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結果を出すには「正しい努力」をすればいい。ビリギャル本人さやかが教える、勉強に本当に必要な要素とは?

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学年ビリから偏差値を40あげて慶應大学に現役合格した「ビリギャル」さやかさん。どうしてビリギャルがあれほどまでに頑張れたのか?モチベーションを保ち続けられたのか?そんな誰でも「ビリギャル状態」になれる方法を、7月9日新刊『私はこうして勉強にハマった』よりご紹介します。

この記事は書籍『 私はこうして勉強にハマった 』の関連コラムです。

難しすぎることはやらない

坪田先生(『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』著者でさやかさんを慶應大学合格に導いた「坪田塾」塾長)は 「正答率が6割に届くか届かないかのレベル」を常に意識して、タスクの難易度管理をしてくれてました。ラクラクと6割以上いけちゃうレベルは簡単すぎるのであんまりやっても意味がないし、逆に半分にも届かないレベルの高さだと「やっぱり自分は地頭が悪いのか・・・・・・」 というゾーンに入ってモチベーションが下がり、パフォーマンスが下がっちゃう。なので「自分の能力ではちょっとだけムズい課題」をターゲットにすること。こういう基準で目標を立てると、学校で今勉強している範囲や、周りの人たちが取り組んでいるレベルより、かなり落として勉強し直すはめになる人が続出すると思います。だってみんな勉強が順調にいかなくて困ってるんでしょう?ってことは、たぶんどっかでつまづいて、ついていけなくなってる状態なんだと思うの。だったらそこまで戻って埋めてくしかない。中学レベルの英文法すらちゃんと理解していなかった私に、慶應文学部の英文読解問題をスラスラ読めるわけがなかったのと同じように。私の当時の「小目標」も「当時の私のレベルよりちょっとムズい」課題にちゃんとなってるんだよね。「人間はなにかに取り組むとき、その課題が自分の能力に対して、簡単すぎても難しすぎてもモチベーションを保てない」。 その法則を熟知していた坪田先生は、 勉強大嫌いと思い込んでる私に「あれ?私まあまあイケるね?」とポジティブな思い込みが植えつけられるように、ちゃんと私のレベルにあったタスクから始めさせてくれた。これによって私は完全にエンジンがかかり、どんどん勉強にのめり込んでいったのです。だから約束してほしいです。「難しすぎることは絶対やらない」こと。それが勉強にハマるための鉄則です。先生の話していることがまるで理解できなかったり、テストでちっとも点数をとれなかったら、わかるところまで戻って勉強すべき。わかんなすぎることにぐずぐず向き合っていても、自分のことが嫌いになっていくだけだから。「勉強きついなあ」って悲しくなったら、それはレベルをちょっと下げるタイミングです。「できないんじゃなくて、問題がまだ難しすぎただけ」って開き直りましょう。

なかなか成果がでないときは

「こんなに勉強してるのに全然結果が出ない。なんで?」
はっきり言いましょう。そういう人は、今から言う2パターンのどちらかです。ひとつめのパターンは、勉強机に向かってテキストを開いてはいるけど、好きな人のことを考えてたり、アイス食べたいなあコンビニ行こうかなあでも面倒くさいなあ………なんて考えていて、しょっちゅう意識を別のところに飛ばしてない? それを「勉強してる時間」にカウントしないでよね?「勉強机に向かってテキストを開いている」からといって「勉強してる」ことにはならないからな?「勉強」といっていいのは、「フロー」に入ってるときだけ。前のめりになって、なにかに食らいついているときだけです。もうひとつのパターンは、勉強のやり方を間違ってる人。まず、自分の能力に合っていない(難しすぎるか、簡単すぎる) 問題を、ひたすら我慢してやっていてもだめだからね? それだと身にならないから「6割できるところ」をちゃんと見極めて。あと、「とにかく質より量だ!」とばかりに、手当たり次第に勉強するのも、おすすめしません。ものすごく時間があり余っていて、あえて遠回りしたいよ~っていう謎の人でない限り、時間は限られているのでやっぱり効率的に勉強してほしい。勉強の効率を上げるには、「目的」を忘れないことです。「そのテストで点数をとるには、なにができるようになるべきか?」「その問題を解けるようになるには、どんな能力を伸ばせばいいのか?」をよく考えながら勉強すること。例えば、「英語の長文読解で点数を上げたい」が目的なら、そこに出てくる単語を理解してないとまずい (英単語を覚えよう)。文章を理解するために、英語の構文がとれないとまずい (中学レベルの英文法を完璧にマスターしよう)。
長文を読み切るだけの集中力が続かないとまずい (精読のあと同じ長文を何度も読んで長文に慣れる練習をしよう)。こんなふうに、「なんのために、これをやる」を常に意識して勉強する (メタ認知)。「なぜやるか?」をたいして理解せず手当たり次第勉強してると、効率も悪いし理解度も下がるので、常にメタ認知を働かせながら勉強、だよ。あと、「順番」も超重要です。「よおし! 英語長文読解がんばるぞう!!」と言って、英単語も中学英文法もまだへなちょこなのに、いきなり速読の練習に入る人がいますが、階段を一段一段上っていくイメージを忘れないで。基礎を怠ると絶対にあとで伸び悩む。もしあなたの成績がなかなか上がらないのだとしたら、あなたの頭が悪いからではなく、集中して勉強できていないか、勉強の仕方が間違っているかのどちらかです。この本で正しいモチベーションの上げ方と、正しい勉強の仕方を学んで、自分の新境地を体験してください。「初めて集中して勉強できた!」「理解するってこういうことかあ!」が体験できると、どんどん勉強が楽しくなるはず。そうなったらもう、人生変わるよ。

あなたをつくる言葉を選ぶ

勉強時間以外でも、日常的に注意してほしいものを伝えます。それは、感情の生き物である私たち人間という動物に、本当に大きな影響を与えるもの。身近な人たちの「言葉」です。話してると、こちらまでやる気になってくる人っている長期的に人生を見ていて、常に未来を見てる。自分のことを信じてるから、他人のことも信じられる、そんな人。反対に、いつも目の前のことしか見えてなくて、過去のことを後悔してばかりな人もいる。できない言い訳ばかりして、物事をネガティブに捉える天才みたいな人。こういう人に、「応援して」っていうのはなかなか難しい。なぜかって、そういう人は自分自身のことも信じられてない。そういう人は、他人のことだってなかなか信じられないものです。私たちって意外と「一緒にいる人」の感情やマインドセットに影響されやすい。だから、大事な時期にいるあなたには、できればこのネガティブさんたちの影響を、可能な限り避けてほしいのです。これだけで、本当に勉強の質が落ちるから。

ビリギャルは特別じゃない

書籍・映画化をきっかけとして、数々の講演にひっぱりだこのさやかさん。そのとき参加者たちから何度も言われた言葉が「さやかさんは元々頭良かったんでしょ」「私は地頭悪いからマネできない」でした。そんな言葉をかけられるたびに、さやかさんは「違うんだよなあ、環境次第で人は変われるんだよなあ」と思っていましたが、それを言葉で証明することは難しい。そこでさやかさんはコロンビア大学院で「認知科学」を研究する中で、「なんでビリギャルがあんなにがんばれたのか?」「どうしたら再現できるのか?」という答えを見つけたそうです。
私はこうして勉強にハマった』では感情論・根性論ではなく、再現性のある科学的根拠に基づいた勉強法を、親しみやすいさやかさんの語り口調と実体験を基にわかりやすく説明しています。

この記事は書籍『 私はこうして勉強にハマった 』の関連コラムです。