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うつ病が治らないといわれる理由|原因や対策・治療方法・早期発見のサインを解説

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うつ病は症状が再発する可能性が高い病気です。そのため、うつ病を治療する際は、ある程度の期間を設けて、症状に応じて対策を行うことが重要です。この記事では、うつ病の種類や対策、向き合い方を解説します。うつ病で悩んでいる人や周囲の人間がうつ病で苦しんでいる人は、ぜひ参考にしてください。

うつ病とは

うつ病とは、精神症状が悪化する病気です。うつ病は「うつ病性気分障害」と「双極性障害(躁うつ病)」に分かれています。うつ病性気分障害は、気分が落ち込み、憂うつな状態や、やる気の出ない状態が続く症状であり、単極性うつ病とも呼ばれています。双極性障害は、うつ状態と気分が高揚する躁状態を繰り返す病気です。

うつ病が治りにくいといわれる理由

うつ病は治りにくいといわれており、その理由は再発する可能性があるためです。治療が順調な場合でも、症状が消失するまで3か月程度はかかるので、すぐに完治するわけではありません。症状がよくなっている場合でも、途中で治療を辞めてしまうと、再発のリスクを高めるため注意が必要です。

うつ病の治療には個人差があり、半年から1年の治療で症状が改善します。しかし、患者の全体の20〜30%は一定の期間内で完治しない場合があり、長期的な病気になる可能性があります。症状が長期化する場合は、悪化しないための適切な治療と環境の整備が重要です。

うつ病になりやすい性格

うつ病になりやすい性格は、真面目で完璧主義、自分に厳しい点が特徴です。仕事やプライベートなどの人間関係において頼られる場面が多く、仕事を増やしてしまう場合があります。自責の念が強く1人で何でも抱え込む傾向があり、ストレスをため込むことで、うつ病にかかる可能性を高めます。

うつ病の種類

うつ病には「メランコリー型うつ病」「非定型うつ病」「仮面うつ病」の3つがあります。以下で、それぞれについて解説します。

メランコリー型うつ病

メランコリー型うつ病は、うつ病に最も多い症状です。抑うつ気分になり、物事に対する興味関心が薄れ、喜びを感じにくくなります。朝に気分の落ち込み具合が悪くなり、食欲不振による体重の減少につながるため注意が必要です。自責思考が強くなり、思考力や集中力も低下するため、日常生活に支障をきたす可能性が高くなります。

非定型うつ病

非定型うつ病は、別名「現代型うつ病」と呼ばれており、ストレスを感じる時とそうでない時の差の激しさが特徴です。20〜30代の女性が発症しやすい病気であり、遊んでいるときには気分がよくなります。メランコリー型うつ病と違い、他責思考になりやすく、周囲からはうつ病に見えない場合があります。

仮面うつ病

仮面うつ病とは、精神症状よりも先に身体症状が強く出る病気です。たとえば、頭痛や腰痛、倦怠感、動悸、息切れなどの症状が出ます。仮面うつ病は精神的な症状でないため、うつ病である自覚を持ちにくい点が特徴です。内科を受診して健康に問題がない場合、仮面うつ病の可能性が高くなります。

うつ病を引き起こす3つの原因

うつ病を引き起こす原因は、「環境」「身体」「遺伝」の3つです。ここでは、3つの原因について解説します。

環境要因

人間関係の悪化や職場のトラブルなど、外的要因でストレスを強く感じると、うつ病になる可能性が高まります。環境が大きく変化することは強いストレスを与えるため、周囲の人間との死別や離別もストレスの原因になります。環境要因は現在だけでなく、過去のつらい出来事や忘れられないトラウマなども影響を与えるため注意が必要です。

身体的要因

男女どちらも、ホルモンバランスの変化によってうつ病になる可能性があります。うつ病患者の統計上では、男性よりも女性の方がうつ病にかかりやすいとされています。女性は出産や育児などで身体に与える変化が大きいためです。年を重ねると発症する「老人性うつ病」になる可能性もあり、身体の変化が精神に与える影響は大きいといえます。

遺伝的要因

遺伝的要因はさまざまな外的要因が重なるため、個人差はありますが、発症のリスクの1つとして考えられています。親族にうつ病の症状を持つ人がいる場合は、発症率が高い傾向にあります。うつ病の発症は、血縁が関係する可能性も考慮しましょう。

うつ病の早期発見のサイン

精神面と身体面に出る症状に加えて、周囲から見てわかる症状も、うつ病の早期発見のサインです。

精神面に出る症状

うつ病は憂鬱な気分が続き、何をしていても楽しくなくなり、何に対しても興味がわかない状態です。マイナス思考に陥りやすく、物事を悪い方に考えてしまう場合があります。焦りや不安な気持ちも強くなり、イライラしやすくなります。自分自身に価値を感じなくなる恐れもあるため、精神の症状が出た場合は早めに対処しましょう。

身体面に出る症状

うつ病になると、だるさや疲れが取れない状態が続き、体調不良を崩しやすくなる傾向があります。頭痛や肩こりだけでなく、睡眠不足やめまいなどの症状も起こり、食欲や性欲などの生命活動における欲求が著しく低下します。強いストレスを感じた場合、本人に自覚がないままうつ病を発症する可能性があるため、注意が必要です。

周囲から見てわかる症状

うつ病が発症すると、暗い表情で過ごしていたり、涙もろくなったりします。周囲からの呼びかけに対する反応が悪くなり、普段とは違った行動を取る頻度が高くなります。ストレスから飲酒や喫煙などの量が増える傾向にあるため、生活が乱れる点に注意しましょう。うつ病は家族や同僚などからの意見を聴き、早期発見することが重要です。

うつ病を治すための対策

うつ病を治すための対策は、十分な休養を取り、薬物の使用や精神療法を受けることです。以下で、解説します。

十分な休養を取る

うつ病を治すためには、心身の休養を取ることや、精神と身体を休ませる環境作りが重要です。精神的ストレスや身体的ストレスを遠ざける環境で過ごすことで、症状の再発予防につながります。

人によっては、職場や家族に迷惑をかけることで、自責の念にかられる場合があるため注意しましょう。精神を回復させるためには、十分な休養は必須です。うつ病が発症した場合は、周囲の人間への迷惑を考えるよりも、自身の体調の回復を優先しましょう。

薬物療法を受ける

薬物療法とは、抗うつ薬を使った治療です。うつ病の症状に合わせて「睡眠導入薬」「気分安定薬」などを利用します。薬を利用しても、すぐに症状が和らぐわけではないため、薬を服用する治療を継続しなければなりません。

薬物療法を受ける際は、自身で薬の量を増やしたり減らしたりすることは避けてください。必ず主治医の指示に従い、適切な量の薬を服用しましょう。

精神療法を受ける

精神療法やカウンセリングは、症状の再発を防止するための有効な対策です。うつ病の症状を和らげるには、患者が自主的に思考や行動のパターンを見直すことが重要です。マイナス思考を改善する「認知行動療法」や、対人関係のストレスを軽減させる「対人関係療法」などを行い、自身の考え方や行動を客観視しましょう。

精神療法も薬物療法と同じく、医師の指示に従って実施します。患者の症状に応じた適切な治療を受けてください。

うつ病との向き合い方

うつ病は自分を責めないことと、周囲の人間の協力によって症状が緩和します。以下で、うつ病との向き合い方について解説します。

自分を責めすぎない

うつ病になる人は真面目で責任感が強く、自分を追い込みすぎる傾向があるため、自責の念にかられないことが重要です。「〜するべき」「迷惑をかけている」などの考え方になりやすく、自分で自分を追い込んでしまいます。

うつ病の人の多くは一生懸命に頑張りすぎる傾向があるため、思いつめない考え方を意識しましょう。うつ病は病気であるため、過度に自分を責めてはなりません。まずは自身の考え方を客観視することから始めましょう。

自力で解決しようとしない

うつ病の治療は、家族や同僚などの周囲の人間を頼りましょう。うつ病の苦しさは本人にしか分からないため、他の人に伝わりにくいものです。周囲の人間に症状を伝えることで、解決する問題は多くあります。

周囲の人間だけでなく、精神科やメンタルクリニックなどに相談するのもおすすめです。数多くのうつ病患者と向き合ってきたプロに話を聴いてもらうことで、気持ちが楽になるのを実感できるでしょう。

まとめ

うつ病は、周囲の環境や自身の考え方によって再発の可能性がある病気です。うつ病は決して治らない病気ではないため、早期発見のサインを見逃さずに、適切な治療を継続することが再発防止につながります。うつ病は自分自身で解決するのではなく、周囲の人間や経験者の意見を参考にすることをおすすめします。

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(画像提供:iStock.com/PRImageFactory)


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