イベントレポート

ADHD女子が教える、SNSで人生を100倍楽しく生きる方法/雨野千晴 @amenochiharevvv

片付けられない、話が聞けない、時間に間に合わない…と「うっかり」ばかりのADHD女子が、SNSと出会ったら人生が100倍楽しくなっちゃった⁉︎ 発達障害と付き合いながら、「本音を発信する」ことで人生を切り拓いてきた道のりを今、明かします!

「本当に思ったことを発信する」ことで人生が楽しくなる

ブログから「つながり」を得てきた

今日のテーマは「人生を100倍楽しくちゃっかり生きる方法」です。私は、ブログ読者が1000人ちょっと、Facebookやツイッターのフォロワーも1700人程度と、正直それほど多いわけでもないんですけど、「SNSを活用したらこれだけ人生が楽しくなるよ」という方法をお伝えできたらと思っています。
答えを先に言うと「本当に思ったことを発信する」ことです。今日は、この具体的な方法をお伝えします。

まず自己紹介しますと、私は文章の講座を開いたり、教育に関する記事を書いて寄稿したり、コンサル会社でのお仕事などをしています。あとは、インクルーシブに関心があるので、障害のあるなしに関わりなくみんな一緒に楽しもうという「ごちゃまぜフェス」や、「うっかり女子会」といったイベントを開催したりしています。

このようにいろいろな活動をしているのですが、これらはすべてブログから始まりました。ブログで発信することで、いろんなつながりをいただいてきたなと思っています。

ADHD女子の「うっかり人生」を振り返る

鍵をよく無くした小学校時代、遅刻常習犯だった高校時代

まずは、私の「うっかり人生」を振り返ってみたいと思います。
子ども時代は、よく物を無くして怒られました。首に下げている家の鍵だけでなく、かぶっている帽子や、着ている服も知らないうちに落としてしまう。もちろん、お道具箱の中はぐちゃぐちゃです。

授業中はオフモード。でも、勉強はできました。小学校レベルの勉強は、聞かなくてもわかるから聞いていなかったんですね。先生からしたら「嫌な子」だったでしょう。でも、小学校時代は楽しく過ごしていました。親や先生が面倒を見てくれるから、勉強さえできていればうっかりはバレないんです。

高校生ぐらいになり、自分の責任で行動するようになると、遅刻常習犯に。遅刻すると校門が閉まってしまうので、窓から入るのが通学ルートでした(笑)。
逆に、今は遅刻防止のためにすごく早く家を出るようになっていて、1時間前に現地に着いて、喫茶店も何もなくてどうやって時間をつぶそう…という時もあるんですけどね。

よく「なんで遅刻するの?」と聞かれるのですが、いろんなことを考えて次々にやってしまうんですよね。カーディガンに毛玉がついているのを発見して取り始め、気づくと約束の時間だったり、「今日は晴れてるな、洗濯機もう1回まわせるな、いや無理かな」とか考えていたら時間が経っていたり。頭の中が連想ゲームになっちゃうんです。ADHDの人みんながそうというわけではないんですけど、私は時間を見積もることが苦手です。

他にも学生時代を振り返ると、群れには入れませんでしたね。トイレに誰かと一緒に行くのが苦手で、いつもひとりで行っていました。
それから荷物が多かった。私服の学校で、ロリータファッションが好きだったので、ぬいぐるみのリュックを背負って、おばあちゃんが持っているようなカートを引いて、それでも入りきらない物はレジ袋に入れていました。置き勉だと宿題をする時にわからなくなるので、全教科を持ち帰っていたんです。札幌の学校だったので、冬は雪が積もってカートのタイヤが動かなくなることもありました(笑)。

社会人になると暗黒時代が到来

こんな風に、学生の頃は楽しかったのですが、教員の仕事をし始めると暗黒時代が訪れます。だって、友達だったらこんなエピソードも「ウケるー」とか言って笑ってもらえますが、これが同僚だったらどうですか?(笑)

初年度は良かったんです。初任者の時についてくれた研修指導の先生は、ほめて伸ばすという人でした。私は授業を作ったり、レポートを書いたりするのは得意だったので、そこをとてもほめてもらいました。それで、他の先生方も「どうやら仕事ができるらしい」と見てくれていたので、私自身も仕事ができると勘違いしていたんです。教室では子どもたちに「先生、服が裏返しだよ」とか言われていたんですけどね。

そして、次年度に組んだ先生が、私より年下で、超美人で、超仕事ができて、学校全体のアイドルという人だったんです。教室もいつもキレイで、花が飾ってあったりする。そんな「スーパー美人教師」に、私は勝手にライバル心を持ってしまったんです。

彼女は優しいから、たくさんのミスをする私のことを助けてくれました。でも、そこにまたジェラシーを感じてしまう。私は、次第にミスをごまかすようになりました。上司への「報・連・相」ができなくなり、信頼を失って他の同僚ともうまくいかなくなりました。あいさつもしてもらえず、最終的には職員室で声をうまく出せなくなったのです。うつ状態でした。

SNSで人生を楽しく生きるために必須のスキル

需要を意識するのではなく「書きたいことを書く」

ここで、私にひとつの転機が訪れます。子どもが生まれたのです。
長男は2歳の時、自閉症と診断を受けました。同じような立場のお母さんがどんな子育てをしたのか知りたくて、ブログをたくさん読みました。そのうちに、「みんなのブログが役に立ったので、私も誰かの役に立てることを書けるといいな」と思うようになり、アメブロを始めました。でも、最初は全然書けませんでした。なぜでしょうか?

それは「正しいことを書かなくてはならない」と思いすぎていたんですね。たとえば、「うちの子はドアを閉めることにこだわりがある」と書いたら、「ドア閉める子はみんな自閉症だ」と思われないだろうか? とか、書くことで誰かを傷つけることはないかなどいつも気にしていました。「批判されたらどうしよう」という不安もありました。

その時の自分に言いたいのは、「いろいろあきらめてください」ということですね(笑)。「正しくて、いいこと」「誰かの役に立つこと」を書ける人はいるけど、私にはできないから書けないわけです。だから、「需要がありそう」「誰かの役に立ちそう」はあきらめて、自分が書きたいことを書くしかないのです。

何かを主張するときは「私は」を使う

もし、正しくないことを書いてしまったら、あるいは誰かに批判されたら、誰かを傷つけてしまったら、謝るしかありません。子どもにも「悪いことをしたら謝りなさい」と言いますよね?

傷つけようとして書いているわけではないのに、誰かを傷つけてしまうこともあります。それは、「私」の正しさと、「あなた」の正しさが違うからです。だから、何かを主張するには「私は」と付けるといいと思います。「『私は』こう思う、あなたは違ってもいいけど」ということですね。

当初は育児のことを書いていたブログですが、次第に「自分のこと」を書こうと思うようになりました。きっかけは、高校の時の友達が「女の子のADHDは頭の中が多動だよ」と言ってくれたことです。さっきの毛玉取りや洗濯の話もそうですよね。その表現が面白いなと思って、記事を書いたんです。

すると、「私もそうです」というコメントがいっぱい来て、「いいね!」も400ぐらい付いたんです。特に出来事があったわけでもなく、自分のことを書いただけなのに…と驚きましたが、そこから、「思っていることをどんどん書こう」と決めました。

プライバシーを伏せて書く

冒頭で「本当に思っていることを書くのが大事」と言いましたが、本当のことを書くのは怖いですよね。そのためのひとつのテクニックが、住んでいる地域や名前、職業などの「プライバシーを伏せて書く」ということです。

SNSをやるには、無理をしないことが大切です。プライバシーを隠して、少しずつ大丈夫そうな部分から明かしていけばいい。本当に思っていることを言うためには、「ここまで隠していれば大丈夫」という安心感が必要です。

私も、本当に思っている、人には言えないことをブログにどんどん書いていきました。人の名前が覚えられないけど、職員室のみんなは全員「先生」って呼べばいいと気づいたこと、母親なのに子どもと遊ぶのが好きじゃないこと、子どものお弁当を作るのを忘れたこと…周りの人には言えないことも、SNSで顔を出さなければ言えたのです。

こういったエピソードを書いていたら、お役立ち記事でもなんでもないのに「私だけじゃなかったんだ」「今までの自分を許せる気がした」といった共感のコメントが寄せられました。いつもの自分のことを書いただけだったのに、「書いてくれてありがとう」という声が殺到したのです。

うれしくなった私は、「もっといろんな人に発信したい」と思い、Facebookを始めました。子どもの頃からお手紙交換が好きだったので、コメント欄でのやり取りは楽しいもの。また、お祭り好きなので、いろんなグループを作成してはイベントを開催しました。

Facebookのおかげで、どんどん人とつながれるようになりました。ネット上のバーチャルな存在だった人に、実際に会ってお話を聞きに行ったりするようにもなりました。SNSは人とつながるためのステップとしてとてもいいものだと思います。

SNS上では本音をずっと出しているので、その本音に共感してくれた人が集まってくれます。「あなたはうっかりだからダメ」と言ってくる人はいません。
これは、仕事でもそう。本音を隠して「私はしっかりしてます」みたいな顔をしてやっていると、「そういうあなたがいい」という人が近づいてくるから、実際に仕事をするとストレスが生じてしまいます。実社会でも、本音を出しておくのは結果的にはいいことだと思います。

スモールステップで自己開示

そして、先ほどプライバシーを伏せるというお話をしましたが、次はスモールステップで自己開示していきましょう。「顔はOK、でも住んでいるところはNG」「顔は出さないけど、住んでいる都道府県だけ」とか。どこから開示するかは自分で決めるといいと思います。

自分の価値観を書くのはハードルが高いけど、素性を全部隠してたらいける、というのもありますよね。実は私、ブログを3つやってるんです。誰ともつながっていない、ただのおどろおどろしい感情を書いているのが2つあります(笑)。

自分にしか伝えられない「コアメッセージ」を発信し続ける

「できない私でもいいんだ」と思えて、復職

育休前は、同僚に無視されたりして辛かったので、なるべく育休を長く取ろうと思っていました。そして、育休中にはいろいろと資格を取りました。転職のためです。育休をもらうだけもらって退職しようと考えていたのです。

でも、育休中にSNSを始めた私は、「できない私でもいいんだ」と思い始めていました。そこで、「ダメでもいいからやってみよう」と復職してみることに。復職の面談では、自分のうっかりについて前面に出してお話ししました。数々のうっかりの歴史をメモにして、「こんなこともありました」と管理職の方に伝えました。

校長先生は爆笑しながら聞いてくれて、「自分がそう(うっかり)だと気づいていれば、いくらでも工夫することができる」「みんなでフォローすれば大丈夫」
と言ってくれました。

だから、復職時には「ADHDの傾向があって、粗相が多いんですけど、できるところでがんばりたいのでお願いします」と最初にあいさつしました。すると、自分は育休前と何も変わってないのに、職員室のみんなとの関係性はとても良くなりました。

育休前にダメだったのは「うっかりしてる」ことではなく、「うっかりしてる自分のことをダメだと思っている」ことだったんですね。職場でうまく行かなかったのは自分の問題だったと、今では思っています。

復職後はみんながフォローしてくれました。教科担任として入っていたクラスで、もらったはずの画用紙がなくなった時も、一見怖そうな男性教諭に勇気を出して「なくしちゃいました…」と謝罪すると、一緒に探してくれました(笑)。以前だったら「なくなった」と言えていなかったはずです。

するとそのうち、みんなが自分のうっかりを私に報告してくれるようになったのです。「学校の鍵をなくした、どうしよう」とか。これは、管理職に報告しなければならないような一大事なのですが、「その勇気が出ないから、まずは聞いてくれる?」みたいな窓口に私がなっていたんですね。「そっかそっか、私もよくありますよー、がんばって報告に行ってきてください!」みたいな(笑)。

育休前に私が嫉妬していた超美人な先生については、「自分は違っていていいんだ」と線を引けるようになったことで、彼女の素敵なところを、素直に素敵だと思えるようになりました。私が子どもの前で泣いたり怒ったりしてしまうことを相談したときには、「その場の熱い感情を伝えられるのは、あなたのいいところだと思ってるよ。うらやましいと思ってる。」と答えてくれて。その先生は今でもいい友達です。

たくさんいただいた「大丈夫」を、今度は私が伝える

退職する時に「どんな自分でも、その人はその人でいい」というメッセージを子どもたちに伝えました。今SNSで伝え続けているのも、それです。私は、今までたくさんの「大丈夫」をいただいたので、今度は自分が「大丈夫」を伝えていけたらと思っています。

大切なのは、コアメッセージを伝え続けること。そうすることで、人の輪が広がり、深まっていきます。誰にでも譲れないものは絶対にあるはずで、それをそのまましつこく言い続けましょう。私の場合は「うっかり女子でも大丈夫」。日常のエピソードの中から拾って、同じことを発信し続けています。

「違っているから面白い」「どんな自分でも大丈夫」「一人ひとりの良さがある」というようなことは、みんなが言っていること。でもそれを、自分にしか語れない切り口に変換し、「自分ごと」として伝えていくことが大切だと思っています。

(画像提供:iStock.com/Deagreez)
雨野千晴(あめのちはれ)

ADHDネタを中心に「うっかり女子でもちゃっかり生きる」を発信するライター・ブロガー。
1981年生まれ。札幌出身、厚木市在住。北海道教育大学札幌校卒業。
神奈川県厚木市の小学校教員となるも、うっかりミス多発、職場で孤立、鬱状態に。その後産休へ。2015年、自閉症の長男についてブログを開設、自身のADHD・うっかりネタについてもSNS・ブログで発信するようになり、多くの共感を呼ぶ。トピックス掲載時には1日最高45000PVを獲得。
2016年より職場にADHDを開示して復職。教員生活を送る傍ら、講座やイベントをボランティアで提供開始(2019年10月現在、主催講座・イベント参加者総数は延べ748名以上)。Facebook非公開グループ「うっかり女子会」を立ち上げる。現在150名が参加。2017年、10年務めた教員を退職、フリーランスに。同年大人の発達障害である(ADHD不注意優勢型)と正式に診断を受ける。ライター、漫画家、講師、イベント企画・主催など、多動に幅広く活動中。

■メディア掲載
NHK首都圏ニュース、tvkニュースlink、伊勢原ケーブルテレビ、東京新聞、朝日新聞、読売新聞など

■雨野千晴の活動について
・取材放送(本名小野純子で紹介いただきました)

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