好きにこだわれ~女子ボクシング世界王者を生んだ"行動力"の流儀~

20歳、無謀な挑戦が人生を変えた——私が格闘技に出会ったハワイ留学 by Miyo Yoshida|NY在住 世界王者プロボクサー

#連載エッセイ
#好きにこだわれ~女子ボクシング世界王者を生んだ"行動力"の流儀~

異国の地で覚醒。本物の好きに出会う。

会長と丹治さんとは沢山話をした。

生まれてから今までを話すには充分な時間だった。

ハワイは渋滞がいつも酷かったから片道2時間、往復4時間と寮の生活で3ヶ月沢山の話をした。

何故、会ったばかりの人間にありのまま話せたのか?

私達はここまで信頼し合えたのか?

それは格闘技という競技に関係していると思う。

日常で人を殴る事なんてまずあり得ない。

人を殴ることを勝敗とする非日常のスポーツ。

打ち所が悪ければ死んでしまう。

闘い方にその人の人となり全てがみえてしまうのだ。

私はこの競技の魅力に取り憑かれた。

何故か?それはリングで対戦相手と戦う時に、社会の不条理、嫌いな自分、など。

自分のネガティブでブラックな部分と対峙できるからだ。

こういう感情に向き合うことは簡単じゃない。

取り繕う暇すらない中でありのままの自分を

曝け出す。この瞬間が大好きだ。

そして勝った時はそれらに向き合い乗り越えられた気がするからだ。

私は格闘技は好きか?と言われたら心から好きだと答えられる。

この好きは本気だからだ。

それぞれのハワイ

会長のハルさんは18歳で渡米し世界各国を渡り歩きシアトルとハワイにジムを出した。

丹治さんは生まれつき片方の手に障害を抱えていて日本では一般のボクシング競技は出場できず、アメリカに渡米してきた方だ。

どんな人にも壮大な人間ドラマがある。

彼らの格闘技を愛するという気持ちと私の思いがシンクロして、素晴らしい3カ月を過ごす事が出来た。

朝が大の苦手だった私が、空いた時間を無駄にしたくなくて

毎朝4時に起きて市街のワイキキのマッサージスクールやネイルスクールに通ったり、一日出来る限りのクラスに参加した。

慣れてきた1カ月を過ぎたら近所をランニングしたり、1人でバスに乗り、行き先を明確に決めずに冒険をして迷子になって

2回ほど教会に逃げ込んで迎えに来てもらい死にたいのか。ときつく怒られたこともあった。

今、思ってもこの3カ月は私にとって人生を変えた3ヶ月だった。

良く笑い、良く泣き、自分を見つめ直す。

本当に青春だった。

沢山の仲間ができて

留学の終わりを迎える頃に

F1ビザを取りハワイの語学学校に通いながら、ハワイで格闘家を目指すというプランもあったが、金銭的に叶わなかった。

貯金を使っても入れても半年だろう。

だったら英語も習得出来ないから

お金も無駄になるから帰り東京で格闘技をすべきと助言を受けた。

20歳でF1ビザでハワイに住む学生は99%親の援助がないと生活は出来ない物価の高さだからだ。もちろん学生はVISAの関係で働けない。

私は日本に帰る決断をした。

まとめ

一念発起で始めた格闘技。

きっかけは海外に行こうと決めて

色々リサーチして中でやってみたいと思った些細な直感です。

私の様にきっかけは何でも良いのです。

何回チャレンジしても良いんです。

あなたも是非自分が好きと感じたサインを見逃さないでください

きっとあなたも胸を張り好きと言える何かが見つかるはずです。


吉田実代 (Miyo YOSHIDA)
NY在住 世界王者プロボクサー / 9歳の娘を育てる「闘うシングルマザー」
鹿児島県鹿児島市出身 / 沖永良部島観光親善大使

主な戦績
・初代 日本女子バンタム級王者
・第6代 OPBF東洋太平洋女子バンタム級王者
・WBO女子世界スーパーフライ級王座(第5代・第7代)
・IBF女子世界バンタム級王座(第8代)

活動
・社会貢献(ゴミ拾い、募金、児童養護施設訪問 など)
・講演&ボクシングレッスン(日本サッカー協会「夢先生」、NY日本人学校 ほか)

これからの夢
・主要4団体の全ベルト制覇
・本の出版
・「Miyoフェス」開催

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