新刊のコラム

会話が苦手な原因が判明!話し方教室35年のプロが導き出した克服法

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会話が続かない、盛り上がらない、気の利いた返しができない。そんな人はもしかして「会話」というものを誤解しているかも!?
著書累計150万部、話し方教室を経営する野口敏の新刊『2度目の会話が続きません』より、その原因と克服法について解説します。

会話はなんのキャッチボール?

「会話はキャッチボール」とよく言われますが、一体なにを投げて、なにをキャッチしているのでしょうか?

「言葉(情報)」だと思ったあなた。もしかしたらその考え方こそが、会話がうまくいかない原因かもしれません。実は、会話は「情報交換」ではないのです

たとえば、ある人からこう話しかけられたとします。
「趣味で山登りを始めたんです」

あなたならどう返しますか? たいていの人は「どこの山に登りましたか?」「月に何回くらい行きますか?」「次はどこの山に登りたいですか?」といった質問をするのではないでしょうか。初対面であればそうした質問を重ねて乗り切れるかもしれませんが、会話というよりなんだか面接みたいですよね。ましてや2回目以降となると、もう聞くこともなくなってしまいます。

「5W1H」で会話は弾まない

なぜ、「どこの山」「月に何回」といった質問がいけないのでしょうか。

それは、5W1H(When / Where / Who / What / How)の質問、つまり「情報の質問」だから。情報の質問は一問一答形式で終わることが多く、話の内容もお互いの関係もまったく深まっていきません。

5W1Hの質問は、どんなジャンルの話題でも頭に浮かびやすいので、場つなぎのためだけにとりあえずしてしまいがち。でも本来は、相手の情報を正確に知りたいわけではなく、相手と良好な人間関係を築くための会話ですよね。その場しのぎの会話を卒業することが、コミュニケーション上手への近道です。

相手の「気持ち」「状況」「人間性」に目を向ける

相手とうまくコミュニケーションをとるための秘訣は、会話は「情報のキャッチボール」ではなく「気持ちのキャッチボール」と考えること。5W1Hの情報ではなく、相手の気持ちや状況、人間性に目を向けてみると、自分のリアクションが変わるのではないでしょうか。

【×】
相 手「趣味で山登りを始めたんです」
あなた「どこの山に登りましたか?」
相 手「先日は八ヶ岳へ」
あなた「そうなんですね。……(沈黙)」

【○】
相 手「趣味で山登りを始めたんです」
あなた「へぇ〜! すごいですね。トレーニングはされたんですか?」
相 手「練習のために家から会社まで2時間かけて歩きましたよ」
あなた「2時間! 着いたらもうクタクタでしょうね」
相 手「その日はほとんど仕事になりませんでしたね」

「山登りを始めた」という相手自身に目を向け、そのときの気持ちや状況を想像してみてください。「初めは足が痛かっただろう」「事前にトレーニングしたんだろうか」「もともと根気強い性格なのかな」など、5W1Hとは違った視点が出てくると思います。

すぐに質問しようとせず、まずは「へぇ〜!」「すごい」など心からの共感を示すこともポイント。それだけで相手が快く感じ、質問せずとも話を膨らませてくれる場合もあります。

相手の「4つのお願い」を満たす

会話=情報交換ではないことがわかったところで、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。人が「会話」に求めている4つのこと。これを理解すると、うわべのテクニックではなく本当に価値のあるコミュニケーションができるようになります。

① 自分の話に「いい反応」をしてほしい
せっかく話をしたのに、相手が無反応や否定的な反応だったら悲しいですよね。たとえ気の利いた言葉や質問が返ってこなくても、いい反応がもらえれば悪い気はしないはずです。

「私は岩手の出身でして」と言われたら、質問を急がずにまずは「へぇ〜!」「岩手ですか!」と気持ちのこもった共感を。相手が心を開いてくれるきっかけになります。

② 「肯定的」に話を進めてほしい
これも①と同じ。否定されたいと思って話をする人はいません。議論をしているわけではないので、反論や訂正は不要。

「岩手って、いいところなんでしょうね♪」「行ったことがあります、とっても素敵なところでした」と、相手の話はすべて肯定的に受け止めるスタンスが大切です。

③ 私にもっと興味をもってほしい
共感、肯定の次は、相手に興味をもつこと。先ほど、相手の気持ち・状況・人間性に目を向けることが大切だと言いましたが、まさにそれです。

「都会では味わえない幸せがあるんでしょうね」「芯の強い人が多い県民性と聞きました、○○さんもまさにそういう印象です」など、相手のことを想像して一歩踏み込んだ反応や質問をしてみましょう。

④ あなたを知りたい
共感、肯定、興味という3つの欲求を満たされた相手は、ここでようやくあなたに興味をもちます。今度はあなたの話を聞きたいという気持ちになります。

自分のことを話すときは、質問するときと同様に「情報」「単なるプロフィール」ではなく、あなたらしさが伝わるエピソードを話すのがおすすめ。「北海道出身です」より、「北海道出身なのに寒いのが苦手で、まだ冬の布団を使っているんです」と言われたほうが親しみをもてるのではないでしょうか?

相手の4つのお願いを満たすことで、お互いの心の距離が縮まり、会話が本当の意味で「気持ちのキャッチボール」になります。相手の心にはあなたの印象が深く刻まれ、「また話したい」「もっと関係を深めたい」と思ってもらえるようになります。

人間関係でいちばん大切なことは…

良好な人間関係を築くためにいちばん大切なことは、相手への思いやり。そこを理解し、相手が心地よく感じるコミュニケーションを意識することができて初めて、会話のテクニックが活きてきます。

2度目の会話が続きません』の著者は、話し方教室を35年にわたり経営し、仕事・友人関係・恋愛・婚活などさまざまなシーンでのコミュニケーション上達法を指南してきたプロ。売れない営業マンが3か月で7000万円の利益を叩き出したり、婚活につまずいていた人が2か月で婚約したり…と多くの生徒の人生を変えてきました。

そんな「生のノウハウ」をもとに、コミュニケーションの本質の部分から、実際の会話で使える具体的なテクニックまで、会話の悩みを克服する方法を惜しみなく紹介しています。どこから読んでも役立つ構成になっているので、読書が苦手な方にもおすすめです。

(画像提供:iStock.com/MattSchia_)


2度目の会話が続きません

野口敏(著)
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