0円ストロング生活の始め方

こどもに教わる理想の子育てとは

#連載エッセイ
#0円ストロング生活の始め方

都会を出て田舎で0円生活はじめました。青森の0円家族、田村家の自給自足な日常を嫁目線でお届けします。

みなさん、こんにちは。
青森で家族三人、自給自足生活をしています「都会を出て田舎で0円生活はじめました」もう一人の著者の田村ゆにです。
青森にも春がやってきました。冬の静かで時が止まったかのような穏やかな時間の流れから一変して、春は浮き足立つようなワクワクした気持ちと同時に一気に慌ただしさがやってきます。
「あ!ウグイスが鳴いた!」
「ありさん、お久しぶり♪」
などと、再会を喜んでいるのは人間だけでしょうか。みんなそれぞれに再び生命を全うするべく、目の前の仕事に専念しており人間などには目もくれない状況です。
命あるからこその時間の流れの中で、今年はまたどんな植物の輝きや小さな命の鼓動に触れる機会があるのかと思うと、自分自身もまた、負けてはいられない状況ですね。
春こそ忙しくあれ。この場所で1つの命を燃やす1年を送れるようにと改めて思う季節です。
早いもので、こどもが来年には小学校入学を迎える年になりました。
うちはずっと自宅保育で、生まれてから12時間以上(もっと少ないかも)こどもと離れたことがありません。
そう考えると、こんなに長い時間一緒に遊んだり、親の予定に付き合ってもらったりと、理由が何であれ共に過ごす時間が一気に短くなる事は感慨深いです。
自分の時間が今よりも多く持てることで、進められることも増えるのではという解放感よりキュッと胸が締め付けられる気持ちの方を強く感じます。
それでもまだまだ、こどもとの時間は続くのだけど一区切りといったところでしょうか。
今回はこれまでにあまり語る機会のなかった、子育てについてここに書き留めておきたいと思います。

この記事は書籍『 都会を出て田舎で0円生活はじめました 』の関連コラムです。

こどもに教わる理想の子育てとは

私自身の家庭環境としては、比較的大きくなってから両親が離婚しています。
なんとなく家族とは、最低要員が揃っていて理想的。という一般的なイメージはあったのですが、親は共働きだったしそれぞれに好きな道をいく。というのが、私たち家族にとって最適なのかもと思っていたところの離婚でした。
自分が結婚した今となってもその考えは変わらなくて、様々な家族のカタチがあることも、こどもにとってはいずれ出ていく家であることにもより確信を持っています。
繋がりがあることで、団体としてはより強くなれるけど、自分の幸せはどうやっても自分でしか生み出せないもの。という根っこの部分は、何をするにしても自分の軸の1つになっています。
とはいえ、そんな風に思えるようになったのも大人になってからで、こどもの頃は親からの愛情不足を感じていました。
でもいざ自分が親になってみると、実際には沢山の愛が注がれていたことがわかります。
そこに当時の自分は「ない」と思っていただけで、実際には見えていなかっただけなんだなと。
今、目の前にあるこどもとの暮らしの中での「子育て」って何が正解かわからないけど、自分が理想とする子育ての中には”自分が小さい頃に本当はこうして欲しかった”という幼い自分の心を満たす時間のようにも思えます。
寂しい思いをさせないことや、子供の好きを尊重すること。これらはあの時「自分が親にこうして欲しかった」の裏返しです。
実際には人間である以上完璧なんてムリでどんなに一緒にいる時間が長くても、こどもには我慢や寂しい思いを感じさせることもあります。
でも根の部分でお互いに信頼関係ができていたなら、それはより本人を強くするための課題として乗り越えていけるんですよね。それがきっと親子共に、心の成長につながります。
そこのバランスの取り方として私は、こどもが大人になったときに【誰よりも自分が後悔しない時間の使い方】を選択したいなと思っています。
「あぁ〜今忙しいから後でね!」その時間は、もう2度と回収できません。
その先の未来でも、こどもが期待してくれるかはわからないからです。
「今忙しいけど5分だけなら!」の、お互いの要望をちょっとずつ叶える前向きな選択で、過去と未来は変わる気がします。(もちろんあくまで、私の考えです。)
そのほかに私が、こどもと向き合う上で大切にしているポイントが2つあります。
・一人の人間として接すること
・忙しくても質問には丁寧に答えること
この2点について、深掘りしてみます。

一人の人間として接すること

これは、言い換えるとこども扱いしないことでしょうか。
もちろん年齢によって、まだ成長途中なことがあります。その点をムリに大人と同じようにさせようということではありません。
こどもにとってこの作業は早い、この話は理解できない。など、こどもの意思ではなく大人が一方的に、こどもであることを理由に線引きしないという意味です。
例えば「僕も、お料理してみたい」と、言われた時。まず包丁がなかったので「今度一緒に包丁を買いに行こうね。」から始まり、皮を剥いた後のリンゴを切ってもらうようになりました。
最初は危なっかしくて、その間こっちの作業は何も進まないのですが、自分で切ったリンゴを食べる。を繰り返しているうちに切る作業が楽しくなってくれたようで、生姜を切るお手伝いもしてくれました。
親としても、こどもに任せることに慣れてくると「まぁ、ちょっとぐらい切っても経験だよね」と思えるようになってお互いに成長しているんだなと思えます。

忙しくても質問には丁寧に答えること

これは、こどもが疑問を持ったときが何かを教える最大のチャンスだからです。
些細な質問でも、大人が疑問を向けてくれた時と同じ様に答えるようにしています。
日常会話の中で生まれる、「雲は何でできているの?」「なぜ季節があるの?」などそれらの答えの中に、空想や妖精さんは登場しません。
わからなければ、一緒に調べて学べばいいだけです。
思っている以上に日常生活の中に、教育や学びのシーンがあってその小さな疑問をおざなりにしないことで本人の学習意欲も上がるような気がしています。
いきなり必要になったから勉強させる。のではなくて、普段の疑問こそが学びの始まりだと親子ともに認識しておくことが、家庭教育のスタートに感じるのです。
伝えるときは本人がわかる言葉を選ぶこと。また、難しい言葉を出してしまったら、〇〇の意味はわかる?と、聞いてそれについて他の言葉で説明し直すなど。
実はこれって自分自身が伝える勉強になっているんですよね。
だから子育てを通して成長しているのは親の方なのだなと、実際に自分の疑問も解決しますし、いつもこどもには教えてもらうことばかりです。

うちの子は今5歳ですが、家に来たお客さんに対して親が忘れていたことを不意に教えてあげるほど、親が思っている以上にちゃんと覚えていています。
さらにいうと、覚えることが目的ではなくて、例え忘れていてもいいんですよね。
大人がこどもに耳を傾けて足並みを揃えて歩こうという姿勢と、知らなくても一緒に考える時間こそが親子の交流であり大切な事なんだなと思っています。
子育ての現場で親も成長する視点があると、それは一方的に教えるコミュニケーションではなくて、双方向のやり取りで実現する信頼関係の構築です。
そうなれば親としても完璧さを求めなくていいので、気持ちもラクに子育て時間を楽しめると思います。
小さい頃の私と目の前のわが子に教えられた、それが私の理想の子育てです。

おわりに

今回のYoutube動画の方は、子育ての話とは全く関係なく「手作りのスキンケア」について解説しています。
小さなこどもがいる暮らしの中で、どれだけ自分の時間が割けるかというとスキンケアなんてそんなご自愛している余裕はない!となると思うんですよね。
そんな慌ただしい日々でも効果的に植物の力を借りて、コストも最小限で実現するのが手作りのスキンケアです。
なりたい自分を叶える理想の一歩は、紛れもなく自身の足元にある。そんな心を取り戻す方法として今回の動画を作りました。ぜひ、合わせてご覧ください。




田村ゆに(Tamura Yunii)
1987年北海道札幌市生まれ。高校卒業後に歌手を目指して上京。アルバイトをしながらの歌手活動中に着物の魅力にハマり、365日着物生活をはじめる。29歳になる年にSNSで発見した田村余一の「お嫁さん募集」へエントリー。その年の秋に青森へ移住し田舎暮らしを始め、2017年に入籍。オフグリッド生活や畑作業をスタートする。2018年第一子を出産。現在は子育てや畑作業の傍でインスタグラムを中心に暮らしの知恵や野菜の知識をシェアして活動している。


たむらゆに(Instagram)
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うちみる(自給自足家族生活オフィシャルWEBサイト)
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この記事は書籍『 都会を出て田舎で0円生活はじめました 』の関連コラムです。