリーランスは、確定申告の対象者です。合計所得金額が2,400万円以下の場合、基礎控除は48万円までとされています。

会社員をはじめとする給与所得者

会社員で以下の条件に当てはまる場合は、確定申告を行う必要があります。

1.年間の給与収入が2,000万円を超える人
2.会社で年末調整をしていない人
3.本業で年末調整をしており、副業で20万円を超える収入がある人
4.源泉徴収されない退職所得のある人

年末調整とは、会社で給料から天引きされている所得税を再計算して、納税額を算出する制度です。年末調整をしている人でも、年収2,000万円を超える場合や副業収入が20万円を超える場合は、確定申告を行う義務が発生します。

扶養内のアルバイト・パートは確定申告を行う?

アルバイト・パートの確定申告は、扶養内の金額を超えた場合に必要です。扶養とは、家庭内で経済的な援助を受けることです。配偶者の扶養に入っている主婦や主夫、学生などは年間103万円以内の収入であれば所得税がかかりません。103万円の内訳は、給与所得控除額が65万円、所得税の配偶者控除38万円です。

アルバイトやパートを掛け持ちしている人は、103万円以下でも確定申告が必要です。また、年の途中でアルバイトを辞めた場合は、年末調整の対象者にならないため、自分で確定申告を行います。確定申告によって所得税が還付される可能性があるため、忘れずに申告を行いましょう。

確定申告書類の2つの種類

確定申告に使う書類は「青色申告」と「白色申告」の2種類です。以下で、解説します。

青色申告

青色申告は、「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出したうえで、確定申告をする際に提出できる制度です。最大65万円の所得控除ができる「青色申告特別控除」や赤字の繰越し、繰上げなどの制度を利用できます。青色申告は複式簿記の記帳が条件であるため、事前の手続きや帳簿づけが煩雑になる点に注意が必要です。

白色申告

青色申告の要件を満たしていない場合は、すべて白色申告として確定申告を行います。開業届を出していないフリーランスや個人事業主は、白色申告として確定申告を行いましょう。申告のための複雑な手続きは不要で、かんたんに帳簿づけができます。青色申告に比べて課税額の負担が大きくなるため、節税の効果が低くなる点に注意しましょう。

確定申告のやり方

以下で、確定申告のやり方を5つに分けて解説します。それぞれの工程ごとに書類の準備や作成の手間があるため、1つずつ確認して確定申告を行いましょう。

必要な書類を準備する

確定申告書は「A様式」と「B様式」の2つがあります。会社員や年金所得者、一時所得のみがある人は、AとBのどちらの様式でも使用可能です。個人事業主やフリーランスなど、事業所得を得ている人はB様式を使用します。B様式を使用する場合は、収支内訳書または青色申告決算書を用意しましょう。納税する項目によっては、必要に応じて以下の書類を用意する必要があります。

・源泉徴収票
・社会保険料控除証明書
・生命保険料控除証明書
・帳簿(総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳など)、通帳、出入金明細

書類以外で必要なものを準備する

書類以外に必要なものは、還付金を受け取るための金融機関の口座情報や、申告時に使用するマイナンバーカードです。マイナンバーが掲載されている住民票の写しでも、マイナンバーとして利用できます。

電子申告(e-Tax)で行う場合、ICカードリーダーライターを利用します。ICカードリーダーライターは家電量販店にて、2,000〜3,000円で購入できます。マイナンバーカードの読み込み、電子申告はスマートフォンからも可能です。

帳簿を整理する

帳簿とは、売上や仕入、交通費や通信費など、金銭の流れを記載したものです。白色申告の場合は、金銭の動きがある項目のみを書く「単式簿記」形式で帳簿をつけます。青色申告の場合は、取引に応じた金銭の授受の流れと原因の2つの側面を記載する「複式簿記」で書くため、事前に取引の詳細を整理しておきましょう。

確定申告書を作成する

確定申告は、帳簿を確認しながら作成しましょう。電卓や表計算ソフトを使い、所得を集計して正確な金額を確定申告書に記載します。確定申告書を手書きで作成すると所得の計算は時間がかかり、ミスが発生しやすいため、注意が必要です。確定申告ソフトを利用するのもおすすめです。また、費用はかかりますが、税理士に依頼する方法もあります。

確定申告書を提出する

確定申告書を提出する方法は、以下の4つです。

・税務署窓口に直接提出する
・信書による郵送
・税務署の時間外収集箱へ投函する
・e-Taxによる電子申告

e-Taxによる電子申告は、土日祝を含む全日の24時間対応で、税務署でも推奨されています。e-Tax対応のみ、青色申告特別控除が最大65万円になります。他の提出方法は、最大55万円です。以下のものを用意して、申告書類の作成や提出に対応しましょう。

・マイナンバーカード
・カードリーダーライターもしくはマイナンバーカードを読み取れるスマートフォン
・利用者識別番号
・パスワード

還付金はいつもらえる?

還付金とは、過剰に税金を払った場合などに返還されるお金です。確定申告書の提出した後、約1か月から1か月半ほど後に、返還されます。e-Taxを利用した場合は、約3週間で還付金が支払われるため、早く還付金の返還を受けたい場合はe-Taxを利用しましょう。

税務署に持参した場合や郵送には、1か月〜2か月程度かかります。2月から3月にかけては税務署の繁忙期であるため、申請のタイミングによっては遅くなる可能性があります。

確定申告で得する人は?

医療費や住宅ローンなどを払った人は、確定申告で得する場合があります。以下で解説します。

医療費を多く払った人

手術や入院などで医療費が高額になった場合は、最高で200万円までの医療費控除を利用できます。医療費の計算は、以下のとおりです。

「その年に支払った医療費-保険金など受取った金額-10万円」

医療費控除だけではなく、セルフメディケーション税制を利用するのもおすすめです。セルフメディケーション税制は、健康診断や予防接種などで合計1万2,000円以上のOTC医薬品(税控除の市販薬)を購入した場合に、確定申告で申請できます。控除額の上限は8万8,000円ですが、他の制度との併用はできません。医療費控除とセルフメディケーション税制を比較して、得する方を利用しましょう。

住宅ローンを利用した人

住宅ローンを利用した場合、10年間はローン残高に応じた金額が所得税から控除されます。2年目以降は確定申告が不要で、年末調整で自動的に控除されます。借入金額の年末残高4,000万円が上限とされているため、4,000万円の1%が10年間にわたって控除されます。たとえば、住宅ローンが年間40万円控除される場合、最大400万円までの控除が可能です。

災害の被害を受けた人

自然災害で住宅や家財等に被害を受けた場合、雑損控除が適用されます。控除の金額の計算方法は、以下の2つです。

・損害額-総所得金額×10%
・住宅、家財などを取り壊し、除去するために支出した金額-5万円

所得税と住民税が安くなるため、上記2つのうち得する方法で確定申告を行いましょう。火災や害虫被害、盗難や横領なども控除の対象として控除が受けられます。確定申告する対象年の所得金額の合計が1,000万円以下の人が災害にあった場合は、「災害減免法による所得税の軽減」を受けられるため、確定申告と比較して控除額が大きい方を選びましょう。

ふるさと納税や寄付活動をした人

ふるさと納税は寄付金控除の対象になり、所得税や住民税が安くなります。国や地方自治体、政治活動に対する寄付なども寄付金控除の対象です。

「支出した特定寄附金の合計額」または「総所得金額等の40%相当額」-2,000円

どちらか金額の低い方から、2,000円を引いた額が控除されます。ふるさと納税先が5団体以下の場合は、納税先団体に申請すると確定申告の手続きは不要になります。

確定申告をしないと罰則を受ける?

確定申告をしない場合、罰則を受けます。納税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の税率をかけて罰金が科されます。税務署の調査をもとに自主的に申告をした場合は、5%の罰金です。

確定申告の期限である3月15日を過ぎると、延滞税が発生するため注意しましょう。延滞税は期限が過ぎた翌日から納付するまでの日数に課されるため、早めに対応することが重要です。

まとめ

確定申告は個人事業主やフリーランスだけでなく、会社員やアルバイトの人にも必要な手続きです。税額の控除や還付金で得をする場合があるため、基礎からやり方を学んで申告を行いましょう。Webサイトや本を参考に申告を行うと、ミスをすることなく確定申告ができるのでおすすめです。

「お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!」は、学校でも会社でも教えてくれない「確定申告って何から手をつければいいの?」「何がわからないかもわからない」といった疑問に対して、基礎から解説しています。確定申告を行う際に、ぜひ参考にしてください。


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