禁止されるとしたくなる心理を応用した、いたずら心を刺激する絵本

「やってはいけないと言われるとやりたくなる」心理をカリギュラ効果と言います。この心理を活用した広告なども多いので、あなたも知らずにカリギュラ効果の影響を受けているはず。そんな効果を楽しく活用した絵本を紹介します。

年始早々、株式会社ZOZOの前澤氏が、Twitter上で1億円のお年玉キャンペーンを発表。その結果、約544万リツイートを記録して世界記録になりました。前澤氏は有名絵画を高値で買ったこと、有名女優との交際など、さまざまな情報をオープンにしています。

こんにちは!2019年2月にCafune Books(カフネブックス)という小さな書店をオープンする、フリーランスライターの池野花です。自分が読んで面白かった本を、「あの人も好きそうだな」と思う人にオススメするのがとても好きです。

前澤氏の話に戻りますが、個人的には、「あそこまで自分をさらけ出すのはある意味すごいなぁ」なんて思います。
しかし、「能ある鷹は爪を隠す」なんてことわざがある日本では、オープンすぎる前澤氏の行動はいつも賛否両論を呼んでしまいます。
なぜ、賛否両論を呼ぶかというと、とかく日本では、「〇〇してはいけない」と行動を禁じられる機会が多いからではないでしょうか。
(話題になることを狙っている節もあると思うので、ある意味みんな前澤氏の手のひらの上で転がされているのかもしれません・・・)

でも、逆に「ダメといわれると、かえってやりたくなる」。そんな想いに駆られることはないですか?

「ダメといわれたことをやってしまう」物語は数多い

ダメといわれたことをやってしまう」という気持ちは今も昔も同じようで、そんなエッセンスを取り入れている物語は意外に多いです。

たとえば、日本の昔話の「鶴の恩返し」。鶴を助けたおじいさんの家にやってきた娘は、次々に美しい布を織ります。しかし、やつれていく娘を心配したおじいさんは、「私がはたを織っているところは決して見ないでくださいね」と言われていたのに覗いてしまうのです。そして、娘に姿を変えていた鶴は飛び立ち、二度と戻ってきませんでした。

イタリアを舞台にした「ロミオとジュリエット」もそうです。モンタギュー家とキャピュレット家という敵対する家の息子と娘がそうと知らずに出会います。二人は許されぬ恋と知りながらも惹かれ合ってしまう。そして最後にはすれ違いによって命を落としてしまいます。

そして、「ダイエットしなきゃ」と言いながら、ついつい甘いものを食べてしまう女。この一口がダメだと知りながら、誘惑に勝てない女のダイエットは永遠に明日からなのでした・・・。
おっと、すみません!最後は私のぼやきでした。

このように、禁止されることでかえって興味をかりたてられてしまい、禁を破ってしまうという心理は、心理学用語で「カリギュラ効果」と呼ばれます。

なぜ、このような名前がついたのでしょうか?

カリギュラ効果とは上映禁止になった映画が大ヒットしたことが語源

カリギュラ効果の語源は、ローマ皇帝カリグラをモデルにした映画「カリギュラ」です。ローマ帝国の残忍なカリギュラ皇帝を描いたその映画は、残酷な描写が多かったために一部地域で上映が禁止されました。しかし、それが逆に話題となり、皆が映画館に押しかけ大ヒットしたのです。

こうしたカリギュラ効果は広く知られるようになっていて、この心理を応用して、あえて禁止することで人の心理をくすぐるような広告手法もみられます。

たとえば、テレビの心霊番組などで「怖いものが苦手な方は、この先を見ないでください」と言われたら、かえって続きが見たくなったりしますよね。
また、「この商品はすべての人に使ってもらいたいとは思っていません。この商品の良さがわかる人だけに使っていただきたいのです」などと宣伝されている商品は、かえって多くの人の興味をそそります。

このように、カリギュラ効果を利用した広告は多いので、「禁止されているけどやりたくなっちゃう」という心理になった場合は、「これはカリギュラ効果を狙っているのかも?」と一度冷静になることをオススメします。

子どもの教育とカリギュラ効果にも関連性があった!

先日、子どもがいる友人に聞いた話です。友人は「よく本を読む子になってほしい」と思っていましたが、あえて「本を読みなさい」と言わなかったそう。
カリギュラ効果で、子どもが本嫌いになってしまっては大変だからです。
そのかわり、「この本、面白いな」と独り言のようにつぶやいて、わざと本をそのへんに放っておいたそう。
すると、目を離したすきに本を読みはじめ、すっかり本好きな子になったのだそうです。

こんな風に、カリギュラ効果を逆手にとる方法もあるんですね。
なかなかいうことを聞いてくれないお子さんにお困りの親御さんは、試してみてもいいかもしれません。

カリギュラ効果で、子どもの好奇心といたずら心を刺激する絵本

カリギュラ効果を楽しく応用した、大人気の子ども向けの絵本もあります。
ぜったいにおしちゃダメ?」という絵本で、35万部の大ヒットとなりました。

この絵本には、可愛らしいモンスターのラリーが登場し、「おしちゃダメだよ!」と言いながら、読んでいる子どもが押したくなるようなボタンが現れます。
そして、ボタンを押すとモンスターの色が変わったり、増えたりと色々な変化が起こります。子どもの好奇心といたずら心を刺激してくれる本です。

そして、その続編である「ぜったいにさわっちゃダメ?」も発売されました。
ついつい触りたくなる手触りで作られているこの絵本には、再びモンスターのラリーが登場し、「さわっちゃダメだよ?」と子どもたちを挑発します。

そして、「いうとおりにやるなら触ってもいいよ」というラリーの誘導によって本をさわっていくと、子どもたちはいつの間にかロボットになったり、恐竜になったり・・・!
アクション性の高い参加型の絵本なので、大いに盛り上がること間違いなし。

子どもが楽しんで興奮してしまう恐れがあるので、この絵本は寝る前よりも昼間に読んであげるのがオススメ。私もこの本をもって友人宅に遊びに行って、子どもたちと一緒に楽しもうと思います!

(文:Cafune Books(カフネブックス)池野 花 )

(画像提供:iStock.com/STUDIOGRANDOUEST/PeopleImages/DGLimages)

この記事は、”ぜったいに さわっちゃダメ?” ビル・コッター(著) の新刊コラムです。


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