【リレー連載】3冊で、わたしを語る。

心の居場所を見つけて ― 美容起業家・千葉よしえを形づくった3冊

#連載エッセイ
#【リレー連載】3冊で、わたしを語る。

人は、たった数冊の本に、人生の地図を描いてもらうことがある。
まだ輪郭のあいまいだった自分に、芯を与えてくれた言葉。
迷ったとき、何度でもページをめくりたくなる物語。
そんな「わたしを形づくった3冊」を、サンクチュアリ出版のイベント登壇講師が語ってくれます。
それは本の話であり、同時に「わたし」の物語でもあるのです。

語り手:千葉よしえ

居場所が欲しかった、あの頃のわたしへ

人は、10代で手に入らなかったものを人生をかけて求め続けるらしい。

私にとってそれは、「居場所」だった。

専業主婦だった頃は、「学校帰りに子どもたちが気軽に立ち寄れる居場所をつくりたい」と思っていた。

母として、自分の子供だけでなく地域の子供達みんなが、“安心して羽を休められる場所”を作れたらと願っていたのだと思う。

そして今は、「頑張る女性たちの居場所」をつくりたく、美容起業家として、オンラインとリアルの美容骨格矯正スクール V Face Lab. を主宰し、約400名の生徒さん、40名を超える先生たちとともに走り続けている。

彼女たちの多くは、家庭や仕事に一生懸命で、自分のことを後回しにしてきた女性たち。
その背中をそっと押したくて、私はこの道を選んだ。

でも、そんな私がなぜ「居場所」をつくりたいのか。
その根っこには、10代の私の記憶がある。

図書室と保健室が、私の世界だった

私は幼少期、喘息の発作とアトピーに悩まされ、学校の昼休みはいつも図書室か保健室。
放課後、友達と遊びに行くことも、誘われることもほとんどなかった。

家に帰ると、祖父母とこたつに入り、水戸黄門や大岡越前、相撲を観る。
情報源が400年前くらいで止まっているような日常。

そのまま中学生になり、もちろんSMAPも小室哲哉も知らず、クラスでは完全に宇宙人。

「どうして自分だけ、世界のスピードが違うんだろう」
「私はどこにも馴染めないのかもしれない」

そう感じていた私にとって、本を読む時間だけが「自分に戻れる時間」だった。
ページをめくると、世界が優しく包んでくれるようで、図書室は“静かな居場所”だった。

心を取り戻す「絵本の居場所」

そんな私を育ててくれたのは、祖母が読んでくれた絵本だった。
幼い頃はただ楽しくて、でも今読み返すと、あの絵本たちは「孤独な私を見つけて寄り添ってくれていた」ように思う。

今日は、そんな“心の居場所”をくれた3冊をご紹介したい。
少し疲れた時に、そっと心を包んでくれる絵本たちです。

1冊目:『コールテンくん』

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デパートの棚に並ぶくまのぬいぐるみ・コールテンくん。
ズボンのボタンが取れているせいで、誰にも選ばれず過ごす日々。
でもある日、小さな女の子が「うちに来て」と声をかけてくれる。

誰かに「そのままでいい」と見つけてもらう幸せ。
“足りないところ”ばかり見ていた自分を
まるごと受け止めてくれるやさしさ。

この本を読むと、
自分の居場所って、
「完璧だから手に入るもの」ではなく、
「不完全なままでも愛される場所」なんだと気づかされる。

2冊目:『わすれられないおくりもの』

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森の仲間たちの知恵袋だったアナグマ先生は、
年をとり、自分の旅立ちを静かに受け入れる。
ある晩、仲間たちに手紙を残して、
そっと天国へ旅立ってしまう。

残された動物たちは悲しみに暮れるけれど、
ふとした瞬間に気づく。

アナグマが教えてくれたことが、
みんなの中で“生きている”ことに。

モグラは靴ひもを結べるようになり、
キツネはそりを上手に操れるようになり、
森に再び笑顔が戻っていく。

この絵本は「別れ」ではなく「継承」の物語。
誰かが自分に残してくれたもの、
そして自分が誰かに残せるものを思い出させてくれる。

自分の活動が
アナグマ先生の森と重なる瞬間がある。
人は誰かの中で生き続ける——その温もりが胸に残る1冊です。

3冊目:『ちいさなあなたへ』

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ひとりの母が、
赤ちゃんを抱きながら語りかけるモノローグで綴られた絵本。

「あなたが生まれた日、世界が光で満ちた」
「あなたが泣いた日、私も泣いた」
「あなたが旅立つ日、私の心はあなたとともにある」

人生の喜びと別れ、
愛と時間の流れをやさしく包み込む詩のような物語。

娘として読むと、
「私はちゃんと愛されてきたんだ」と涙が出る。
母として読むと、
「この子の未来を信じて手放す勇気」が湧いてくる。

そして、人生を歩むひとりの女性として読むと、
「私はこの世界に愛を残してきた」と気づかせてくれる。

この本は、
“居場所を熱望していた子”が
“居場所をつくる大人”へと成長する軌跡を
静かに肯定してくれるような一冊。

居場所は、与えられるものではなく、育てるもの

あの頃の私は、
「自分の居場所」を渇望していた。

でも今はわかる。
居場所は、どこかに“ある”ものではなく、
人と人の間で“育っていく”もの。

誰かの笑顔を支えたとき、
励ましの言葉を受け取ったとき、
その瞬間に、居場所は生まれる。

私はこれからも、
がんばる女性たちのための“心の居場所”を
つくり続けていきたい。

そして、いつの日か——
人生をゆっくり振り返る高齢女性たちが
「ここに来てよかった」と微笑むような
温かい居場所をつくるのが、私の夢です。

おわりに

少し疲れたときに読みたい「居場所の絵本」3選

【1】『コールテンくん』 — 誰かに見つけてもらう幸せ
https://amzn.asia/d/0f69GQV

【2】『わすれられないおくりもの』 — 誰かの中で生き続ける温もり
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【3】『ちいさなあなたへ』 — 愛されて生まれてきた記憶
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絵本は、大人になってから読むほど、静かに心の奥を揺らすもの。

「ちょっと疲れたな」と思ったときは、あの頃の自分に会いに行くつもりで、ページをめくってみてください。

千葉よしえ

美容骨格矯正スクール主宰
横浜在住・三児の母
医学部分子薬理学教室出身

子育て13年間
年齢を上回って劣化し自信を失う日々
セルフケアで
「整形?」と言われる変化に成功し
この感動を手渡すべくV face Lab.を設立 現在生徒400名、講師50名で活動中

骨・筋膜への根本的なアプローチで整形を疑われる生徒さん続出中

毎日頑張る女性を「お顔」から応援したく平日朝5時~セルフケアLIVE開催中
\自分でできる/見た目年齢−10歳 整形級・美骨格ケアの新常識/千葉 よしえ
千葉 よしえ
#見た目年齢 #美骨格ケア
再生時間:1:30:32