実績・人脈ゼロの地点から「好き」なことを仕事にする技術/新垣才

「好きなことが絞れない」「やりたいことがわからない」——多くの人が抱えている悩みではないでしょうか。インプットとアウトプットのサイクルを回すことで、1カ月で好きなことを見つけて仕事にした新垣才さん、その方法を紹介します。

“好き”を仕事にするためのフレームワークとは?

「知」を加えた「知・技・心・体」

よく見る「心・技・体」という考え方がありますよね。「心」は志・精神力、「技」は技術・スキル、そして「体」は健康・筋肉を表すもの。

僕が最初にこれを知ったときに、「思考力や知識はどこに含まれるんだろう?」と考えました。思考力は「技」、知識は「心」に含まれるようなのですが、なんだかわかりにくいですよね。

ここに、新しく「知」を加えてみたらどうだろう。
「知・技・心・体」という4つの要素にして、これを並べ替えてみることで、また違った捉え方ができるようになると気づきました。

まずは、これを上下にわけて考えてみます。
「心」と「体」、元来持っている先天的なものが下の1層目。
「知」と「技」、後天的に身につけられるものが上の2層目。

土台に当たる1層目の部分(「心」と「体」)が弱いと、その上に成り立つ部分(「知」や「技」)も崩れてきてしまいますよね。
せっかく知識や技術が優れていても、それを支える精神や体力が弱いままだと、うまく扱えないんです。

次は、横にわけて考えてみましょう。
左側が「知」と「心」。この部分はまとめて「インプット」として捉えてください。情報や刺激を吸収するときに働く部分です。たとえば、読書や映画鑑賞をすることによって感情が動くし、教養も身につきますよね。

そして、右側の「技」と「体」が「アウトプット」
自分のもつスキルを使ってモノやサービスを生み出すこと。加えて、他人から見て自分はどんな雰囲気・顔つきに見えるのかといった部分も、立派なアウトプットとして捉えられます。

あなたが“好き”を仕事にできないのは、なぜ?

キーワードは「価値観」「ギャップ」「環境」

なぜ、最初に「知・技・心・体」の話をしたのか?
それは、あなたが“好き”を仕事にするために、ぜひ参考にしてほしい考え方だからです。

大前提として、「自分のアウトプットは誰かにとってのインプット」であり、「誰かのアウトプットは自分にとってのインプット」です。
誰かのアウトプットが、そのままの形で自分の中にインプットされることもあれば、元々の「価値観」や「物の捉え方」によって変換されてしまうこともあります。

このように、インプット⇔アウトプットのサイクルには、各々の「価値観」や「物の捉え方」が影響してきます。
これを踏まえた上で、“好き”を仕事にするために重要なポイントは、以下の3つになります。

・価値観を磨くべし
・捉え方のギャップを知るべし
・環境を変えるべし

まずは「価値観」を磨くべし

選択肢を増やすこと、選びとる勇気をつくること

何かうまくいかないことがあるときは、1層目の「心」「体」が弱っている場合がほとんどです。そのとき、2層目の「知」「技」を変えようとするのではなく、土台となる精神や体力を強化・回復することが大切になってきます。

そのためにも、まずは価値観を磨くこと

価値観を磨くことによって、インプットの質が上がります。それがよりよいアウトプット、ひいては「心」や「体」のレベルアップに繋がるため、元となる価値観を高めることは重要です。

価値観を磨くことのメリットは、以下の3点。
・得をする
・早くスタートを切ることができる
・チャレンジする勇気を得られる

何かを選択しようにも、そもそも選択肢があることさえ知らなければ、選ぶこともできません。価値観を磨くために努力することで、副次的に多くの選択肢を知ることができるので得をしやすいです。その分、誰よりも早くスタートを切ることもできます。

また、「チャレンジする勇気は知識でつくられる」ということをご存じでしょうか。
たとえば、イベント運営をしようと思ったときに、まったく何も知らない状況でチャレンジするのは不安ですよね。けれど、知識がある、つまり「なにをやったらいいのかわかっている」と、それだけで行動しやすくなります。行動するまでの心理的なコストが下がるので、勇気がわいてくるわけですね。

価値観を磨く=知識を養うだけで、こんなにたくさんのメリットがあります。
具体的な手法としては、読書がおすすめです。積極的に本を読みましょう。

そして「捉え方」のギャップを知るべし

自分の見方と大衆の見方は違う

価値観を磨くことによって鍛えられた土台。次は、それを基にしてアウトプットをすること、それに対してどんな反応が返ってくるかを知る段階に移りましょう。

自分が知っている「自分」と、周囲が知っている「自分」。この2つの間には、大きくギャップがあることもあります。自分の捉え方と周囲の捉え方、双方を擦り合わせていくことが大切です。

このギャップがあまりにもズレていると、つらくなってきます。「本当はこういう人間なのに、周りからは違ったように見られてしまう」という状態ですね。
自分が知っていて、かつ相手が知らない領域を広げにいくイメージで、積極的に「自己開示・自己発信」していきましょう。

そうすると、フィードバックを受けることができます。
それを基にして、自分では気づけなかった、自分の隠れた“好き”を見つけることができるんです。

最後に「環境」を整えるべし

努力する量を減らし、短縮化する

“好き”を仕事にするために重要な最後の要素は、「環境」です。

皆さん、リクルートの旧社訓を知っていますか?
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」というものなんですが、これはそのまま「自ら環境を創り出し、環境によって自らを変えよ」に言い換えることができます。

たとえば、僕は最近ダーツを始めたんですが、うまくなりたくて自室の壁にダーツボードを貼り付けました。これで、ダーツボードを貼っていない人よりは確実に速く上手くなるだろうなと思ったんです。

なぜかというと、「ダーツがやりたい!」と思った3秒後には、実際に投げられるような環境をつくり上げたから。これによって、ダーツを投げるまでの努力を最小化することができました。

このように、「環境ごと変えて、努力する量を減らす」ことはとても有効な手段になります。
自分の周りの環境を変えることで、環境によって自分が変わっていくのです。

たとえば、親のしつけ方によって、子どもの育てられ方が左右される可能性は、ゼロではないですよね。親は自分では選べない、それは仕方のないこと。けれど、自分の力で環境を変えていくことはいくらでもできるんです。

定期的に周りを見直して、自分が変われるようなデザインをしていきましょう。

たった1カ月で“好き”を仕事にできた理由

転機となった2つの出来事

実績ゼロ、人脈ゼロ、そして社会人経験もゼロ。
そんな僕が、たった1カ月で“好き”な図解を仕事にできた理由って、なんだと思いますか?

4月1日:#はあちゅうサロン 入会
5月20日:#図解カフェ 開催
初の図解カフェは参加者10名ほどですが、きちんと参加者さんからお金をいただいたイベントなので、「プロとして仕事化できた瞬間」だと認識しています。

具体的に、その1カ月の間どんな動きをしたのかを振り返ってみます。
僕の当時のカレンダーを一目見たら、「思ったより暇そうじゃん」と思われる方のほうが多いはずです。学校の用事や就職活動、オンラインサロン、プライベートの予定などが入っていましたが、特別に忙しくしていたわけではありませんでした。

ターニングポイントとなったのは、初めて書いた有料noteです。

4月15日に、初有料note「初めての有料noteを書くための教科書」を執筆しました。
このnote自体が、僕にとって初めての有料note。4月30日時点で売上34900円+サポートが6回。文字数は大体2万字ほどで、中には図解を7枚使用しました。

このnoteを書いたことで、2つのフィードバックが得られたんです。

・初有料noteなのに、そこそこの売上があって「すごい!」
・文中にある図解が「わかりやすい!」「見やすい!」

4月1日にオンラインサロンに入会してから、約2週間後に執筆した有料note。このおかげで、サロン内でそこそこ有名になることができたんです。これが大きな転機となりました。

noteを書いて発信したことによって、フィードバックを受けることができた。このときに初めて、「僕は図解が得意なんだ、好きなんだ」と知ることができたんです。

アウトプットをすることでわかることがある。受けたフィードバックの中に、得意が隠れていました。自分で気がついたというよりも、教えてもらった感覚に近いですね。

ジョハリの窓を知っているか?

開放の窓を広げるために、フィードバックを受けよう

・自分は知っているけれども、周囲には気づかれていない部分=「自己発信」
・自分も気づいていないし、他人にも知られていない部分=「チャレンジ」
・他人は知っているけれども、自分は気づいていない部分=「フィードバック」

「ジョハリの窓」という、有名なフレームワークがあります。
その中でも、自分が知っていて、周りにも知られている領域のことを「開放の窓」と呼びます。そして、この自己理解と他者理解が一致している領域を増やしていくと、幸せにつながると言われています。

じつは、自己発信やチャレンジは実践している人が多いんですが、フィードバックを意識している人は意外と少ないんですよね。
フィードバックを受けることは、捉え方のギャップを知るためにもとても大切です。

僕自身、有料noteを書いたことによってフィードバックを受けて、初めて自分の得意が見つかりました。また、元々得意なものは、好きになりやすいという側面もあります。
ぜひとも、フィードバックを意識してみてください。

どうやってイベント開催にまで至ったのか?

図解カフェ開催のポイントを総ざらい

どのような過程を経て、実際にイベント開催にまで至ったのか?
第1回目の図解カフェ開催のポイントは、以下の通りです。

料金は低額or投げ銭制
個人的には投げ銭制が一番おすすめです。無料で開催するのと、1円でも対価をもらって開催するのとでは、自分の意気込みも違ってきます。来てもらう分には無料だけれど、価値を感じてもらえたらその分だけお支払いください、というスタイルですね。

ノウハウ系は低コスト(実質0円)
ノウハウ系のビジネスは最もやりやすく、仕事につなげやすいです。図解カフェに関しても、アイデア発案から計画、そして開催まで、実質90分で決まりました。とりあえずやってみる、と決めて動くことが大事ですね。

熱量や行動力が高い人たちの近くにいる
環境を整える、という話に近くなりますが、熱量・行動量ともに高い人たちと一緒にいることで、チャンスの母数が多くなります。それらをいかに上手く活用して、実行に移していくかも大きなポイントです。

アウトプットできる場所があると強い
オフラインでもオンラインでもかまいません。自分の意見・考えを言語化できる場所が複数あると、実行までのスピードが速くなります。

「フィードバックをもらうって難しくない?」

まずは気軽にTwitterで聞いてみる!

フィードバックをもらいたい場合、まずは気軽にTwitterで聞いてみるのがいいかもしれません。
メッセンジャーやLINEを使って、仲のいい人に直接聞くのもありです。

Twitterであればアンケート機能があるので、自分に対してどういう印象をもっているかや、どんな発信を求めているかをフォロワーさんに直接聞くことができます。
アンケートをすることで、こちらからの一方的な発信だけではない双方向のやり取りが生まれるので、フォロワーさんとのつながりも深くなりやすいです。

僕もオンラインサロンに入会したと同時に、Twitterに力を入れるようになりました。初の図解カフェを開催した以降、仕事に繋げていくのにとても役に立っています。
Twitterで積極的に発信をしていなければ、こうやってイベント登壇をして話をすることもなかったはずです。

直接会って、対面で図解を教えるのが図解カフェでしたが、オンライン上で1対1で図解を教える「#図解道場」や、請負の「#図解制作」、「#図解カウンセリング」などのサービスも始めました。

これらの仕事はすべて、Twitter経由でいただいているものです。SNSでの発信はすごく大切なので、余裕があればぜひ始めてください。

「得意=好きだと気づくためには?」

嫌々やらされているか、そうではないか?

僕の場合はフィードバックをもらったことで、得意なもの=好きなものだと気づくことができました
どうして周囲と比べて図解が得意なのか?
それは、「学校の授業でプレゼン資料を何度も作っていた」ことと、「幼少期から図を書くのが好きだった」こと、この2つが主な理由です。

でも、得意だけど好きじゃないこともありますよね。
それを見分けるポイントは、「嫌々やらされているか、自発的にやっているか?」を考えてみること。

たとえば僕の場合は、「これから需要が伸びそうだから」という理由で、学校でプログラミングを専門的に学んでいました。なので、プログラミングは得意ではある。けれど、決して“好き”だと言えるものではなかったんですよね。

とはいえ、“好き”の理由は人によって様々です。「得意ではあるけれど、嫌々やらされていないか? 心から“好き”だと思えるかどうか?」
自分の得意に気づいたら、ぜひ自分にそう問いかけてみてください。

(画像提供:iStock.com/releon8211)
新垣 才(あらがきさい)



1993年生まれ。愛知県名古屋市出身。

「何か1つに絞れるほど、自分が好きなことがわからない」
そんな感情を子ども時代から1年前までずっと抱き続けていた。

大学受験で上京してサークル活動に精を出し、
「特にやりたいことも見つからないから院進」する、
ごく普通の大学院生。

4月にオンラインサロン #はあちゅうサロン に入会。
実績ゼロの「図解」を1カ月で仕事にし、5つのサービスを展開。

好きを仕事にする成功体験を積む中で、
「好きなことを絞る必要なんてない。全部叶えて多才に生きればいい」と気づく。

「同じ悩みを抱える人たちと一緒に進みたい」という強い想いから、
11月にオンラインサロン #多才ラボ を開設し、
「好きなこと・やりたいことが多すぎる人」の居場所づくりをしている。

現在は幼少期からずっと大好きな「歌」の活動を再びはじめたばかり。
「好きなこと全部で生きていく」夢に向かって、自身も走っている真っ最中。

好きな言葉は「我がわが運命の支配者。我がわが魂の指揮官」。


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