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自分にご褒美を与え続けると脳がダメになる理由

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人には「やめたくてもやめられない行動」があるもの。それは、脳を喜ばせるためだと考えられています。では、行動し続けると脳がどうダメになるのでしょうか。本記事では『逆襲のビジネス教室』から、ご褒美を与え続けた脳の変化と解消法について解説します。

「脳をダメにするドーパミンとは」

脳を喜ばせるドーパミンは、中毒性のあるホルモンの1つであり、「欲しい」という感情を生み出します。この「欲しい」という感情は、快感を得る刺激を与えることで短期的には快感が増します。
しかし、快感と痛みはバランスを取っているため、多すぎる快感は不快を生み出すのです。そのため、刺激を得た時は快感が増しても、脳はわざわざ痛みを増すという脳に変わってしまいます。この「痛み」とは、後悔や落ち込み、不安、不満のことです。自ら痛みを得たい人はいないのに、すぐに痛みがくると分かっていても行動がやめられないのは脳の不思議だと言えるでしょう。
つまり、ドーパミンとは快感と痛みを交互に得るために働き、自分にご褒美を与え続けると快感どころか痛みまで増してしまう物質なのです。

「自分にご褒美を与え続けずに済む3つの方法」

ご褒美で得られる快感とその後にやってくる痛みというのは、常にバランスを取っているものです。一方に脳が傾けば、反対に傾こうとします。つまり、快感が多すぎれば多すぎるほど不快を増すと考えてもいいでしょう。
自分にご褒美を与え続け、快感よりも後悔や落ち込み、不安などの感情に襲われないために、ここでは3つの方法をご紹介します。

「簡単に与えられるご褒美は遠ざけておく」

まずは簡単に自分が得られるご褒美や刺激は、自分から遠ざけておくことが大切だと言えます。
例えば、何かしらのストレスを感じた場合。人は手軽で簡単に快感を得る方法として、甘い物やジャンクフードを食べるという行動をすることが多いものです。チョコレートやスナック菓子、ハンバーガーやフライドポテトなどは食べ始めた瞬間、「美味しい」「心が落ち着く」という感情を抱きます。
ところが、「もう1個食べたい」と手が止まらなくなったという経験がある方もいるかもしれません。そして、たくさん食べた後に押し寄せるのは、正体不明の不快感です。たくさん食べたのにもかかわらず、血糖値が上がり過ぎて気持ち悪くなったり、身体がだるくなったりという現象も起きます。
このような不快感に襲われないためには、手軽に取れる甘い食べ物は家に置かないこと・買わないことが大切なのです。まずは環境を整えることから始めましょう。

「快楽を得たくなったら静かに過ごす」

次に、快楽を得るための行動を取らずに、気持ちを落ち着かせて過ごせるように意識すると良いでしょう。
正体不明の不快感を多く経験している人というのは、快感を取り過ぎているとも言えます。快感を得た後に「また得たい」と思うと、満たすために行動を続けるのです。そして快感は「弱く、小さく、短く」なり、痛みは「強く、大きく、長く」なります。大きな快感を得るために、もっと刺激が必要になることでしょう。
例えば、甘い物やジャンクフードを加減せずに毎日のように食べ続けていると、1個で満足していた脳が、「もっと」と量を増やしていきます。このような生活は食べた後の不快感が増すどころか、無意識のうちに体重増加や糖尿病予備軍などの生活習慣病のリスクも高まるでしょう。
そこで、ストレスで暴飲暴食したくなったら「今日は食べないでおこう」と言い聞かせ、まずは1ヵ月ほど快楽を得ることから離れてみてください。脳は自然にリセットされ、暴飲暴食しなくても大丈夫な自分になります。
つまり、不満が溜まり快楽を得たいと思った時は、行動するよりも意識的に静かに過ごすことが大切です。

「最初にやってくる不満を超えていく」

3つ目の方法として、ストレスにより感じる不満などの痛みに対して、快楽を得る行動を取るのではなく、痛みを超えていくことが大切です。
ご褒美を与え続けて脳がダメになっていると、いくら快感を得ても「なぜ、ドーパミンが出ないんだろう」と脳が錯覚することがあるでしょう。その時に感じる不快感や落ち込みなどの痛みを快感に変えるために、行動を続ける人は多いものです。
まずは、快楽と痛みの悪循環をどうにかしたいと思うのであれば、行動することを我慢してみましょう
例えば、暴飲暴食することで満腹感や幸福感は得られても、すぐに襲う不快感を無くすために、暴飲暴食という行動を我慢するということです。心の満足が得られない上に健康を害すると知り、「食べたい」という衝動をグッと堪えます。
我慢することで苛立ちなどの不満を感じますが、そこを超えると身体が少しずつ変化していると気付くでしょう。それは血液検査の結果が良くなったり、体重が減って自信が持てる体型になったりといった変化です。
そして、この良い変化を体験することで、「もう、暴飲暴食はやめよう」という脳に変わることでしょう。

「日常の些細なことに喜びを感じられる脳に変える」

ストレスを抱える人が多い現代社会ですが、ストレスを癒すための方法として手軽に何でも手に入る時代です。
一度手にした物や身体に入った食べ物により、ドーパミンが活性化し一時は快感が得られるでしょう。しかし、快感の後に押し寄せてくるのが、「満たされない、不快感」というものです。
そこで紹介した3つの方法を参考に、自分にご褒美を与え続ける環境を変えていくことが必要となるでしょう。そして日常の些細なことでも、喜びを感じられる脳に変化させることがベストかもしれませんね。

「まとめ」

正体不明の不満を消す方法として紹介した3つは、実体験をもとに『逆襲のビジネス教室』を参考にした方法です。
逆襲のビジネス教室』は、全50日間に分けてビジネスにおける知恵やスキルなどを学べる書籍です。書籍を通して、より多くの気付きを得られることでしょう。

(画像提供:iStock.com/Ponomariova_Maria)

この記事は、”逆襲のビジネス教室” 池田貴将(著) の新刊コラムです。


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