「結果より過程を重視すべき」「結果を求めなければ何も始まらない」など、結果と過程のどちらを大事にすべきかという問題には、さまざまな考え方があります。どちらにも言い分はあり、どちらも正しいといえるでしょう。
しかし、結果と過程はお互いに保管し合う関係です。結果を求めるから過程ができ、過程の質が上がれば結果につながりやすくなります。
この記事では、結果を重視する考え方と過程を重視する考え方の両方を解説しています。ぜひ最後まで読んで、結果と過程を意識して成果につなげるヒントを見つけてください。
目次
結果と過程はどちらも大切!どちらを重視すべきかは場面によって変わる
結果と過程のどちらを重視するべきかは状況に応じて変わります。お互いに補完し合う関係にあるといえるからです。場面や目的に応じてバランスよく考えていきましょう。次から理由を詳しく説明していきます。
結果を出すためには過程を積み重ねる必要がある
結果を出すためには、必ず過程を積み重ねる必要があります。スポーツ選手が大会で優勝するためには日々の練習を欠かすことはできませんし、ビジネスでの成功も地道な市場調査や戦略立案が必要不可欠です。
ただ現実には、どんなに過程が素晴らしくても結果が出なければ成功にはつながりません。ビジネスにおいては収入をも左右します。結果を出せなければ、そこまでの過程は認められず、ただの言い訳にも聞こえてしまいます。
しかし、過程を軽視して結果だけを求めると、持続可能な成功は望めません。日々の努力や経験の積み重ねという過程を経ることで、最終的には大きな結果につながるのです。そのため、結果を重視しつつも、そこに至る過程も大切にする姿勢が重要になってきます。
褒めるときは過程を重視
結果と過程のどちらも大切にするべきですが、人を褒める際には、結果よりも過程を重視することが効果的です。過程を褒めることで、その人の努力や成長を認めることができるからです。
たとえば、テストでいい点を取った子どもに対して、「いい点が取れてすごいね」というよりも、「毎日コツコツ勉強していたのがすごいね」と言うほうが効果的です。その過程=努力をし続けられるようになるからです。
過程を褒めると、内面的な成長を促し、自信を持たせることができます。結果が思わしくなかった場合でも、前向きな姿勢を持ち続けられるようになるのです。
結果より過程を重視する考え方の5つの特徴
結果より過程を重視する考え方について、5つの特徴を説明していきます。
- 過程が避けば結果もでる
- 努力を続けられる
- 費やした時間が無駄にならない
- 達成できなかったときの言い訳に聞こえてしまう
- 結果が出なければ評価されない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.過程が良ければ結果も出る
日々の努力や取り組みの質が、最終的な結果を左右するという考えに基づきます。毎日の小さな進歩や改善を重視するので、モチベーションを維持しやすくなります。たとえ結果が出なかったとしても、これまでの過程を振り返ることで次につながる学びを得られるのです。
ただ現実には、良い過程が必ずしも良い結果につながるとは限りません。運や偶然の要素が大きく影響する場面もあるため、過程を重視しすぎると現実とのギャップに苦しんでしまう場合もあります。
2.努力を続けられる
結果だけを追い求めると、目標達成までの道のりが長く感じられ、途中で挫折してしまう可能性があります。しかし過程を重視していると、過程そのものに達成感を感じられるため、長期的な目標に向かって努力をし続けられるのです。
一方で、過程が目的化してしまうと、頑張っていればいいという考えになってしまいます。効率性(どうすれば時間を上手く使えるか)や効果(どうすればいい結果が出るか)を軽視してしまうことにもなりかねません。
3.費やした時間が無駄にならない
結果だけを重視すると、目標を達成できなかった場合に、それまでの努力や時間が無駄だったと感じてしまいます。しかし過程を重視していれば、たとえ望んだ結果が得られなくても、その過程で得た経験や学びに価値を見出すことができます。
これは、失敗を恐れずにチャレンジできるというメリットがあります。新しいことにチャレンジする際は結果が保証されていないことが多いですが、過程を重視することで、その取り組み自体に意義を見出せるのです。
4.達成できなかったときの言い訳に聞こえてしまう
目標を達成できなかったとしても、頑張ったという過程を主張してしまうと、周りからは単なる言い訳だと受け取られてしまう可能性があります。会社など組織の中では評価を得にくくなってしまうのです。
ビジネスの世界では、能力不足や責任回避ともとらえられかねません。営業目標を達成できなかった社員が、「毎日頑張って営業しました」と言っても、会社から評価されることは少ないでしょう。
ただ、結果でけでなく過程も重視することで、目標を達成できなくても自己評価や自己肯定感を維持しやすいという傾向もあります。
5.結果が出なければ評価されない
多くの場合、社会では結果を基準に評価を行います。このため、過程だけを重視していると十分な評価を得られない可能性が高くなります。世の中でも、結果を出した人だけが影響力を持っているのです。
過程を重視する考え方と、世の中や社会の評価システムとの間にはギャップが生じます。評価されないと収入にも影響するため、過程を大切にしつつも結果を意識する重要性を認識することになります。
過程より結果がすべて!という考え方の5つの特徴
次に、過程より結果がすべてという考え方についての特徴を5つ説明していきます。
- 結果を求めなければ努力ができない
- 良い結果を求めるから良い過程になる
- 偶然でも結果が良ければいい
- 結果だけを求めると不正が起こる
- 結果だけを手に入れると中身が伴わない
次から詳しく見ていきましょう。
1.結果を求めなければ努力ができない
具体的な目標があることで行動の方向性が明確になり、集中して取り組むことができます。人は、より強い動機づけによって努力することができるのです。思い描く結果という目標を設定することは非常に重要になります。
しかし、結果が出ないと一気にモチベーションが下がって努力できなくなる可能性もあります。長期的な成長や学びの機会を逃してしまうことになりかねません。長期的な目標と短期的な目標をバランスよく設定するようにしましょう。
2.良い結果を求めるから良い過程になる
結果を強く意識すると、日々の取り組みをより良くすることにつながります。どうすればいい結果にできるのかを試行錯誤しながら考えることになるからです。良い結果を目指すことで、そこに至る過程も自然と充実したものになるのです。
会社の売り上げを50%増加させるという目標があれば、新しいマーケティング手法を学んだり、顧客心理をより深く研究したりする動機づけになります。しかし、非現実的すぎる目標を掲げてしまうと、ストレスや挫折感が増大する可能性があります。
3.偶然でも結果が良ければいい
どんなに努力しても、必ず結果につながるとは限りません。結果は自分でコントロールできない部分があり、偶然上手くいってしまったり、たまたま成功してしまったりする場合もああるからです。この予期せぬ成功が大きなブレイクスルーをもたらすこともあります。
偶然の成功は再現性がなく、計画的な取り組みが疎かになってしまいますが、結果を求める意識が偶然を引き寄せる可能性もあります。ただし、倫理的な問題や法的リスクを無視してしまう危険性も考えらるので注意が必要です。
4.結果だけを求めると不正が起こる
過度に結果を重視すると、目標達成のためにルールや倫理を無視してしまう可能性が出てきます。結果至上主義がもたらす負の側面がこれにあたります。
企業が短期的な利益を追求するあまり、環境破壊や労働者の権利侵害を引き起こす場合があります。また、学術会では研究結果を急ぐあまり、データの改ざんや捏造が行われることも。 誰かの手柄を横取りして評価を得ることも起こり得ます。
結果を重視すること自体は悪いことではありません。本来の目的から外れてしまわないようにするには、過程も重要になってくるのです。
5.結果だけを手にいれると中身がともなわない
過程を飛ばして結果だけを手に入れてしまうと、その結果に見合う実力がともなわない場合が出てきます。表面的な結果だけを追求してしまうことが原因です。
たとえば、試験で良い成績を取ることだけを目指して暗記だけに頼ると、本当の理解や応用力が身につきません。ビジネスでも、短期的な数字だけを追いかけてしまうと長期的な競争力や顧客満足度が低下する可能性があります。
ただ、結果を重視することで、効率的に目標を達成できることも確かです。短期的な結果だけでなく、長期的な成果も得るためには、結果と過程の両方をバランスよく重視することが必要になってきます。
過程と結果、どちらも大切にして成果を出すことが重要
過程と結果はお互いに保管し合っているので、バランスよく取り入れることが成功への近道です。過程を大切にすれば、努力の継続や学びの蓄積が可能です。結果にこだわれば行動が明確になり、求める成果を出せるようになります。
結果を出すための努力も効率よくできるといいですよね。そのためには、インプットよりアウトプットを重視するのがおすすめです。圧倒的に結果を出している人は、アウトプットにより自己成長のスピードを最大化しています。
樺沢紫苑著『学びを結果に変えるアウトプット大全』では、脳科学に裏付けられたアウトプット術のすべてが紹介されています。この本を参考にして仕事や勉強をアウトプット中心に切り替え、質の良い「過程」を継続し、目指す結果を手に入れてください。