「サンクチュアリ出版をメダカの会社にしたい」
そんな情熱からはじまった
広報部・山口慶一氏によるプロジェクト。
メダカの活動はその後一体どうなっているんだろう…?
それなりに気になってはいましたが、
社内で山口さんと顔を合わせるたびに、
先に「いやー大谷すごいすね!」とか、
「ツイッター社名変わっちゃうね!」とかいって、
なんとなくメダカの話題を避けていたような気もします。
「出版社の屋上でメダカ飼育」
というトピックも、
はじめのうちこそ新鮮に感じられましたが、
炎天下の屋上でメダカを黙々と世話をしている山口さんの姿も、
だんだん見慣れてくるうちに、
(ああ、今日も業者の方、ご苦労さまだな)
くらいにしか思えなくなってきていました。正直言うと。
本プロジェクトの担当取材者であるはずの
私のそんな態度に、
山口さんも業を煮やしたのでしょうか。
帰りがけにふと
「メダカのことでお話があります」
と声をかけてきたのです。
帰ってマスクガールの続きでも観たいと思っていました。
でも山口さんの面持ちは真剣そのもの。
というわけで、ほぼ半年ぶりに
山口さんの話を聞くことにいたしました。
山 流行ると思うんですよ。
ーーなにがですか?
山 イージーパンツ。
ーーああ、いまはいているようなやつですか。
そんなの一体どこで買うんです?
山 ネットで購入してます。サイズとか大丈夫でしたよ。
イージーパンツのイメージってあれでしょう? ギバちゃん(俳優・柳葉敏郎の愛称)みたいにジェルでこう前髪立てて、白いTシャツにデッキシューズ、そしてイージーパンツ。でも僕の場合は違うんです。関西のおばちゃんたちともちょっと違う。
ーーよくわかりませんが、山口さんって営業部にいた頃から(現在イベント部)、ずっとそういう独自のスタイルですよね。
頭にバンダナをまいて、大門みたいなサングラスして、ラーメン屋さんの岡持ちを持って書店営業行ってたときもありましたよね?
大事な商談のときに、スパンコールのキラキラゴールドのスーツ着てたこともあるし。
山 それも一種の自己表現というか、なんか自分が元気になれるっていうか。
今日もインタビューしていただこうと思って、うれしくなってこれ穿いていこうって思ったんです。
関西のおばちゃんの気持ちはわかりますね。イージーパンツは穿くだけでアガるというか、キマるというか。
ーー見てて安心感ありますよ。
山 安心感?
ーーさすがにその格好じゃ目立ちすぎて、犯罪とかしなそうじゃないですか。
見ろよ俺を、俺は何もしないぜ、俺は銃を持ってないぜって。
そんな生き様を感じます。
山 それはうれしいなあ。
ーー今日はイージーパンツのお話ですか?
山 あ、いや、メダカについて続報があるんです。
5月の末に春のメダカ品評会がありまして、
去年の暮れあたりから半年間ずっとそこに力を入れておりまして、
魚も出品してまいりました、しかも今回は2匹も出してきました、
そして勝てなかったっていう話です。
ーーずいぶん前の話じゃないですか。
山 気づけばずいぶん時間が経ってしまいましたね。
忘れてしまいたいと思って。
そうしたら、本当に忘れてしまって。
気がついたら、もう半年くらい経っていたという感じなんですけど。
ーーどこに出品したんですか?
山 広島の大会です。まさにメダカの本拠地で開催されたんです。
強い気持ちの私が、半年間打ち込んで作ってきたメダカでした。
これは優勝してしまうかもしれない。
優勝はできなくても、まあ入賞はするだろう。そう思ってました。
ーー自信があったんですね。
山 エントリーは200組ぐらいで、
そのうち入賞するのは2割ぐらいですからね。
各部門に第1席から第5席まで入賞の枠があって。
さすがに2割ならいけるだろう思ったんです。
ーーこれまでの山口さんの屋上での奮闘ぶりを見てると、
たしかに全体の2割くらいには入れそうかなという気はする。
山 でもこんなレベルの気持ちじゃダメでした。
気持ちが足りなかった、気持ちが。
知れば知るほど、やはりメダカの世界の奥ゆかしさが…
ーー奥深さ。
山 そう奥深さっていうのが感じられるんですよ。
僕はなめてました。
その証拠に、大会の会場まで夜行バスで行ったんです。
広島まで14時間。メダカ持って2泊3日の旅。完全にアホですね。
ーーそれは大変そう。節約のため?
山 いや、これもネタになるんじゃないかと思ったんです。
東京から広島までここまで苦労して行ってるようなこの私が優勝しないはずがないだろうみたいな。一種の願掛けというか。
ーーまあ、スピリチュアル好きの山口さんなら、そういう趣向を凝らすのもわからないでもない。
山 もうまず、その気持ちが汚れてる。
それが優勝するために、本当におまえにとって最善の方法だったのかと。
もうなんか浮かれてやがるな! お祭りじゃねえんだぞ! って、半年前の山口に言ってやりたいです。
ーーでも大会なんて、メダカ次第でしょう?
なんていうか、そのときまでに育ったメダカの状態で決まるんだったら、
そこまで自分を責めなくても。
山 いやダメなんです。邪念がダメ。心構えがダメ。
バチがあたったんです。
だって夜の高速道路を片道14時間ですよ。
サービスエリアにもうなんだろう、2時間おきぐらいにサービスとまりやがるんですよ。いちいち起こされて、夜寝れない。
ーーバスは悪くないですよ。
山 着いた頃には本当ヘトヘトでした。
でもまあ入賞はするだろうと思ってたから、意気揚々と大会に参加したわけです。
でも、入賞してねえんです。
入賞したメダカの水槽にはシールが貼られてるんですが、
僕のメダカはまっさらで、なにもなし。
ーーその広島の大会っていうのは、メダカの大会の中でどれくらいすごい大会なんですか?
山 日本メダカ協会品評会は、日本で一番伝統のある大会。
最大級っていっていいと思います。
ーーそんな大会なら、ベテラン・強豪の参加者も多い?
山 はい。おかげで敗因がわかりました。
なんかちょっと今のトレンドかもですけど、入賞する魚はやっぱり「何だこれ?」ってびっくりさせる表現だな、とか、メダカの個性を伸ばしていく努力をなさってるんだな、とか。
ーーなるほど。まあ、よくわからないですが。
山 たとえばヒレひとつとってもどういう風にヒレを伸ばしてってるのか、とか、ヒレを伸ばすだけじゃなくて色も入れてるのか、とか、あと体型はやっぱりこう大きく魚っぷりよく作ってるっていうのは聞いてたんですけどここまで大きくするんだ、とか、まさにそういうところですね。
生まれてから親になって卵を産むまでが早くて3ヵ月。スパンが短いから メダカって改良しやすいから甘くみてました。
優勝するようなメダカは何年もかけて積み重ねてきれいなヒレとかきれいな表現っていうのを作ってるんだなっていうのを感じたんです。
そう感じられるようになったのが、自分の成長だとも思ってます。
ーー全然なにを言ってるのかピンときませんが、
その点、山口さんのメダカは中途半端だったわけですか?
山 完全にずれてましたね。
体型とかは悪くないと思うけど、インパクトがなかった。
でも、あ! これとこれの組み合わせだったらインパクト出せるかも? と急にひらめいて広島での移動中に通販で新しいメダカを買ったんです。
そしてそのメダカを会社の屋上で掛け合わせまして、ひと月ぐらい経ったころに子供が生まれました。
ーーその子供は。
山 全然ダメでした。
自分の思い描いたものと全然違うわけです。
そこがまた難しい。
完成形のイメージは完璧にあるんですけどそれに近づいていけない。
ーー「イメージは完璧にできている」「ただ実現できていないだけ」
まさに売れないアーティストの発言そのものですね。
でも、そういった挫折がまた楽しいんですよね?
山 そもそも僕は、
普通に大会出れば、普通に優勝もするだろうし、
普通に有名人にもなるだろうと思ってました。
期待が高いから、傷つくわけです。
期待してなかったら、傷つかないです。
せめて僕のメダカは3席くらいには入るべきだった。
「今回第3席入ったんですが、ここからさらに上を目指すには師匠、どうしたらいいですか?」とたずねられる人間になりたかった。
ところが僕みたいな「選外」は質問する資格もない。
シールのついてないようなヤツが、ここからどうしたらいいんですかあ? なんて間抜けな発言が許されるわけがない。
ゼロからやれって話なんです。ひげも剃れって話だよ。
ーーこれは、救いようがないか。
え、なんて?
ーーいやまあ、とりあえずこのたびは残念でしたということで。
今回のインタビューはこれくらいでオッケーですかね。
山 あーでも今後も大会にエントリーはしますし、あきらめたらその時点で本当の失敗だと思いますし。
ただそれはそれとしてですねまずは芸名を決めようかなと思いまして「メダカ画伯」っていいなと思ったんです。
旅に出てですね、絵日記を書く男。
メダカの旅に出ててそういう活動してみようと思ってちょっと試しにやってみて…
ーーそれはどうなんです?
山 2日と続かなかったです。
メダカを描き続けるっていうのはなかなか地味ではありますな。
2日と続かなかった。
ーーもうやめたら。
山 はい?
ーーあ、もうおわりでいいですか。
おわりじゃないです。
ーーじゃあ他には。
山 メダカにとってプラスになることなら、僕はなんでもやろうと思ってます。起きている間中メダカのことを考えているし、実際いろいろあれこれはじめていますし…
ーー具体的に。
山 ブランド立ち上げました。メダカアパレルブランド「めだか中毒」。
メダカ愛がひと目でわかるアパレルブランド「めだか中毒」
ーーなんかすごいですね。では!
山 すごいでしょ、おれはメダカファンだ、君もかい? ええ? あなたも? とお互いに外見でわかるアイテムがほしいと思ってはじめたんですが
ーーわっかりました!
貴重なお話をどうもありがとうございました! それでは!
山 あーあーあーあとはこれです宇宙メダカです。
これはですね 1994年にスペースシャトルコロンビア号に 向井千秋さんと一緒に4匹のメダカが宇宙に旅立ち、2週間宇宙旅行してきたその中で脊椎動物が初めて産卵を成功させたっていうメダカが実はいたんです。
東京大学の当時准教授の方がね地上に戻ってきたそのメダカを保存しているんですがその子孫をですね分けてもらってね屋上で増やすことにしたんですよ。
他の種と交配させてはいけない放流してもいけない。
そういうルールを守っていける人が守っていく。
僕は守りますぞ!
ーーはい!守っちゃってください! では!
山 あ! あ! あ! あと地域のお祭にもメダカ提供者として参加させていただいてこの会社のある文京区でもお祭りでメダカを配ってめちゃくちゃ評判で今後もただ単にメダカの飼い方とかメダカの知識種類だけではなく僕はこんな気持ちでやっててこんなに楽しいんだよっていうのを伝えていきたく
ーー
山 ちょっと待ってください!
最後にメダカYouTubeもアピールしたいですm(> <)m
メダカがテーマのはずなのに、『虚無レシピ』(リュウジ:著)再現などやって迷走中です。
みなさん、動画みなくていいので
チャンネル登録お願いします。
「空とぶめだかチャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCetOa07z8z6Rx2f2HX-5REg
聞き手:編集部 橋本圭右