占い師が考える、「この世界の仕組み」と「不思議」
今、あなたがこうして私の文章を読んでくださっていることが、あなたの誕生の瞬間からすでに決まっていたとしたら。
こんにちは。赤井カラスと申します。職業は占い師です。この仕事をしながら、さまざまな人と向き合い、運気の流れ、人生の転機を見届けてきたなかで思うことがあります。
それは、「この世界、何かがおかしい」という感覚です。
例えば、意味ありげな偶然の一致が重なったり、出会うべくして出会ったような不思議な縁があったり。占いが当たるとき、それは単なる偶然や統計では説明できない、何かもっと深い構造があるように思えてなりません。
あらかじめ決められた運命が存在するのだとしたら、私たちはゲームや映画のキャラクターなのかもしれません。
目次
自由意志は幻想か?──リベット実験が示す「後づけの選択」
それを裏付けるような興味深い実験があります。1980年代、神経科学者ベンジャミン・リベットは、人間の意志決定についての実験を行いました。被験者に黒点がぐるっと一周するモニターを見てもらい、「黒点が好きな位置に来たら、指を動かしてください」と指示しました。脳波と意識のタイミングを比較したのです。




結果、被験者の脳は、被験者自身が「今だ、指を動かそう!」と意識するよりも、約0.3秒も前に“指を動かす指令を筋肉に送っている“ことがわかりました。
指を動かそうと意識するより先に、すでに体が動いていたのです。
あなたがこの記事を読もうと思ってリンクを押す0.3秒前には、すでにあなたの脳から指先の筋肉へ「この記事のリンクを押せ」という指令が送られていたということです。
「自分の意思で選んでいる」という感覚は、実はただの演出であり、私たちはすでに決められた行動を後からストーリーとして認識しているだけなのではないか。これはまさに、ゲームにおいて「プレイヤーが選んでいるようで、実はすでに設計された分岐に従っている」という構造とよく似ています。
私たちは誰かのプログラムの中にいる?──シミュレーション仮説
PlayStation4の名作ゲーム『Detroit Become Human』では、プレイヤーが選択肢を選ぶたびに、ストーリーが大きく分岐していきます。しかし、その選択肢自体は“ゲーム設計者によってあらかじめ用意されたルート”です。リベット実験が示すのも、まさに同じこと。私たちは自由に選んでいるつもりでも、実は先に“選択肢そのもの”が用意されているのかもしれません。
人間の意志は“後づけ”かもしれないのなら。そもそも「この現実」は、本当にリアルなのでしょうか?
哲学者ニック・ボストロムは「もし技術が進歩し、過去の人類の歴史や体験を再現するシミュレーションが可能になったならば、私たちが“その中”にいる確率は極めて高い」と主張しました。
彼の仮説は以下の3つから成り立っています:
① 全宇宙のすべての文明はシミュレーションを実行できるほどの技術力を持つ前に絶滅する。
② たとえ技術的に可能でも、全宇宙のすべての文明はシミュレーションに興味を持たず、実行しない。
③ 上記2つがありえないなら、私たちはすでにシミュレーションの中に存在している可能性が非常に高い。
この仮説は現在でも多くの学者たちが真面目に議論を重ねています。
ちなみに宇宙がどのくらい大きいか知っていますか?
観測できる範囲だけでも、
・宇宙の直径→約930億光年
・銀河の数→約2兆個
・1つの銀河にある恒星→約1000億個
・地球のような惑星→数千億〜数兆個
といわれています。これらを踏まえた上で、①〜③をもう一度見直してみると、この仮説が現実味を帯びてくると思います。
もしも、この世界が高度な文明、あるいは宇宙人によって設計されたシミュレーションであるなら。この世界をプログラムするためのコードブック(仕様書)があるはずです。