なりたい自分になりたい人へ。現役東大生Youtuberとしてポエトリーラップの夢を追い続けるムギタローさんが、目標に到達するための具体的な方法を分かりやすく解説!
やりたいことの見つけ方
打ち込めることを見つける
「やりたいことがない」という言葉をよく聞きます。僕は、やりたいことがないのが普通だと思っています。だからみんなそれを探すために高校や大学で勉強をしたり専門学校に行ったりしている。「やりたいこと」って本当に必要でしょうか。目標のないことがコンプレックスになっている人もいますが、僕個人の意見としては「やりたいことは別にいらない」と思っています。ほんわか生きていくのが幸せなら、それがやりたいことなのではないかと思うからです。けれど、もし何か打ち込めるものが欲しいという人がいるのなら、それは「打ち込めるものを見つけること」が、今やりたいことです。それをどうしたら実現できるかという話をしたいと思います。
「できるかも、やれるかも」は才能
僕の好きな実業家の言葉です。「できるかも、やれるかもと思えることは才能」らしいです。誰しも、自分でもできそうだなと思うことってありますよね。僕も初めてポエトリーラップの動画を見たときに、なんかできるような気がしました。実際にすごく才能があるかと言われると別の話になりますが「なんかできる気がする」ということは、才能があることなのです。
ただ、その才能の量はやってみないと分からないので「やってみたら、どこまでいけるのか」というのは別問題です。けれども「自分ができるかもと思えるかどうか」は、手っ取り早い才能の見つけ方らしいので、若いうちにそれにおもいっきり力を注いでみると、自分のどこに才能があるのか見つけられると思います。
「やってみる」=ノーリスク
「やってみる」って、意外とノーリスクです。最近はだいたいどこも体験クラスコースがありますよね。やってみることはちょっと怖い気もするけれど、案外ノーリスクです。僕も今でこそポエトリーラッパーとしてアルバムをリリースするまでになりましたが、最初は安価なマイクを使い大学の空き教室で録った音源をネットに上げていました。とりあえずやってみると「曲自体は意外と作れそうだな」と分かりました。そこで、ポエトリーラップをやっている人をTwitterで見つけて感想を聞くことから始めました。
僕はサッカーも大学から始めました。サッカーをやりたいと言っていた友達のなかには「自分は初心者だから」と言ってやらなかった人もいました。でも、僕はとりあえず体験に行ってみました。それって、ちょっと心が不安です。「経験者に馬鹿にされるんじゃないか」とか思ってしまいます。でも、よく考えると最初に行くことって、心の不安しかない。どんなことでも、初めての場所にいくということは不安なことです。どうせ、それをやるには避けられないことなんだから、とりあえず行っておけばいいのです。不安が的中しようがしまいが、やってみれば学べることは必ずあります。僕の場合、案外初心者でも居場所はありそうだということがわかったりしました。あの時一歩踏み出さなければ、入会していなかったと思います。そんな風に、興味がわいたことをうしていろいろとりあえず体験していけば、いつか自分のやりたいことを見つけられると思います。野球、サッカーと、全てのスポーツをやってみたら自分がどのスポーツが好きかとか、だいたい分かりますよね。クリケットやったことないのに、クリケットのプロ選手目指す人はいないですよね?いろいろ体験してみなきゃ、自分が好きなことなんてわかりません。なのでだから「とりあえずやってみる」というのが、やりたいことを見つける基本です。
打席に立つ回数は自由
ただ、「とりあえずやってみる」ことの大変なところがひとつあって、心理的なダメージが大きいです。僕自身も、友達に誘われて起業に失敗したこともあります。ほかにもビジネスを立ち上げようとして失敗しました。Youtuberとしてゲーム実況を始めたときも、最初は再生回数が全く伸びず一旦は投稿を削除しています。小説を書いて酷評されたこともあります。心のダメージに耐えられるのなら、数を打てば当たるということです。
人生の打席に立つ回数は自由です。試合だったら、回数は決まっているし空振りしたら終わりです。でも、人生は結構自由です。いくらでもやりなおせる。だから、何回でも打席に立てばいいのではないかと思います。人生において、人はホームランの数しか見ません。打率は見ていないんです。1000回打席に入って10本ホームラン打っても、10回打席に入って10本ホームランを打っても、どっちも同じく評価されるんです。だったら、たくさん打席に入ったほうが得でしょう?
僕はたまたまこの音楽でこういう機会をいただいていますけど、何度も何度も打席に立ったなかで、ようやくポテンヒットが出て、それを量産しようと頑張っているところです。皆さんも、いろいろ頑張ってみるのがいいのではないでしょうか。
「新しいことをする」に慣れる
新しいことをすることに慣れるというのは、実は心のトレーニングです。身体はあからさまに見た目が変わるので鍛えやすいです。実は心も変化は目に見えないけれど鍛えられるのです。新しいことをするということに、だんだん慣れていきます。
心は、鍛えられます。だから、意識的にこれをやっていくと、だいぶ変わると思います。例えば、友達にやったことのないサーフィンに誘われたとします。どうしようかな、土日だと寝てたいしなと思ったりします。けれど、そこで「寝ている人」と「行く人」では、ちょっとずつその積み重ねで変わっていきます。毎週寝ていた人と誘いにのって、初めてのことに挑戦していた言っていた人はそれぞれ、40歳になったときに、どんな人間になっていると思いますか。絶対、毎回行っていたはじめてに飛び込んでいた人の方が成長していると思います。そのほうが毎回いろんな経験を積むことになるので人生を味わえるようになります。
逆に、新しいことを拒否し続けていくと、不安が膨らんでいきます。さっきのサッカーサークルの例での『経験者に馬鹿にされるんじゃないか』というような不安が、大きくなっていくんです。そりゃそうですよね?実際にいてみないと、馬鹿にされるかどうかなんてわからないんですから。そしてそれを続けていくと、いつの間にか、新しいものを否定する人間になってしまいます。ずっと同じ環境で過ごし、新しいことに飛び込む不安を経験せずにいると、時代遅れに老害になってしまうんです。『プログラミング教室行ってみたいけど、不安だなあ…。この歳で行っても馬鹿にされるかも。いや、そもそもプログラミングなんて役に立たない!バカのやることだ!』のように、自分が新しいことに飛び込まない理由を、否定することによって作り出すようになってしまいます。こうならないためにも、新しいことへの不安に対処できる心を鍛え上げておきましょう。
実現方法
努力の仕方
以前、東大の授業で週替りで様々な経営者の方の話を聞ける機会がありました。僕は「周りを見ていてうまく行かなかった人はどういう人ですか?」と毎回質問していました。答えはだいたい皆さん同じで「やらなかった人」でした。ビジネスプランがあれば、力になってくれそうな人に飛び込みをしてでも相談しに行く、転職した方が良いと思えばすぐに転職活動を始めるなど、どう転ぶか分からないですが行動する人は前進します。けれど「動かない人は、うまくいかない」と、どの人も言います。
そしてまず、ちょっとやってみるというのが大事です。僕はお笑いの養成所にいたことがあります。最初お笑い芸人になりたいと思ったときは、とりあえず調べてその場で予約をして、次の週にはお笑いのネタを見せに行きました。すごく滑りましたが、雰囲気や審査のシステムがよく分かりました。その時点で入ることもできましたが、一旦、敵が分かったところで帰ってきました。そしてその次の年に審査の仕方もある程度想定した上で改めてネタを作って行ったので、まぁまぁウケけて、普通の人よりは少し学費を安くしてもらうことができました。そういう風にまずはにちょっとやってみてから、計画を立てて進んで行くと良いと思います。
道の選び方が大事
今、東京から北海道に行きたいと思ったとします。そうすると、すぐ北に向って歩き出してしまう人って案外多いです。そんなことはしないで、バイトして航空券を買えばいいですよね。飛行機の方が断然楽に辿り着けます。現実でもこれをやってしまう人がいます。東京→北海道の例だと一目瞭然ですが、案外道次第ではすぐに着くのです。とりあえず歩き始める前に、最初に道を選ぶことが大事です。例えば、TOEICや受験勉強など点数を取る系のものは道がはっきりしているので、正しい努力をしたら必ず結果がついてきます。
どうやったら道を間違えないで進めるかというと、先人の知恵を借りるというのが全てです。ものすごく自分で考えたとしても、自分より頭のいい人がほとんど既に考えています。なので、ググればいいですし、本を読んでもいい。大抵のことは調べれば出てきます。これは情報化社会になったからです。これからは情報にアクセスするのが得意な人がうまく生きられるようになるそうです。答えがあるので、見つけてしまえばいい。基本的に先人の知恵を借りましょう。
情報を集めて計画を立てる
1回やると決めたら、最初に計画を立てた方がいいです。そのときに大事なのが、自分が本当にたどり着きたいゴールを明確に決めるということです。ゴールは人によって違いますが、囚われてしまう人が多いです。「お笑い芸人になりたい」という人はお笑い芸人になること以外に道が見えなくなってしまいますが、よく考えると「人を笑わせたい」なら、Youtuberでもいいはずです。『有名になりたい』なら、インスタグラマーでもいいわけです。ゴールの部分を1回ちゃんと分析して考えて自分は何をしたいのかを考える。て、そのなかで、このゴールだったら構わないという、1番自分に適していてやりやすそうなものをゴールにするのがいいと思います。
計画を立てるのは後ろから
「計画を立てるのは後ろから」とよく言われます。陥りがちなのが、受験勉強で例えると、〇〇大学に行きたいから“とりあえず”勉強を始めるやり方です。「今日は単語を10個覚えたから、明日もやろう」「今日は疲れたからいいや」という感じです。そうしているうちに、何がなんだか分からなくなる。こうならないために「計画は後ろから」なのです。
例えば、センター試験やTOEICなど、目標を決めます。まず、とりあえずやってみることも大事です。僕は高校1年生のときに、東大の問題とセンター試験の問題を受けてみました。全く解けなかったけれど、こういう問題が解ければいいのかということは分かりました。そしらたら次は計画決めです。そうすると、そのためにはゴールがわかれば、その直前に何を終わらせていなければならないかわかります。例えば『過去問を3周する』とかです。すると、その何カ月前にこれくらいできていたらいいかが分かります。前に、問題集を二周していたほうが良いとわかります。すると、それより前に、教科書を完璧にしておいたほうが良いことがわかります。こうやって逆算していくと、いま、自分が何をすべきか?まで逆算できるはずです。これが、計画を後ろからたてていくやり方です。
ちなみに、実は、僕は受験のとき自分が立てた計画の40%ぐらいしか実行できませんでした。これをやれたら100%受かるだろうという計画を立てたので実行できなかったのです。けれども、ちょっとずつ計画を修正しながら進めたので、大学に入ることができました。
あとは決めた道を進む
計画が決まれば後は進むだけです。計画通り進みましょう。
そして、しばらくたって結果がでなかったら「自分にその道があっていなかったのかな」と振り返って改善をしましょう。これを繰り返すとうまくいきます。
これで大抵のことはできるうまくいくと思います。しかし、計画が完璧なのにできない人もたくさんいると思います。計画通り実行はするのって難しいですよね。難しいけれど、これを解消するための科学的根拠のあるやり方がたくさんあるので、調べて調べて試してみましょう。例えば集中できないのは、脳のくせが原因です。僕がよく使っているのは、ちょっとやるという方法。脳って目の前にあることに手をつけてしまえば、やれるのです。例えば、いったん皿洗いを始めたら、最後までできてしまう。これを作業興奮といいます。
そして、しばらくたって結果がでなかったら「自分にその道があっていなかったのかな」と振り返って改善をしましょう。これを繰り返すとうまくいきます。
方向音痴か、情熱が尽きるか
改善しながら繰り返したらいつかはうまくいくはずなのに、なんでみんなうまくいかないのでしょうか。理由は「方向音痴だから」か、もしくは「情熱が尽きるから」です。
この「改善しながらゴールに向うことを繰り返せば、だいたいのことはうまく行く」というのは多くの本にも書いてあります。けれど、何度打ちのめされても立ち上がる熱が必要なのです。それができない人が多いのです。「絶対やってやる」と言って這い上がってくる人というのは、この熱量がすごいです。
だから、自分がどうしてもこれになりたいという強い思いがあるのなら、それは才能なので頑張ってください。誰しも自分が気が付いていないだけで何かこだわっていることがあると思うんです。これすごく好きなんだよなとか、調べてしまうんだよなとか。それって才能なので、立ち上がり続ける自信があるならやってみるといいと思います。人生は1度きりです。でも、家で寝ていたいという人はそれも人生なのでいいと思います。
言葉の力
言葉は最強
ポエトリーラップをやっているからこそ、僕が今、伝えたいこと。それは人間の最強の武器は言葉であることです。言葉の力って本当に大きいです。例えば、「結婚します」と言っただけで、周りの認識が変わりますよね。ただの音なのに、すごい力を持っている。キング牧師やガンジーのように、言葉の力だけで世界を変えた人はたくさんいます。
うまく使いこなそう
言葉はすごい力を持っているので、使いこなしていこう。これがポエトリーラップにもつながる僕の哲学です。僕のラップを聴いて、元気になったと言ってくれる人がいます。ただの音を耳がとらえただけだし、状況は何ひとつ変わっていないのに、元気になる人がいるんですですが。死にたくなるような状況があっても、言葉で励まされることはとても多いと思います。
ポエトリーラップとは
言葉って響きますよね。自分が落ち込んでいるときに「大丈夫だよ」と誰かに心から言われたら響きます。そういう音楽があってもいいと思いました。音楽って最初は言葉とか感情を伝えるためのもので、歌詞が大事でした。ポエトリーラップはその原点に立ち返ったような音楽ではないかと思っています。
「ポエトリーラップ」という言葉を作ったのは、不可思議/wonderboy(ふかしぎわんだーぼーい)さんでした。僕が今、所属しているLOW HIGH WHO?という事務所の藤本さんという方と一緒に活動をしていました。音楽に合わせて詩を読みますが、ラップほど韻を重視しているわけではない。ヒップホップのラップも僕は好きですが、これはアメリカ発祥の音楽なので、英語の方が韻がを踏みやすいです。日本語は母音が強いので、日本語にあっているのはポエトリーラップの方ではないかと僕は思っています。
僕は最初に不可思議/wonderboyさんの『Pellicule』という曲を聴いて衝撃を受けました。それまで、音楽やお笑いのライブに行ったことがなかったのですが、初めて生で聴いてみたいと思いました。いろいろ調べると、ご本人は志し半ばで亡くなっていて、もっと新しい曲を聴いてみたいけれど、もう新しい曲が生まれることはないと知りました。さらに、似たような活動をしている人もあまりいませんでした。そこで、ポエトリーラップをやる人が増えたらいいなと思って、僕も自分で初めて、いま広めているところです。ゲーム実況やのYoutuberとしての活動もポエトリーラップを知ってもらいたくて始めました。ムギタローのあとにかならずポエトリーラップと書いてあるのは、単語だけでも覚えてもらおうと考えているからです。
僕の夢は、ポエトリーラップ系の音楽が紅白歌合戦に出ることです。僕の曲ではなくてもいいですが、この分野がもっとメジャーになって、紅白で普通に聞かれるようになったらいいなと思っています。
(画像提供:iStock.com/Bulat Silvia)
ムギタロー 福島県出身の現役東大生ポエトリーラッパー、Youtuber。 高校時代、目標を叶える努力の仕方を研究開発・実行し、 公立高校でラグビーを高3秋まで続けながら東大現役合格。 東大在学中に様々な本を読み、幸せに生きる方法、目標を叶える方法について調べる。 在学中にした挑戦の数は数知れず、 在学中にした失敗の数も数知れず…。 (20か国をめぐり、漫画投稿、小説執筆、動画投稿、お笑い養成所、ゲーム実況、音楽制作、ラップ、Youtuber等) 現在は自分で勉強し、作り上げた「上手くいく方法論」を自分自身で実行し、ポエトリーラップで最大の事務所LHW?に所属し、デビュー。代表曲の再生回数は10万回以上。Youtuberとしても英語を活かした留学生との動画を投稿し、現在登録者約4.8万人。 現在大学院生。学会などで優秀発表賞を多数受賞。研究者の話もできます。 (その他、ニコニコで数十万再生のゲーム実況を投稿したことがあり、ニコニコ公式生放送や超会議に出演。などなど) Twitter:https://twitter.com/mugitaro_comics Youtube:https://www.youtube.com/c/Mugitaro LHW?からムギタロー1stアルバム「はじまりは小さな1歩から」タワーレコードなど各種店舗&オンラインストアで発売中!:http://lowhighwho.com/mugitaro/