姿勢を良くするには、日常生活のさまざまな行動や癖で悪くなってしまった姿勢を、筋トレや座り方などで改善する方法などがあります。体の不調は、姿勢を正しくするなど日々の動作を見直すことで、大幅に改善できます。
この記事では、日常的に体の不調を自覚している人に向けた内容を紹介しています。自分の姿勢が正しいかを確認して、姿勢や日々の動作なども見直せば、体調を改善するために役立つでしょう。ぜひ参考にしてください。
姿勢が悪いことで起こる不調とは?
姿勢が正しくないと、どのような体調不良が起こるのかを解説します。
体調への影響
さまざまな体調不良につながる可能性がある
姿勢が悪いと、頭痛や自律神経の乱れなど、さまざまな体調不良をもたらす可能性があります。例えば、血行不良になり、肩こりや腰痛などに繋がります。また、姿勢の悪さによって骨の配列が崩れてしまい、内臓に負担をかけることさえあります。
太りやすくなる可能性がある
姿勢が悪いと、呼吸が浅くなり血行不良になりやすくなるため、基礎代謝が低下する傾向にあります。基礎代謝の低下は筋肉を衰えさせ、少しの運動でも辛く感じるようになり、運動不足につながります。運動不足になると、基礎代謝はさらに下がり、太りやすくなる可能性もあるのです。
疲れやすくなる可能性がある
姿勢が悪いと血行不良になり、乳酸や老廃物などの疲労物質が溜まり疲れやすくなります。また、筋肉が緊張して、肩や首などに局所的に負担がかかり、疲れが集中しやすくなります。
見た目への影響
姿勢は第一印象を左右する一因です。姿勢が悪い人は目線が下がり、相手に暗い印象や自信が無いように見られることもあります。背中が丸まると、見た目に老けて見える場合もあるため、注意しましょう。
今すぐ直したい!気を付けるべき姿勢は?
悪い姿勢にはいくつか種類があります。それぞれについて解説します。
猫背
猫背とは、背骨が曲がり背中が丸まっている姿勢です。深呼吸できない、立つと首が前に出る、靴のかかとの外側がすり減るなどの場合も、猫背の可能性があります。
猫背になると、さまざまな不調を引き起こします。呼吸が浅くなり酸素不足から血液やリンパの流れが滞るので、代謝が低下しやすくなります。代謝の低下によって、疲労物質の乳酸などが溜まりやすくなるため、肩こりや腰痛などに起こりやすくなるのです。また、猫背は、多くの内臓を圧迫するため、機能低下にもつながります。
猫背になる原因は、「長時間肩や背中が丸まった状態でデスクワークやスマホを使用している」「骨盤が後ろに倒れた状態で座っている」「足を良く組む」などが考えられます。猫背を改善するには、首から肩甲骨のストレッチや背中と肩甲骨の筋トレ、骨盤を起こして座るなどの方法があります。
巻き肩
巻き肩は、両肩が前に突き出て、体の内側に向いている状態のことです。
肩の位置が正しくないため、血流が悪化して首や肩が凝りやすくなります。また、胸の筋肉が縮むことで呼吸が浅くなったり、疲れやすさ、むくみなどさまざまな不調が現れることもあります。
巻き肩になる原因は、デスクワークやパソコン作業、スマホ操作などといわれています。これらの作業は、頭と手が前に出て背中が丸まりやすく、肩や胸の筋肉が縮み、肩が体の内側を向いてしまうためです。
巻き肩を改善するには、パソコンやスマホなどの使用時間を減らすのが一番です。職業的に減らすことが難しい場合には、積極的に身体を動かしましょう。エクササイズやストレッチなどで筋肉をほぐして鍛えると、巻き肩を防ぐことができます。骨盤を安定させ正しい座り方を意識することも改善につながります。
ストレートネック
首の骨がまっすぐになる状態のことを、ストレートネックといいます。元々首の骨は緩やかなS字カーブですが、首を前に出す姿勢を長く続けると負担がかかりカーブを失います。
ストレートネックになると、首の骨に大きな負担がかかり、首周りの筋肉疲労や肩こりなどを引き起こします。また、首周りの神経も圧迫し、耳鳴りや頭痛、手のしびれ、不眠になることもあります。椎間板の圧迫で首のヘルニアになる人もいます。
ストレートネックの原因は、長時間のパソコンやスマホの使用です。パソコンやスマホを使用する際には、前かがみになるため、頭の重さが首に負担をかけます。長時間の読書や、体に合っていない高すぎる枕も首の骨を圧迫するため、注意してください。
ストレートネックは、体操や首のストレッチなどで改善が期待できます。日常生活では、パソコンやスマホを操作する際に姿勢が悪くならないように意識する、枕を使わずに仰向けに寝るなどもおすすめです。
反り腰
反り腰とは、腰が大きく反ってしまう状態です。骨盤周りの筋肉が弱り、骨盤や体を支えられなくなると、体はバランスをとるために不自然な体勢となり、反り腰になります。
反り腰になると、腰に大きく負担がかかり腰痛になりやすいです。体のバランスが崩れるため、ぽっこりお腹やむくみなどの症状がでることもあります。骨盤が閉じていないため、O脚・外反母趾や巻き爪になる人もいます。
反り腰の原因は、運動不足や加齢などによる筋肉の衰えが影響しています。筋肉が衰えると、骨盤や身体全体を支えられません。急激な体重の増加やヒールの高い靴も体のバランスが崩れるため、反り腰になりやすくなります。
反り腰は、硬くなった筋肉をほぐし、鍛えることで改善できます。腰のストレッチやトレーニングは、自宅でも簡単にできるので挑戦してみましょう。
自分の姿勢が正しいかチェックする方法
自分の姿勢をチェックするには、壁に背をつけて確認しましょう。
1)壁を背にして、壁の前に立つ。
2)体の力を抜き、頭・背中・お尻・かかとの4点を壁につける。
壁から頭やお尻が離れてしまった場合は猫背の可能性があります。頭やお尻が壁についていても、離れた方が楽な人も猫背になりやすいでしょう。背中よりも先にお尻が壁につく、壁と腰の間に広い空間がある、お腹が前方に出る人は、反り腰の可能性が高いでしょう。
日常生活で行える|姿勢を良くする方法
姿勢を良くするために、日常的に行える筋トレやストレッチなど、さまざまな方法を紹介します。
筋トレやストレッチ
姿勢が悪い人の多くは、肩まわりや背中の筋肉が弱く、凝り固まっている可能性があります。筋トレで筋肉を鍛えると、正しい姿勢が保てるようになるでしょう。また、ストレッチをすると凝り固まった筋肉をほぐすだけでなく、全身の血流も良くなります。
ヨガやピラティスは筋肉の強化やストレッチ効果に加えて、体幹が鍛えられるエクササイズです。体幹が鍛えられると、正しい姿勢を維持しやすくなります。
スマホ操作
多くの人はスマホを操作する際にうつむきますが、ストレートネックの原因にもなります。スマホの操作は、顔の正面まで持ち上げて行うと、首が前傾するのを防げます。
座り方
パソコン操作などデスクで仕事をする人は、背筋を伸ばして骨盤を起こして座りましょう。骨盤が後ろに倒れていると背骨が丸まってしまい姿勢が悪くなります。135度の角度で座ると、背骨への負担が軽くなるのでおすすめです。机や椅子の高さを調節して、パソコンのディスプレイと顔の距離を適切な状態に保つのもよいでしょう。
しかし、どんなにデスク周りの環境を整えても座りっぱなしは良くありません。長時間座り仕事をする人は、1時間に1回は席を立つようにしてください。また、座っている時に足を組む癖のある人は、できるだけやめましょう。片方のお尻に体重がかかり、体のバランスが崩れます。また長時間足を組むと骨格が曲がる恐れもあります。
寝姿勢
姿勢を意識するのは、起きている時だけではありません。寝るときの姿勢も意識することが大切です。背中や首に痛みがある場合は、仰向けで寝るのがおすすめです。仰向けに寝ると胃酸の逆流といった消化管のトラブルも起きにくくなります。うつぶせ寝は、腰や首に負担をかけるだけでなく、体の歪みにつながるため避けましょう。
呼吸法
呼吸法は、体の動きや感情、姿勢にも影響します。背筋を伸ばす呼吸法は、正しい姿勢を目指す人におすすめです。呼吸法の具体的な方法は、以下の通りです。
1)背中を丸めず、深く息を吸います。
2)そのまま背中を伸ばします。
3)背中を伸ばし縮めないようにしながら、息を吐きます。
4)繰り返し行います。
日常的に行うことで、少しずつ腹筋が強くなり体幹も安定します。
こんな方法もおすすめ
姿勢を良くするためには、動画や書籍を参考にするのもよいでしょう。
動画
動画は、姿勢を良くする方法を一つ一つ確認しながら知ることができます。自宅で動画を見ながら気軽に挑戦できるので、おすすめです。姿勢を良くする方法について書いた書籍の著者が紹介している動画があるので、ご覧ください。
書籍
姿勢を良くするために必要な情報は、書籍を読むことでも取得できます。手元に置き、好きな時に好きな場所で読めるのもメリットです。姿勢を良くする方法を理解すると、日常的な行動について気を付けるようになり、姿勢の改善につながるでしょう。
まとめ
悪い姿勢は、体の不調につながるため、日常的に自分の姿勢をチェックして改善することがおすすめです。姿勢のチェックや改善は、日々の動作を少し変えるだけで自分でも簡単にできます。姿勢の改善を継続するには、参考になる書籍などを常に手元において、気負わず続けることがポイントです。
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