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わかりやすい文章の書き方とは!7つのコツや伝えるために考えるポイントを解説

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「伝わる文章の書き方がわからない」
「メール1通作るのに時間がかかる」
などと悩んでいませんか?

文章を書く機会は多いのに、わかりやすく書く方法を体系的に学んだ経験がない方は少なくありません。文章力不足で評価が下がるのではないかと不安を感じている方もいるでしょう。

そこでこの記事では、明日から実践できる文章の書き方のコツを解説します。

  • わかりやすい文章の書き方のコツ7選
  • 伝わる文章を作るために考えるべきポイント
  • 実務ですぐ使える具体的なテクニック

この記事を読むことで、文章作成の時間を半分に減らし、伝わりやすいと褒められる文章が書けるようになります。ぜひ最後までお読みください。

この記事は書籍『 文体のひみつ なぜあの人の文章はつい読んでしまうのか? 』の関連コラムです。

わかりやすい文章の書き方のコツ7選

こちらでは、わかりやすい文章を書くための7つのコツを紹介します。どれも今日から実践できる具体的なテクニックです。

文章の型を覚える

文章の型を覚えると、論理的でわかりやすい文章が書けます。型に当てはめるだけで文章の構成が整うため、読み手がスムーズに内容を理解できるからです。

代表的な型がPREP法です。PREP法は以下の順番で文章を組み立てます。

  1. Point(結論)
  2. Reason(理由)
  3. Example(具体例)
  4. Point(結論の繰り返し)

例えば、「新商品の導入を提案する」場合を見てみましょう。

結論:私は、新商品Aの本格導入を提案します。
理由:なぜなら、Aによって競合他社との差別化が図れて、売上向上につながるためです。
具体例:試作品で成果を確認したところ、導入後3ヶ月で売上が20%増加しました。
再結論:以上から、新商品Aの導入の検討をお願いします。

このように、型を使えば、何を書けばよいか迷う時間が減り、文章作成のスピードが上がります。

一文一義を意識する

一文一義とは、1つの文に1つの内容だけを盛り込む書き方です。一文一義を守ると、読み手が文章の意味を正確に理解できます。

悪い例を見てみましょう。

「当社の新サービスは低価格で高品質であり、サポート体制も充実しており、導入実績も豊富で、業界トップクラスの評価を得ています。」

この文には4つの内容が詰め込まれています。一文一義で書き直すと以下のとおりです。

「当社の新サービスは低価格で高品質です。サポート体制も充実しています。導入実績も豊富で、業界トップクラスの評価を得ています。」

1つの文に複数の内容を入れると、読み手の頭に負担がかかります。一文は60文字以内を目安にすると、読みやすくなります。

表記ゆれを無くす

表記ゆれとは、同じ言葉を文章内で異なる表記で書く現象です。表記ゆれがあると、読み手が混乱し、文章の信頼性が下がります。

よくある表記ゆれの例は以下です。

  1. 漢字とひらがなの混在(例:出来る/できる)
  2. 数字の全角と半角(例:1/1)
  3. 英語の大文字と小文字(例:web/Web)
  4. 送り仮名の違い(例:申込み/申し込み)

例えば、提案書の中で「Webサイト」「webサイト」「ウェブサイト」が混在していたらどうでしょうか。読み手は無意識に違和感を覚え、内容への集中力が削がれます

表記ルールを最初に決めておくと、迷わず執筆できます。Microsoft WordやGoogleドキュメントの検索機能を使えば、表記ゆれのチェックも簡単です。

指示語を減らす

指示語とは「これ」「それ」「あれ」などの言葉です。指示語を減らすと、誤解のない文章が書けます。

悪い例を見てみましょう。

「先月の会議で提案した施策について報告します。それは予想以上の成果を上げました」

この「それ」が何を指すのか、読み手は前の文を読み返す必要があります。指示語を減らして書き直すと以下になります。

「先月の会議で提案した新規顧客開拓施策について報告します。新規顧客開拓施策は予想以上の成果を上げました」

特にメールや報告書では、読み手が文章を斜め読みするケースが多くあります。指示語が多いと、前後の文脈を追わないと理解できない文章になってしまいます。

専門用語には解説を入れる

専門用語には解説を入れると、読み手の理解レベルに関わらず伝わる文章になります。ただし、相手が知らなそうな言葉に限定してください。

例えば、営業職向けの資料で「KPI」という言葉を使う場合を考えましょう。

「今期のKPI(重要業績評価指標)は、新規顧客獲得数30社です」

一方で、初歩的な内容には解説を入れなくてOKです。例えば営業職向けの資料で「顧客」「契約」「見積もり」などの基本用語に、わざわざ解説を入れる必要はありません。

読み手のレベルを想定して、解説の有無を判断するのがポイントです。迷った場合は、括弧書きで簡単に説明を加えるだけでも、読み手の理解がスムーズになります。

字数をなるべく減らす

字数を減らすと、要点が明確で読みやすい文章になります。冗長な表現は読み手の時間を奪い、本質的なメッセージが薄まるからです。

削減できる表現の例を見てみましょう。

  1. 「〜することができる」→「〜できる」
  2. 「〜と思われる」→「〜と思う」
  3. 「〜のような形で」→「〜のように」
  4. 「基本的には」→削除

悪い例:「当社のサービスをご利用いただくことができる環境を整備していく必要があると考えられます」

良い例:「当社のサービスを利用できる環境を整備する必要があります

このように文章をシャープに短くすることで、読みやすいだけでなく、文章執筆のスピードも速くなります。

数字を使う

数字を使うと、説得力のある具体的な文章になります。抽象的な表現より、数字で示した方が読み手がイメージしやすいからです。

悪い例と良い例を比較しましょう。

悪い例:「多くのお客様にご満足いただいています」
良い例:「顧客満足度92%を獲得しています」

悪い例:「短期間で成果が出ます」
良い例:「導入後3ヶ月で売上20%増加の実績があります」

数字を使う際のポイントは、できるだけ具体的な数値を示すことです。「約」や「おおよそ」といった曖昧な表現は避け、正確なデータを記載しましょう。

伝わる文章を作るために考えるべきポイント

わかりやすい文章を書く前に、考えるべき3つのポイントがあります。この準備をすることで、読み手に確実に伝わる文章が作れます。

何を伝えたいのか

何を伝えたいのかを明確にすると、軸のブレない文章が書けます。伝えたいメッセージが曖昧なまま書き始めると、話があちこちに飛び、読み手が混乱するからです。

文章を書く前に、以下の質問に答えてみてください。

  1. この文章で最も伝えたいメッセージは何か
  2. 読んだ後、相手にどう行動してほしいか
  3. 相手が知るべき情報は何か

例えば、新商品の提案書を書く場合を考えましょう。「新商品Aの導入で売上が増える」という結論が明確なら、その結論を裏付ける情報だけを選んで書けばよいのです。

伝えたい内容が3つ以上ある場合は、文章を分けるか、優先順位をつけて絞り込みましょう。1つの文章に詰め込みすぎると、何が重要なのか分からなくなります

誰に伝えたいのか

誰に伝えたいのかを明確にすると、相手に響く文章が書けます。読み手のレベルや関心によって、必要な情報や表現が変わるからです。

例えば、同じ商品を紹介する場合でも、以下のように書き分けが必要です。

  1. 経営層向け:投資対効果、売上への影響
  2. 現場担当者向け:具体的な使い方、業務効率化
  3. 初めて聞く人向け:基礎知識、商品の概要

専門用語を使うかどうか、詳しい説明を入れるかどうかは、読み手の知識レベルで判断します。上司向けのメールと顧客向けの提案書では、同じ内容でも書き方が変わるのです。

読み手を具体的にイメージすると、相手が求める情報を的確に届けられます

どのような文体で伝えるか

どのような文体で伝えるかを決めると、読み手に合わせた適切な印象を与える文章が書けます。文体によって、文章が与える印象は大きく変わるからです。

ビジネス文書でよく使われる文体は以下の2つです。

  1. 「です・ます」調:丁寧で柔らかい印象
  2. 「だ・である」調:簡潔で力強い印象

一般的に、メールや提案書では「です・ます」調が基本です。報告書や社内資料では「だ・である」調を使うケースもあります。

文体を混ぜないのも大切です。「〜です。〜である。」のように文体が混在すると、読み手が違和感を覚えます。文章全体で統一された文体を使いましょう

わかりやすい文章にはポイントがある

わかりやすい文章を作るにはポイントがあり、練習すれば誰でも上達することが可能です。

今回紹介したコツを実践するだけで、提案書やメールの質が向上し、上司や顧客からの評価も変わるでしょう。

文章のトレーニングにはアウトプットが肝心なので、ぜひ日頃送るメールから試してみてください。

なお、さらに文章力を高めたい方には、『文体のひみつ なぜあの人の文章はつい読んでしまうのか?』という書籍がおすすめです。「心に残る文章」の秘密である「文体」について深堀りすることで、「人の心を動かす言葉」の技術を身につけられます。

わかりやすい文章からさらにレベルアップして、人の心に残る素敵な文章作りにチャレンジしたい方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

この記事は書籍『 文体のひみつ なぜあの人の文章はつい読んでしまうのか? 』の関連コラムです。