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明日から実践! お金をかけずに売上をアップする5つの方法/北岡秀紀

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「集客したいけれどお金がない」というのは、起業している人なら必ず経験する悩み。これまで1000件以上の実績を持ち、93.8%の成功率を誇るコンサルタントが、明日から実践できて、お金をかけなくてもすぐに成果が出る5つの方法をご紹介します。

【方法その1】商品の単価を上げる

単価を倍に上げても、手間は倍にならない

売上を伸ばすための最も簡単な方法は、単価のアップです。

例えば、1万円で売っていた商品を2万円で売れば、売上は倍になります。
これを利益で考えてみましょう。原価が5,000円のものを1万円で売ると、利益は5,000円です。さらに2万円で売ったとすると、たちまち利益は1万5,000円に上がります。つまり、利益は3倍です。
単価を2倍にすると手間も倍かかってしまうのでは……と不安に思うかもしれませんが、ほとんどの場合、手間が倍になることはありません

商品価値を高めるために何をしてきたか?

では、単価を上げるためにはどうすればいいのか。お客さんに商品の価値をきちんと伝えることが大切です。

どんなに儲かっている会社の経営者でも、決まって「うちの商品は安すぎる。本来の価値を考えたら、もっと価格が高くてもいいと思う」と言います。みなさんもきっと、「競合他社の商品は値段が高いけれど、自分の商品のほうが価値は高い」と感じた経験があるのではないでしょうか。

なぜ、他社の商品が高いのに売れているかと言うと、それは商品の価値が買い手にきちんと伝わっているからです。

どんな商品にも、何かしらの想いが込められています。「世の中をこんな風に変えたい」「こういう不満をこの商品で解消してほしい」など、みなさんも何かかなえたいことがあって商品を扱っているはずです。
その想いを、お客さんにきちんと伝えられているでしょうか?「こんな想いを持っている人が売っている商品なんだ」という付加価値が伝わると、買い手の気持ちはだいぶ変わってくるものです。

ある治療院の経営者で、今でも毎月2回は技術講習に通っている方がいます。年間でいうと、数百万円単位のお金を研修に投資して学んでいるのです。でもそのことをお客さんにはまったく伝えていなかった。
それを伝えるだけで単価が倍以上になったという事例もあるくらい。

では、どんなことを伝えたら商品の価値が伝わるのか。商品価値を高めるために自分が何をしてきたか、それを改めて考えてみてください。

“松竹梅”に三段階に価格を設定する

「価値を伝えるなんて面倒」という方には、もっと簡単に価格を上げる方法があります。それは、“松竹梅”の三段階に価格設定をすることです。私がコンサルティングをするときに最初にする方法のひとつです。

レストランに行ったときのことを想像してみてください。
コース料理が3種類あったら、あなたはどれを注文しますか? おそらく、真ん中の価格のコースを選ぶ人が多いのではないかと思います。

もし今、1万円で商品を売っているのであれば、“1万円”“1万3,000円”“2万円”というように値上げした商品も用意してみてください。必ず一定の割合で、2万円の商品を買ってくれる人が現れます。これまで通り最低価格は1万円なわけですから、何も心配することはありません。

ただ、価格設定をするときは、“梅”は基本的に手がかからない商品にすることをおすすめします。
パーソナルトレーナーで例えるなら、一人に対してトレーニングを行うので、サービスがひとつ売れるとその間は拘束されてしまいます。そうすると、いくら単価を上げたとしても限界が出てきてしまうのです。
自分が動かないとできないサービスは“竹”以上で提供するようにして、“梅”は手間をかけずにできる固定サービスにするのがいいでしょう。

すぐに“松竹梅”を設定するのが難しいという方は、まず“松”をラインアップに加えてみてください。売れることがわかったら“竹”を設定して、同時に“梅”の価格も上げるのがおすすめです。サービス内容を組み換えて、これまでのサービスとは違う印象を与えることができれば、“梅”を値上げしたことにお客さんは気付かないでしょう。

【方法その2】コンタクトポイントを活用する

お客さんへのセールス回数が売上につながる

お客さんと接点のことを「コンタクトポイント」と言います。

商品が売れない最大の理由は、「売っていないから」です。
営業マンで売れている人と売れていない人を比べると、決定的に違うのは一人のお客さんに対するセールス回数です。ちゃんと売り込みができていないだけで、本来なら商品が売れているかもしれません。

売り込みをした商品はもちろんですが、それ以外の商品の存在をあなたのお客さんはちゃんと知っていますか?

実際にあった例で、ある印刷会社がお客さんから名刺屋さんだと思われていた、というケースがあります。名刺印刷だけを扱っている会社で、チラシやダイレクトメールは扱っていないと思い込まれていたというのです。

お客さんは勝手にいろいろな思い込みをしているものです。ですから、こういう商品があるということをきちんと説明して、買うか買わないか意思を聞いてみるだけでも、売上は確実に上がります。
そのために、コンタクトポイントが重要となってくるのです。

コンタクトポイントは自分でつくれる

コンタクトポイントは、いろいろなところに無限にあります
対面でセールスをすることはもちろんですが、請求書やメールマガジンもコンタクトポイントです。
ここで売り込みを入れるだけで何%かの購入はあるはずです。

そして、自分にはコンタクトポイントがないと思ったら、自分でつくってしまえばいいのです。
例えば、月に1回購入者限定でニュースレターを送ったり、その業界に関する勉強会を開催したりするのもいいでしょう。もしくはメールマガジンの署名欄に商品のURLを張り付けておくだけでも、何人かの人は見てくれるかもしれません。さらに、メールマガジンの配信を週2回から5回に増やせば、コンタクトポイントの回数もグンと上がります。
ウェブや紙、いろいろな方法でできることはたくさんあります。

そして重要なのは、コンタクトポイントを一度決めたら、その通りに機械的にやり続けることです。例えばメールマガジンであれば、「月曜日はこの商品を売り込む」などあらかじめシナリオを決めておきます。機械的に着実にこなしていくことで、一定確率で安定的に商品を買ってもらえるでしょう。

【方法その3】競合他社とジョイントベンチャーをする

自分の商品を購入したがる人がどこにいるか

意外とみなさんがやっていないことがあります。それは、競合他社とのジョイントベンチャーです。

簡単に言うと、自分の商品を購入してくれそうな顧客リストを持っている会社に自分の商品を売ってもらう、ということです。そうすれば、必ず売上はアップします。

例えば私の場合は、経営者を相手にビジネスをしているので、ジョイントベンチャーの相手は税理士などです。さらには、経営者はゴルフをしている人が多いですから、ゴルフショップなども相手になる可能性があります。

まず、自分の商品やサービスを喜んでくれるお客さんがどこにいるのかを考えてみましょう。

相手に負担をかけずに自分で準備する

「一緒にビジネスをしませんか」と依頼すると、受けてくれる会社と受けてくれない会社があるでしょう。そして、受けてくれたとしても遅々として売ってくれない場合もあります。

一緒に仕事をするうえで大切なことは、いたってシンプルです。それは、すべてのお膳立ては自分でするということです。
商品を売ってもらうための資料作りや、商品説明をするときの話し方など、すべて自分で用意します。いかに相手の会社に手間をかけさせないかが、ジョイントベンチャーを受けてくれるかどうかの重要なポイントになります。

そして、最初の取引では儲けようと思わないことが大切です。初めの取引で儲かったお金は相手に全部あげるくらいのスタンスにしましょう。つい自分の手元に1,000円でも多く残るようにしてしまいがちですが、2回、3回と商品を売ってくれたときに自分に利益が入ってくるようにすればいいのです。

【方法その4】競合他社の商品を売り込む

脱落したお客さんが新たなお金を生む

これはみなさんの抵抗が大きいと思いますが、競合他社の商品を売るという方法もあります。

商品を売り込んでも購入してもらえなかったお客さんや、以前購入してくれたものの一定期間購入していないお客さんを「脱落客」と言います。これに対して、まだ購入したことのないお客さんを「見込み客」と言います。
この脱落客に対して競合他社の商品を売って、そのキックバックをもらいましょうという方法です。

「敵に塩を送るようなものだ」と思うかもしれませんが、まったく問題ありません。
みなさんも、私の本やメールマガジンだけを読んでいるわけではないですよね。

例えば、英語を勉強している人であれば、いろいろな教材をたくさん買っているはずです。車や住宅などは別ですが、ほとんどの場合、基本的には他の商品やサービスも買っているはずなのです。

もちろん既存客に競合の商品を売るのは抵抗が強いと思います。なので、まずは競合他社の商品を売るところからはじめましょう。そうすれば、脱落してしまったお客さんからお金を得られるかもしれません。どうせ捨てるはずだった脱落客リストがお金を生む可能性があるのですから、これは試さない手はないでしょう。

そのために重要なことは、なぜ競合他社の商品を売るのか、お客さんに対して納得のいく理由が必要です。いきなり他社の商品をすすめたら不思議がられてしまうだけです。
「あなたはこういう問題でお困りですよね。私の商品では満足いかなかったかもしれませんが、この商品だったら合うかもしれません」というようにすすめれば、「お客さんのことを考えてくれる誠実な人だな」とお客さんの信頼にもつながります。

そして、もしお客さんが他社の商品を気に入らなかった場合には、また自分のところに戻ってくることもあります。一度敵に塩を送ることによって、それが自分に返ってくる可能性が高いのです。
スイッチングコスト(現在利用している商品やサービスを別のものに替える際にかかるコスト)が高い商品では難しいかもしれませんが、低い商品であればお客さんにとって切り替えは簡単です。

間接競合の商品を売る

他社の商品を売ることに抵抗があると感じる方は、このように考えてみてください。

まずは、間接競合の商品を売ることをおすすめします。

直接競合」というのは、「あなたの競合他社はどこですか?」と聞かれたときに、すぐ頭に浮かぶものです。例えば、スターバックスを経営しているとしたら、ドトールやタリーズのようなコーヒーショップが直接競合です。
間接競合」とは、「朝ごはんを食べる」など、お客さんが得られる結果が同じ商品を提供している会社をいいます。例えば、朝メニューを提供している吉野家やマクドナルドなどが間接競合となります。

直接競合の商品を売ることはかなりハードルが高いですから、どんな間接競合の商品であればすすめてもいいと思えるか考えてみてください。
「他社の商品と比べていただいたうえで、最後によかったら私のところに来てください」とお客さんに言えたら素敵ですよね。

【方法その5】過去の名刺をかき集める

名刺を資産として活用する

ほとんどの方が、過去にもらった名刺がたまっているのではないでしょうか。
こうした過去の名刺のお客さんに対して、その後商品を売ったことはありますか? 1回だけ売って終わり、という場合が意外と多いと思います。

そこで、過去の名刺を全部引っ張り出してみましょう。
従業員がいる方は、従業員が持っている名刺もすべて集めてください。営業担当者が名刺を管理している場合が多いと思いますが、彼らもおそらくその名刺のほとんどを活用できていないと思います。

過去の名刺の人たちに対して、電話をかけてアポをとったり、商品を売り込んだりしてもいいですし、彼らに対して勉強会を開催するなど、コンタクトポイントをつくるきっかけにするのもいいと思います。
過去の名刺は意外と捨ててしまいがちですが、資産として活用しない手はありません

私の会社では、過去の名刺を引っ張り出すことを一番はじめにやっています。改めて連絡すると、意外と話が決まることが多くあります。一度は関係を持ったことのある相手ですから、怪しまれるということもありません。

Facebookの友達に連絡をとってみる

過去の名刺と同様に、Facebookの友達に商品を売り込むのもいいと思います。
友達との関係性にもよりますが、現代的にビジネスを行っている方はFacebookのつながりで商品を売っている人も多いです。ただし、相手としっかり関係性が築けたうえで、相手が得になることを第一に考えなくてはダメです。

早速明日から、過去の名刺をかき集めてください。そして、1日5枚分でいいですから、関係性を復活させるための連絡をとってみてください。
たったこれだけのことですが、ここから商品が売れるということはよくあります。

【番外編】1日2時間を新規獲得に使う

やればやるだけ成果は必ず出る

最後にもうひとつ、おまけの話をしましょう。
ここまでお伝えした方法とは観点が違いますが、1日2時間を新規顧客獲得のために使ってください

結局突き詰めていくと、売上を伸ばすためにはお金をかけるか、時間をかけるかしか方法がありません。今回ご紹介した5つの方法は、比較的手間がかからないものを選びましたが、それでも多少の手間はかかります。

売上が伸びない人は何がいけないのかいうと、儲かるための活動をしていないのです。商品を納品するだけは売上にはつながりません。直接売上につながるのは、新規顧客獲得やセールスです。そのために最低でも1日2時間、お金を生み出す活動に時間を割いてほしいと思います。

この2時間をどのように使うかは、そのときの自分のステージによって変わってきます。将来的には、マネジメントや経営に費やすことになるかもしれませんが、現在の小さな会社の場合には新規獲得が一番大事です。今はそこに時間を投下してください。

たったこれだけのことですが、やればやった分だけ必ず成果も差も出てきます。もちろん初めはうまくいかず、時間がかかるかもしれません。でも時間をかけるうちに効率が上がって成果も上がる……というように、よい方向につながっていくものです。

集中力を持続して作業ができるのは、2時間が限界だと私は思っています。極端に言ってしまえば、その他はどうでもいい活動ですので、1日2時間だけは日々新規獲得に力を入れましょう。

自分の最高の資産はお金ではなく時間です。
お金は損をしても後で取り返せるかもしれませんが、時間はどうやっても取り返すことはできません。これは紛れもない事実です。ですから、時間は有効に、大切に使ってください。

売上を伸ばすためには、他にもいろいろな方法や考え方があります。
今回は、数万円もかければでき、できるだけ早く成果につながるものをご紹介しました。ぜひ明日から、早速実行していただきたいと思います。

 

(画像提供:iStock.com/zeljkosantrac)


北岡秀紀(きたおかひでき)

ひみつきちJ株式会社代表取締役/オクゴエ!主宰
利益を最大化しながら、働く時間を減らすエキスパート。


「100億円企業をひとつつくるより1億円の会社を100つくるほうが幸せな人が増える」を信条に中小企業、フリーランス、コンサルタントに特化して1000以上をコンサルティング。その成功率は93.8%を誇る。

働く相手、お客、やりたいこと、欲しいものを自分で選択できるラインである年収2,000万円、働く時間3時間をまず目指すことを推奨している。
独自の視点から本質をエグる物言いと、誰もが階段を昇るように実行可能なノウハウ・コンサルティングには定評がある。
近年では、コンサルタントのコンサルタントとして自身のノウハウを受け継ぐコンサルタントを育てるプログラムを主催。1人あたりの参加費は350万円という超高額にも関わらず、申込が殺到。参加希望者の77%以上を断っているほど。
著書に『小さくても仕組みでガンガン売れる会社のつくり方』『96%の人がやってないない 常識破りの仕事術』がある。
「モーニングバード」「いっぷく」「ビートたけしのTVタックル」「朝日新聞」などメディア出演も多数。

 


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