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リピーター続出の美容師がやっている、お客様の心をつかむ会話術

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会話を広げるコツはいきなり「質問しない」

おしゃべり好きのお客様の場合、話題には困らない代わりに、会話をうまく広げて相手に楽しんでいただくことが大切になってきます。「なぜか話が弾まない」「途切れてしまう」という方、もしかして質問を急いではいませんか?

【×】
お客様「ついこの間会社に入ったと思っていたら、もう後輩が入社してくるんです」
あなた「新人は何人くらい入ってくるんですか?」
お客様「10人です」

お客様「私の兄に4人目の子どもができたんです」
あなた「男の子? 女の子?」
お客様「女の子です」

会話を続けようとして、とりあえずすぐに質問をしてしまうと、単発的な情報しか返ってこないケースが多いです。そうするとまた別の質問を考えなくてはならず、話が弾みません。

そんなときは質問をぐっとこらえ、共感の「あいづち」を入れます。

【○】
お客様「ついこの間会社に入ったと思っていたら、もう後輩が入社してくるんです」
あなた「そうなんですか、それは焦りますね〜!」
お客様「まだ仕事のことをわかっていないのに、1年って早いなぁ」

お客様「私の兄に4人目の子どもができたんです」
あなた「えーっ! それはびっくり。おめでたいですね!」
お客様「甥っ子姪っ子が4人もできるなんて私もびっくり。ものすごく可愛いんですよ」

あいづちを挟むと、その一言でお互いの想像が膨らみ、話が深まります。相手に心から共感すれば、話し手の「気持ちをシェアしたい」という思いを満たすこともできます。相手の話を正確に理解しようとして「情報の質問」をするのではなく、感情のやりとりを心がけましょう

一流の接客ができる人は、お客様の話を必ず覚えている

自分が話したことを相手が覚えてくれていたら、嬉しいですよね。髪質や好みのヘアスタイルといったカルテ情報だけでなく、会話をするなかで知ったお客様のことは記憶しておき(もちろんメモしてもOK)、次の来店時の会話のきっかけにしましょう。

出身地や趣味などの情報でもいいのですが、おすすめは、お客様の意外な一面や驚いたこと。自分の感情と結びつけたほうが印象に残りやすく、「先日○○とおっしゃっていて印象的でした」とすんなり話題に出せるからです。また、お客様が力を注いでがんばっていることを覚えておいて近況を聞いてみるのも◎。いちばん興味を向けている物事ですから、浮き浮きと話してくださるでしょう。

さらにお客様の心をつかんで離さない人は、お客様が話してくれたことを実践しています。すすめられたコンビニの新商品を買ってみる。好きだという漫画を1巻読んでみる。日課だと言っていたストレッチをやってみる。簡単なことでいいので、情報だけでなく実践を通じて話題をつくるのです。

「あなたの話で興味がわいて行動に移しちゃいました」は、「あなた自身に興味があります」という最強メッセージです。

会話力を上げてリピーターを増やそう!

技術職であり接客業である美容師。数多いるライバルに差をつけ、リピーターになってくれるお客様を増やすには、技術を磨くだけでなく「あなたという人間のファン」を増やすことが大切です。

書籍『2度目の会話が続きません』は、接客業や営業職の生徒さんの成績を爆発的に伸ばしてきたコミュニケーションのプロが、2度目に会った人との会話を弾ませる方法について紹介した本。話題の選び方から、思わず食いついてしまう話し方のコツ、グチの対処法まで、今回紹介しきれなかった極意がたくさん公開されています。

2度目、3度目のお客様をリピーターに育てたい場合はもちろん、初来店や既存のお客様にも応用できる内容となっています。リピーター続出の人気美容師を志す方はぜひ役立ててください。

(画像提供:iStock.com/MattSchia_)

この記事は、”2度目の会話が続きません”野口敏(著) の新刊コラムです。


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