国語力が上がりそう。考える力が養えそう。絵本の読み聞かせは子どもの成長にいいだろうなと思いつつ、忙しさでなかなか取り組めないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、絵本の読み聞かせで得られるメリットやコツ、意識の持っていきかたを説明しています。ぜひ最後まで読んで、読み聞かせにチャレンジしてみてください。
目次
いいことばかり!?絵本の読み聞かせで得られるメリット
絵本の読み聞かせで得られるメリットについて説明していきます。
語彙を増やす
子どもは読み聞かせをしてもらうことで、耳から言葉を覚えます。言葉を吸収し、わかりやすい言葉やリズムを真似るようになるからです。絵本の文章をそのまま覚えてしまうことも。初めは真似るだけだったとしても、次第に自分の言葉として使い始めます。語彙が増え、国語力のアップも期待できるでしょう。
また、語彙力があれば、自分の気持ちを言葉でうまく表現できるようになり、コミュニケーション能力の向上にもつながります。
想像力を育てる
読み聞かせをすることで、非現実的な体験や物語を繰り返し体験し、想像力の基礎を固めることができるでしょう。物語の世界のなかには、子どもの想像力を鍛える材料が豊富にあります。登場人物に感情移入し、共感したり、その情景や風景を思い浮かべたりすることで多くの想像をしていくのです。
共感力を育てる
共感力とは、相手の意見や感情にその通りだと感じること。相手と同じように「楽しい」「嬉しい」「悲しい」などを感じられる力です。読み聞かせは「どういう状況だと、どういう感情を抱くのか」を理解するきっかけになります。
子どもは読み聞かせを通して登場人物になりきることで、人の気持ちを理解できるようになるでしょう。人の気持ちに寄り添う力は、この先の人間関係の構築にも役立ちます。
集中力が養われる
読み聞かせによって、集中力がつくという効果も期待できます。最初は絵本に集中できないこともありますが、読み聞かせの時間を習慣化させることで、次第に集中力が身についていきます。
子どもの興味がある内容や短い絵本などから始めて、絵本は楽しいものだと理解してもらうとよいでしょう。無理に集中させるのではなく、その子のペースで取り組んでみてください。
子どもとのコミュニケーションにつながる
親が絵本を読む声は子どもに安心感を与えます。また、肌の温もりや匂いを感じ、親子の信頼関係が強くなります。子どもは絵本を読んで欲しい気持ちだけでなく、パパやママを自分だけで独占したいと言う気持ちも持っています。
読み聞かせの時間は、子どもにとって宝物のような時間。愛情を感じ取り、子ども自身の自己肯定感も養われるでしょう。
約束事やルールがわかるようになる
お友達とのやりとりや、集団生活での約束事やルールなどをわかりやすく理解することができます。大人が口で説明するよりも、絵本で例を示したほうが納得してくれやすいことも。ただ、しつけ絵本などは刺激が強いものも。絵本が嫌いになってしまわないように、本の選定には注意が必要です。
読み手のリラックス効果もある
子どもだけでなく、大人もリラックスできるという嬉しい効果が。絵本をゆったり読んだり、子どもと一緒に想像しながら読んだりすると、心が落ち着いていくのです。義務的に読むのではなく、一緒に楽しんで読むことを心がけましょう。
子どもが聞いてくれる!読み聞かせをするときのちょっとしたコツ
読み聞かせをするときのちょっとしたコツをご紹介します。できることから実践していくとよいでしょう。
抑揚に気をつける
抑揚をつけすぎたり、キャラクターを際立てすぎたりすると、声に意識が行ってしまい現実に引き戻されてしまうので注意しましょう。子ども自身の想像力を育てるには、アレンジをせずに自然に読むほうが効果的。
ただし、年齢が低い場合は飽きてしまうこともあります。ユーモアがある絵本なら、強弱をつけたり、間をとってみたり、絵本を動かしたりしてみるのもおすすめ。少しの工夫で、子どもは絵本の世界に引き込まれていきます。ここでもやりすぎは禁物。あそびの時間ではなく、読み聞かせの時間だということを忘れないようにしましょう。
寝かしつけのために読み聞かせをするなら、静かにゆっくり読むことがおすすめ。寝かしつけ専用の絵本を用意しておけば、読み聞かせを寝る合図だと認識するので眠りもスムーズになるでしょう。寝かしつけのストレスからも解放されます。
なるべく子どもの気持ちに寄り添う
内容を理解してもらいたい、何かを教えたいと思うのではなく、子どもの心の変化に寄り添うことが大切です。子どもは、「この後どうなるんだろう」と思いをめぐらせています。次々に読み進めたりせず、子どもの雰囲気を察知してペースを考えることを意識しましょう。読み聞かせが終わっても、すぐに次の行動を急かさないようにします。絵本の余韻を楽しむ時間を作ってみるとよいでしょう。
読む方も楽しい気持ちになって読む
読み聞かせをするときは、大人も一緒に楽しみましょう。教育のために必死になったり、仕方なく読んでいたりすると、聞いている子どもも楽しめません。子どもは大人の感情を敏感に感じ取るからです。子どもと一緒に楽しめるとよいでしょう。
読むときの環境を整える
子どもの視界に入る場所におもちゃが並んでいたり、テレビがついていたりすると子どもの気が散って集中しにくくなります。なるべく子どもの視界に余計なものが入らないようにしましょう。
また、出かける前などの慌ただしい時間は避けることも大切です。読みても子どもも心が落ち着く時間にすると安心して本を楽しめます。夕食後や寝る前などが落ち着きやすくておすすめです。
ゆっくりめなテンポで読む
普段話をするときよりも少し小さめの声で読むと、子どもが耳を傾けてくれやすくなります。また、ゆっくりはっきり読むことを心がけましょう。
絵本を読み聞かせるときの注意点
ここでは、絵本の読み聞かせで注意しておきたいことを説明していきます。
絵本の感想を求めない
読み終わった後に、感想を求めないようにしましょう。感想を聞かれても「何を言えばいいのかわからない」と思ってしまうと、読み聞かせ自体に苦手意識が生まれてしまうかもしれません。
大人でも、「最後に感想を聞きます」と言われたら、そのことが気になって、映画でも本でも、話に入り込みにくくなってしまいます。絵本を楽しんだら、感想は求めず、余韻を残すだけにしましょう。
絵本の感想を否定しない
大人からは感想を求めないほうがよいですが、子どもから自分から伝えてきたときは、否定せずに受け止めることが大切です。肯定し、共感してあげることで、「自分の気持ちは認められた」という経験になります。
「なるほど、そう感じたんだね」「面白い発見をしたね」などと共感してあげるとよいでしょう。その積み重ねで子どもの心に自己肯定感が育ちます。
基本的に絵本は動かさない
読み聞かせをするとき、持っている絵本はできるだけ動かさないようにするとよいでしょう。止まっている方が絵本にじっくり集中できるからです。
ただ、絵本によっては動かしたほうがよいものもありますし、動きがあるほうが集中できる子どももいます。絵本の種類や、子どもの性格に合わせて使い分けるとよいでしょう。
質問や絵の説明などを入れて話を中断しない
読み聞かせをしているときに、「これ、わかる?」「これが〇〇だよ」など、話を途中で中断しないようにしましょう。子どもの集中力が途切れてしまい、飽きやすくなります。
生まれてから数年で多くの言葉を覚えて使いこなせるようになる子どもは、大人に比べて全体の状況から物事を判断する力が高いと言われています。少し難しいかなと思っても、読み進めていったり、繰り返し絵本に触れることで理解できるようになるので大丈夫です。
絵本の文章を省略したり変更したりしない
語尾や言い回しを変えないように、作者の言葉を大切にしましょう。その絵本が持つ魅力が伝わりにくくなってしまうからです。ページをめくるときなどに、「どうなるのかな〜?」などとあおるのも避けたほうがよいでしょう。子どもと絵本を繋いであげる気持ちが大切です。
強制しない
読み聞かせを習慣化したい、1日1冊は必ず読み聞かせをしたいなど、親としての思いもあるかもしれません。しかし、大切なのは子どもの気持ちです。大人でも「今日は気分じゃないな」と思うことがあると思います。子供も同じ。読み聞かせを約束事にすることなく、子どもが本の世界に向かうときかどうかを優先してあげましょう。
同じ絵本を繰り返し読むのはOK!
大人としては、いろいろな絵本を読んでほしいと思うかもしれません。しかし、子どもにとって、同じ本を繰り返して読むことは、とてもいい刺激になるのです。
子どもは何においても満足するまで繰り返します。そうすることで心の満足感を得るのです。さらに、繰り返して読むことでさまざまなことを学びます。同じ本を繰り返し読むほうが、学びが増えていくのです。
語彙や表現力を身につけるためにも、同じ本を繰り返し読むほうが効果的です。言葉を覚えるのには、繰り返しが大切だからです。何度も頭に入れることになるので、語彙や表現力が身につきやすいということです。
大人にとって、同じ絵本を何度も読み聞かせるのは大変なことかもしれません。しかし、何度も読み込んだボロボロの絵本は、年月が経つと素敵な思い出に変わるはずです。子どもが大きくなった頃、「本当に何度も読んだのよ」と伝えてあげてください。
まとめ
絵本の読み聞かせは、子どもの成長にとって多くのメリットがあります。忙しいと時間が取れないことがあるかもしれませんが、読み聞かせのコツを意識して親子で素敵な時間を共有してほしいなと思います。
子どもの個性はさまざまなので、絵本に集中してくれなくて困ってしまうということもあるでしょう。そんなときは、『ぜったいに かいちゃダメ? ラリーのらくがきちょう』がおすすめです。ページの上を指でなぞったり、ぐるぐるしたり、ぐちゃぐちゃしたり……。ハラハラドキドキの体験型絵本です。親子で楽しく絵本の世界に没入してみてくださいね。
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ビル・コッター
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