目次
人生を豊かにする目標設定メソッド
それでは、私が実際にどういうことをやっているのかを、「目標設定3steps」としてお話ししていきます。
①自分の複数領域に目標を持つ
私は自分なりにアレンジしたバランスホイールを活用して目標設定をしていきます。さまざまな領域に目標を持つことで、自分にとって何が大切なのか、どこの領域が満たされていると幸せなのかを考えることができます。
私の場合は「仕事」なのですが、意識しないと、どこかひとつに偏ってしまいがち。そうして達成した先に「私、これで本当に幸せなのかな」となってしまうのはもったいないですよね。ですから、さまざまな領域に目標を持つことが大切なのです。
ホイールの真ん中に、自分のありたい姿、価値観や大切にしたいことを置きます。「毎日笑顔でいきたい」とかでもいいですし、ビジョンがある人はそれを書きましょう。
そこから「仕事」「趣味」「お金」「健康」「家族」「知性」「社会貢献」「人間関係」というカテゴリーごとに目標を広げていきます。難しく考えず、思いつくままにバーッと書き出していきましょう。各カテゴリーで何をしていきたいか考えると、「私は意外と人間関係を大切にしているんだな」などと新しい目標が見えてくるので、ぜひ時間をとってやってみてほしいです。
次に、自分の中で大切にしている項目に点数をつけていきます。そうすると、「健康をおろそかにしているな」「今年は家族に1回も会えていないな」などと、大事にしたいのに、できていなかったことも見えてきます。それから、全体を見ての気づき、大切にしたいことをメモしていきます。
②明確な目標を決める
バランスホイールで目標を広げましたが、実際に全部やるのは難しいと思います。そこで“絞る”という作業、つまり優先順位をつけます。
Aリスト(優先順位:高)…今の自分にとってもっとも大事で、1年以内に成し遂げたいこと。
Bリスト(優先順位:中)…時間があれば挑戦したいけど、Aよりは優先順位が低いこと。
Cリスト(優先順位:低)…できればやってみたいこと、いつか挑戦したいこと。
このようにリストに振り分けることで、まずやるべきこと、そして時間が余ったらやるべきことが明確になります。自分がどこからフォーカスしていくべきかがわかるようになるのです。
③期限を設ける
ABCリストに落とし込んだあとに、「じゃあ、今月は何やるんだろう?」というのを決めていくステップです。
有名な「SMARTの法則」を使うと、問題解決に具体的にアプローチできます。目標を高くもつのも大事ですが、ここでは目標のハードルを下げて確実にクリアしていくことを重視していきます。
ダイエットに当てはめて考えてみると、次のようになります。
私の場合は、ABCリストの中のAリストだけを抽出して、ここに期限を決めています。だいたい3〜4か月を目安に月ごとの計画を立てて、毎月見直しをするようにしています。といっても、改めて見直しをするのではなく、表を机の上に置いておくだけ。いつでも見える場所に置いてあれば、いやでも見直しますよね。
全部やるのは難しいですが、「この1個だけは達成しよう」などと意識することが大切です。私も「これはできなかったから来月にスライドしよう」ということも、全然あります。
大切にしたいマインド
ここからは、マインドの部分のお話です。
今に集中する
脳の処理数には限界があり、毎秒126ビットといわれています。“変えられない過去”や“どうなるかわからない未来”に意識を向けてしまうと、苦痛や恐れ、不安や恐怖にしばられ、結果、RASにもいい影響が働きません。余計な感情に意識を振り向けず、100%今にフォーカスすることが大切です。
大事なのは、コントロールできることだけに目を向けること。人間の脳は、意識しているものにフォーカスがいくようになっています。たとえば、受験のとき、「受からなかったらどうしよう」「当日、熱が出たらどうしよう」というのはコントロールのできない、考えても仕方のないこと。不安になって「無理だ」とあきらめてしまうこともあるでしょう。
そうではなく、「今日は〇〇の過去問やろう」「この教科を終わらせよう」と、自分がコントロールできることに目を向けることが大切です。そうすることで、自然と目標達成に近づいていきます。
自己効力感を高める
「自己肯定感」という言葉は最近よく聞きますよね。これは、自分の存在そのものを肯定すること。うまくいく/いかないに拘らず、ありのままの自分を受け入れよう−−というもので、こちらももちろん大切です。
一方、「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」とは、自分自身の能力やスキルに対する自信や確信のこと。自己効力感が高いと、自信を持って仕事に臨むことができる/高いパフォーマンスを発揮する/難しいことでも「なんとかなる」と取りかかるスピードが速い/「きっとどうにかなる」とある意味で楽観的に取り組む−−などの効果があり、結果としてチャンスが多くなり実現可能性が高まります。
自己効力感を高めるには、どうすればよいのでしょうか。まずは、他者の成功体験を見てイメージしましょう。代理経験、モデリングともいいます。似た境遇の人がうまくいった事例を見て、「あの人にできているから自分にもできる」と、自分に置き換えてみるのです。これが、「できるかも」という自己効力感につながります。
そして、実際に体験して小さな成功体験を積みましょう。何かを達成すると、自己評価が高まります。毎日できたことを日記に書くのもいいでしょう。まずは目の前のできることから始めるのが大切です。
完璧主義をやめる
完璧主義とは、心に思い描く「完璧な結果」を強く求めて、「完璧な結果」以外は意味がないと思うこと。私もそうだったのですが、女性には多く見られる傾向のように思います。
これに対して、学習主義とは、失敗してもそれを受け入れてすべて学びとすること。できなかったことに目を向けるのではなく、成長にフォーカスする考え方ですね。
私も、完璧主義を手放し、学習主義に意識を変えることで、70点、80点で走り続けられるようになってきました。
そもそも、人生に失敗は存在しません。失敗は、自分が理想としていたことと現実の間にギャップがあったことの証であり、そのギャップを理解するために必要だったのです。つまり、自己成長のチャンスなのです。
失敗を集めれば、うまくいく方法が必ず見つかります。失敗しても「また成功に近づいた」と考えるようにマインドチェンジすると、失敗もポジティブに受け取れるようになります。
まとめると、目標設定のゴールは、目標を達成することではなく、人生という旅を楽しむために存在しています。こう考えると、目標設定をするプロセスもワクワクできるのではないかと思います。
安藤美玖さんのイベント動画が視聴できます。
https://www.sanctuarybooks.jp/event_doga_shop/detail.html?id=275
安藤 美玖 女性がシゴトも人生もあきらめず 自分らしく前向きに生きるをテーマに 大学・企業向けセミナー、女性向けキャリア事業、コーチングを提供しています。 1991年、愛知県生 学生時代は硬式テニスで全国大会3位 大学卒業後、株式会社デンソーへ入社、営業・人事を経験。 その後、旦那の海外駐在でキャリアを失い自分の存在意義に悩む。 ライフステージの変化において人生やキャリアを諦めたくないと一念発起し、帰国後は本業の傍ら4つの複業を経て、2020年に独立。 小学校1年生から父の影響で目標設定を始める。 目標設定・達成に必要なマインドセット、独自の方法を考え様々な目標を達成。 <目標設定から結果が出た例> ・硬式テニス 全国大会3位 ・倍率120倍の目標としていた企業から内定 ・BEST BODY JAPAN 名古屋大会優勝 ・SNSフォロワー5万人達成 ・音声プラットフォームVoicyにて通過率1%のパーソナリティに合格