下田美咲のズバリ言うわよ

[お悩み]叶えたい夢があって頑張っていますが辛いです。そういうものですよね?/下田美咲のズバリ言うわよ

#連載エッセイ
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仕事に悩めるのは挑戦が大成功した証

子作りについて考えると「仕事どうしよう!!」っていう焦燥感には基本的に襲われるものだと思ってるんだけど(生理現象)、産後に、仕事のことで悩める自分がいたとするなら、それって、妊娠と出産が無事に終えられてる証拠なんだよね。

思考できるのは生還してるからだし、妊娠中のトラブルで自分が障害者になってたら、それどころじゃないし、他のことでもっと死にたくなるほど悩むじゃん。

仕事の内容で悩める土俵にいるのって、なんでもやれる元気な体があるからだよね。それに子どもが大変な病気だったら、やっぱりそのことで頭がいっぱいになって、仕事のポジションどうこうで悩んでる場合じゃない。

産後に、産前みたいに働くためには…って悩める自分がいるのだとしたら、その妊娠出産は大成功すぎる。全力で祝杯をあげたほうがいい。

自分の人生に大切な人を一人増やすことができた上で、色んなことが自分次第な人生が依然として続いているなんて、本当にラッキーなことだ。産後の人生に、努力とか工夫とか気合いでどうにかなる範囲内の課題しかないなんて、少しも絶望的じゃない。

ベストな時期はないけど

キャリアの面でベストな出産のタイミングとかはないけど、私は「今の自分は親になる資格があるのか」ってことはすごくシビアに考える人間で、10代の頃から「自分に対して親になる許可を出せない限りは産まない」って決めていた。

私にとって、許可を出すために必要な条件は3つあった。

①お金を理由に諦めさせることがない経済力がある
②経済力を確保した上で、子育てに使える時間がある
③「人生は良いものだよ」と言える人生を送ってる

だからずっと、幸せになるまでは産めない、って思ってた。

私が子どもなら、人生を嫌なものだと思いながら生きてるような大人が自分の教育担当なのって悲惨だと思うから(その人の指示に従った先に幸せがないのが確定すぎて困る)、「人生は良いものだよ」「楽しく生きることは可能だよ」って言える自分に辿り着いてからじゃないと申し訳なくて産めない。

女の人生に「出産にベストな時期」なんてないから、基本的にエイって産んでヨイショオオオって走り出すしかないと思ってるけど、「自分という人間には親になる資格があるのかどうか」ってことだけは、今までもこれからもシビアに考える派。

「私は、今の私から生まれたいだろうか」って自問自答に「産まれるならこの家がいい、とは思えるな。親ガチャ大当たりだわ」って思えるかどうかには妥協したくない。

「早く産んでくれ」が止まらない

子育てはそもそも難しいものではあるのだけど、きょうだい育児(複数人の子どもを同時に育てること)は、さらに1億倍難しいと思っていて、それはただの夫婦より一夫多妻とかで同居してた方が登場人物が多いほどややこしくてトラブルが起きやすくて難しいよねっていう、そういう難しさなんだけど、だから、すでに息子が二人いる今、追加メンバーを増やしていいものかは過去一悩む。

そんな中で息子たちはほぼ毎日「お願いだから赤ちゃんを産んでくれ」とオファーをかけてきている。

8歳の長男は、何をどこまで知っているのかは不明だけど「ママ、ちょっと悪いんだけど、パパと一回キスしてくんないかな?一回でいいから。俺、赤ちゃん欲しいんだよ」などと頭を下げてきてもいる。

4歳の次男は、私が胃下垂で大食いなお腹をパンパンにさせるたび「ママ…赤ちゃんいるね」とぬか喜びをして、「おれ大事にするよ。可愛がる。だって可愛いから」と早くも母性を発揮している。

すでに、自分以外の子どもがいる環境で育てられることを経験している息子たちが「家族は多いほど楽しい」と言い切り、「いくらでも産んでくれ」と言っていることは、今のところきょうだい育児が成功している証であり、子育てが好きすぎるためになるべく長いこと子どもを育てていたいという理由で三人目も考え始めている私にとって、かなり背中を押される事実であるものの、やっぱり、妊娠も出産も怖くて怖くて怖いし、今すでにいる子どもたちが可愛くて大切であるほど次の妊娠出産でのリスクを軽視できないため、悩んで悩んで悩み散らかしている。

難しいよね。

ただ一つ言えることは、一か八かで、第一子も第二子も産む方を選んで挑んだ過去の自分の判断を、心の底から「グッジョブだった」と思ってる。結果論だけど、あなたたちを産めて本当に良かったし、育てさせてくれてありがとうな毎日です(それでもなお、次がまた怖いのが妊娠出産です)。


下田美咲

1989年生まれの36歳。有料noteの売上が累計3億円を突破している令和時代の売れっ子エッセイストで、2児の母。

10代の頃よりモデル・タレントとして活動。

21歳の時に始めたYouTube企画「下田美咲の動画プロジェクト」が人気を博し、 当時としては異例の再生回数を連発。「コールの女王」として注目を浴び、多数のテレビに出演する。「下田美咲参上」のフレーズも話題に。

27歳の時に、結婚を機に作家に転向する。

現在までに出版した著書は「新型ぶりっ子のススメ」「人生の作戦会議!」など7冊で、作家として「セブンルール」「ボクらの時代」などに出演。

2018年より、読者の質問相談に個別対応するためのオンラインサロンをオープン。月額12500円と高額ながらも、現在までに2000会員と交流。誰よりも読者のリアルに詳しい作家になることを目指し、やり取りを重ねている。

2025年現在のSNSの総フォロワー数は11万人。

下田美咲Instagram
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下田美咲サロン「人生を動かす目からウロコ」
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