「いつも完璧を求めて疲れてしまう……」「完璧主義をやめたいけれど、どうすればいいのかわからない……」と、完璧主義な自分に悩んでいませんか?
完璧主義は精度の高い丁寧な仕事ができたり、目標達成しやすかったりなどさまざまなメリットがあります。
しかし失敗を恐れて行動ができなくなったり、できていない部分を見つけてはダメ出しをしたりなどのデメリットから精神的に追い詰められるケースも少なくありません。
そこで今回は、Jam氏の著書『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』をもとに完璧主義の人によくある特徴から効果的な治し方を詳しく解説します。
完璧主義に陥る原因ややめることでのメリットにも触れていくので、日頃完璧主義な性格に苦しめられている人はぜひ参考にしてください。
目次
完璧主義の人によくある6つの特徴
完璧主義の人には、以下のような特徴があります。
- 他者評価を過度に気にする
- 失敗を恐れる
- 責任感が強い
- 頑固で理想が高い
- 優先順位を決めるのが苦手
- 常に不安を感じやすい
上記について、順に詳しく解説します。
1.他者評価を過度に気にする
完璧主義の人は、他者評価を過度に気にするという大きな特徴があります。
「こう言ったら悪く思われないかな?」「この人は私をどう思っているんだろう?」「できる人だと思われたい」など、関わっている人に対し常に神経をとがらせているのです。
自分の気持ちよりも他者からの見られ方を気にして行動するため、完璧主義の人は精神的な疲れを感じやすいといわれています。
2.失敗を恐れる
完璧主義の人は、失敗を恐れているケースが多いです。失敗は、周囲からの評価を下げることになりかねません。
完璧主義の人は他者評価を過度に気にするため、他者からの良い評価を失いたくないという気持ちから失敗を回避しようとする意識が働きます。
任されたことはミスがないか細かいところまで入念にチェックを行うため、依頼側が満足できる成果物を提出できるのが魅力です。
しかし失敗を恐れるあまり、本当にやりたいことや成長に必要な行動を起こすことに躊躇して挑戦に踏み切れないという欠点にもなり得ます。
3.責任感が強い
完璧主義の人の特徴として、責任感の強さも挙げられます。完璧主義の人は、任された仕事に対し「自分で最後までやり遂げないといけない」と思い詰めてしまうところがあります。
そのため、どんなに辛くても他者に頼らず自分で成し遂げようとする人が多いです。
その厳しさが自分にだけ向いているのなら良いですが、完璧主義の人は責任感の強さを周囲に求めてしまい軋轢を生んでしまうこともあります。
4.頑固で理想が高い
頑固で理想が高いのも、完璧主義の人によくある特徴です。自分が正しいと思うことは、他者の意見に惑わされずに貫き通します。
理想も高いですが、叶えるために必要な努力を着実に積み上げられる人です。そのため、完璧主義の人は高い目標を掲げていても叶えられる可能性が高いです。
しかし、他者から理想を叶えるための近道や効率の良い方法をアドバイスされたとしても、自分の中で納得できなければ聞き入れません。そのため、周囲から扱いづらいと思われているケースも多いようです。
5.優先順位を決めるのが苦手
完璧主義の人は、優先順位をつけるのが苦手な傾向にあります。これは、すべての物事を完璧な状態にしたいと思っているからです。
何事にも完璧を求めるために一つひとつのタスクに膨大な時間をかけてしまうため、日頃から心身への負荷がかかりやすいです。
また、質を追及するあまり納期に遅れてしまい、信頼喪失などネガティブな状況に陥ってしまうこともあります。
6.常に不安を感じやすい
完璧主義の人は、常日頃から何らかの不安を抱えているケースも多いです。
仕事でもプライベートでも、「○○の件は大丈夫かな?」「あんな言い方したけれど、傷ついていないかな?」「会議でうまく説明できるかな?」などと不安を感じてしまいます。
そのため、休日でも頭の中を空にしてゆっくり休むことが難しいでしょう。
完璧主義に陥る原因
完璧主義の人は周囲からの評価が下がることや失敗を恐れ、チャレンジになかなか踏み切れません。
完璧主義に陥っているのは、幼少期の環境や過去の失敗経験などが関係しているとされています。
ここからは、完璧主義者が抱える根本的な原因を紹介します。
幼少期の家庭環境
1つ目は、幼少期の家庭環境です。幼少期の家庭環境は、性格に大きな影響を与える要因の一つといわれています。
完璧主義になりやすい家庭環境の例としては、次のものが挙げられます。
- 目標に対する結果や成果だけを見て評価される
- 少しでもできていない部分があると叱られる
- 全然褒めてもらえない
たとえば勉強を頑張った結果、テストで95点という高得点を取れたとします。
しかし、両親に報告すると「100点じゃないと意味がない」「なんで5点落としたんだ」などと100点ではないことに対し責められたとしましょう。
このような環境で過ごしていると「完璧でなければ意味がない」と思うようになり、完璧主義に陥りやすくなります。
個々が生まれ持った性格
完璧主義は、生まれ持った性格が大きく影響しているケースも少なくありません。完璧主義になりやすい性格は、次の通りです。
- 真面目
- 負けず嫌い
- 理想が高い
- 承認欲求が強い
ただ、上記に挙げた項目がすべて該当したとしても、確実に完璧主義になるわけではありません。
真面目や負けず嫌いといった性格に加えて、家庭環境や過去の経験などほかの要素が絡み合った結果、完璧主義になることもあります。
失敗で辛い思いをした経験
過去にした失敗経験も捉え方によっては、完璧主義の原因になります。たとえば、ささいなミスで他人にバカにされたとします。
このとき二度と同じ目にあいたくないと思った場合、何をするときにもミスや落ち度がないか細かく確認する、失敗のリスクが1ミリでもある事柄に対しては行動を起こせなくなってしまうなど完璧主義の思考になっていってしまいます。
完璧主義をやめることで得られるメリット
完璧主義をやめると、以下のようなメリットが得られます。
- 他者に対して寛容になれる
- 生産性が向上する
- ストレスが軽減し心にゆとりができる
上記のメリットについて、順に詳しくみていきましょう。
他者に対して寛容になれる
完璧主義から抜け出すと、他者に対してより寛容になれるというメリットがあります。完璧主義の人は、自分だけでなく他者にも完璧を求める傾向にあります。そのため、知らず知らずのうちに周囲に大きなプレッシャーを与えているケースも少なくありません。
しかし、完璧主義から抜け出すと「完璧でなくてもいい」と思えるようになるため、自然と他者にも完璧を求めなくなります。そのため、より良い人間関係を構築しやすくなるでしょう。
生産性が向上する
完璧主義をやめるメリットには、生産性の向上も挙げられます。
なぜなら、完璧主義から抜け出すと「100点でなくても合格点以上であれば良い」と考えられるようになるからです。
努力の仕方が合格点以上を出すためのものに切り替わるため、一つひとつの作業にかける時間の大幅に減少します。これにより、より多くの物事に費せる時間ができるため、生産性向上が期待できます。
ストレスが軽減し心にゆとりができる
完璧主義をやめれば、心にゆとりを持つことができます。完璧主義の場合、任された業務は自分の手で最後までやり遂げなければならないという考えがあるため、何事も1人で抱え込んでしまいがちです。
しかし完璧主義を手放せると、必要なときに他者へ求められるようになります。
一人で抱え込むことが少なくなるため、日頃のストレスが軽減し心にゆとりのある生活を送れるようになるでしょう。
完璧主義をやめたい!変えるために効果的な6つの方法
完璧主義をやめたいと思っていても、どうすればよいかわからない人も多いでしょう。
ここからは、Jam氏の著書『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』をもとに完璧主義から脱却するための効果的な方法を紹介します。
1.そこまで注目されていないことに気づく
周囲からの評価がどうしても気になる人は、自分がそこまで注目されていないことに気づきましょう。
たとえば、仕事やプライベートで起きたことを考えて「あの時に話したことで相手は傷ついていないだろうか」「向こうで話している人は自分の悪口を言っているのではないか」と自分の中でモヤモヤしていたとします。
ここで考えてほしいのが、自分は他人のことをそんなに考えているのかということ。
他者と関わっていないときには、自分の趣味や仕事、将来のことなどに重きを置いているのではないでしょうか。
それは、他者も同じです。自分はそこまで注目されていないと気づけば、他者からの目もそこまで気にならなくなるでしょう。
2.目標を目に見える高さに設定する
完璧主義者は何事も完璧に仕上げないといけないと思っており、他人と比べる癖がある人も少なくありません。
周囲を見て「自分はまだまだだ」と思って落ち込む場合は、目標の設定値を考え直すことが大切です。
目標として掲げるものや人は、できる限り自分に近い人・ものにしましょう。目に見える高さに設定すれば、目標達成までのスピードが早くなり他者と比べて落ち込む回数が少なくなります。
さらに、小さな成功体験が積み上げられるため自信にもつながります。
3.「今」だけに集中する
過去の失敗経験を引きずりなかなか目標に向けた行動を始められない人は、今だけに集中することを意識してみてください。
過去も未来も、今の自分がどんなに考えたとしても変えることはできません。変えられるチャンスがあるのは、いつでも「今」のみです。
夢や目標に向かってできる限りのベストを積み上げることだけに意識を集中させていくと、将来に向けた行動も起こしやすくなるうえ夢や目標も達成しやすくなります。
4.自分を視点を変えて褒めまくる
完璧主義の人は、自分の出来ていない部分を見つけてはダメだしをするケースが多いです。
このときにやってみてほしいのが、別人の立場になったと仮定して自分のことを褒めまくること。例えばぼっちの絵描きであれば、独立して活躍する絵描きというようにポジティブに捉え直します。
このように視点を変えて褒める機会を増やすことで、完璧ではない自分も受け入れやすくなります。
5.自然の中に行き無心になれる時間を作る
精神的な疲れを感じたときには、自然あふれる環境に足を運んでみましょう。他人に相談することで精神的に回復するケースもありますが、他者に相談することでかえって不安が増したり疲弊したりする可能性もあります。
しかし、自然の中で何を思ったとしても返答はきません。そのうえ、自分の中に本来はないはずである不安や疲れを消し去ってくれます。
そのため、精神的な疲れを感じたときには自然の中に身を置いて無心で過ごす時間をとるのがおすすめです。
6.合格点を決めておく
完璧主義者は、無意識のうちに何事も完璧にしようと思ってしまいます。そのため完璧を求めないようにするために、先に合格点を決めておくのが大切です。
このラインまでできれば自分の頑張りを認めると決めておけば、完璧でないと意味がないという気持ちから抜け出しやすくなります。
まとめ
完璧主義から抜け出すには、次に挙げる考え方を押さえて実行するとよいです。
- そこまで注目されていないことに気づく
- 目標を目に見える高さに設定する
- 今だけに集中する
- 自分を視点を変えて褒めまくる
- 自然の中に行き無心になれる時間を作る
- 合格点を決めておく
上記に挙げた方法を一つずつ試していけば、自然と完璧主義を手放せるようになります。
Jam氏の著書『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』では、本記事で紹介した内容のほかにも完璧主義をやめたい人に役立つ情報が多数掲載されています。
「完璧主義をやめたいけれど、どうしたらよいかわからない」と悩んでいる人は、ぜひ本書を手に取り完璧主義からの脱却に必要な考え方を日常生活に取り入れてみましょう。