――「彼氏が欲しい!」それだけなんだ!――
彼氏にフラれた勢いで、7つのマッチングアプリを同時ダウンロード!自身の恋愛体験をもとに、恋愛小説家・ライターとしても活躍するくしゃ美さんが、真実の愛を手に入れる(かもしれない)までのマッチングアプリ体験記です!
目次
親友のミナ
私「彼氏できたの!」
イケメン次期社長のユキくんと(ムリヤリ)お付き合いにこぎつけた翌日。
(↑この話はこちらからご覧頂けます)
私は嬉しくて、さっそく友達のミナを呼び出して、話を聞いてもらっていました。
ミナ「え~おめでとう!アプリでも本当に付き合ったりできるんだね!」
ミナは大学生の時からの友人で、社会人になってからは、クラブだバーだと一緒に遊びまわっていた悪友。お互いの恋愛事情もだいたい把握していて、私にとっては数少ない親友と呼べる存在でした。
私「そうなの!ただ…付き合ってからも相変わらず、連絡少ないんだよね~」
ミナ「ま~次期社長だし、仕事忙しいとかもあるんじゃない?」
私「そうだよねぇ…」
ミナ「付き合ったってことはさ、もうアプリは一緒に退会したの?」
私「あ!浮かれて忘れてた…。次会った時に、退会しよって言ってみる!」
婚活アプリは、恋人ができれば退会するのが一般的ですが、中には彼女ができたにも関わらずそのままアプリ活動を続ける、という男性もいるんです。
「そんなの彼女にバレるんじゃ?」と普通なら思うとこですが、だいたいどのマッチングアプリにも「ブロック機能」っていう抜け道があるんですよね!
もうやりとりしたくない相手を「ブロック」すると、ブロックした相手には「お相手があなたをブロックしました」とは表示されず、「お相手が退会しました」と表示されます。(「あいつ、オレをブロックしやがった!」っていうトラブルを避けるためですね!)
そうなると、相手が本当に退会したのか、ただ自分をブロックしただけなのかを見分ける方法がないんです!
彼女ができてもアプリを辞めたくない民は、彼女をそっとブロックして、「オレちゃんと退会したよ!」と嘘をつき、そのままアプリ活動を継続させるわけです。
その抜け道を塞ぐためには、目の前で一緒に彼のスマホを見ながら操作して、退会ボタンを押してもらう!これが一番確実なんです。
ミナ「そうだね。またどうなったか教えて!」
結局その日は、ミナにユキくんの惚気と相談を散々聞いてもらって、終電で解散しました。
イケメン商社マン
家に帰って、退会手続きの方法を調べようと、「Pairs」を開いてみると…
「あ!この人…」
ユキくんと付き合うちょっと前にマッチングして、何度かやりとりしていた男性から、メッセージが届いていました。
ちなみに彼のプロフィールはこんな感じ。
【名前】椿 亜嵐(つばき あらん)
【年齢】35歳
【学歴】大学卒
【職種】営業(商社)
【年収】600万~800万
【身長】179cm
――高いのよ、スペックも身長も!
んで、ホストみたいにキレイな名前!
さらに、顔もイケメンときた!
私のタイプはユキくんがドンピシャだったっていうだけで、亜嵐くんも一般的に言って、相当イケメンの部類!
この人、メッセージも丁寧だし、見た目もよさそうなんだよな~。ユキくんに出会ってなければ、たぶん一番タイプだったかも…。
そんなよこしまな事を考えながら、メッセージを開いてみると…
『くしゃ美ちゃん、よかったら今度飲みにでも行かない?』
――うわぁ!なぜこのタイミンなんだ!
昨日から一応ユキくんと付き合ってるしなぁ…。
…でもユキくん、相変わらず冷たいんだよね。
亜嵐くん、お断りするにはもったいなすぎる…。
さんざん悩んだあげく、打開策として私はこんなメッセージを送りました。
『お誘いありがとうございます。飲みに行きましょう!2人はちょっと緊張するので、お互いの友達も呼んで4人で、とかはどうですか?』
これならデートじゃないし…!
ギリ、セーフでしょ!(いや、アウトだろ)
そうだ、飲み会をしよう
4人で飲む約束をした当日。
先にミナと待ち合わせをしてから、お店に向かいました。
私「ミナ、今日は付き合ってくれてありがとう!」
ミナ「全然いいんだけど…でもくしゃ美、彼氏は?大丈夫なの?」
私「相変わらず、2日くらい既読無視されてるよ…。このままだとユキくんに依存しちゃうし、私も視野広げないといけないなと思ってさ!(←間違ったポジティブ)」
ミナ「確かに既読無視は辛いよねぇ…」
私「今日会う亜嵐くんなんだけどさ、ユキくんと付き合う前からやりとりしてて、彼氏できたことは言ってないんだよね…。ごめんだけど、彼氏いないことにしといてもらっていい?」
ミナ「…え?う~ん、いい…けど…」
ミナはフリーの時は遊びまくるけど、彼氏ができたら一途なタイプ。
たぶん、私に彼氏がいるのに、他の子とも会おうとしていることを、あまりよく思っていません。
私「ごめんね、ありがとう!」
それでも、いつも私の味方をしてくれるミナなら大丈夫だろうと、私は勝手に思い込んでいました。
亜嵐「くしゃ美ちゃん?はじめまして!」
お店について席に案内されると、そこには写真通りのイケメンが!
く…やっぱカッコいいな!
私「はじめまして、くしゃ美です。と、友達のミナです」
ミナ「ミナです、よろしくお願いしまーす」
亜嵐「くしゃ美ちゃん、ミナちゃん、今日は来てくれてありがとう!亜嵐です。こっちは友達のユウト」
ユウト「よろしく~」
こんな感じで、飲み会はゆる~くスタートしました。
亜嵐くんは営業さんだけあって、話し上手で面白くて、会話はすごく盛り上がりました。
2次会ではカラオケに行って、お会計も男性2人が全部してくれて、私もミナも本当に楽しい時間を過ごしました。
その日は結局、4人のグループLINEを作って、終電で解散。
帰ってすぐ、亜嵐くんから個別でLINEが来ました!
うううううわぁぁぁ!
イケメンにこんなこと言われて、嬉しくないわけがなかろうて!
とりあえずそれだけ返事を打つと、私はお酒が入っていたのもあって、そのまま爆睡していました。
その日から、亜嵐くんとのたわいもないLINEは毎日続きました。
ユキくんからは、相変わらず2日に1回、返事が来たらいい方…。
そして、亜嵐くんからついにデートのお誘いが!
!!!
これは…行っても大丈夫?
一応ユキくんと付き合ってはいるけど…
私は葛藤しました。
時間にして、約3秒。(もっと悩め)
惚れてまうやろ
こうして迎えた、亜嵐くんとのデート当日。
亜嵐くんが予約してくれた、こじゃれた創作和食のお店で、2時間ほど美味しい食事とお酒、それに目の前のイケメンを堪能しました(ごちそうさまです)
「くしゃ美ちゃん、まじでかわいいよね」
「本当に37歳?年下だと思ってたんだけど!」
…などなど。甘い言葉のオンパレード!
おかげで、すっかり上機嫌の私。
2軒目も亜嵐くんが探してくれたいい感じのバーに行って、その日は23時頃に解散しました。
翌週。
2回目のデートに誘われましたが、友達との予定が入っていたため、泣く泣くお断り…。
さらに翌週。
めげずに亜嵐くんがお誘いをくれて、2人で映画デートをすることに!
映画の後、イタリアンのお店からの、2軒目は夜景の見えるオシャレなバーへ行きました。
そこで…
「オレ、本当にくしゃ美ちゃんのこといいなって思ってるよ。他の人にとられたくないなぁ…。早いって思われるかもしれないけど…好きだよ、付き合って欲しい」
!!!
あああああああまじか!
今日?今日言っちゃう?
正直、ユキくんとはもう終わりだろうなって思ってる。
でも、まだハッキリ別れてないし…
さすがに「YES」は言えないな…。
「う~ん…私も亜嵐くんのこといいなって思ってる、けど…もうちょっとお互いのこと知ってからじゃ、ダメ…?」
結局、こんな感じのめちゃくちゃ曖昧な返事しかできずに、その日は終わりました。
ミナさん…?
「――って感じでね!亜嵐くんめっちゃいいんだよね…どうしよう!」
亜嵐くんから告白された翌日。
私はまたミナに話を聞いてもらっていました。
ミナ「ん~…まぁ…ユキくんと別れるなら、ちゃんと別れた方がいいんじゃない?」
――おや?何か反応うっすいな…?
ミナ「…あ!てか、ユリの話聞いた?結局さ、不倫してた上司と別れたとか言ってて~…」
あ。話変えられた。
やっぱり、彼氏いるのに他の男にいこうとしてる、みたいな不条理なことが、ミナ的にはあんまいい気しないってことなのかな…。
ミナの不穏な空気を感じとって、私もそれ以上は、亜嵐くんの話はしないようにしました。
「よくない行為」のお手本はコチラ☆
亜嵐くんとの3回目のデートでは、前みたいに「付き合って」的な話はなく。
2軒行って相当酔っぱらったタイミングで、終電がなくなっていたことに気づきました。
私「うわ!電車終わってる…」
亜嵐「え~、じゃあさ、オレの家で飲みなおそ?もう、すぐそこだから」
…ってことで、コンビニでお酒を買って、のこのこと亜嵐くんの家についていく酔っ払い女。
最初は2人で楽しく飲んでいましたが、お互いに何となく好意をもった男女が2人。
しかも相当いい具合に酔っ払ってるときたら…
――ヤること、ヤっちゃいましたよね!
かと言って、まだ完全にはユキくんと終わっていなかった私。
亜嵐くんに「付き合って」と言うこともできず。
結局、よく分からない関係のまま、致してしまったわけです。
(本当にコレね、よくない!「よくない」のお手本みたいな行為ですよ!絶対マネしないでね!)
その後、ユキくんとは完全に終わったものの、今さら亜嵐くんから「付き合って」と言われることもなく、セフレみたいな関係が一カ月ほど続きました。(←ホラ、やっぱりそうなるよね)
タイミングを逃したのは自分のせいとは言え、ちゃんと付き合う気のなさそうな亜嵐くんに少し冷め出した頃――事件は起こりました。